現代のホームページ運営において、「ユーザビリティ」(使いやすさ)は欠かせない要素です。ユーザーが快適に閲覧できるサイトは、滞在時間が長くなり、コンバージョン率も向上しやすくなります。
しかし、どれだけ見た目が綺麗なデザインでも、「どこをクリックすればいいのか分からない」、「スマホで表示が崩れる」などの問題があれば、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
また、Googleの検索アルゴリズムでも「ユーザビリティの高いサイトが評価される」傾向にあります。つまり、ユーザーにとって使いやすいサイトは、SEO対策としても有効なのです。
本記事では、ホームページのユーザビリティを向上させるための30の改善ポイントを紹介します。特に、スマートフォンでの使いやすさにも重点を置きながら、具体的な改善策をまとめました。
「訪問者が迷わず目的の情報にたどり着けるサイト」を目指すために、ぜひ参考にしてみてください。
ユーザビリティとは?その重要性
ユーザビリティ(Usability)とは、ユーザーがストレスなく快適に操作できるかどうかを示す指標です。単に「使いやすいデザイン」を指すのではなく、サイト訪問者が迷わず目的の情報にたどり着き、ストレスなくアクションを完了できることが重要です。
ユーザビリティが低いとどうなる?
ユーザビリティが低いサイトは、訪問者の離脱率が高くなり、ビジネスにも悪影響を及ぼします。具体的には以下のような問題が発生します。
- ナビゲーションが分かりにくく、訪問者が迷う
- クリックできるボタンが小さく、操作しづらい
- スマホ表示が崩れ、文字が読みにくい
- ページの読み込み速度が遅く、イライラさせる
- 必要な情報が見つからず、すぐに離脱される
ユーザビリティを向上させるメリット
一方で、ユーザビリティを向上させることで、以下のようなメリットが得られます。
- サイトの直帰率・離脱率が改善される(訪問者がすぐに離脱せず、じっくりサイトを閲覧する)
- コンバージョン率(問い合わせ・購入)が向上する
- SEO対策にもプラスになる(Googleはユーザー体験の良いサイトを高く評価する)
- 企業・ブランドの信頼性が向上する
特に近年は、スマートフォンでの閲覧が主流となっているため、「PCでは使いやすいけど、スマホでは操作しにくい」といった課題にも注意が必要です。
では、具体的にどのような改善ポイントがあるのか、次の章で詳しく解説していきます。
ユーザビリティ向上の30のポイント
ホームページのユーザビリティを高めるためには、多くの要素を総合的に改善する必要があります。ここでは、特に重要な30のポイントを5つのカテゴリに分けて解説します。
1. ナビゲーションの改善
- 1. グローバルナビゲーションをわかりやすく配置(トップページの上部に主要なメニューを設置)
- 2. パンくずリストを設置(ユーザーが現在どのページにいるかを明示)
- 3. 検索機能を充実させる(サイト内検索をわかりやすい場所に設置)
- 4. 重要なコンテンツへアクセスしやすくする(CTAボタンや特集ページの導線を工夫)
- 5. メニューの文字を短くシンプルに(例:「お問い合わせ」ではなく「問い合わせ」)
- 6. モバイル用のナビゲーションを最適化(スマホではハンバーガーメニューを活用)
2. デザインと視認性の向上
- 7. フォントサイズは大きめに設定(PCで16px以上、スマホでは18px以上推奨)
- 8. 色のコントラストを意識(背景と文字のコントラストを強めて視認性を確保)
- 9. クリックできるボタンは大きく目立たせる(スマホでは指でタップしやすいサイズに)
- 10. 画像やアイコンを適切に活用(情報を直感的に理解しやすくする)
- 11. 余白(ホワイトスペース)を適度に設ける(詰め込みすぎると読みにくくなる)
- 12. 読みやすいフォントを選択(日本語サイトなら「Noto Sans」「メイリオ」など)
3. ページ読み込み速度の最適化
- 13. 画像のファイルサイズを圧縮(WebP形式や軽量のJPGを活用)
- 14. 不要なJavaScriptやCSSを削減(読み込み速度を向上させる)
- 15. キャッシュを活用(再訪問時の読み込みを高速化)
- 16. サーバーのレスポンス速度を改善(安定したホスティングサービスを利用)
- 17. ファーストビューの読み込みを最適化(LCP(Largest Contentful Paint)のスコア向上を意識)
- 18. モバイル向けの軽量ページ(AMP)を活用(スマホでの読み込み速度を向上)
4. フォーム・インタラクションの最適化
- 19. 入力フォームはシンプルに(必須項目を最小限に)
- 20. フォームのラベルをわかりやすく配置(入力欄の上部に設置)
- 21. 入力ミス時のエラーメッセージを明示(何が間違っているのかを具体的に説明)
- 22. ワンクリックで選択できるUIを活用(ラジオボタンやプルダウンメニューを活用)
- 23. 自動入力・オートコンプリートを活用(ユーザーの負担を減らす)
- 24. フォームの送信ボタンをわかりやすく(「送信」ではなく「申し込む」「問い合わせる」など)
5. モバイル最適化
- 25. スマホ対応のレスポンシブデザインを採用(PCとスマホで適切に表示を切り替え)
- 26. スマホでのボタンサイズを適切に(指でタップしやすいサイズに調整)
- 27. モバイルファーストのデザインを意識(スマホからの閲覧を前提に設計)
- 28. 縦スクロールを意識したレイアウト(長いコンテンツでもストレスなく読めるように)
- 29. ポップアップや広告の表示を最適化(スマホ画面を占有しないように)
- 30. タップしやすいリンク間隔を確保(誤タップを防ぐために適度なスペースを設ける)
以上の30のポイントを意識することで、ユーザーが快適に閲覧できるホームページを構築できます。
ユーザビリティ向上で得られるメリット
ホームページのユーザビリティを向上させることで、企業や運営者にとってさまざまなメリットがあります。単に「見やすい」「使いやすい」というだけでなく、ユーザー行動やビジネスの成果にも大きく影響を与えます。ここでは、具体的にどのようなメリットが得られるのかを解説します。
1. 滞在時間の増加と直帰率の改善
ユーザビリティの向上によって、ユーザーがサイト内の情報をスムーズに探せるようになり、滞在時間が長くなります。さらに、直帰率(1ページ目で離脱してしまう割合)を減らすことにもつながります。
- 例: 使いやすいナビゲーションや関連コンテンツの配置により、ユーザーが複数ページを閲覧する確率が上がる。
- 結果: Googleの評価が向上し、SEOにも好影響を与える可能性がある。
2. コンバージョン率(CVR)の向上
サイトのユーザビリティを改善することで、問い合わせや購入などのコンバージョン率が向上します。特に、フォームの最適化や購入プロセスの簡略化は大きな影響を与えます。
- 例: 「お問い合わせフォームの入力項目を最小限にする」「ボタンのラベルを『送信』ではなく『今すぐ無料相談』に変更」など。
- 結果: ユーザーがストレスを感じずにアクションを完了できるため、コンバージョン率が向上する。
3. ユーザーの満足度向上とリピート率の増加
情報が探しやすく、使いやすいサイトは、訪問者に「このサイトは便利だ」と感じてもらいやすくなります。その結果、再訪問する確率が高まり、リピート率の向上につながります。
- 例: 「FAQページを充実させる」「よく利用されるページへのショートカットリンクを設置」など。
- 結果: 顧客ロイヤルティの向上や口コミの拡散につながる。
4. SEO評価の向上と検索順位の改善
Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザー体験(UX)を重要視しています。サイトのユーザビリティを向上させることで、SEO(検索エンジン最適化)の評価が向上し、検索順位の改善が期待できます。
- 例: 「モバイルフレンドリーなデザインに変更する」「ページ読み込み速度を改善する」など。
- 結果: Googleの検索結果で上位表示されやすくなり、オーガニック流入が増加する。
5. 顧客対応の効率化と業務負担の軽減
ホームページが使いやすく、必要な情報がすぐに見つかると、顧客からの問い合わせ件数を減らすことができます。これは、企業のカスタマーサポートや営業担当者の負担を軽減することにもつながります。
- 例: 「よくある質問(FAQ)ページを設置」「問い合わせ前に確認するチェックリストを用意」など。
- 結果: 電話やメール対応の負担を軽減し、本来の業務に集中できるようになる。
このように、ホームページのユーザビリティを向上させることは、単なるデザイン改善にとどまらず、売上向上・SEO対策・業務効率化といった多くのメリットをもたらすのです。
ユーザビリティ改善の進め方
ユーザビリティの向上は、一度の変更で完結するものではなく、継続的な改善が必要です。ここでは、効果的なユーザビリティ改善のための進め方を5つのステップに分けて解説します。
1. 現状の課題を把握する
まずは現在のホームページのどこに問題があるのかを明確にすることが重要です。
- アクセス解析を活用: Google AnalyticsやSearch Consoleを使い、直帰率や滞在時間、ページ遷移率などのデータを分析。
- ユーザーの声を収集: お問い合わせ内容やSNSのコメント、アンケートなどを参考に改善すべきポイントを把握。
- 競合サイトと比較: 他社のサイトと自社サイトを見比べ、どこに違いがあるかを確認。
2. 具体的な改善目標を設定する
次に、どのようなユーザビリティ改善を行うのか、目標を明確に設定します。
- 例1: 「フォームの離脱率を20%改善する」
- 例2: 「モバイルユーザーの平均滞在時間を30秒延ばす」
- 例3: 「サイトの読み込み速度を3秒以内にする」
数値で測定できる目標を設定すると、改善の効果を確認しやすくなります。
3. 優先順位を決めて対策を実施
すべての問題を一度に解決しようとすると、時間もコストもかかりすぎてしまいます。優先順位を決めて、段階的に改善を進めましょう。
- まずはユーザー体験に直結する問題から着手(例:スマホ表示の崩れ、ページ速度の改善)
- 次に、コンテンツの見直しや導線改善(例:FAQの充実、ナビゲーションの整理)
- 最終的に、デザインのリニューアルやシステム改修(例:フォームの最適化、カート機能の改善)
4. 改善結果を分析し、継続的に見直す
施策を実施した後は、必ず効果検証を行い、目標達成にどの程度近づいたのかを確認します。
- アクセスデータの比較: 改善前後のデータをGoogle Analyticsやヒートマップツールで分析。
- ユーザーのフィードバック収集: 実際にサイトを利用するユーザーから意見を聞く。
- A/Bテストの活用: 変更前と変更後のバージョンを比較して効果を検証。
5. PDCAサイクルを回して継続的に改善する
ユーザビリティの向上は一度やったら終わりではなく、継続的に行うことが重要です。そのためには、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを回し、定期的に見直しを行いましょう。
- Plan(計画): 改善すべきポイントを洗い出し、対策を立案。
- Do(実行): 具体的な施策を実施。
- Check(評価): データを元に効果を検証。
- Act(改善): より良い施策へとアップデート。
このプロセスを継続的に繰り返すことで、サイトのユーザビリティを向上させ、集客力やコンバージョン率の改善にもつなげることができます。
まとめ
ホームページのユーザビリティ向上は、単に見た目を整えるだけではなく、訪問者がストレスなく目的を達成できる環境を作ることが重要です。本記事で紹介した30の改善ポイントを参考に、サイトの使いやすさを見直してみましょう。
特に、スマートフォン対応・ページの読み込み速度・直感的なナビゲーションなど、基本的な部分を最適化するだけでも、訪問者の離脱率を減らし、コンバージョン率の向上につながります。
ユーザビリティ改善のステップをおさらい
- 現状の課題を把握する: アクセス解析やヒートマップを活用して問題点を特定。
- 改善目標を設定する: 「滞在時間を増やす」「問い合わせ件数を増やす」など、数値化して計画。
- 優先順位を決めて実施: 最も影響の大きい問題から順に改善。
- データを分析して検証: Google Analyticsなどで施策の成果を確認。
- 継続的にPDCAを回す: 改善を繰り返して、より良いサイトに進化させる。
ユーザビリティが向上すると、訪問者の満足度が上がるだけでなく、SEOの強化やコンバージョン率アップにも貢献します。結果として、ビジネスの成果向上にもつながるため、しっかりと取り組んでいきましょう。
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