
「学部・学科不問」と書いているのに、なぜか応募が来ない。そんな悩みを抱える中小企業は少なくありません。特に建設業や製造業では、理系出身や工業高校卒でなくても活躍できる場面が多く、現場では「文系でもまったく問題ない」「未経験でも育てられる」というのが本音です。
それにもかかわらず、採用ページに「不問」「未経験歓迎」と記載しているだけでは、学生にはほとんど響かないのが現実です。なぜなら「本当に歓迎されているのかどうか」が伝わっていないからです。
学生は「自分がやっていけるのか」「馴染めるのか」という“安心材料”を求めています。だからこそ、ただ「不問」と書くだけでなく、それを“自分ごと”として受け止めてもらうための工夫が必要です。
本記事では、文系や未経験の学生にも響く新卒採用ページの改善ポイントを解説します。「先輩インタビュー」や「募集要項の伝え方」など、すぐに取り入れられる具体的な施策も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
なぜ「学部・学科不問です」が伝わらないのか?
採用ページや求人票に「学部・学科不問」「未経験歓迎」と明記していても、学生側には意外と届いていません。その理由は、表現があまりにも“当たり前”になってしまっているからです。
企業側の意図としては「理系でなくても大丈夫」「商業高校や経済学部出身でも歓迎」と伝えたいはず。しかし、学生は「本当に?実際には理系の方が有利なんじゃないの?」「配属されるのは力仕事では?」と、不安を払拭できないまま通り過ぎてしまうのです。
さらによくあるのが、「不問」と書いてあるにもかかわらず、写真や先輩紹介が理系出身者ばかりというケースです。これでは「結局は理系優遇では…?」と誤解を与えてしまいます。
「学部・学科不問」は“書けば伝わる”ものではありません。学生に「自分のことだ」と思ってもらえるよう、伝え方・見せ方に配慮が必要です。
理系じゃなくても活躍できる職場を“具体的に”伝える
「文系でも活躍できる」「未経験でも大丈夫」と伝えたいのであれば、抽象的なメッセージではなく、“実例”を交えた表現が不可欠です。
たとえば、採用サイトや会社案内に「文系出身でも活躍中!」と書くだけでは不十分。どんな経歴の人が、どんな仕事をして、どう成長しているのかを具体的に紹介することで、初めて学生は「自分にもできるかも」と思えるのです。
特に効果的なのは、先輩インタビューや社員紹介ページです。工学部ではなく経済学部出身、商業高校卒業、製造業に縁のなかった先輩が、入社後に仕事を覚えていった過程や、やりがいを感じたエピソードなどを紹介することで、ぐっと親近感が増します。
また、研修制度やサポート体制も一緒に伝えると、安心感がさらにアップします。「誰でも最初は未経験」「理系・文系にかかわらず、同じスタートライン」といった文化をしっかり表現しましょう。
「理系じゃない自分でも大丈夫」だと、心から思える採用コンテンツこそ、文系や未経験層の応募を後押しする鍵になります。
募集要項の「伝わる」書き方とは?
新卒向けの募集要項は、単に「事務職」「技術職」といった分類だけでは、仕事内容や職場の雰囲気が伝わりにくいものです。特に業界や職種に馴染みのない学生にとっては、「何をするのか」「どんな1日なのか」が想像できないことが多く、応募のハードルになってしまいます。
そこで大切なのが、具体的な業務内容や一日の流れ、入社後の成長ステップを織り交ぜた記述です。「主にこんな機械を扱い、先輩のサポートのもとで現場作業を覚えていきます」「最初の3ヶ月はOJT中心の研修を行い、その後簡単な業務から少しずつ担当していただきます」といった説明があるだけで、学生の安心感は大きく変わります。
また、「学部・学科不問」「未経験歓迎」などの文言も、その根拠を明記することで説得力が増します。「実際に経済学部出身の社員が第一線で活躍中」や「未経験者向けの技術研修を社内で実施」などの補足があると、納得度が高まり応募意欲にもつながります。
「自分にもできそう」と思ってもらえることが、募集要項で目指すべき最重要ポイントです。項目を並べるだけでなく、学生の不安を先回りして解消できるような、ていねいな設計を意識しましょう。
“自分ごと化”させる先輩インタビューの作り方
「社員インタビュー」は、新卒採用における最強の“共感コンテンツ”です。特に、学部・学科が不問の採用を目指す企業にとっては、似た経歴の先輩社員の声が「自分にもできるかも」と思わせる大きな武器になります。
ポイントは、「先輩が何を語るか」よりも、「誰が語るか」。たとえば、商業高校出身の社員、文系の大学から入社した社員など、採用ターゲットに近い経歴を持つ人を選ぶことで、より強く“自分ごと化”されます。
さらに効果的なのが、「なぜこの会社を選んだのか」「入社前は何が不安だったか」「入社後にどんな変化があったか」といった、心の動きに焦点を当てたインタビュー。単なる業務紹介ではなく、読んだ人の気持ちに寄り添う構成が共感を呼びます。
また、文字だけでなく、仕事中の表情や職場の雰囲気がわかる写真を添えることで、文章では伝えきれないリアルさが加わります。実際に働く姿をイメージできることで、「なんだか自分にもできそう」と感じるきっかけになるのです。
誰を、どう紹介するか。インタビューはコンテンツ設計次第で、大きく印象が変わります。求職者の目線に立ち、「自分が読むなら、どんな人の話を聞きたいか」を想像して構成しましょう。
高校・専門学校・大学との接点でも伝えたいこと
「学部・学科不問」であることを、学生に直接伝える機会は限られています。だからこそ、進路指導の先生やキャリアセンターの担当者との“間接的な接点”をいかに活かすかが重要です。
学校訪問や求人票の提出時には、単に「募集内容」を伝えるだけでなく、「どんな学生さんでも活躍できる環境があること」「未経験から育成していく体制があること」をしっかり言葉で補足しましょう。
また、オープンキャンパスや企業説明会、インターンシップといったリアルな場では、“仕事の入口のハードルが高くない”ことを丁寧に伝えることで、文系学生や未経験者の不安を払拭することができます。
ポイントは、「理系じゃなくても」「経験がなくても」という言い回しを繰り返すのではなく、「こんな学びが活かせます」「この経験が役立ちます」といった“橋渡し”の表現を心がけること。進路担当者にとっても、生徒に安心して紹介しやすくなります。
採用サイトの情報と現場での対応が一貫していれば、学校側の信頼も得やすくなり、次年度以降の応募にもつながります。地道な情報提供が、未来の応募者の背中を押すのです。
アトラボでは、新卒応募につながる「情報設計」を支援します
私たちアトラボは、単に採用ページを作るだけでなく、学生が「自分にもできそう」と思える情報の出し方=情報設計にこだわっています。
「学部・学科不問」「未経験歓迎」という言葉はよく見かけますが、それだけでは伝わらないことが多いのが現実です。私たちは、企業の方と一緒に、具体的にどんな仕事があり、どんな人が活躍しているのか、どう成長していけるのかを言語化し、ページ構成や見せ方に落とし込みます。
たとえば、文系出身の先輩社員が活躍しているインタビュー記事や、理系でない学生が担当している現場レポートを通じて、「自分と近い立場の人も働いている」ことを伝える。あるいは、実際の業務をステップに分けて紹介することで、「自分にもできるかもしれない」と感じてもらえる。そうした丁寧な設計が、応募を後押しします。
また、求人票や学校向けパンフレットとの情報の整合性も重視。Webだけでなく、リアルの採用活動と連動したコンテンツ設計もご提案しています。
新卒採用は、情報を「多く出す」ことより「伝わるように出す」ことが大切です。アトラボは、“伝わる採用コンテンツ”で、御社の新卒採用をサポートします。

まとめ|「文系でも活躍できる」が伝われば、応募は増える
「学部・学科不問」「未経験歓迎」と書いていても、それが応募者に届いていないと感じたことはありませんか?それは、情報が“出ている”だけで“伝わっていない”からかもしれません。
とくに建設業・製造業では、理系出身の学生しか対象に見えないというイメージを持たれてしまいがちです。だからこそ、実際に文系出身の先輩が働いていること、未経験でも活躍できる環境があることを「具体的に」伝えることが大切です。
募集要項の書き方、先輩インタビューの内容、業務フローの図解、学校との接点づくり…。すべてがつながることで、応募につながる「納得感ある採用情報」になります。
アトラボでは、情報設計からコンテンツ制作まで一貫してサポート可能です。「理系じゃないから…」「製造には興味なさそう…」と諦める前に、学生に伝わる採用コンテンツを一緒に考えてみませんか?




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