
ホームページの制作やリニューアルでは、「電話番号をもっと大きくしてほしい」「どのページでも右上に電話番号と受付時間を表示してほしい」といったご要望をいただくことがあります。
もちろん、お客様が電話で問い合わせたいと思ったとき、すぐに電話番号を見つけられることは大切です。特にBtoC向けのサービスでは、今でも電話が重要な問い合わせ手段であることに変わりはありません。
しかし、スマートフォンでホームページを見る人が多くなった今、パソコン画面の右上という目立つ場所に、大きな電話番号や受付時間、定休日まで常に表示する必要があるのでしょうか。
「電話番号を目立たせること」と「お客様が電話しやすいこと」は、必ずしも同じではありません。
さらに、問い合わせが少ない原因は、本当に電話番号の大きさや掲載位置にあるのでしょうか。そもそも電話を受ける社内体制は整っているのでしょうか。
今回は、電話番号を掲載することの大切さを踏まえながら、スマートフォン時代の問い合わせ導線と、中小企業が考えておきたい電話対応のあり方について、ホームページ制作会社の視点から考えてみたいと思います。
電話番号を載せることと、目立たせることは別の話
まず、誤解していただきたくないのは、私たちはホームページに電話番号を掲載すること自体を否定しているわけではない、ということです。
特に一般のお客様を対象としたサービスでは、「電話で直接相談したい」「すぐに確認したい」というニーズは今でもあります。電話番号が見つからないホームページは、かえって不親切になってしまうでしょう。
ただし、「電話番号を分かりやすく掲載すること」と「すべてのページで最も目立たせること」は別の話です。
例えば、会社概要やお問い合わせページに電話番号と受付時間を明記し、スマートフォンでは必要なタイミングで電話できるボタンを用意する方法もあります。
一方、ホームページを訪れたばかりのお客様は、まだサービス内容や料金、会社の特徴を確認している段階かもしれません。そのような場面では、電話番号よりも先に伝えるべき情報があるはずです。
限られた画面の中で何を優先して見せるのか。電話番号の掲載位置も、お客様が知りたい情報の順番を考えたうえで決めることが大切です。
スマホ時代の「電話しやすさ」を考える
以前のホームページでは、パソコン画面に表示された電話番号を見ながら、手元の電話で番号を入力することも一般的でした。そのため、電話番号を大きく、目立つ場所に表示することには十分な意味がありました。
しかし、スマートフォンでは電話番号をタップするだけで発信できます。つまり、番号そのものを大きく表示することよりも、電話したいと思ったときに、迷わず発信できることが重要になっています。
例えば、画面下部に電話ボタンを配置したり、お問い合わせページに分かりやすい発信ボタンを設けたりする方法があります。受付時間や定休日も、電話をかける前に確認できれば十分な場合があるでしょう。
また、電話が苦手な方や営業時間外に問い合わせたい方のために、お問い合わせフォームなど別の連絡手段を用意することも大切です。
スマホ時代の「電話しやすさ」とは、電話番号が大きく見えることではなく、必要なときに簡単に電話できること。パソコン画面の右上にこだわるより、実際にお客様が使うスマートフォンでの操作性を確認してみましょう。
そもそも、電話を受ける体制は整っていますか?
ホームページに電話番号を大きく掲載する前に、もうひとつ考えておきたいことがあります。それは、「問い合わせの電話がかかってきたとき、きちんと対応できる体制があるか」ということです。
例えば、少人数で運営している店舗や会社では、接客中や現場作業中に電話へ出られないこともあるでしょう。また、営業電話が多く、本来の業務が何度も中断されてしまうケースもあります。
もちろん、電話による問い合わせが売上に直結する業種であれば、電話対応の体制を整えることは重要です。しかし、すべての問い合わせを電話で受ける必要があるとは限りません。
例えば、見積依頼ならお問い合わせフォームで必要な情報を送ってもらう方が、その後の対応がスムーズになることもあります。予約であれば、Web予約システムを利用した方がお客様にも従業員にも便利かもしれません。
大切なのは「電話を増やすこと」ではなく、「お客様からの問い合わせに、無理なく確実に対応できる仕組みを作ること」です。
電話番号の見せ方を考える際には、問い合わせを受けた後の社内業務まで含めて見直してみましょう。それが、お客様の満足度と業務効率の両方を高めることにつながります。
「電話が鳴らない」原因は、電話番号の大きさではないかもしれない
ホームページからの問い合わせが少ないと、「電話番号が目立たないからでは?」「もっと大きく表示すれば電話が増えるのでは?」と考えてしまうことがあります。
しかし、お客様が電話をかけない理由は、本当に電話番号の大きさにあるのでしょうか。
例えば、サービス内容が分かりにくい、料金の目安が掲載されていない、施工事例や実績が少ない、他社との違いが伝わらない。こうした状態では、いくら電話番号を大きく表示しても、お客様は問い合わせをためらってしまいます。
そもそも、ホームページを訪れた人が最初から電話をかけようと決めているとは限りません。まずは情報を集め、他社と比較し、「この会社なら相談しても大丈夫そうだ」と感じてから問い合わせる人も多いはずです。
「問い合わせたい」と思っていない人に電話番号だけを大きく見せても、問い合わせが増えるとは限りません。
もちろん、電話番号が見つけにくいことが原因なら改善が必要です。しかし、それ以前に「この会社に相談したい」と思ってもらえる情報が十分に掲載されているかを確認することも大切です。
電話が鳴らないときこそ、電話番号の位置だけでなく、ホームページ全体の内容や伝え方を見直してみましょう。
問い合わせ方法は、お客様の目的に合わせて設計する
では、ホームページの問い合わせ方法は、どのように考えればよいのでしょうか。大切なのは、電話番号をどこに配置するかという話から始めるのではなく、お客様がどんな目的で問い合わせるのかを考えることです。
例えば、水漏れ修理や鍵のトラブルなど、緊急性の高いサービスでは、すぐに電話できることが重要です。このような業種なら、スマートフォンの画面下部などに電話ボタンを常時表示することにも意味があります。
一方、リフォームや住宅設備の見積依頼であれば、お問い合わせフォームから写真や希望内容を送ってもらう方が、具体的な相談を進めやすい場合もあります。美容室や飲食店なら、電話よりWeb予約を優先した方がお客様にとって便利かもしれません。
また、電話が苦手な方や営業時間外に問い合わせたい方もいます。電話だけに限定せず、フォームやLINEなど、業種に合った選択肢を用意することも検討したいところです。
「すべてのお客様に電話してもらう」のではなく、「お客様が目的に合った方法で、迷わず問い合わせできるようにする」。これが問い合わせ導線を考える基本です。
電話番号の大きさや掲載位置は、その結果として決めるもの。お客様の使いやすさと、自社の対応しやすさの両方を考えて設計しましょう。
アトラボの考え方|目立たせるより「問い合わせたくなる」ホームページへ
アトラボでは、ホームページを制作する際、電話番号やお問い合わせボタンの配置だけでなく、お客様がどのような情報を見て、どんな気持ちになったときに問い合わせるのかを大切にしています。
例えば、初めてホームページを訪れた人が、まだサービス内容も料金も分からない段階で、大きな電話番号を見せられても、すぐに電話しようとは思わないかもしれません。
それよりも、サービスの特徴や実績、料金の目安、お客様の声などを分かりやすく伝え、「この会社なら安心して相談できそうだ」と感じてもらうことが先ではないでしょうか。
もちろん、緊急性の高いサービスや電話での相談を希望するお客様が多い業種では、電話番号を目立たせることが効果的な場合もあります。大切なのは、昔からの慣習や経営者の好みだけで決めず、実際のお客様の行動に合わせて考えることです。
また、問い合わせが増えた後の対応も重要です。電話を受ける人が足りないのであれば、フォームや予約システムを活用するなど、社内の業務効率まで考えた仕組みづくりが必要になります。
「電話番号を大きくすること」ではなく、「問い合わせたくなる理由を作り、迷わず連絡できる仕組みを整えること」。それが、アトラボの考える成果につながるホームページです。
ホームページからの問い合わせが少ないと感じているなら、電話番号の大きさを変える前に、まずは掲載している情報や問い合わせまでの流れを見直してみませんか。

まとめ|電話番号の大きさより、問い合わせまでの流れを見直そう
ホームページに電話番号を掲載することは、今でも大切です。特にBtoC向けのサービスでは、電話で直接相談したいお客様も多く、必要なときにすぐ連絡できることが安心感につながります。
しかし、だからといって、すべてのページで電話番号を大きく目立たせる必要があるとは限りません。スマートフォンでの使いやすさや、お客様が問い合わせるまでの流れを考えることが重要です。
また、問い合わせが少ない原因は、電話番号の大きさではなく、サービスの魅力や安心材料が十分に伝わっていないことかもしれません。電話を受ける社内体制も含めて見直す必要があります。
「電話番号を目立たせること」が目的ではありません。「お客様が安心して問い合わせできること」が目的です。
電話番号をどこに置くかで悩んだら、まずは「お客様は何を知れば問い合わせたいと思うのか」「どんな方法なら気軽に連絡できるのか」を考えてみましょう。
その視点こそが、問い合わせにつながるホームページづくりの第一歩になるはずです。



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