採用コストを削減するには?人材紹介に頼りすぎない中小企業の採用戦略

「求人広告を出しても、なかなか応募が来ない」「人材紹介会社を利用して、ようやく必要な人材を確保できた」。そんな採用活動を続けている中小企業も多いのではないでしょうか。

特に医療・介護、建設、製造業など、専門的な知識や技術を持つ人材が必要な業界では、人材の確保が経営上の重要な課題になっています。求人媒体への掲載だけでなく、人材紹介会社やスカウトサービスなど、複数の採用手段を活用している企業もあるでしょう。

もちろん、必要な人材を採用できることは大切です。しかし、ここで一度考えてみたいのが、「1人採用するために、いったいいくらの費用を使っているのか」ということです。

例えば、人材紹介会社を通じて1人採用するたびに100万円の紹介手数料が発生すると仮定します。年間5人なら500万円、同じペースで5年間採用すれば2,500万円。採用が必要な限り、こうした費用が毎年発生することになります。

社員数50〜100名程度の企業であれば、今後も退職者の補充や事業拡大に伴う採用が必要になるでしょう。そう考えると、採用コストは単年度の経費としてだけでなく、中長期的な経営課題として捉える必要があります。

毎年発生する採用費用の一部を、「自社で応募を集める力」を育てるために使うことはできないでしょうか。

人材紹介会社や求人媒体を利用することが悪いわけではありません。急いで人材を確保したい場合や、専門性の高い職種を採用する場合には、外部サービスが大きな力になります。一方で、継続的な採用が必要な企業なら、自社の採用体制や採用広報を強化し、直接応募を増やしていくことも重要な選択肢です。

今回は、採用コストの基本的な考え方を整理しながら、人材紹介サービスに頼りすぎず、採用チームの強化や採用サイト、SNSなどを活用して、中長期的に採用コストを抑えていくための戦略について考えてみたいと思います。

まずは「1人あたりの採用コスト」を把握しよう

採用コストを削減するためには、まず現状を正しく把握することが大切です。求人広告や人材紹介会社への支払いは確認していても、「結局、1人採用するためにいくらかかったのか」までは計算していない企業もあるのではないでしょうか。

採用コストを考える際によく使われるのが、「採用単価」という指標です。これは、一定期間の採用活動にかかった費用を、実際に採用できた人数で割ったものです。

採用単価(1人あたりの採用コスト)=採用活動にかかった費用の総額 ÷ 採用人数

例えば、年間の採用活動に600万円を使い、6名を採用できた場合、1人あたりの採用コストは100万円となります。

採用コストには「外部コスト」と「内部コスト」がある

ここで注意したいのが、採用活動にかかる費用は、外部のサービス会社へ支払う金額だけではないということです。採用コストは、大きく次の2つに分けて考えられます。

  • 外部コスト:求人広告の掲載費、人材紹介会社への手数料、スカウトサービスの利用料、採用サイトの制作・運用費、採用イベントへの出展費など
  • 内部コスト:人事担当者の人件費、面接に参加する管理職や現場社員の稼働時間、会社説明会の準備や応募者対応にかかる人件費など

例えば、ハローワークを利用すれば求人掲載そのものに費用はかかりません。しかし、求人票の作成や応募者対応、面接などには社内の人員と時間が必要です。自社採用サイトからの応募についても、サイトの制作費や運用費、人事担当者の作業時間がかかっています。

「外部への支払いが少ない=採用コストが安い」とは限りません。採用活動に使っている社内の時間まで含めて考えることが重要です。

採用人数だけでなく「定着」も確認しよう

もう一つ確認しておきたいのが、採用した人材の定着状況です。仮に採用単価を低く抑えられても、入社後すぐに退職する人が多ければ、再び採用活動を行う必要があります。

また、新卒採用と中途採用、専門職と一般職では、採用の難しさや必要な費用も異なります。会社全体の平均だけで判断せず、できれば職種や採用経路ごとに費用と採用人数を整理してみましょう。

まずは過去1年間の採用実績を振り返り、「どの採用手段に、いくら使い、何人採用できたのか」を一覧にしてみることをおすすめします。採用コストの見える化が、無理のないコスト削減と、自社に合った採用戦略を考える第一歩になります。

人材紹介やスカウトサービスは、本当に高いのか?

採用コストを見直そうとすると、真っ先に気になるのが人材紹介会社やスカウトサービスの利用料ではないでしょうか。特に人材紹介会社の場合、採用が決まった際にまとまった紹介手数料が発生することも多く、経営者にとっては決して小さな負担ではありません。

しかし、人材紹介会社やスカウトサービスを「費用が高いから」という理由だけで評価するのは、少し早いかもしれません。大切なのは、その費用に見合った採用成果が得られているかどうかです。

人材紹介会社には、採用活動の負担を減らすメリットがある

人材紹介会社の大きなメリットは、企業が求める条件に合った人材を探し、候補者の紹介や面接日程の調整などを支援してくれることです。採用担当者が限られている中小企業にとっては、候補者を探す時間や応募者対応の負担を軽減できる点も魅力でしょう。

特に、医療・介護分野の有資格者や、建設業の施工管理技士、製造業の専門技術者など、採用できる人材が限られている職種では、専門的なネットワークを持つ人材紹介会社が有効な場合があります。

また、スカウトサービスも、求人広告を掲載して応募を待つだけでは出会いにくい人材へ、企業側から働きかけられることが特徴です。転職を積極的に考えていない人にも、自社を知ってもらうきっかけをつくれます。

つまり、外部の採用サービスは単に人材を紹介してもらうだけでなく、採用担当者の時間を節約し、採用できる可能性を広げるためのサービスでもあるのです。

一方で、採用人数が増えるほど費用も積み重なる

ただし、人材紹介会社を継続的に利用する場合、採用人数に応じて費用が増えることには注意が必要です。

例えば、1人あたりの紹介手数料を100万円と仮定すると、年間5人の採用で500万円、年間10人なら1,000万円になります。実際の手数料は職種や年収、契約条件によって異なりますが、継続的に人材を採用する企業にとっては、毎年まとまった予算が必要になることが分かります。

さらに、採用活動を人材紹介会社に大きく依存していると、自社で応募者を集めるためのノウハウや、求職者との接点を増やす取り組みが育ちにくくなる可能性もあります。

問題なのは人材紹介会社の利用料そのものではなく、採用活動を続ける限り、外部サービスに頼り続けなければならない状態になっていないかということです。

採用する職種や緊急度によって、手段を使い分けよう

例えば、急な退職によって欠員が生じた場合や、特定の資格・経験を持つ人材を早急に確保したい場合には、人材紹介会社を活用する価値が十分にあります。

一方で、毎年一定数の採用を予定している若手社員や、未経験から育成できる職種については、自社採用サイトやハローワーク、学校との連携などを通じて、直接応募を増やす方法も検討できるでしょう。

もちろん、直接応募を増やすためにも時間や費用はかかります。しかし、継続的な情報発信や採用体制の整備によって、将来の採用活動にも活用できる仕組みを残せることが大きな違いです。

「急いで採用したい人材」と「時間をかけて採用・育成できる人材」を分け、それぞれに適した採用手段を選ぶ。その考え方が、採用の質を維持しながらコストを見直すための重要なポイントになります。

毎年採用するなら「5年間の採用費用」で考えてみよう

採用活動の予算を考えるとき、多くの企業では「今年は何人採用する予定だから、採用費用はいくら必要だろうか」という単年度の計画を立てているのではないでしょうか。

もちろん、年度ごとに必要な採用人数と予算を決めることは大切です。しかし、社員数50〜100名程度の企業で、毎年一定数の退職者が発生したり、事業拡大に伴って人員を増やしたりする必要があるなら、もう少し長い期間で採用費用を考えてみることをおすすめします。

例えば、人材紹介会社を中心に年間5名を採用し、1人あたりの紹介手数料が100万円かかっている企業を想定してみましょう。

  • 1年間の紹介手数料:500万円
  • 3年間の紹介手数料:1,500万円
  • 5年間の紹介手数料:2,500万円

これは紹介手数料が変わらず、毎年同じ人数を採用した場合の単純計算です。実際には求人媒体の利用料や社内の人件費なども発生するため、採用活動全体の費用はさらに大きくなる可能性があります。

ここで考えたいのは、5年間で2,500万円を支払うことが高いか安いか、ということだけではありません。その5年間で、自社の採用活動に何が残るのかという視点です。

採用費用の一部を「自社採用力」への投資に振り向ける

仮に、毎年500万円を人材紹介会社に支払っている企業が、その一部を自社の採用体制づくりに振り向けたらどうなるでしょうか。

例えば、採用担当者が継続的に活動できる時間を確保する、現場社員を採用チームに参加させる、採用サイトの情報を充実させる、社員インタビューや仕事紹介動画を制作する、といった取り組みが考えられます。

こうした取り組みには当然、費用も時間も必要です。採用サイトをリニューアルした翌月から応募が急増するとは限りませんし、SNSを始めたからといって、すぐに採用が決まるわけでもありません。

しかし、採用サイトに蓄積した仕事内容や社員紹介のコンテンツ、学校や地域とのつながり、採用チームが積み重ねた経験は、翌年以降の採用活動にも活用できます。

毎年の採用費用を、その年の採用だけで使い切るのではなく、翌年以降の採用を支える「自社の資産」に変えていくことが、中長期的な採用コスト削減の考え方です。

最初から外部サービスの予算を削る必要はない

ただし、採用コストを抑えたいからといって、いきなり人材紹介会社の利用をやめたり、求人広告の予算を大幅に削ったりすることはおすすめできません。必要な人材を確保できなければ、現場の負担が増え、事業そのものに影響が出てしまうからです。

まずは現在の採用手段を維持しながら、自社採用の取り組みを少しずつ増やしていく方法が現実的でしょう。そして、直接応募の件数や採用人数、入社後の定着状況などを確認しながら、外部サービスとの予算配分を見直していきます。

例えば、これまで年間5名すべてを人材紹介会社経由で採用していた企業が、数年後には2名を自社への直接応募から採用できるようになれば、紹介手数料の支払いを抑えられる可能性があります。ただし、そのために増えた社内人件費や広報費も含めて、全体の採用コストを比較することが大切です。

「今年の採用費用をいくら減らせるか」だけでなく、「5年後に、どのくらい自社の力で採用できる会社になっていたいか」。その目標から逆算して採用予算を考えることが、継続的に人材を確保する企業にとって重要な経営戦略になるのではないでしょうか。

採用コスト削減の第一歩は「人事チーム」の強化

採用コストを削減しようと考えたとき、求人広告の掲載先を見直したり、採用サイトをリニューアルしたりすることから始める企業も多いのではないでしょうか。しかし、継続的に自社への応募を増やしていくためには、その前に考えておきたいことがあります。それが、採用活動を担う社内体制の強化です。

社員数50〜100名程度の企業では、人事担当者が採用活動だけでなく、勤怠管理や給与計算、社員の入退社手続き、労務管理などを兼任しているケースも珍しくありません。日々の業務に追われる中で、採用サイトの更新やSNSでの情報発信、学校への訪問など、新しい取り組みを継続することは簡単ではないでしょう。

そこで考えたいのが、採用活動を人事担当者だけに任せず、経営者や現場の社員も参加する「採用チーム」をつくることです。

採用活動を「人事担当者だけの仕事」にしない

採用活動には、求人票の作成や応募者対応、面接の日程調整といった事務的な業務だけでなく、自社の魅力を整理し、求職者へ伝える仕事もあります。

例えば、会社の将来像や求める人物像を考えるのは経営者や経営幹部の役割です。一方で、実際の仕事内容や職場の雰囲気を伝えるには、現場で働く社員の協力が欠かせません。そして、人事担当者には、それらの情報を整理し、採用活動全体を管理する役割があります。

それぞれが得意な分野を担当することで、人事担当者一人では難しかった採用広報にも取り組みやすくなります。

  • 経営者・経営幹部:採用方針の決定、必要な人材像の明確化、採用活動への予算配分
  • 人事担当者:採用計画の管理、応募者対応、採用サイトや求人媒体の運用、採用成果の分析
  • 現場の管理職:必要なスキルや仕事内容の整理、面接への参加、入社後の育成体制の検討
  • 若手・中堅社員:仕事や職場の魅力の発信、社員インタビューへの協力、会社説明会や職場見学への参加

採用活動を「人事担当者が応募者を集める仕事」から、「会社全体で必要な人材を迎えるための活動」へ変えていくことが、自社採用力を高める第一歩です。

新しい担当者を採用する前に、社内の役割分担を見直そう

もちろん、採用チームを強化するために、必ずしも新しい人事担当者を雇用する必要はありません。まずは既存の社員の中から、採用活動に協力できるメンバーを選び、役割を分担する方法も考えられます。

例えば、月に一度の採用ミーティングを設けて、応募状況や求職者からの質問、採用サイトで発信したい情報などを共有するだけでも、これまで人事担当者だけが抱えていた課題を社内で共有できるようになります。

ただし、採用活動への参加を通常業務に上乗せするだけでは、社員の負担が増えてしまいます。採用チームとして活動する時間を業務の一部として確保し、必要に応じて担当業務を調整することも大切です。

採用コストを減らすために、社内の人件費や業務負担を無視してはいけません。大切なのは、限られた人員と時間を有効に活用し、継続できる採用体制をつくることです。

採用サイトやSNSなどの情報発信も、それを支える社内体制があってこそ効果を発揮します。まずは「誰が、どのような役割で採用活動に関わるのか」を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。

採用チームには「理想的な若手社員」を参加させよう

自社の採用活動を強化するうえで、ぜひ検討していただきたいのが、現場で活躍している若手社員を採用チームに参加させることです。

採用活動というと、経営者や人事担当者、各部署の管理職が中心となって進めるイメージがあるかもしれません。しかし、新卒採用や20代の若手人材の採用を強化したいのであれば、求職者に年齢が近い社員の意見を取り入れることには大きな意味があります。

例えば、50代の経営者と20代の求職者では、会社選びで気になることや、魅力を感じるポイントが異なる場合があります。経営者が「創業50年の歴史と安定した経営基盤」を強調したいと考えていても、若い求職者は「入社後にどんな仕事を任せてもらえるのか」「先輩に質問しやすい職場なのか」といった、より身近な情報を求めているかもしれません。

もちろん、若手社員なら誰でもよいというわけではありません。採用活動に参加してもらうなら、できれば「これから入社してほしい人物像」に近い社員を選びたいところです。

「こんな社員に入社してほしい」と思える人を選ぶ

例えば、仕事に前向きに取り組み、周囲の社員とも良好な関係を築きながら成長している若手社員がいるとします。その社員が、なぜ自社を選んだのか、入社後にどんな経験をしたのか、今どんな目標を持って働いているのかを聞いてみましょう。

そこには、採用サイトの募集要項や会社案内だけでは伝えられない、具体的な魅力が隠れているはずです。

また、若手社員自身が「就職活動中、こんな情報が欲しかった」「入社前はこの仕事に不安があった」「実際に働いてみると、ここが想像と違った」といった意見を持っていることもあります。

こうした声は、採用サイトのコンテンツを考える際にも、会社説明会の内容を見直す際にも役立ちます。

採用したい人物像に近い若手社員は、求職者にとって「この会社に入社した数年後の自分」を想像するための、最も身近な存在になり得ます。

若手社員に任せたいのは「出演」だけではない

若手社員を採用活動に参加させるというと、採用サイトの社員インタビューに登場してもらったり、SNS用の写真や動画に出演してもらったりすることを思い浮かべるかもしれません。

もちろん、それも大切な役割ですが、できれば採用広報の企画段階から参加してもらうことをおすすめします。

  • 採用サイトの改善:仕事内容や福利厚生の説明を見て、求職者に分かりにくい部分がないか確認する
  • SNSの企画:若い求職者が興味を持ちそうな仕事風景や社内の取り組みを提案する
  • 社員インタビュー:実際の経験をもとに、仕事のやりがいや入社前後の印象を伝える
  • 会社説明会・職場見学:求職者に近い立場から質問に答え、職場の雰囲気を伝える
  • 採用活動の振り返り:応募者から寄せられた質問や反応をもとに、情報発信の改善案を考える

特に重要なのは、若手社員の意見を単なる参考意見として聞くだけで終わらせないことです。経営者や人事担当者が思いつかなかった提案であっても、求職者の立場から見て合理的なものであれば、積極的に取り入れてみる価値があります。

会社の「良いところ」だけを話してもらわない

もう一つ意識したいのが、若手社員に会社の良いところばかりを話してもらおうとしないことです。

例えば、建設業であれば現場によって朝が早いこともありますし、医療・介護の仕事であれば勤務時間が不規則になる職種もあります。仕事の難しさや大変さを隠してしまうと、入社後に「思っていた仕事と違った」というミスマッチにつながりかねません。

大切なのは、仕事の大変さを正しく伝えたうえで、「それでもこの仕事を続けたいと思う理由」や「大変なときに周囲がどのように支えてくれるのか」まで紹介することです。

採用広報は、会社を実態以上によく見せるための活動ではありません。仕事の魅力も難しさも誠実に伝えることで、自社に合った人材からの応募につなげていくものです。

なお、若手社員を採用チームに参加させる際には、本人の希望や適性を尊重し、通常業務との両立にも配慮しましょう。採用広報への参加を通じて、自分の仕事や会社の魅力を改めて考える機会になれば、参加する社員自身の成長にもつながるはずです。

採用サイト・SNS・動画を組み合わせて「直接応募」を増やす

採用チームの体制が整ってきたら、次に考えたいのが、自社への直接応募を増やすための情報発信です。

ここで重要なのは、採用サイトをリニューアルしたり、SNSの公式アカウントを開設したりすること自体を目的にしないことです。どれほど立派な採用サイトを制作しても、求職者に見つけてもらえなければ応募にはつながりません。また、SNSで会社の存在を知ってもらっても、詳しい仕事内容や募集条件が分からなければ、興味を持ったまま離れてしまう可能性があります。

直接応募を増やすためには、「会社を知ってもらう」「興味を持ってもらう」「詳しく調べてもらう」「応募してもらう」という流れを、複数の媒体を組み合わせてつくることが大切です。

採用サイトは「応募を検討する人」のための情報拠点

採用サイトには、仕事内容や募集要項だけでなく、会社の考え方、社員の紹介、教育制度、働く環境など、求職者が応募を判断するための情報を整理して掲載します。

特に、医療・介護、建設、製造業などでは、同じ職種名であっても企業によって実際の仕事内容や働き方が異なります。求職者が入社後の自分を具体的に想像できるように、写真や社員の言葉を交えて紹介することが重要です。

また、採用サイトは一度制作したら終わりではありません。社員インタビューや職場紹介、採用に関するお知らせなどを少しずつ追加していくことで、企業の魅力を蓄積できます。

求人媒体では掲載できる情報量や表現方法に制限があっても、自社の採用サイトなら、伝えたい内容を自社の方針に合わせて整理できます。継続的な採用活動を支える情報拠点として活用していきましょう。

SNSは「まだ応募を考えていない人」との接点になる

採用サイトが応募を検討している人のための情報拠点だとすれば、SNSは、まだ転職や就職を具体的に考えていない人にも会社を知ってもらうための媒体です。

例えば、社員が仕事に取り組む様子や、新入社員の研修風景、社内のちょっとした出来事などを継続的に発信することで、求人広告だけでは伝わりにくい職場の日常を紹介できます。

ただし、SNSを始めれば必ず応募が増えるわけではありません。更新を続けるための担当者や運用ルールが必要ですし、採用したい年齢層や職種によって、適した媒体も異なります。

最初から複数のSNSを運用する必要はありません。採用したい人物像を明確にしたうえで、無理なく続けられる媒体を選び、発信した情報から採用サイトへ進めるようにしておきましょう。

動画は「仕事のリアル」を伝えるために活用する

文章や写真だけでは伝わりにくい情報を補う手段として、動画も有効です。

例えば、建設現場での作業風景や製造現場の設備、医療・介護施設でのスタッフ同士の連携などは、実際の様子を映像で見せることで、仕事のイメージをつかんでもらいやすくなります。

また、若手社員が自分の言葉で仕事内容や入社理由を話す動画は、求職者にとって身近な情報になるでしょう。立派な演出や凝った映像表現よりも、実際にどんな人が、どんな環境で、どんな仕事をしているのかが分かることを優先したいところです。

制作した動画は、採用サイトに掲載するだけでなく、会社説明会やSNSなどでも活用できます。一つのコンテンツを複数の場面で使えるように考えておくことも、採用広報の費用対効果を高めるポイントです。

ハローワークや学校との接点も、採用サイトにつなげよう

直接応募を増やす方法は、Web上の情報発信だけではありません。ハローワークへの求人掲載や、地域の高校・専門学校・大学との関係づくり、職場見学やインターンシップの受け入れなども大切な採用活動です。

例えば、ハローワークで求人を見つけた人が企業名を検索したとき、仕事内容や社員の様子が分かる採用サイトがあれば、応募を検討するための判断材料になります。学校で会社説明を聞いた学生が、後からSNSや採用サイトを見て理解を深めることもあるでしょう。

つまり、採用サイトとSNS、動画、ハローワーク、学校との接点は、それぞれ独立した活動ではありません。求職者がどこで自社を知っても、必要な情報にたどり着けるようにつなげることが大切です。

なお、直接応募が増えたかどうかを判断するためには、応募時に「何を見て当社を知りましたか?」と確認するなど、応募経路を記録しておくこともおすすめします。採用サイトから応募した人でも、最初のきっかけはSNSや学校での説明会だったかもしれません。

目指すのは、単に採用サイトへのアクセスを増やすことではなく、自社に興味を持った求職者が、外部の紹介サービスを経由しなくても安心して応募できる環境を整えることです。

こうした取り組みを継続することで、自社への直接応募を少しずつ増やし、外部の採用サービスと自社採用をバランスよく活用できる体制へと近づけていきましょう。

最終的に目指すのは「応募が集まりやすい企業」へのブランディング

ここまで、採用チームの強化や、採用サイト・SNS・動画を活用した情報発信について紹介してきました。しかし、こうした取り組みの最終的な目的は、単に応募件数を増やすことではありません。

中長期的に目指したいのは、求人広告を出したときだけ求職者に見つけてもらうのではなく、普段から「この会社で働いてみたい」と思ってもらえる企業になることです。

例えば、地元の学生が就職先を考え始めたとき、「あの会社は名前を聞いたことがある」「学校の先輩が働いている」「SNSで仕事の様子を見たことがある」と思い出してもらえる企業。あるいは、転職を考えている人が、以前から気になっていた会社の採用サイトを自分で調べ、募集が始まったタイミングで応募してくれる企業です。

このように、求職者から選ばれる企業としての認知や信頼を育てていく取り組みを、一般的に「採用ブランディング」と呼びます。

採用ブランディングは「求人募集をしていない時期」にも続ける

採用活動がうまくいかない企業の中には、人材が必要になったときだけ求人広告を出し、採用が決まると情報発信を止めてしまうケースもあります。

しかし、求職者が転職や就職を考えるタイミングは、企業が人材を必要とするタイミングと必ずしも一致しません。

そのため、採用活動を行っていない時期にも、仕事の様子や社員の成長、会社の取り組みなどを継続的に発信しておくことが大切です。

特に、地域に根ざした中小企業であれば、地元の学校や地域団体とのつながり、地域イベントへの参加なども、自社を知ってもらう機会になります。採用サイトやSNSだけに頼らず、日常の企業活動そのものを通じて認知度を高めていくという考え方です。

採用ブランディングとは、求人募集のたびに会社を宣伝することではなく、将来の求職者との接点を日頃から積み重ねていく活動です。

「働きたい会社」になるためには、社内の環境づくりも必要

ただし、採用ブランディングは、採用サイトのデザインを良くしたり、SNSで楽しそうな写真を発信したりするだけで実現できるものではありません。

例えば、採用サイトで「若手が活躍できる会社」と紹介していても、実際には若手社員に仕事を任せる機会がほとんどなければ、入社後のミスマッチにつながってしまいます。「社員を大切にする会社」と伝えるのであれば、教育体制や働く環境、日頃のコミュニケーションなどにも、その考え方が表れている必要があります。

つまり、採用ブランディングには、会社の魅力を外部へ伝える活動と、実際に働きたいと思える職場をつくる活動の両方が欠かせません。

採用チームに現場の若手社員を参加させることには、こうした意味もあります。採用広報を考える中で、「自社の魅力は何だろうか」「もっと働きやすくするには何が必要だろうか」と、社内の環境を見直すきっかけにもなるからです。

採用コスト削減の成果は、数年単位で評価しよう

採用ブランディングは、短期間で成果が出るとは限りません。SNSの発信を始めたり、採用サイトを充実させたりしても、すぐに応募件数が増えないこともあるでしょう。

だからこそ、単年度の採用人数だけでなく、直接応募の割合や応募者の質、入社後の定着状況などを継続して確認することが重要です。

例えば、これまで人材紹介会社からの応募が中心だった企業で、自社採用サイトや学校からの応募が少しずつ増えてきたのであれば、それは自社採用力が育ち始めている一つの兆候と考えられます。

もちろん、採用ブランディングによってすべての採用コストがなくなるわけではありません。専門職の採用や急な欠員補充では、引き続き外部サービスが必要になることもあるでしょう。

それでも、求職者から自社を選んでもらえる機会が増えれば、採用手段の選択肢は広がります。外部サービスを利用するかどうかを、自社の状況に合わせて判断しやすくなるはずです。

「人が足りなくなったら、費用をかけて探す会社」から、「普段から魅力を伝え、応募してもらえる関係を育てる会社」へ。その転換こそが、採用コストを中長期的に抑えながら、安定した人材確保を目指す企業にとって重要な戦略ではないでしょうか。

アトラボの考え方|採用サイトを「毎年の採用コストを抑える資産」に

アトラボでは、採用サイトを単なる求人情報の掲載場所ではなく、企業の魅力を蓄積し、継続的な採用活動を支えるための「資産」として考えています。

例えば、求人媒体に広告を掲載する場合、掲載期間が終了すれば、基本的にはその広告から新たな応募を集めることはできなくなります。一方、自社の採用サイトであれば、制作したコンテンツを公開し続け、必要に応じて更新しながら、翌年以降の採用活動にも活用できます。

仕事内容の紹介、社員インタビュー、教育制度、職場環境、会社の将来像などは、求職者が企業を理解するために欠かせない情報です。こうしたコンテンツを一つずつ充実させていくことで、採用サイトは単なる募集要項の一覧から、自社の魅力を伝える情報拠点へと成長していきます。

採用サイトは「つくって終わり」ではもったいない

採用サイトの制作を検討している企業の中には、「今の採用サイトは古くなったから、新しくしたい」「他社の採用サイトのように、かっこいいデザインにしたい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

もちろん、デザインや使いやすさは大切です。しかし、採用コストの削減という視点で考えるなら、見た目を新しくすること以上に、求職者が応募を判断するための情報が十分に掲載されているかを確認する必要があります。

また、採用サイトを公開した後に、誰が情報を更新するのか、社員インタビューをどのくらいの頻度で追加するのか、SNSなどの情報発信とどう連携させるのか、といった運用面も重要です。

採用サイトは、完成した瞬間がゴールではありません。自社の魅力を継続的に発信し、直接応募を増やすために「育てていく」ことが大切です。

採用サイトだけでなく、採用活動全体を考える

アトラボが採用サイトの制作で大切にしているのは、ホームページの中だけで採用活動を完結させようとしないことです。

例えば、現場で働く社員へのインタビューを実施するのであれば、採用サイトの記事として掲載するだけでなく、SNSで紹介したり、会社説明会で使用する資料に活用したりすることも考えられます。

また、仕事内容を紹介するために撮影した写真や動画は、採用パンフレットや学校向けの会社案内などにも活用できるでしょう。最初から複数の媒体での利用を想定して制作することで、情報発信の効率を高められます。

もちろん、写真や動画を使い回せばよいというわけではありません。SNSでは興味を持ってもらうために短く紹介し、採用サイトでは仕事内容や社員の考え方まで詳しく伝えるなど、それぞれの媒体に合った見せ方が必要です。

採用サイト、SNS、動画、会社説明会などを別々の活動として考えるのではなく、一つの採用戦略の中で役割を整理する。その考え方が、限られた予算と人員で採用広報を続けていくためのポイントになります。

「採用サイトをつくる前」から一緒に考えたい

今回の記事で紹介してきたように、採用コストを中長期的に抑えるためには、採用サイトの充実だけでなく、採用チームの強化や現場社員の協力、継続的な情報発信が必要です。

そのためアトラボでは、採用サイトの制作をご相談いただいた際にも、「どんなページをつくるか」だけでなく、「どんな人材を採用したいのか」「現在はどのような方法で採用しているのか」「自社の魅力を誰が、どのように発信できるのか」といったところから、一緒に考えていきたいと思っています。

採用サイトの制作には初期費用がかかりますし、公開後の更新や運用にも一定の負担が必要です。採用サイトをつくっただけで、必ず採用コストが下がるわけではありません。

しかし、毎年まとまった採用費用をかけている企業であれば、その一部を自社の採用力を高めるために投資することには、十分に検討する価値があるのではないでしょうか。

アトラボでは、千葉県内の中小企業を中心に、企業の特徴や採用課題に合わせた採用サイトの制作、コンテンツづくり、情報発信のご相談を承っています。

「人材紹介会社への依存を少しずつ減らしたい」「採用サイトはあるけれど、直接応募が増えない」「自社の採用広報を強化したい」とお考えの企業の皆さまは、ぜひ一度アトラボへご相談ください。目先の採用活動だけでなく、数年先を見据えた採用の仕組みづくりを、一緒に考えていきましょう。

採用サイト制作 | 千葉でホームページ制作なら【 株式会社アトラボ 】
求職者に選ばれる採用サイト制作はアトラボへ。製造業をはじめ、土木・建設業、運送業など幅広い業界において採用サイトを制作させていただております。これまでの実績に基づいた採用戦略で企業の魅力が最大限に伝わ...

まとめ|採用コストを減らすなら、採用の仕組みから変えていこう

人材不足が続く中、必要な人材を確保するために、人材紹介会社やスカウトサービスなどを活用することは、決して間違った選択ではありません。特に、専門的な資格や経験が必要な職種、急いで欠員を補充しなければならない場合には、外部の採用サービスが大きな力になります。

しかし、毎年一定数の採用が必要な企業であれば、1人あたりの採用コストを把握し、今後3年、5年と採用活動を続けた場合に、どのくらいの費用が必要になるのかを考えてみることも大切です。

そのうえで検討したいのが、人事チームの強化や現場社員の参加、採用サイト・SNS・動画などを活用した継続的な情報発信です。すぐに大きな成果が出るとは限りませんが、自社の魅力を伝えるコンテンツや採用活動のノウハウを蓄積していくことで、将来的に直接応募を増やせる可能性があります。

採用コスト削減の本質は、単に求人広告や人材紹介の費用を減らすことではなく、自社の力で人材を採用できる仕組みを育てていくことです。

そして、最終的に目指したいのは、求人募集を始めてから慌てて応募者を探すのではなく、普段から求職者に会社の存在や魅力を知ってもらい、「この会社で働いてみたい」と思ってもらえる企業になることです。そのためには、採用広報だけでなく、実際の働く環境や社員の育成、定着にも目を向ける必要があります。

もちろん、自社採用にも人件費や運用費はかかります。外部サービスの利用を急にやめるのではなく、採用経路ごとの費用や成果を確認しながら、少しずつ直接応募の割合を高めていくことが現実的でしょう。

「今年、何人採用できるか」だけでなく、「5年後、どんな採用活動ができる会社になっていたいか」。そんな視点から、これからの採用戦略を考えてみてはいかがでしょうか。

採用サイト制作 | 千葉でホームページ制作なら【 株式会社アトラボ 】
求職者に選ばれる採用サイト制作はアトラボへ。製造業をはじめ、土木・建設業、運送業など幅広い業界において採用サイトを制作させていただております。これまでの実績に基づいた採用戦略で企業の魅力が最大限に伝わ...
千葉でホームページ制作なら【 株式会社アトラボ 】
千葉でホームページリニューアルが得意な制作会社。企業・個人事業主・団体の制作実績400件突破!見積無料!わかりやすい料金体系!デザインとSEOに強いWeb作成業者です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました