「新しいお客様を増やすのが営業の仕事」——そう考えていませんか?
もちろん新規顧客の開拓は重要ですが、せっかく取引があった既存顧客が“そのまま”になっていないか、立ち止まって見直すことも同じくらい大切です。
今の時代、「何もしていなければ自然と離れていく」のが顧客の行動パターン。特に競合が多く、乗り換えのハードルが低い業界ではなおさらです。
一方で、購入後も「つながり」を保ち続けられる企業は、紹介やリピートなど次のビジネスへと自然に広がっていく傾向があります。
この記事では、営業やWeb担当者が今すぐ見直したい「アフターフォロー」の設計について、顧客データを活用した実践的なステップを中心にご紹介します。
「新規ばかりに目が向きがち」「既存顧客がフェードアウトしてしまう」という悩みをお持ちの方に、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
よくある“休眠”の原因と、見逃されがちな兆候
既存顧客が“離れてしまう”きっかけは、必ずしも不満やトラブルとは限りません。
むしろ多くの場合、「なんとなく連絡しなくなった」「気づいたら疎遠になっていた」という自然消滅に近いケースがほとんどです。
では、なぜ顧客が“休眠状態”に陥ってしまうのでしょうか。よくある原因と、見落としがちなサインを確認してみましょう。
原因1|購入後、何のアクションもしていない
納品・契約が終わってから、お礼もフォローもない。これは思っている以上に印象を左右します。
「また何かあればお願いします」と言って終わったまま、数か月…というケースは要注意です。
原因2|お知らせや情報提供が届いていない
商品やサービスのアップデートがあっても、顧客に伝わっていなければ存在しないのと同じです。
新サービスや導入事例など、知ってもらえば次につながる情報も、発信がなければ機会損失になります。
原因3|連絡先や担当者が変わっている
BtoBでは特に多いのが、顧客企業内での人事異動や担当変更です。
連絡がつかなくなって初めて「あれ、辞めてたの?」と気づくようでは、リレーションの継続は難しくなります。
見逃されがちな兆候
- メルマガの開封率が下がっている
- 問い合わせや資料請求が数か月以上途絶えている
- 定期購入や更新のリズムが乱れている
これらの「小さな変化」を見逃さないことが、関係性を保つ第一歩になります。
次の章では、こうした休眠リスクを減らすために、中小企業でも実践できるアフターフォロー設計についてご紹介します。
中小企業でもできる!アフターフォロー設計の基本ステップ
アフターフォローというと、「専任の担当が必要なのでは?」「CRMツールがなければ無理」と思われがちですが、工夫次第で中小企業でも無理なく取り組めます。
ここでは、Webや顧客データを活用しながら少人数でも実践できるアフターフォローの設計ステップをご紹介します。
ステップ1|顧客リストの整理と“区分け”
まずは、既存顧客の基本情報を整理します。Excelやスプレッドシートでも構いません。
特に意識したいのは、以下のようなフォローの優先順位をつける区分けです:
- 最後の取引日からの経過期間
- 契約内容や取引規模
- 業種や担当者の変更有無
ステップ2|フォローすべきタイミングと目的を定める
「3か月未接触の顧客には、フォローアップメール」「契約更新の2か月前には案内を送る」など、いつ・何を伝えるかをあらかじめ決めておくと、手が止まりません。
ステップ3|使うチャネル(手段)を明確にする
中小企業では、すべての顧客に同じ対応は難しいため、チャネルを絞るのもポイントです。
- 定型のお知らせ → メールやLINE公式
- 大事な顧客 → 電話や訪問フォロー
- 新製品・導入事例 → ニュースレターやWebの特設ページ
ステップ4|テンプレートと仕組みを整える
「毎回ゼロから考える」状態だと続かないため、テンプレートやチェックリストを活用します。
できる部分は自動化(例:更新タイミングでメール配信)も視野に入れると、少ないリソースでも継続的な運用が可能になります。
このように、アフターフォローは「想い」ではなく“仕組み”で設計することが、継続と成果のカギになります。
アフターフォローで効果を出すための情報発信の工夫
アフターフォローで成果を上げるためには、「連絡すること」自体が目的ではなく、“顧客にとって意味のある情報”を届けることが重要です。
売り込み一辺倒のアプローチでは逆効果になりかねません。ここでは、顧客との距離を縮め、信頼関係を育む情報発信の工夫をご紹介します。
1. 「売り込み」ではなく「思い出してもらう」情報を
「新商品が出ました」「キャンペーン実施中」などの情報だけでなく、
- 納品から半年経った方向けに「活用方法のコツ」
- 同業他社での導入事例
- よくあるトラブルとその解決法
といった、実務に役立つ・気付きにつながる情報が喜ばれます。
2. 自社サイトやブログと連動させる
メールやLINEなどで全てを伝えようとすると負担が大きくなりがちです。
そこでおすすめなのが、Webサイトに“既存顧客向け”の情報ページやブログを設けること。
その一部をメールで案内し、「気になる人だけが読む」形式にすることで、負荷をかけずに接点を維持できます。
3. 情報を「届ける」だけでなく「集める」きっかけに
情報提供のついでに、顧客の状況を把握できるしくみを用意するのもおすすめです。
- 「ご意見はこちら」の簡易フォーム
- クリック測定や資料ダウンロード
- 閲覧履歴の記録(可能な範囲で)
これにより、「今、関心が高い顧客」が可視化され、次の営業アクションにつながります。
アフターフォローとは、単なる御用聞きではなく、「顧客との接点を再構築する情報戦略」です。
成果を上げる企業はここが違う!アフターフォローの継続設計
アフターフォローの取り組みは、「一度やったら終わり」ではなく、いかに継続して運用できるかが成否を分けます。
成果を出している企業には、共通する3つのポイントがあります。
1. 属人化させない“見える化”の仕組み
特定の担当者しか顧客の状況が分からない状態では、引き継ぎや休暇時に抜け漏れが発生しやすくなります。
シンプルなツール(スプレッドシート・共有カレンダー・簡易CRM)でも構いません。
「誰が・いつ・どの顧客に・何をしたか」が見える状態にしておくことで、フォローの一貫性が保たれます。
2. 営業とWebの連携がある
「Webは集客だけ、営業は訪問と電話」——そんな役割分担が完全に分断されている企業も多いですが、
アフターフォローでは両者の情報連携が欠かせません。
例えば、
- ブログや事例ページの更新を営業が知らせる
- 問い合わせフォームの送信内容を営業チームに共有
- Webからのアクセス履歴をもとにアクションを検討
など、Web上のデータを営業活動に“使える形”で届ける工夫が成果に直結します。
3. 続ける仕組みがある
毎月・四半期など、定期的にフォローアクションが発生する仕組みを作ることも大切です。
- リマインダー付きのカレンダー登録
- 社内会議での「フォロー状況」共有
- 更新タイミングでの一斉連絡テンプレート
属人化せず、誰でも一定の品質で続けられる運用フローがある企業ほど、安定した成果を出しています。
「やっていないからダメ」ではなく、「続けられる設計になっていない」ことが問題なのです。
アトラボの支援内容紹介|Web × 顧客情報で「また頼みたくなる会社」へ
アトラボは、単なるホームページ制作会社ではありません。
「Webを使って成果を出したい」という中小企業の皆さまと並走し、顧客との接点づくりやアフターフォローの仕組み化を支援しています。
特に以下のような課題に対して、“やりっぱなしにしない”運用視点でサポートします。
- せっかくWebサイトを作ったが、既存顧客との関係性に活かせていない
- メールやLINEなどのツールがバラバラで、連絡が属人化している
- 事例紹介やお知らせを発信したいが、ネタ出しや運用に手が回らない
たとえば、
- Webサイトの「お知らせ欄」や「ブログ」を使って、既存顧客向けの情報発信を設計
- 問い合わせフォームやメール配信ツールを活用し、顧客ごとのフォロータイミングを明確化
- 営業担当とWeb管理者のあいだに立ち、社内で無理なく回せる運用フローを構築
こうした取り組みの積み重ねが、「またお願いしよう」「困ったときに思い出す存在」につながります。
まとめ
営業活動というと「新規顧客の獲得」に目が向きがちですが、実は一度取引のあった既存顧客こそ、最も成果につながりやすい相手です。
しかし、何も接点を持たなければ、自然と忘れられ、次の依頼は別の会社へ…というのもよくある話。
だからこそ、「また頼みたい」と思ってもらえる継続的な接点=アフターフォローの設計が、これからの営業戦略には欠かせません。
しかも、特別なシステムや大きな投資が必要なわけではありません。
スプレッドシートやメール配信、ブログ記事やお知らせ欄など、いま使っているツールを少し工夫するだけで、できることはたくさんあります。
アトラボでは、Webを活用した「攻めすぎない営業設計」を得意としています。
新規顧客ばかりでなく、「すでに信頼関係があるお客様との関係づくり」にこそ、Webの力を活かしていきましょう。

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