LINE公式アカウントを導入する企業が、年々増えています。特に飲食店や美容室、学習塾、不動産などのBtoC業種では、電話やメールに代わる“気軽な連絡手段”としてLINEを活用したいという声が非常に多くなっています。
その一方で、ホームページの運用については「LINEを始めたので、QRコードを貼っておいてください!」といったシンプルな依頼を受けることも多くあります。
たしかにQRコードを掲載するだけで、LINEアカウントにアクセスしてもらえる可能性はあります。しかし、多くの中小企業ホームページではアクセスの7〜8割がスマートフォン経由。スマホで見ている人にとって、QRコードは読み取ることができません。
また、QRコードを読み取って飛ぶ先はたいてい「LINEの友だち追加ページ」。LINEで問い合わせしたいと明確に思っているユーザーなら問題ありませんが、「なんとなく読み込んでみた」だけの人にとっては、いきなり「友だち追加」画面が表示されるのは心理的ハードルが高いもの。結果として、ホームページもLINEも両方離脱されてしまう可能性すらあります。
本記事では、そんな「QRコードを貼るだけではもったいない!」という視点から、LINE導入後のホームページ運用の注意点と、スマホユーザーに配慮した効果的な導線設計の考え方を紹介します。
よくある掲載方法と、その問題点
LINE公式アカウントを開設した多くの企業が、まず行うのが「ホームページにQRコードを貼る」という対応です。
確かに、LINE公式の管理画面から簡単にQRコードを発行でき、画像として掲載するだけなので手軽です。しかし、その掲載場所や誘導の仕方を間違えると、むしろ機会損失につながってしまう可能性もあるのです。
【よくある掲載方法①】とりあえず目立つ場所に貼る
トップページのファーストビューや、サイドバナー、フッターなど、「目立つ場所にとりあえず貼る」というケースはよく見られます。
しかし、ホームページの閲覧者の6〜8割がスマートフォンユーザーという状況では、この方法が機能しづらいという事実があります。
スマートフォンではカメラでQRコードを読み取ることができません。「スマホで見て、スマホで読み取る」という操作は物理的にできないのです。
【よくある掲載方法②】QRコードだけを貼って説明がない
もうひとつ多いのが、「QRコードの画像を貼っただけで、説明が一切ない」パターンです。
QRコードのリンク先が、「友だち追加」ページであることを明示していないため、ユーザーは
- 「このQRコード、読み取ったら何が起こるの?」
- 「いきなり友だち登録されるの?なんか怖い…」
という不安を抱えたまま離脱してしまう可能性があります。
【よくある掲載方法③】「問い合わせ窓口」としてのLINEを明示していない
QRコードを掲載していても、「どんなときにLINEを使えばいいのか」「LINEで何ができるのか」が伝わっていないと、せっかくのアカウントが活用されません。
特にBtoC業種では、「LINE=問い合わせツール」と明確に伝えることが、活用の第一歩です。
問題点の本質|LINEは“手軽”だからこそ丁寧な誘導が必要
LINEは気軽につながれるツールですが、「気軽だからこそ、抵抗感も生まれやすい」という面があります。
たとえば、「ちょっと気になったから読み取ってみた」というユーザーが、いきなり「友だち追加」ページに飛ばされると、「えっ、まだそこまでつながりたくない」と感じて離脱するケースもあります。
このような理由から、QRコードはただ貼るだけではなく、その誘導導線やメッセージの設計が非常に重要なのです。
スマホユーザーに優しいLINE誘導のポイント
ホームページ閲覧者の大多数がスマートフォンユーザーである今、LINE公式アカウントへの誘導も「スマホで完結する設計」が求められます。
ここでは、QRコードだけに頼らず、スマホユーザーが迷わずLINEへアクセスし、問い合わせや予約ができるようにするためのポイントをご紹介します。
1. 「LINEでお問い合わせ」ボタンを設置
スマホ閲覧者にとって、最も自然な導線は「タップで開く」ボタンです。QRコードではなく、LINEの「友だち追加」リンクをボタンとして設置することで、読み取りの手間を省き、スムーズに誘導できます。
ボタンの文言は、「友だち追加はこちら」ではなく、
- 「LINEでお問い合わせ」
- 「LINEでご相談」
- 「LINEで予約する」
など、利用目的が明確に伝わる言い回しにしましょう。
2. QRコードは「スマホで読み取れない」前提で配置
QRコードは、基本的にパソコン閲覧ユーザー向けの導線です。スマホユーザーがQRコードを見ても読み取る手段がないため、「目立つ場所にドン!」と貼るのではなく、目的に応じた場所に設置するのが効果的です。
たとえば、
- お問い合わせページの下部
- 予約ページの補足エリア
- チラシなど印刷物からのアクセスを想定したページ
など、「LINEに接続する動機がある場所」に限定して配置すると、より高い効果が期待できます。
3. リンクの「先」がどこなのか、明示する
LINEへの導線でよく見落とされがちなのが、「リンク先が何のページか、ユーザーに伝わっていない」という問題です。
QRコードやリンクボタンの近くには、次のような説明を添えると親切です:
- 「友だち追加の画面が開きます」
- 「1対1のトークが可能です」
- 「予約はLINEのメニューから可能です」
「いきなり友だち追加されたら困る」と思われないよう、安心感と選択肢を提供することが大切です。
4. LINEの使い方・できることを明記する
LINEを使ったことのない方や、企業アカウントとのやりとりに不安を感じる方のために、LINEで何ができるのかを明記しましょう。
例:
- 「LINEで見積もり依頼ができます」
- 「チャットで空き状況を確認できます」
- 「写真を送って相談できます」
ユーザーの「次の行動」をイメージさせることが、LINE導入の成功の鍵です。
パソコンユーザーもカバーする「ハイブリッド設計」
ホームページ閲覧者の多くがスマートフォンとはいえ、一定数のパソコンユーザーも存在します。特に中高年層や、業務中の閲覧者、法人担当者などはパソコンからのアクセスが主流です。
そのため、LINE公式アカウントへの導線も、スマホ・パソコンどちらからでも対応できる「ハイブリッド設計」が理想です。
1. スマホには「タップで友だち追加」、パソコンには「QRコード」
スマホユーザーには前述のとおり、「LINEでお問い合わせ」などのタップ導線がベストですが、パソコンユーザーには依然としてQRコードの存在が有効です。
この両者を両立するために、以下のような2つのパターンを組み合わせましょう:
- スマホ:LINEへのリンクボタン(例:LINEでお問い合わせ)
- パソコン:LINEのQRコード画像+補足テキスト
たとえば以下のような構成が理想です:
▼スマートフォンの方はこちら
LINEでお問い合わせ▼パソコンの方はこちら
下記のQRコードをスマートフォンで読み取ってください
2. 表示切り替え(レスポンシブ)でユーザーに最適な案内を
さらに一歩進めるなら、CSSメディアクエリを使った「表示切り替え」で、スマホとパソコンで見せる内容を変えるのもおすすめです。
スマホでは「ボタンのみ表示」、パソコンでは「QRコード+リンク」といった出し分けを行うことで、それぞれの環境で最適な導線を提示できます。
3. 「わかりやすさ」は、スマホでもPCでも共通の正義
どのデバイスで見られても、「これを押せばいいんだ」「これを読み取ればいいんだ」とユーザーに直感的に伝わる設計が重要です。
QRコードにも必ず「LINEの友だち追加ページが開きます」などの補足説明をつけ、ユーザーの不安を取り除きましょう。
LINE誘導は、ただ載せるだけでは不十分。スマホ・パソコンの両方の利用シーンを想定しながら、“両方にやさしい設計”=ハイブリッド設計を心がけましょう。
LINE誘導は「設置」ではなく「設計」
LINE公式アカウントを導入したからといって、ただホームページにQRコードを貼り付けるだけでは、期待した効果が得られないケースも多くあります。
というのも、QRコードやボタンはあくまで「ツール」であり、本当に必要なのは、ユーザーの行動と心理をふまえた“導線設計”だからです。
ユーザーは、いきなり「友だち追加」したくない
LINEのQRコードを読み込むと、基本的には「友だち追加」ページが開きます。ですが、すべてのユーザーがいきなり追加したいと思っているわけではありません。
「とりあえずどんなものか見たいだけ」というユーザーには、いきなりLINEが開くのは心理的ハードルが高いのです。
そのため、QRコードやボタンを設置する際には以下のような配慮が求められます:
- 「友だち追加はこちら」など、リンク先の内容が分かる文言にする
- 「LINEでのお問い合わせはこちらから」など、目的を明確に伝える
- 「LINEで何ができるのか」を説明したうえで誘導する
LINE誘導に必要なのは「シナリオ設計」
ユーザーにLINEへ誘導する際、その導線が自然で、ストレスのない流れになっているかが非常に重要です。
たとえばこんなパターンがあります:
- サービス紹介 → よくある質問 → LINEで相談する
- 料金案内 → 利用の流れ → LINEで予約・申込み
- 採用情報 → エントリーフォーム → LINEでも質問受付中
このように、「ユーザーが次に聞きたいこと」をLINEに任せるというストーリー設計が鍵になります。
LINE導線の設計は、企業ごとに正解が違う
飲食店、サロン、不動産、建設業…BtoCビジネスといっても業種やサービス内容によって、LINEを使う目的や、ユーザーとの関係性が異なります。
そのため、LINEへの誘導も一律ではなく、企業ごとのビジネスモデルやお客様のニーズに応じたカスタマイズが求められます。
「設置するだけ」で終わらせず、「設計する」ことで、LINE公式アカウントは“成果の出るツール”に変わります。
アトラボでは、LINE誘導もふまえたホームページ導線を設計しています
LINE公式アカウントは便利なツールですが、それを“活かせる”かどうかはホームページ側の設計次第です。
株式会社アトラボでは、LINE公式アカウントの開設や運用だけでなく、「どのようにホームページで見せ、誘導するか」までを一貫してサポートしています。
特にBtoC向けの中小企業や店舗様では、ホームページを見ているユーザーの大半がスマートフォンであることを前提に、
- QRコードではなく、「LINEで問い合わせ」ボタンによる直接誘導
- お問い合わせページやフッターなど、自然な場所に設置
- 「友だち追加後にできること」の説明を添える
など、ユーザーに優しく、企業にとって成果につながる設計をご提案しています。
実際にクライアントからは、
「LINEのボタンをただ載せていた時よりも、“相談がしやすい”という声が増えた」
「スマホでも分かりやすくなったことで、年齢層が高めのお客様からの反応が増えた」
といったご評価をいただいています。
LINE導線の設計や見直しをご検討の際は、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ|LINE誘導は“設置”ではなく“設計”が重要
LINE公式アカウントを開設したあと、QRコードをホームページに貼る――それ自体は間違いではありません。
ですが、スマートフォンでホームページを見ているユーザーが8割を超える時代において、QRコードの設置場所や誘導文の書き方を工夫しないと、逆にユーザーを混乱させてしまう可能性もあります。
特に、「とりあえず読み込んでみた」というユーザーに、LINEの「友だち追加」ページが突然表示されてしまうと、「あ、そういうのじゃない」と離脱してしまうケースも多いのです。
LINE公式アカウントを活かすには、“ただ載せる”のではなく、“どう誘導するか”の設計がカギ。
ボタンの配置や誘導文の工夫で、自然に「問い合わせの手段」としてLINEを選んでもらえるようにすることが、今後のホームページ運用では欠かせません。
アトラボでは、こうしたユーザー動線までを含めたホームページ設計を得意としています。
LINEを始めたのに思ったより問い合わせが増えない…
ホームページとの連携がうまくできていない気がする…
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。


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