「最近、X(旧Twitter)ってビジネスで使えるんですか?」「ウチもそろそろ始めた方がいいでしょうか?」
このようなご相談を、中小企業の経営者やWeb担当者の方からいただく機会が増えてきました。
確かに、Xはトレンドや情報収集に強く、拡散力や検索性に優れたSNSです。一方で、投稿に即時性が求められたり、発信スタイルに“クセ”があったりと、向き不向きがはっきり分かれるツールでもあります。
特にBtoB(企業間取引)型のビジネスを展開している中小企業にとって、Xは本当に「集客」につながるのでしょうか?
この記事では、Xを運用する目的や適性、成果につなげるための考え方を解説しつつ、他のSNSとの使い分けや、Webサイトとの連動のポイントまでご紹介します。
「そもそもSNSに力を入れるべきなのか」「Xをやるとしたら何を発信すべきか」と悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。
BtoBでもXが“効く”ケースとは?
「XはBtoC向け」「BtoBには向かない」と思われがちですが、使い方と業種次第では、BtoB企業にとっても効果的なSNSツールとなります。
以下に該当する企業は、Xをうまく活用することで「認知」「信頼」「検索流入」といった効果が期待できます。
1. 業界内にニッチで濃いターゲット層がいる
例:特殊な加工技術を持つ製造業、建設・設備業、業界特化のITサービスなど
このような業種では、一般には知られていなくても、業界内での認知やキーワード検索に強くなれるのがXの特徴です。
2. 展示会・セミナー・現場レポートなど「動き」のある情報がある
リアルイベントや作業現場の写真、現地レポートなど、タイムリーな情報と相性がよいのがXの特長。投稿が記事やリリースほど重くないので、少しの工夫で発信に慣れていけます。
3. 顧客よりも“業界関係者”や“紹介経路”とのつながりを意識している
Xは情報収集ツールとして使っている人も多く、ターゲットは顧客だけとは限りません。協力会社や同業者、業界メディアに見つけてもらうための露出の場として有効です。
4. 経営者や担当者に“発信する文化”がある
社長や営業、採用担当など、個人が企業の顔として発信できる業種・社風であれば、Xは非常にフィットします。実際に「社長アカウント」で信頼を得ている中小企業も多く存在します。
このような条件に当てはまるなら、「うちもXやってみた方がいいかも?」と前向きに検討してもよいかもしれません。
BtoB中小企業がXでやってしまいがちなNG運用
Xは気軽に始められる分、なんとなく運用を始めて失敗するケースも多く見られます。特にBtoB中小企業にありがちなNGパターンを把握しておくことで、「やっても意味がなかった」とならない運用につながります。
1. 「採用」と「集客」が混在している
「社内の雰囲気も伝えたいし、商品も紹介したい」という気持ちは分かりますが、発信の軸がブレると、誰にも響かないアカウントになってしまいます。
採用目的なら採用専用アカウント、集客目的なら顧客目線の情報設計が必要です。
2. 商品・サービス紹介だけの“業務連絡型”アカウント
「新製品をリリースしました」「展示会に出展します」——発信が一方通行で、読み手のメリットが感じられない投稿だけになっていませんか?
Xでは“人間味”や“リアルな声”が求められます。
3. 開設だけして投稿が止まっている
「始めたけど、続かなかった」「誰も見ていないからやめた」
Xに限らず、“更新されていないSNS”はかえって企業イメージを損なう可能性があります。
「続けられる仕組み」こそ、SNS活用の成功要因です。
4. 何のためにやっているか、社内でも不明
「社長にやれと言われた」「周りがやっているから」など、目的のない運用はすぐに行き詰まります。
投稿の成果指標(インプレッション数/プロフィールクリック/サイト流入など)を、最初に共有しておくことが重要です。
Xは「簡単に始められるSNS」ですが、ビジネス活用するには“設計”が必要不可欠です。次の章では、成果につなげるための運用ポイントをご紹介します。
X運用で成果につなげるためのポイント
X(旧Twitter)をBtoB企業が「集客」に活用するには、“バズ”よりも“信頼と関係性”を積み重ねる運用が大切です。
単に投稿するだけでは成果につながりません。以下のポイントを意識して、戦略的に活用していきましょう。
1. 投稿ネタは「現場」から拾う
中小企業のX運用では、「ありきたりな商品紹介」よりも、現場のリアルな様子・スタッフの声・よくある質問への回答が効果的。
- 施工や作業の様子(写真+簡単な説明)
- 社内のちょっとした出来事や裏話
- お客様からよく聞かれる質問と回答
人や空気感が伝わる投稿は、それだけで信頼のきっかけになります。
2. 投稿文に“人の言葉”を意識する
商品説明書のような文体では、Xでは見向きされません。
口語で、「誰かが話している」ようなトーンにすることで、共感や拡散が生まれやすくなります。
3. フォロワー数より「検索」「プロフィール閲覧」を重視
BtoB企業にとっては、数万人のフォロワーよりも、検索で見つけられて、信頼されるアカウントであることが重要です。
プロフィール文や固定ツイートで「何をしている会社か」が明確に伝わるよう整えておきましょう。
4. Webサイトとの連動を意識する
Xの投稿から、Webサイトのサービスページや事例紹介に誘導することで、具体的な問い合わせにつながります。
「気になったらこちらをご覧ください」など、スムーズな導線設計がカギになります。
Xは「発信すればすぐ反応が出る」タイプのSNSではありません。
だからこそ、“地道な情報提供の積み重ね”が、信頼と成果につながっていきます。
他SNSとの違いと使い分けの考え方
「SNSを使って情報発信したい」と考えたとき、Instagram、YouTube、Facebook、TikTok、X…と選択肢は多岐にわたります。
しかし、中小企業にとっては“全部やる”のは現実的ではありません。だからこそ、目的に応じたSNSの使い分けが重要です。
X(旧Twitter)|検索性とタイムリーな情報発信に強い
- 速報性の高い情報(展示会、現場の様子、業界ニュースなど)
- 顧客よりも業界関係者やメディアとの接点づくりに向いている
- リンク共有やWeb導線づくりに効果的
Instagram|ビジュアル訴求・採用広報に強い
- 施工実績や製品写真、社内の雰囲気など“見た目重視”の投稿に適している
- 採用活動やブランディングに効果を発揮
- BtoC寄りの事業に特におすすめ
YouTube|信頼の構築とSEO効果に強い
- 導入事例・製品紹介・使い方解説などの“動画コンテンツ”が資産になる
- 検索で見つけられやすく、Webサイトと連動しやすい
- 更新に手間がかかるため、コンテンツ制作体制が必要
選ぶ基準は「ターゲット」と「社内体制」
どのSNSが良いかは、「誰に、何を伝えたいか」「どれだけ運用できるか」によって決まります。
たとえば…
- 業界認知を高めたい → X
- 社内の雰囲気を伝えて採用につなげたい → Instagram
- 製品やサービスの導入イメージを具体的に見せたい → YouTube
“自社にとって意味のある情報発信”をどこで、どうするかがSNS選定のカギです。
Webサイトと連動したX運用設計も対応します
「SNSを活用したいけど、何を発信すればいいか分からない」「Xを始めたものの、成果が見えない」——そんな中小企業の声に応えるために、アトラボではWebサイトとSNSを連携させた“戦略的な情報発信設計”を行っています。
Webサイトの更新ネタをXに活用
ブログ記事やお知らせページを更新した際に、Xで見出しやポイントを短く投稿+リンクで誘導。コンテンツ制作を二重に行う必要がなく、運用負荷を最小限にしながら集客動線をつくれます。
“人の言葉”で伝える原稿サポートも可能
テンプレート的な情報ではなく、企業の「声」を伝える投稿ができるよう、X向けの投稿文作成や編集もサポート。担当者のトーンに合わせて、無理のない運用をご提案します。
分析と改善までワンストップ
「投稿して終わり」ではなく、インプレッション数・プロフィールクリック・サイト流入などの反応を踏まえ、Webサイト側の改善提案もセットで行います。
ホームページ制作会社だからこそできる、“成果に向けたSNS活用”に取り組みませんか?

まとめ
X(旧Twitter)は、BtoB中小企業にとっても、正しく設計すれば集客や認知拡大につながる可能性を持ったツールです。
ただし、「なんとなく始める」「周囲に言われたから」という理由で運用しても、成果にはつながりません。
“誰に、何を、どう届けるか”を戦略的に考え、Webサイトや他のメディアと連携することが不可欠です。
特に、
- 情報発信に苦手意識がある
- 担当者が兼任で時間がない
- 投稿が会社の印象に直結するのが不安
といった中小企業こそ、「どこまでやるか」「どう始めるか」を一緒に考えるパートナーが必要です。
アトラボでは、“Webで成果を出す”ためのSNS活用を、サイト設計とセットでご提案しています。
気軽に始められるXだからこそ、目的に合った活用設計から始めてみませんか?

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