なぜ『新しすぎるデザイン』は伝わらないのか?セオリーと既視感の関係

「見たことあるデザインって、なんかダサくない?」
「テンプレートっぽい構成にはしたくないんです」
Webサイトのリニューアルや新規立ち上げのご相談を受ける中で、そんな声をいただくことがあります。

もちろん、「他とは違うものをつくりたい」という気持ちはとても自然なものです。私自身、まだフリーランスとして活動を始めたばかりの頃は、いかにオリジナリティのあるデザインにするかを常に考えていました。
ですがある日、渾身のトップページデザインをクライアントに提案したとき、こう言われたのです。

「もっと、ヤフーみたいにしてくれない?」

……ポータルサイトと企業のコーポレートサイトは全然違うでしょ!と、当時の私は内心衝撃を受けたのですが、今となってはこの一言がWebデザインの本質を教えてくれたように思います。

それはつまり、人は「見たことのないデザイン」に、本能的な不安や拒否反応を覚えるということ。
そして「見たことがある」=「使い慣れている」「迷わず操作できる」デザインこそが、ユーザーにとって最も安心できる体験なのです。

本記事では、Webデザインにおける“既視感”と“セオリー”の価値について考えながら、「オリジナリティ」と「わかりやすさ」のバランスについて掘り下げていきます。

なぜ“見たことある”デザインは安心されるのか?

Webデザインを考える上で、忘れてはいけないのが「人は基本的に“初めてのもの”にストレスを感じる」ということです。特にホームページは、広告でも芸術作品でもなく、「何かを知りたい・問い合わせたい・買いたい」という目的をもって訪れる場所です。

つまり、ユーザーが求めているのは「デザインの新しさ」ではなく、“目的まで迷わずたどり着けること”
そのため、ナビゲーションの位置やボタンの形、ファーストビューの構成などに“見慣れたパターン”が使われている方が、ユーザーは安心し、直感的に操作できます。

既視感は「安心できるユーザー体験」の基盤

見た目は新鮮でも、導線や構造に“見覚えがある”ことで、ユーザーは安心してページを読み進めることができます。
これは「デザインを見ている」感覚ではなく、「自然に使えている」状態。この“無意識の快適さ”こそが、よいUX(ユーザー体験)を生むのです。

例:問い合わせボタンの色や配置が違うだけで離脱されることも

たとえば、一般的なWebサイトでは「お問い合わせ」や「資料請求」などのCTA(行動喚起ボタン)は、画面右上やファーストビューに配置されることが多く、色も目立つよう工夫されています。
しかし、あえて真ん中下部やナビゲーションの奥に隠してしまうと、「どこから問い合わせればいいかわからない」というストレスにつながり、せっかくの訪問者が離脱してしまう原因になります。

見たことある=悪い、ではない

「よくあるデザインだからつまらない」
「テンプレっぽく見えてしまうのでは?」
そんな不安はもっともです。しかし、“見慣れている”ということは、それだけ多くの人にとって使いやすいという証拠でもあります。

Webデザインでは、「初見の驚き」よりも「迷わない安心感」こそが価値になる場面が多いのです。

「セオリー」とは“ありがちなデザイン”ではなく“成功パターン”の集積

Webデザインの世界でよく使われる言葉のひとつに「セオリー」があります。
この言葉に対して、「無難」「ありがち」「個性がない」といったネガティブな印象を持ってしまう方も少なくありません。しかし本来の意味はまったく逆で、セオリーとは“たくさんの失敗と成功の積み重ねで導き出されたパターン”にほかなりません。

「ヘッダーにロゴとグローバルナビ」も、ちゃんと理由がある

ほとんどの企業ホームページでは、画面上部にロゴがあり、その横にグローバルナビ(サービス・会社情報・採用情報など)が並んでいます。
この配置は決して偶然ではなく、世界中のユーザーが慣れ親しみ、迷わず行動できる「最適解」として定着した形なのです。

「縦長ページ・スクロール導線」が主流になったのも、スマホユーザーの体験に合わせた結果

一昔前は、情報はなるべく折りたたんで「クリックで遷移」させるのが主流でした。
しかし今は、スマホ操作に最適な「縦スクロール型」で、ページ内にすべての要素を集約する形がスタンダードです。これも「読みやすく、離脱されにくい」構造を追求した結果、多くのサイトに採用されるようになった“セオリー”です。

「セオリー=時代遅れ」ではない

「今っぽくしたいから、あえて崩したい」「どこにでもある構成にしたくない」という気持ちは理解できますが、“セオリーを無視すること”と“セオリーを理解したうえでアレンジすること”は全く違います

Webサイトは「見る」ものではなく「使う」もの。
だからこそ、“安心して使える構造”という土台を持ってこそ、デザインの魅力が生きてくるのです。

とはいえ「ありきたり」では埋もれてしまう|個性とのバランス

ここまで「セオリー」や「既視感の安心感」がいかに大切かをお伝えしてきましたが、もちろんそれだけでは印象に残らない競合に埋もれてしまうという課題も生まれます。

たとえば、同じ業種・同じ商圏に似たようなデザインのサイトが並んでいる中で、ユーザーに「この会社、なんかいいな」と思ってもらうには、“セオリーに乗りつつも、印象的な個性”を演出する必要があります。

個性は“構造”ではなく“演出”で出す

セオリーは「構造」です。個性は「演出」によって伝えるもの。具体的には以下のようなポイントが“らしさ”を表現できます。

  • 写真の使い方:人物の表情、現場の空気感、自然光などでリアリティを表現
  • 配色:企業のトーンに合ったカラー設計で雰囲気を差別化
  • コピー:一文で世界観や価値観を伝えるキャッチコピー
  • 動き:アニメーションやスクロール効果で“体験”を演出

つまり、セオリーを「破る」のではなく「活かした上で工夫を加える」ことが、最も伝わるWebデザインを生み出す近道です。

ユーザーに“記憶される”ために必要なのは、「理解されたうえでの驚き」

全体が見慣れた構造だからこそ、一か所の余白や文字、色使い、動きで「おっ」と思わせることができます。これは、“安心”と“驚き”が共存する瞬間。
ユーザーに「いい意味で印象に残る」サイトとは、セオリー+αのバランスが絶妙なサイトなのです。

ユーザーの“経験値”は日々上がっている|進化する“既視感”に追いつくには?

Webデザインにおける「既視感」は、単に“昔からある形”という意味ではありません。
ユーザーが「使い慣れている」「自然に理解できる」と感じる感覚そのものが、日々進化しているのです。

スマートフォンが当たり前になり、ECサイトでの購入やアプリでの予約、SNSでの情報収集が習慣化された今、ユーザーの「ネット慣れ度」は確実に上がっています
つまり、数年前の「わかりやすさの基準」は、すでに古くなっているかもしれません。

過去のセオリーが“今のストレス”になることも

たとえば、PC時代の感覚で「トップページには情報を詰め込むべき」と考えてしまうと、スマホでは読みづらくなってしまいます。
また、かつて主流だった「スライドバナー」や「見出し画像中心のデザイン」も、現在のユーザーには“広告っぽく見える”として避けられる傾向すらあります。

今の“既視感”に合わせるということは、ただ流行を追うことではなく、「今のユーザーが、どう行動し、どう感じているか」に合わせて最適化するということなのです。

「今っぽさ」とは、視覚だけでなく体験全体の最適化

・ボタンのサイズや位置がスマホで押しやすいか
・ファーストビューの情報量がちょうどいいか
・スクロールのテンポが自然か
・読みやすい文字サイズか
・コンテンツの順番が「知りたい順」になっているか
こういった細かなUX(ユーザーエクスペリエンス)まで含めて、「今っぽさ」は生まれます

そしてその感覚は、ユーザー自身のネット経験とともに変化し続けています。
だからこそ、Webサイトのデザインや構成も、時代に合わせて“微調整し続ける”必要があるのです。

アトラボでは、“わかりやすく新しい”デザインを提案しています

アトラボでは、Webデザインにおいて「伝わりやすさ」と「独自性」の両立を常に意識しています。
「見たことあるデザインだと埋もれてしまうけど、凝りすぎるとわかりにくくなる」
そんなジレンマに対して、私たちが目指しているのは“わかりやすく、でもちゃんと新しい”デザインです。

そのために、まずはしっかりと情報設計とユーザー導線を整理し、「誰が」「何をしに」ホームページに来るのかを明確にします。
そのうえで、既存のセオリーを押さえながら、写真・コピー・配色・レイアウト・余白などの演出部分で“らしさ”や“独自のトーン”を加えていきます。

大切なのは、ユーザーがストレスなく行動できる設計を保ちつつ、「この会社、なんかいいな」と感じてもらえる“印象に残る仕掛け”をつくること。
そのために、テンプレートをただ使うのではなく、1社ごとに「その企業にとって自然な個性」を引き出すデザインをご提案しています。

「なんか古く見える気がする」「もう一歩、信頼感や魅力が伝わるようにしたい」
そんなときは、無理に奇抜にせず、でも“今っぽく新しい”方向へと整えるのが、プロの役目です。
ホームページの印象を変えたいけど方向性に迷っている…という方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ|“目立つ”より、“伝わる”を大切に

Webデザインにおいて「新しさ」や「個性」はたしかに重要です。ですが、それがユーザーにとって“わかりにくい”ものであれば、本来の目的である「伝える」「行動してもらう」ための役割を果たせません

多くの人が「見慣れている」レイアウトや導線は、それだけ使いやすく、信頼されてきた証でもあります。セオリーとは、無難な形ではなく“成果を出してきた実績の積み重ね”なのです。

とはいえ、それだけでは他社と差別化できず、印象にも残らない。だからこそ私たちは、“わかりやすさ”の中に、“新しさ”や“らしさ”を織り込むことを大切にしています。

デザインは、あくまでも情報を届けるための手段です。だからこそ「目立つかどうか」ではなく、「伝わっているかどうか」「使いやすいかどうか」で判断する視点を持つことが、これからのWeb制作には欠かせません。

ユーザーの経験値が上がっている今こそ、“ちょうどいい既視感”と“自然な個性”のバランスが問われる時代
ホームページをリニューアルしたい、印象を変えたいと感じたときには、セオリーを味方につけることから始めてみてください。

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