製造業にとって、ホームページは単なる会社案内にとどまらず、立派な営業ツールです。特に「製品案内ページ」は、顧客に自社の強みや対応領域を伝える重要な役割を担っています。
日本を代表するような精密機器メーカーの製品ページを見れば、その緻密な分類設計や視認性の高いUIが「ユーザー視点」に立脚していることがわかります。カテゴリ分け、フィルター機能、スペック比較など、一目で「探しやすい」「違いがわかる」構成が徹底されており、商談前の情報収集段階でも高い信頼を得ています。
一方で、地方の中小製造業では「カタログの情報をそのまま載せただけ」のような製品紹介ページも少なくありません。それではせっかくのホームページも、問い合わせや商談につながりにくいのが実情です。
本記事では、製造業が自社製品を魅力的かつ分かりやすく伝え、見込み顧客の心をつかむために押さえておきたい「製品ページ設計の5つの鉄則」をご紹介します。自社サイトを「営業力のあるホームページ」に進化させる第一歩として、ぜひご覧ください。
製品を“探しやすく”する情報分類の工夫
製品ページの基本は「訪問者が目的の製品を迷わず見つけられること」です。検索エンジンから直接アクセスされることも多いとはいえ、サイト内での回遊性や比較検討のしやすさは、営業的な成果に直結します。
製品分類の切り口としては、以下のような多軸設計が有効です。
- 製品カテゴリ別:センサー、制御装置、モジュールなど大分類での絞り込み
- 用途・シーン別:物流、医療、食品、環境など導入場面に応じた分類
- 技術特性別:出力精度や測定範囲など機能軸での比較
- 型番・仕様からの検索:カタログ的な検索ニーズにも対応
このように分類の観点を複数持たせることで、閲覧者の目的に応じたナビゲーションが可能になります。とくに「専門用語に詳しくないユーザー」にも配慮した表現や導線があると、親切でわかりやすい印象につながります。
また、一覧性を高めるためには、カテゴリごとの製品件数表示や、パンくずリスト、フィルター機能なども有効です。「導入を検討しているが、どの製品が適しているかわからない」といった潜在層にもリーチできるようにしましょう。
“スペックだけ”で終わらせない製品説明文
製品ページでは、サイズや重量、出力範囲といったスペック情報は確かに必要です。しかし、それだけでは「製品の価値」は十分に伝わりません。ユーザーが本当に知りたいのは、「この製品が自社の課題をどう解決してくれるのか」という点です。
たとえば、「高速読み取り可能なセンサーモジュール」といった製品であれば、「従来の検査ラインで発生していた読み取りエラーを、スムーズに解消」といった具体的なユースケースを添えると、ぐっと説得力が増します。
説明文には、以下のような構成が効果的です:
- どのような課題に向いている製品か(例:「◯◯業界で多い××のトラブルを解決」)
- 導入することで得られるメリット(例:「◯%の作業時間短縮」「トラブルによる停止ゼロへ」)
- 実績や事例に基づいた活用シーン(例:「某社では◯◯工程に導入済」)
スペックは比較材料、説明文は「購入の決め手」になるパートです。特にWebでの営業では、対面でのフォローがない分、製品自体が語る力を持たなければなりません。
画像・図解・動画を駆使して「視覚で伝える」
製品の魅力を最大限に伝えるには、テキストだけでなく視覚的な情報が欠かせません。とくに、製造業の製品は構造が複雑で、専門用語も多く、初見のユーザーにとっては理解が難しいことがあります。そこで有効なのが、「画像」「図解」「動画」といったビジュアルコンテンツの活用です。
たとえば、
- 高解像度の製品写真:接続端子やサイズ感などを確認しやすく、導入イメージを持ってもらいやすい
- 構造や仕組みを示す図解:内部構造、動作の流れ、設置方法などを視覚で説明
- 短尺の解説動画:製品の動作や特徴を30秒〜1分程度で紹介すると、理解が一気に深まる
ユーザーは「自社に合うかどうか」を数秒で判断しようとしています。その瞬間に視覚から得られる情報が多いほど、理解と納得が進みやすくなります。動画はYouTubeなど外部サービスを活用して埋め込むこともでき、サイトの読み込み速度にも配慮できます。
また、図解やアイコンなどのビジュアル表現は、読み飛ばしやすいWeb上で「目に留まるポイント」として効果的。製品ごとに適した表現方法を考え、文字と視覚をバランスよく組み合わせることが、営業に強いページ作りの鍵となります。
「問い合わせしたくなる」導線を設ける
どれほど優れた製品ページでも、「次にどうすればいいか」が明確でなければ、見込み客のアクションにはつながりません。製造業のサイトではとくに「問い合わせへの導線設計」が重要です。
製品情報を丁寧に読んでくれたユーザーの心理は、「これ、ウチでも使えるかな?」「仕様の相談がしたい」「見積りをもらえるかな?」といった“次のステップ”を考え始めている状態です。そこに、すぐに行動できるボタンやリンクがあれば、スムーズなコンバージョンにつながります。
- 製品ごとの「お問い合わせはこちら」ボタンの設置
- 資料ダウンロードやカタログ請求といったハードルの低いCTA(Call to Action)の併設
- FAQや導入事例ページへの誘導など、ユーザーの不安を解消する情報へのリンク設置
また、問い合わせフォームはできるだけ簡潔に。必須項目が多すぎると離脱されやすくなるため、最初の接点では「会社名・氏名・メールアドレス・相談内容」程度にとどめ、詳細な情報はやり取りの中で得ていくスタンスが望ましいです。
導線設計は、Webサイトを営業ツールとするうえでの“ラストピース”です。「ユーザーが今、何をしたいのか」を想像しながら、ページ全体にわたって自然な流れをつくることが重要です。
更新性・拡張性を考慮した設計で“育てる”ページに
製品ページは「作って終わり」ではなく、運用しながら成長させていくものです。製造業においては、新製品のリリース、型番変更、オプション追加、販売終了など、製品情報は常に変化しています。こうした変化に対応するには、社内でも情報を簡単に更新・追加できる仕組みが必要です。
特にWordPressなどCMSを活用している場合は、「製品ごとの投稿」「カテゴリ分け」「検索機能」などを活かし、製品情報を資産として蓄積・管理しやすく設計することが重要です。また、将来的に「仕様書PDFの掲載」や「導入事例との連携」、「タグによる分類」などを見据えた拡張性ある設計が、Webサイトの営業力を長く支える基盤となります。
さらに、更新性と拡張性を意識した設計は、Googleなどの検索エンジン対策(SEO)にも有利です。製品に関する情報が定期的に追加・更新されることで、検索結果に反映されやすくなり、結果的に集客力の強化にもつながります。
製品ページは、立ち上げ当初が完成形ではありません。情報を更新し続けることで、ユーザーのニーズに応え続ける“育てるページ”として機能させることが、強い営業サイトへの第一歩です。
アトラボができること:製品案内ページの設計からCMS導入まで
アトラボでは、製造業のコーポレートサイトや製品案内ページの設計・構築に多数の実績があります。単にページを作るだけでなく、営業ツールとして活用できる「製品情報の見せ方」や「探しやすさ」を重視し、ユーザーと営業担当の両方にとって使いやすいWeb構成をご提案しています。
WordPressなどのCMSを活用することで、クライアント自身が簡単に製品情報を更新・追加できる環境を整備。操作マニュアルの提供や更新作業のレクチャーなど、運用体制づくりまでサポートいたします。
また、将来的に「導入事例の掲載」や「カタログPDFの自動生成」「多言語対応」など、拡張性を意識した設計で、継続的なサイト成長とビジネス拡大を支援します。業種や製品の特性をしっかりヒアリングしたうえで、御社に合った製品案内ページの形を一緒に考えてまいります。
製品情報をただ「並べる」のではなく、選ばれるための情報設計を。アトラボは、貴社の営業活動をWebで後押しする、心強いパートナーになります。
まとめ:製品ページは“営業の顔”としての設計を
製品案内ページは、単なるカタログの延長ではありません。ユーザーにとっては「自分に合う製品があるか」を見極める場であり、企業にとっては「信頼を得て問い合わせにつなげる」営業の第一接点です。
だからこそ、情報の分類・構成・見せ方には明確な意図を持ち、スペックだけに頼らず、視覚と文章の両面で価値を伝える設計が求められます。また、CMSによる柔軟な更新体制を整えることで、常に最新情報を届けることができる「育てるページ」にもなります。
「どこから手をつければいいかわからない」「今の製品ページでは問い合わせが来ない」といったお悩みをお持ちなら、ぜひ一度アトラボへご相談ください。御社の強みを、確実に伝わるカタチに変えていきます。

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