
新年度が始まって、「今年こそホームページをどうにかしたい」と思いながら、気づけばGW——そんな会社、実は少なくありません。
4月は、総務担当者にとって一年の中でも特に慌ただしい時期です。入社・退職に伴う手続き、人事対応、備品やアカウントの準備、年度の切り替え作業、経理まわりの対応、場合によっては社内のお知らせや広報業務まで。中小企業では部署が細かく分かれていないことも多く、「総務」と言いながら実際には何役も兼ねているという方も多いのではないでしょうか。
そんな日々の中で、「ホームページ、そろそろリニューアルしたいよね」という話が社内で出ていても、なかなか具体的に進まないのは当然です。緊急性の高い業務が優先される中で、ホームページのような“すぐに今日困るわけではない仕事”は、どうしても後回しになりがちです。
でも、GWを過ぎる頃になると、ようやく「少し動けるかも」という空気が生まれてきます。
一方で、いざ担当として動こうとすると、急に現実的な悩みが押し寄せてきます。「何を載せるの?」「文章は誰が考える?」「写真って撮り直すの?」「そもそも何のためにリニューアルするんだっけ?」——調べれば情報はたくさん出てきますが、情報が多すぎて、何が自社に合っているのか分からないというのが本音ではないでしょうか。
ホームページリニューアルで一番大変なのは、「作ること」よりも「何を決めるべきかを整理すること」かもしれません。
この記事では、そんな「今年こそホームページを何とかしたい」と考えている総務担当者の方に向けて、GW明けから無理なく進めるための考え方と、失敗しにくい制作会社の選び方について整理していきます。
ホームページリニューアル担当が最初にぶつかる壁
ホームページリニューアルを担当することになって、多くの方が最初に感じるのは「何から手をつければいいの?」という戸惑いです。
ホームページ制作というと、「制作会社に頼めば作ってくれるもの」と思われがちです。もちろん間違いではありません。ただ、実際に進めようとすると、制作会社に依頼する前に決めるべきことが想像以上に多いことに気づきます。
たとえば、こんな疑問はありませんか?
- そもそも今回のリニューアルの目的は何か?
- 会社案内として見せたいのか、採用強化なのか、問い合わせを増やしたいのか?
- 載せる文章は誰が考えるのか?
- 写真や動画は今あるもので足りるのか?
- 予算の範囲でどこまで実現できるのか?
- 社内の誰に確認を取れば進められるのか?
こうして並べてみると、「ホームページを作る」より「社内を整理する」仕事の方が多いことが見えてきます。
しかも総務担当の方であれば、この仕事だけに集中できるわけではありません。本来の業務をこなしながら、社内の意見を集めたり、制作会社を探したり、見積もりを比較したり…となると、思っている以上に負担が大きくなります。
だからこそ、「ちょっと落ち着いたら進めよう」と後回しになり、そのまま半年、1年と経ってしまうケースも珍しくありません。
実はここで止まってしまう会社の多くは、「制作の話」に入る前の整理でつまずいているのです。
そしてもう一つ厄介なのが、ネット上には「ホームページ制作」に関する情報があふれていることです。安い制作会社の広告もあれば、専門用語だらけの比較記事もあり、「結局うちの場合はどうなの?」という答えにたどり着きにくいのが現実です。
まず必要なのは、制作会社を探し始めることではなく、自社が何をしたいのかをざっくりでも整理することです。
まず整理すべきは「作ること」ではなく「目的」
ホームページリニューアルで最初に考えるべきなのは、「どんなサイトを作るか」ではなく「何のために作るのか」です。
ここが曖昧なまま進めてしまうと、「とりあえず見た目を新しくする」「今っぽいデザインにする」といった話になりやすく、結果として“それっぽいけど成果につながらないホームページ”になってしまうことがあります。
実際、中小企業のホームページリニューアルの目的は会社によってさまざまです。
- 採用応募を増やしたい
- 営業先に見せても恥ずかしくない会社案内にしたい
- 問い合わせを増やしたい
- 古い情報のままになっているので整理したい
- 取引先から「ホームページないの?」と言われることが増えた
- スマートフォンで見づらい状態を改善したい
同じ「ホームページリニューアル」でも、目的が違えば必要な構成も、予算のかけ方も、選ぶべき制作会社も変わります。
ここでよくあるのが、「社長は採用強化と言っている」「営業は問い合わせを増やしたい」「総務としては会社情報を整理したい」といったように、社内で期待していることがバラバラなケースです。
この状態で制作会社に相談してしまうと、話がまとまらず、何度も方向転換することになったり、「思っていたものと違う」というズレが起きやすくなります。
完璧な要件定義は不要ですが、「今回、一番大事な目的は何か?」だけは最初に決めておくべきです。
難しく考える必要はありません。「採用を強くしたい」「会社の信頼感を上げたい」「営業で使いやすくしたい」など、ざっくりした方向性で十分です。
ホームページ制作は“作る作業”ではなく、“目的に合わせて設計する仕事”です。だからこそ、最初の目的整理が、その後の進めやすさを大きく左右します。
制作会社選びで失敗する会社の共通点
ホームページリニューアルで後悔する会社には、いくつか共通するパターンがあります。
特に、初めて担当になる方ほど「どこに頼めばいいのか分からない」という不安から、分かりやすい判断基準に引っ張られてしまいがちです。
たとえば、「価格が安いから」「納期が早そうだから」「知り合いに紹介されたから」「見た目がかっこよかったから」といった理由だけで制作会社を選んでしまうケースです。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。ただ、ホームページは“作って終わり”ではないため、そこだけで判断するとズレが起きやすくなります。
特に危ないのは、「こちらの言ったものをそのまま作ってくれる会社」を“良い会社”だと思ってしまうことです。
一見すると、話が早くて進めやすいように感じます。しかし、目的が整理されていない状態でそのまま制作に入ると、「とりあえず希望通り作ったけど、何の成果にもつながらない」という結果になりかねません。
また、こんなケースもよくあります。
- 更新方法が難しく、結局触れなくなる
- 文章や写真の準備を丸投げされて進まなくなる
- 公開後の相談先がなくなる
- 社内説明に必要な情報が不足していて決裁が進まない
ホームページ制作の失敗は、「デザインが気に入らない」よりも「進め方が合わなかった」というケースの方が多いのです。
特に兼務の総務担当者にとっては、「制作知識がなくても進めやすいか」「社内調整しやすいか」「相談しやすいか」といった要素の方が、実は重要です。
ホームページ制作会社はたくさんありますが、どこでも同じではありません。作ることが得意な会社と、一緒に整理しながら進めるのが得意な会社は違います。
総務担当者が選ぶべきホームページ制作会社とは
今回のような兼務の総務担当者が選ぶべきなのは、「作る会社」ではなく「一緒に整理してくれる会社」です。
ホームページ制作というと、デザインの良し悪しや価格に目が向きがちですが、実際に担当として大変なのは「制作そのもの」よりも、その前後にある整理や調整です。
だからこそ、制作会社を選ぶときに見るべきポイントは、「かっこいいサイトを作れるか」だけではありません。
たとえば、こんな視点で見てみてください。
- こちらの話を聞いて、目的整理から一緒に考えてくれるか
- 文章や構成について相談できるか
- 写真や動画の準備について現実的な提案があるか
- 予算に応じて優先順位を整理してくれるか
- 社内説明しやすいように進め方を整理してくれるか
「ホームページの知識がなくても進めやすいかどうか」は、担当者にとって非常に重要な判断基準です。
特に中小企業では、ホームページ担当といっても、それだけに時間をかけられる方ばかりではありません。制作会社側が「文章ください」「写真ください」「仕様決めてください」と次々にボールを投げてくるだけでは、結局進まなくなってしまいます。
一方で、経験のある制作会社であれば、「この目的ならまずここを整理しましょう」「写真は全部撮り直さなくてもこの対応で進められます」「この予算なら優先順位はこうですね」といったように、現実的な進め方を一緒に考えてくれます。
担当者が一人で抱え込まなくて済む体制かどうか。それが制作会社選びでは意外と大切です。
ホームページ制作は、単なる発注ではなく社内プロジェクトです。だからこそ、「言われたものを作る会社」よりも、「一緒に形にしてくれるパートナー」を選ぶ方が、結果として失敗しにくくなります。

まとめ
ホームページリニューアルで一番大変なのは、「作ること」ではなく「動き出すこと」かもしれません。
特に中小企業の総務担当者の方にとっては、本来業務の合間に進めるプロジェクトになることがほとんどです。人事、経理、広報、社内調整など、日々の業務だけでも忙しい中で、「ホームページのことまで」と感じるのはごく自然なことです。
しかも、ホームページリニューアルには、目的整理、社内の意見集約、予算確認、原稿や写真の準備、制作会社選びなど、想像以上に考えることがあります。
だからこそ、「全部整理してから相談しよう」と思う必要はありません。
むしろ大切なのは、「今年こそ何とかしたい」「採用を強くしたい」「古いままなのが気になっている」といった、ざっくりした課題感を持つことです。そこから整理を一緒に進めてくれるパートナーがいれば、担当者一人で抱え込む必要はありません。
GW明けは、新年度の慌ただしさが少し落ち着き、「そろそろ動くか」と考えやすいタイミングです。完璧な準備を待っていると、また半年、1年と時間が過ぎてしまうかもしれません。
ホームページ制作会社を選ぶというより、「自社の課題を一緒に整理してくれる相手を探す」——その視点で考えると、進め方はぐっとシンプルになります。
もし今、「ホームページそろそろですよね」と社内で話題になっているなら、それは十分なスタートのサインです。
担当者が一人で悩み続けるより、まずは相談して整理してみる。その一歩が、今年度のホームページリニューアル成功につながります。



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