ホームページのリニューアルは全部、いや新規制作もその企業や団体がこれまで「描いてきた」事業内容や社歴をベースに作るという意味では当てはまるかもしれません。
ホームページ制作においても「すべて」をデザインする、ということだけでなくロゴマークやコーポレートカラーなど、企業のCI(コーポレート・アイデンティティ)は別のデザイナーが仕上げたもの、というケースがほとんどです。
今日は、この引き継ぎ方を誤ってしまうと、成果物がいくら魅力的に仕上がっていても意味がないよね、という話。。
対応がわるいホームページ制作会社の制作物を引き継ぐ場合
今まで何度か他のホームページ制作会社が途中まで制作した案件を引き継がせていただいたことがあります。
この場合に見誤ってしまうと大変なことになるのは「引き継ぐべきかどうか」の判断です。
今まで1年かけて作成してきた、というものでも内容が希薄であったり、根本的なコードの記述がおかしかったり、チェックと修正にかかる時間と費用が、クライアントの要望に合うかを判断する必要があります。
判断を誤ればクライアントに迷惑をかけるのはもちろん安いご予算で請けてしまうとスタッフに怒られ…いや、他のクライアントにも迷惑をかけてしまう事態になりかねません。
いっそ、イチから作り直したほうがよい!という結論も「引き継ぎ」の一つと捉えながら慎重に検討するようにしています。
クライアント自身がまとめあげたデザインや文章を引き継ぐ場合
素晴らしいデザインセンスや文章構成力をお持ちのクライアントとのお仕事の経験もあります。
イラストを自ら描くクライアントの場合にも、そのテイストに合わせてホームページ制作に導入していく、ということも「引き継ぐ」というケースですね。
クライアント自らの制作物には「嗜好」であったり、「事業の方向性」であったり、一番執着している「価値観」が垣間見えることがあります。
表面的な引き継ぐべき成果物だけでなく、その意志をクライアントに確かめながら、ホームページなどこちらが担当するデザインや成果物へと引き継いでいく必要があります。
もちろんクライアントが「ホームページ制作のプロフェッショナル」というわけではありませんから、その点を補いつつ、というのが前提とはなりますが。。
他のデザイナーが仕上げたロゴマークやイラストを引き継ぐ場合
起業するにあたってすべてのデザイン、印刷物、WEBまでお請けする、ということはほぼありませんので、大抵の案件はそのクライアントのロゴマークであったり、名刺のデザインだったり「すでにデザインされた何か」が存在しています。
会社案内のパンフレットであったり、既存のホームページが存在するリニューアルなどの場合も「そのときそのデザインで承認されて公開されている状態が続いている」わけですから、新たにご依頼をいただいた際にはこれらの意図を引き継ぐ必要があります。
ロゴマークにかけられた想いであったり、企業キャラクターやイラストといったデザインもその意図を見極める必要があるように感じています。
まとめ:引き継ぐべきデザイン等を丁寧に観察すること
存在する企業または団体のホームページを制作するのであれば、何かしらの「引き継ぎ」は存在します。
だからこそそれらの意図や関わってきた方々を尊重し、丁寧に観察することで意図を感じ取ったり、それぞれの存在意義や関連性や共通項を見出す作業は、手を動かして新たなデザインを生み出す前のとても大事な時間、と考えています。
お問い合わせをいただいた際から、初めてのヒアリング、初回のご提案と「デザインを引き継ぐ」という受け身の姿勢を保ちながら進めるよう努めています。
ちょっとここ数日「デザインを引き継ぐこと」の難しさを感じる機会が重なったので、自戒の念をこめてまとめてみました。
さてさて今日も打ち合わせが4件…頑張っていきましょう!