「予約の問い合わせが営業時間外に多くて困る」「ダブルブッキングを避けたい」「カレンダーで空き状況が見られると便利なのに…」——
そんなお悩みを抱える中小企業や個人事業主の方は少なくありません。
近年では、Web上で“空き状況”を確認し、そのまま予約できるカレンダー型の予約フォームが、あらゆる業種で当たり前になりつつあります。
飲食店や美容院はもちろん、貸出機材のレンタルや施工相談の仮予約など、BtoB向けサービスにおいても、ユーザーは「いつ空いているか」を事前に確認できることを期待しています。
特に、WordPressでホームページを運用している企業にとっては、無料または低コストで導入できる予約プラグインや、外部予約サービスとの連携が手軽で、実用的な選択肢となります。
この記事では、そんな中小企業の皆さまに向けて、「カレンダーで空き状況が見える予約フォーム」を自社サイトに取り入れる方法を、プラグインと外部サービスの両面からご紹介します。
「難しそう」と思われがちな予約機能ですが、今日からでも一歩踏み出せる方法を、実例を交えて解説していきます。
どちらを選ぶ?WordPressプラグイン vs 外部サービス
Web予約を導入する際にまず検討すべきなのが、WordPressプラグインを使うか、外部サービスと連携するかという点です。
どちらにも利点があるため、自社の状況や目的に合わせて選ぶことが大切です。
WordPressプラグインのメリット・デメリット
メリット:
- WordPress内で完結できるため、外部サービスとの連携が不要
- デザインや機能をカスタマイズしやすい(テーマに馴染む)
- 無料で使えるものも多く、コストを抑えられる
デメリット:
- 設定やメンテナンスにある程度の知識が必要
- 更新やセキュリティ対策を自社で行う必要がある
- 複雑な予約ロジックには対応しきれない場合も
外部サービスのメリット・デメリット
メリット:
- 専門サービスなので、操作性・機能性に優れ導入が簡単
- スマホ対応や通知機能、決済連携などが充実
- サポート体制があり、非IT人材でも安心
デメリット:
- 有料プランへの移行が前提となることが多い
- 予約フォームのデザインがサイトと合わない場合も
- 顧客情報が外部に保存されるため、セキュリティ面での注意が必要
「なるべくコストを抑えてサイト内に収めたい」場合はWordPressプラグインを、「手軽にスタートしてしっかり管理したい」場合は外部サービスを選ぶのが基本的な考え方です。
次章からは、それぞれのおすすめサービスを具体的に紹介していきます。
中小企業におすすめのWordPress予約プラグイン6選
ここでは、WordPressで構築したホームページに直接設置できる、予約カレンダー対応のプラグインをご紹介します。
「時間単位」「日単位」どちらの予約形式にも対応できるものが揃っているため、自社サービスに適したプラグインを選んでみてください。
1. Booking Package
宿泊施設やイベントスペースの「日単位」予約に適したプラグイン。カレンダー形式での予約管理が可能で、シンプルな操作性が魅力です。
- 予約形式:時間単位/日単位 両対応
- 特徴:日本語対応がしっかりしており、設定画面も直感的。カレンダー表示や空き枠の自動反映が可能
- 無料プラン:あり(機能制限あり)

2. Amelia
サロンやクリニック向けの高機能プラグイン。スタッフごとのスケジュール管理やオンライン決済機能を備えています。
- 予約形式:時間単位
- 特徴:美容室やスクールなどに人気。シンプルでモダンなUI。有料版は決済やSMS通知にも対応
- 無料プラン:あり(Basic機能のみ)


3. WP Simple Booking Calendar
民泊やレンタルスペースなどの「日単位」予約に特化。シンプルなカレンダー表示で空き状況を可視化できます。
- 予約形式:日単位(シンプルな空き情報の表示向き)
- 特徴:レンタルスペースや貸出品など、可視化だけを重視する用途に最適
- 無料プラン:あり

4. Booking Calendar
ホテルや会議室などの「日単位」予約に対応。長年の実績があり、信頼性の高いプラグインです。
- 予約形式:日単位/時間単位(組み合わせ可)
- 特徴:WordPress予約系の老舗。多機能かつカスタマイズ性が高い。シーズンによる料金変更も可能
- 無料プラン:あり(中規模以上は有料版推奨)

5. Pinpoint Booking System
ツアーやイベントなど、可変スケジュールのある業態に適したプラグイン。柔軟な予約設定が可能です。
- 予約形式:日単位
- 特徴:シンプルで見やすいカレンダーUI。フロントエンドからの管理も可能で、短期レンタルや会議室予約などに人気
- 無料プラン:あり

6. Salon Booking System
美容室やスパなどのサロン向けに設計されたプラグイン。スタッフごとの予約管理やSMS通知機能を備えています。
- 予約形式:時間単位
- 特徴:その名の通りサロン向けだが、複数スタッフ・サービスの割り当て機能があり、中小規模のサービス業全般に対応可能
- 無料プラン:あり(基本機能のみ)

どのプラグインも比較的導入しやすく、実店舗型の中小企業やサービス提供業に多く活用されています。
外部予約サービスのおすすめ6選(無料あり)
「予約システムはプロに任せたい」「操作しやすく、スマホでも使いやすいほうがいい」——そんな方におすすめなのが、外部の予約サービスです。
以下では、無料プランありで、中小企業や個人事業主にも人気のサービスを紹介します。
1. STORES予約
美容・整体・パーソナルジムなど、個人向けサービスに特化したUIが魅力。LINE連携や事前決済など集客施策も豊富です。
- 予約形式:時間単位/日単位 両対応
- 特徴:ネットショップとの連携が可能。決済・Zoom・LINE連携など幅広い機能を搭載
- 無料プラン:あり(1スタッフ/1プラン制限)

2. RESERVA(レゼルバ)
全国の公民館・スクール・医療機関にも多数導入される総合型サービス。自治体や教育機関からの評価も高いです。
- 予約形式:時間単位/日単位 両対応
- 特徴:業種別テンプレートが豊富で、導入しやすい。医療や教育、イベントなど幅広く対応
- 無料プラン:あり(広告表示あり)
3. Airリザーブ
リクルートが提供する高信頼のサービス。飲食・スクール・医療など多用途に対応し、無料プランでも基本機能が充実しています。
- 予約形式:時間単位/日単位 両対応
- 特徴:リクルート提供で信頼感あり。美容室・スクール・レンタルなどに広く導入されている
- 無料プラン:あり(機能限定版)

4. SelectType(セレクトタイプ)
企業説明会やイベント受付など、BtoB用途にも強い。フォーム・アンケートとの統合が特徴です。
- 予約形式:時間単位/日単位 両対応
- 特徴:デザインの自由度が高く、カレンダーの埋め込みやフォーム作成が可能
- 無料プラン:あり(広告あり・制限付き)

5. freee予約(旧tol)
SNS発信・LINE予約などライトな導入に最適。個人事業主やスタートアップに人気のサービスです。
- 予約形式:時間単位/日単位 両対応
- 特徴:フォーム感覚で直感的に作成可能。中小企業・教育・イベント業などで利用者多数
- 無料プラン:あり(フォーム数制限あり)

6. Google カレンダー+Googleフォーム
GoogleフォームとGoogleカレンダーを連携させることで、無料で予約システムを構築可能。コーディングが必要ですが、カスタマイズ性が高いです。
- 予約形式:日単位向け(時間単位は工夫が必要)
- 特徴:コストゼロで始めたい方向け。社内共有や在庫管理には工夫が必要
- 無料プラン:完全無料
いずれのサービスも埋め込みタグや予約ページリンクを使えば、既存のホームページにも簡単に導入可能です。
導入前に検討したいポイント
予約システムは多機能で便利な反面、自社の業務フローや目的に合っていないと、「使いこなせない」「更新が続かない」といった事態になりがちです。
以下のような観点から、自社にとって本当に使いやすい予約システムを選ぶことが重要です。
1. 予約の頻度と予約単位を明確にする
「時間単位」なのか「日単位」なのか、または「1日1件」なのか「同時に複数件」なのか。
業種やサービス内容によって、求められる予約の粒度は異なります。
まずは、お客様がどのように予約するのが自然か?をイメージしましょう。
2. 管理者側の運用負荷を確認する
予約システムは導入して終わりではなく、キャンセル対応・予約確認・通知の設定など、運用面の負荷も考慮が必要です。
誰が管理するか、どの程度のITリテラシーがあれば対応可能かを事前に確認しましょう。
3. ホームページとの連携方法を確認する
WordPressなどで自社サイトを運用している場合、埋め込み形式・リンク形式・ポップアップ形式など、予約ページの表示方法にも相性があります。
「ページのどこに」「どんな導線で」予約へ誘導するのかも、ユーザー体験の大事な一部です。
4. 無料プランの制限を把握する
多くのサービスが「無料で始められる」ことを強調していますが、フォーム数・スタッフ登録数・広告表示などに制限がある場合が多いです。
将来的な拡張も見据えつつ、「今の自社に合う最低限の機能」が揃っているかを確認しましょう。
5. 顧客側の使いやすさを忘れずに
どれだけ高機能でも、お客様が「使いにくい」と感じてしまえば本末転倒です。
スマホ表示・入力項目数・予約完了通知など、顧客体験(UX)を意識して比較検討しましょう。
これらのポイントを押さえることで、導入後に「思っていたのと違った…」というミスマッチを防ぐことができます。
アトラボがサポートできること:導入から設置まで“ちょうどいい”ご提案を
「Web予約システムを導入したいけど、どれを選べばいいか分からない」「サイトにどう組み込めばいいのか不安」──そんな中小企業の声に、アトラボは日々お応えしています。
私たちは、単に予約ツールの導入を支援するのではなく、御社の業種やお客様の動きに応じた“ちょうどいい導入方法”をご提案しています。
たとえば、以下のようなケースにも対応可能です。
既存のWordPressサイトに、自然なかたちでカレンダー予約を組み込みたい
プラグイン導入だけでなく、デザインや導線の調整まで一貫して対応。
スマホからのアクセスを前提に、ストレスのないUI設計をご提案します。
外部予約サービスと連携して、複数拠点・複数サービスの管理を簡単にしたい
freee予約やSTORES予約など、外部ツールとの埋め込み・連携・カスタマイズもサポートします。
「予約する場所が分かりにくい」という課題も、導線設計で解消できます。
サイト制作と同時に、顧客との接点を増やしたい
ホームページ制作・改修とセットでの導入も多く、「問い合わせフォームだけ」から脱却したいというニーズにもお応えしています。
「Webに強い人が社内にいないからこそ、最初の一歩をしっかりサポートしてほしい」。
アトラボは、そんなご要望に寄り添いながら、身の丈に合った導入支援を得意としています。
導入後の保守・更新・変更にも対応していますので、長く使える仕組みとして、安心してご相談いただけます。

まとめ:「予約のしやすさ」が選ばれる理由になる
今や、BtoCでもBtoBでも、「Web予約が当たり前」の時代。
電話対応の負担を減らすだけでなく、顧客満足度を高め、売上や業務効率にも直結する予約システムの導入は、中小企業にとっても大きな武器となります。
とくにカレンダー形式での空き状況の確認と、スムーズな申し込み動線は、「この会社、ちゃんとしてるな」という信頼感を生みます。
予約までの導線が整っていないがゆえに、せっかく興味を持ったお客様を逃してしまうのは、とてももったいないことです。
この記事でご紹介したように、WordPressプラグインや外部予約サービスを使えば、自社サイトに簡単に予約カレンダーを導入することができます。
はじめは無料プランでも、十分実用的な運用が可能です。
アトラボでは、中小企業のWeb活用を実務レベルで支援しています。
「サイトを少し見やすくしたい」「自社のサービスを予約制にしたい」など、小さな相談からでも大歓迎です。
業種や目的に応じて、最適な導入方法をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
「予約のしやすさ」は、信頼されるビジネスの第一歩。
ぜひ、御社のホームページにも“予約カレンダー”という便利な一歩を取り入れてみませんか?
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