「ホームページを作りたいけど、いくらくらいが相場なんだろう?」
これは、ホームページ制作を検討する企業の担当者が最初に抱く疑問のひとつです。
しかし、制作会社に問い合わせても明確な金額を提示してくれないケースも多く、“金額の幅が広すぎて比較できない”という声もよく耳にします。
実際、ホームページ制作の費用は依頼先のタイプ(フリーランス/制作会社/広告代理店)や、サイトの目的(コーポレート/採用/EC/LPなど)によって、大きく異なります。
さらに、ページ数・デザインの自由度・更新機能・マーケティング要素の有無などによっても費用が上下するため、単純な比較は困難です。
また、初期制作費用だけでなく、その後の運用や保守にかかる継続コストまで含めて予算設計を行わなければ、後々「こんなはずじゃなかった」と後悔することにもなりかねません。
本記事では、2025年現在の相場をふまえながら、ホームページ制作を「価格」だけで判断せず、事業の目的や運用方針に応じて適切に予算を組むための考え方を解説します。
依頼先別・目的別の費用感から、費用を左右する具体的な要因、そして見落とされがちな運用・保守費まで、失敗しないために必要な情報を網羅しました。
「結局、うちの場合はいくらくらいを想定すべき?」という疑問に答えられる記事を目指しています。ぜひ最後までご覧ください。
ホームページ制作費用の全体構造
ホームページ制作の予算を検討するうえで、まず理解しておきたいのが「制作費用の内訳」です。
一見すると「100万円で作れる」と聞いても、その中に何が含まれていて、何が含まれていないのかが不明確なままだと、後々のトラブルのもとになりかねません。
以下は、ホームページ制作における主な工程と、それぞれにかかる費用の相場感です。
項目 | 内容 | 相場(目安) |
---|---|---|
ディレクション | 全体進行管理、打ち合わせ、要件整理 | 制作費の5〜20% |
サイト設計 | 構成案(サイトマップ)、ワイヤーフレーム作成、導線設計 | 5万〜20万円 |
デザイン | トップページ・下層ページのビジュアルデザイン | 5万〜50万円(1Pあたり5万前後) |
コーディング | HTML/CSS/JavaScriptによる実装(レスポンシブ対応含む) | 3万〜10万円/ページ |
CMS導入 | WordPressなどのCMS構築、管理画面設定 | 10万〜50万円 |
写真撮影 | プロカメラマンによる撮影、レタッチ含む | 5万〜15万円/日(交通費別) |
原稿作成 | ライターによる取材・執筆、または編集作業 | 2万〜8万円/ページ |
フォーム設置 | 問い合わせフォーム、エントリーフォーム等 | 3万〜10万円 |
基本SEO対策 | タイトルタグ、メタディスクリプション、構造化データの設定 | 5万〜15万円 |
テスト・公開作業 | ブラウザ検証、表示チェック、サーバー設定、公開対応 | 3万〜10万円 |
これらを合計すると、5〜10ページの一般的な中小企業のコーポレートサイトであれば、概ね「50万〜150万円」程度の範囲に収まることが多いです。
ただし、CMSの導入有無、原稿や写真の制作負担をどこまで制作会社に委ねるかによっても大きく変動します。
初期費用とランニング費用は別で考える
また、制作費とは別に「公開後にかかるランニング費用(=保守・更新・サーバーなど)」が発生します。
予算を立てる際は、初期制作費と年間運用費のトータルコストで検討することが重要です。
次の章では、こうした費用が依頼先によってどう変わるのかを、フリーランスから大手制作会社までタイプ別に比較していきます。
依頼先別に見るホームページ制作費の相場
ホームページ制作は「どこに依頼するか」によって、費用はもちろん、進行体制や仕上がりの傾向も大きく異なります。
ここでは代表的な4タイプの依頼先について、それぞれの特徴と費用相場を客観的に整理してご紹介します。
フリーランス
費用帯の目安:30万〜80万円程度(5〜10ページ規模のコーポレートサイト)
個人で活動するフリーランスは、もっとも価格が抑えやすい選択肢です。
中には10万円台で引き受ける方もいますが、設計・原稿・デザイン・コーディングなどをすべて一人でこなすため、対応できる範囲や得意・不得意の差が大きいのが特徴です。
柔軟な対応が期待できる反面、保守やトラブル時のサポート体制が不十分な場合もあるため、特に法人サイトでは事前の確認が重要です。
また、納期が長めになったり、スケジュール調整が必要になるケースもあります。
小規模な店舗サイトや個人事業主の名刺代わりのページなど、「最低限の情報発信ができればよい」という場合には、コスト面で魅力的な選択肢と言えるでしょう。
小規模な制作会社
費用帯の目安:50万〜150万円程度
数名規模の制作会社は、価格と品質のバランスを重視する中小企業にとって選ばれやすい存在です。
ディレクション・設計・デザイン・コーディングなどの役割分担がある程度整っており、フリーランスよりも一定の品質と安定感が期待できます。
会社によってはSEO対策や採用支援、マーケティング支援まで行っていることもあり、単なる制作にとどまらない提案ができる場合もあります。
一方で、プロジェクトごとにリソースを調整している会社も多いため、繁忙期や対応スピード、サポート体制には差が出やすい点に注意が必要です。
「制作費は抑えたいが、最低限の企画提案や保守対応もほしい」という中小企業にとっては、最も現実的なパートナーとなる可能性が高いカテゴリです。
中堅制作会社
費用帯の目安:80万〜200万円程度
社員数10〜50名程度の制作会社になると、体制の整ったディレクションやデザインの提案力、CMS設計、ライティング、撮影なども社内で対応できるケースが増えてきます。
価格帯は制作物の内容やページ数にもよりますが、30万円〜150万円程度が相場です。
中小企業向けのコーポレートサイトや採用サイトの制作において、費用と品質のバランスが取れている依頼先と言えるでしょう。
要望に対して柔軟に対応しながら、SEOやブランディングなどの戦略的視点も持ち合わせている会社が多いのが特徴です。
また、納品後の運用や改善提案などのサポート体制も比較的整っているため、「つくって終わり」にしないWeb運用を目指す企業にとっては安心感があります。
大手制作会社・広告代理店経由
費用帯の目安:100万〜500万円以上
大手制作会社や広告代理店を介しての制作となると、プロジェクトの規模や工程の多さ、専門スタッフの人数に比例して、費用は100万円を超えることが一般的です。
中には500万円を超えるケースもあり、官公庁や大企業のコーポレートサイト、ブランドサイト、ECモール型サイトなどが主な対象です。
コンテンツ戦略やマーケティングリサーチ、プロモーション設計まで一貫して任せられる反面、中小企業にとっては過剰な仕様や工程になる場合もあります。
「スピード感が合わない」「担当者が都度変わる」などのコミュニケーション面の課題を感じる声もあります。
そのため、予算が潤沢で、長期的なブランディングや大規模なWeb施策を検討している企業に向いている選択肢です。
目的別に見るホームページ制作の費用感
ホームページの制作費は、依頼先だけでなく「何のために作るのか」によっても大きく変わります。
コーポレートサイト、採用サイト、ECサイト、ランディングページ(LP)など、それぞれの役割に応じて、必要な機能やページ構成、コンテンツの深さが異なるためです。
ここでは代表的な4つのタイプについて、費用帯の目安とともに、目的に応じた制作のポイントを解説します。
コーポレートサイト(企業サイト)
費用帯の目安:30万〜200万円
企業の顔となるホームページで、名刺代わりから営業・採用・信頼獲得のツールまで、さまざまな役割を持ちます。
- 5〜10ページ規模の「最低限の構成」であれば50万円前後から対応可能
- 事業紹介、会社概要、問い合わせフォーム、採用情報などが標準的な構成
- ブランディング重視のフルオリジナルデザインや、撮影・原稿作成を含むと100万円以上になるケースも
- 問い合わせ数を増やしたい場合は、SEOやMEO、導線設計にもコストをかける必要あり
採用サイト・採用特設ページ
費用帯の目安:80万〜250万円
新卒・中途採用に特化した専用ページや特設サイトは、企業の採用力を高めるための重要な投資といえます。
- 社員インタビュー、職種紹介、1日の流れ、キャリアステップなど“働く姿”を可視化するコンテンツが必要
- プロカメラマンによる撮影、ライターによる原稿作成が別途発生しやすい
- 採用管理システム(ATS)や応募フォームとの連携が必要な場合は追加費用
- 若年層をターゲットにする場合はスマホ最適化と動画活用も効果的
ECサイト(ネットショップ)
費用帯の目安:100万〜500万円
商品数や決済方法、在庫管理、配送連携など、機能要件によって費用に大きな幅が出るのがECサイトです。
- 小規模なショップ型(Shopify・BASEなど)であれば初期費用は50〜100万円前後
- フルスクラッチやWooCommerce、EC-CUBEなど独自構築型は100万〜300万円以上が一般的
- クレジット決済、ポイント連携、定期購入などを追加するとコストが増加
- 商品写真・説明文・SEO・販促ツールとの連動まで視野に入れる必要あり
ランディングページ(LP)
費用帯の目安:20万〜80万円
1ページ完結型のセールスページや広告着地ページとして活用されるのがランディングページです。
- 構成設計・コピーライティング・デザイン・コーディングを一貫して行う必要がある
- 通常のページ制作よりも「伝える順序と見せ方」の設計力が重要
- リスティング広告との連携を前提にした構成設計ではABテストや改善提案も必要
- 縦長1ページの中にコンテンツが集約されるため、ボリュームと質の両立が求められる
このように、同じ「ホームページ制作」でも、目的によってコスト構造や求められるスキルがまったく異なります。
次の章では、さらに制作費を左右する具体的な要因について掘り下げていきます。
制作費を上下させる要因とは?
同じ「5ページのホームページ」といっても、制作費が30万円のケースもあれば150万円を超えることもあります。
それを分けるのは、見た目のボリュームではなく、中身の設計・機能・制作体制といった要素です。
ここでは、ホームページの制作費用を上下させる代表的な6つの要因を解説します。
要因1:ページ数と構成
一般的に、ページ数が増えるほど費用も上がります。
1ページあたりのデザインやコーディング、原稿作成にかかる工数が増えるためです。
- 5ページ:小規模な会社案内サイト
- 10〜15ページ:事業案内・採用情報・実績紹介などを含む中規模サイト
- 30ページ以上:サービス別詳細ページやコンテンツ記事など豊富な情報設計が必要な大規模サイト
要因2:デザインの自由度とカスタマイズ
テンプレートベースのデザインを選ぶのか、フルオリジナルで制作するのかによって大きく金額が変わります。
また、アニメーションやパララックス効果など動きのある表現を入れると、コーディング工数も増加します。
- テンプレートベース:費用を抑えやすいが、他社と似た印象になる可能性
- フルオリジナル:ブランドイメージに合った表現ができるが、費用は高め
要因3:CMS(更新機能)の導入
WordPressなどのCMSを導入すると、自社で更新が可能になる反面、構築費が発生します。
更新範囲を限定することでコストを抑えることも可能です。
- 「お知らせ」や「ブログ」だけ更新できればよい → 最小構成で10万〜20万円
- すべてのページを更新可能にしたい → 高度な設定が必要で30万〜50万円以上
要因4:写真撮影・原稿作成の有無
掲載する写真や文章を社内で用意するのか、外部に依頼するのかで費用が大きく変わります。
特にプロによる撮影・取材・ライティングを行う場合は、品質は高くなる一方、1ページ単位で数万円〜十数万円のコストがかかることもあります。
- 写真撮影:5万〜15万円/日+交通費
- 原稿作成:2万〜8万円/ページ(構成+執筆+校正)
要因5:問い合わせ・求人・予約などの機能追加
フォームや検索機能など、静的なページに加えて動的な機能を実装する場合、追加の工数と費用が発生します。
Googleフォームを埋め込むような簡易的なものと、CMS連携するような高機能なフォームでは、設計・実装コストが大きく異なります。
- 簡易的な問い合わせフォーム:3万〜5万円
- 入力チェック・データ保存付きフォーム:10万円以上
- 求人応募フォームやカレンダー予約機能付き:15万〜30万円
要因6:SEO・MEO・SNS連携などマーケティング要素
制作だけでなく集客や採用につなげるマーケティング設計を含むと、その分のコンサルティングや設計費が上乗せされます。
- 基本的なSEO設定(メタ情報・構造化データ):5万〜15万円
- MEO(Googleビジネスプロフィール)と連携設計:5万〜10万円
- SNS自動投稿・LINE連携など:10万円以上〜
これらの要素は「どこまでやるか・どこを内製できるか」によっても大きく変わります。
予算に応じて、優先順位をつけながら設計することが、賢いコストコントロールにつながります。
初期費用だけではない!運用・保守コストの設計
ホームページ制作の相談を受ける中で、よくあるのが「初期費用だけで予算を組んでしまっていた」というケースです。
しかし、実際には公開後の運用・保守にかかる費用が発生し、これを軽視してしまうと、せっかく作ったサイトが放置されたり、トラブル対応が遅れたりと、結果的に大きな損失につながることもあります。
主なランニングコストの内訳と目安
項目 | 内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
サーバー費 | Webサイトを公開・表示するためのスペース利用料 | 年額5,000円〜20,000円程度 |
ドメイン費 | 「example.com」などのURL使用料 | 年額1,000円〜5,000円程度 |
SSL証明書 | 通信を暗号化し、セキュリティを高める | 無料〜年額10,000円程度(種類による) |
保守・管理費 | 軽微な修正、トラブル対応、CMSやプラグインの更新作業 | 月額5,000円〜30,000円程度 |
更新・運用代行費 | 新着情報の投稿、画像の差し替え、バナー制作など | 月額5,000円〜50,000円(対応範囲による) |
セキュリティ対策 | WAF導入、バックアップ体制、改ざん監視など | 月額3,000円〜20,000円(外部サービス含む) |
「費用対効果」を考えるうえで重要な視点
運用・保守コストは、「とりあえず安く済ませたい」という気持ちから後回しにされがちですが、ホームページを活用して成果を出すためには欠かせない投資です。
- 放置されたブログやイベント情報 → ユーザーに不信感を与える
- セキュリティ更新を怠る → サイト改ざんやスパムのリスクが高まる
- 社内で誰も触れない状態 → 結局外注するにもコストが倍増
つまり、「作って終わり」ではなく「育てていく」意識を持つことが重要です。
初期制作費と合わせて、少なくとも1年間分の運用コストも含めた予算設計を行いましょう。
次の章では、制作費だけで選んでしまい、結果的に失敗する企業の共通パターンについてご紹介します。
予算だけで選んで失敗する企業の共通点
「とにかく安く作りたいから」と、制作会社やフリーランスを“費用の安さだけで選んでしまった”結果、かえってコストも時間も無駄にしてしまうケースは少なくありません。
ここでは、実際に起こりがちな失敗パターンを紹介しつつ、費用対効果を見極める重要性について解説します。
よくある失敗パターン
- 更新ができない/仕様書がない
CMSを導入しても更新方法のマニュアルがなく、結局自社で触れない。
社内にWeb担当がいない場合、更新のたびに外注費がかかる羽目に。 - 納期が遅れる/音信不通になる
格安で請け負うフリーランスや副業系の制作者に依頼した結果、他案件との兼ね合いで後回しにされる。
途中で連絡が取れなくなり、リニューアルが頓挫するケースも。 - 写真・原稿はすべて自社で用意と丸投げされる
「原稿と写真はご提供ください」と言われたものの、何を書けばいいのかも分からず、結局放置。
ライティング・撮影も別途依頼することになり、かえって割高に。 - 見た目だけで、成果につながらない
デザインはそれなりにきれいだが、問い合わせが全く来ない。
ページ構成や導線設計が弱く、ユーザーがどこを見ていいかわからない状態。 - 公開後のサポートがない
軽微な修正にも費用が発生する、返信が遅い、担当者が変わるなど、
公開後の運用がうまくいかず、「自社で管理できる設計」にしておけばよかったと後悔。
“安さ”よりも“成果と運用”を重視すべき理由
制作費が安いこと自体は悪ではありません。
しかし、「目的に対して適切な構成や提案がなされているか」が見極めの基準であるべきです。
ホームページは作ることがゴールではなく、活用して成果を上げることが目的です。
そのためには、初期費用だけでなく、1年間の運用コスト・体制・目標達成への道筋まで含めて「本当に適正な予算」かを検討する必要があります。
次の章では、予算設定とあわせて考えるべき「パートナー選び」の視点について解説します。
自社に合ったパートナー選びの視点
ホームページ制作会社は数多く存在し、それぞれ得意分野やサービス内容が異なります。
「どこに依頼するか」ではなく、「どこが自社に合っているか」の視点で選ぶことが、予算を有効に使い、長く付き合える制作パートナーと出会うための鍵となります。
選定時に押さえておくべき5つのポイント
-
目的と成果の共有ができるか
単に「サイトを作る」だけでなく、誰に何を伝え、どういう成果を求めるかといった目的設計を一緒に考えてくれる会社かどうかを見極めましょう。 -
提案力とヒアリング力
見積金額だけで判断せず、自社の業種や事業に合わせた構成・導線・デザインなどの提案があるかに注目。
ヒアリングを通じて要望を深掘りし、言語化してくれるかも重要です。 -
制作後のサポート体制
公開後の保守・更新に対してどこまで対応してくれるかは必ず確認しましょう。
担当者が変わらない、相談しやすい、レスポンスが早い、などの点も含めて総合的に評価すべきです。 -
料金体系の透明性
見積書の内訳が明確か、オプションや別途費用がかかる範囲が明示されているかなど、トラブル防止の観点からも、料金体系が明快な会社を選びましょう。 -
更新のしやすさ・内製化支援
自社でニュースやブログを更新したい場合は、CMS導入の有無や操作性、マニュアルの提供なども確認ポイントです。
Webの知識がなくても更新できるように配慮してくれるかも大切です。
「実績があるから安心」とは限らない
大手制作会社や有名な実績があっても、必ずしも中小企業や地域密着型ビジネスにフィットするとは限りません。
大切なのは、自社の課題やリソース、目的に合った“伴走型”の支援ができるかです。
その意味でも、価格・実績・規模だけでなく「人」と「考え方」に共感できるかどうかが、制作会社選びの最重要ポイントと言えるでしょう。
次の章では、これまでの内容をふまえたうえで、適切な予算設定の進め方をまとめていきます。
適切な予算設定の進め方と注意点
ホームページ制作において、予算の決め方を間違えると、本来の目的を果たせない不完全なサイトになったり、余計なコストがかさんだりすることもあります。
ここでは、現実的で成果につながる「予算設計」の考え方と進め方について、段階を追って解説します。
1. 目的と目標を明確にする
まず最初にやるべきは、「なぜホームページを作るのか?」という目的を明確にすることです。
たとえば、以下のような目標によって必要な機能や設計方針がまったく異なります。
- 企業の信頼感を高めるためのブランディングサイト
- 求人応募を増やすための採用特設サイト
- 売上を伸ばすための商品販売用ECサイト
- 既存顧客との接点を増やすサポート用ページ
目的があいまいなまま進めると、どこにコストをかけるべきか分からず、「なんとなく無駄に高いだけのサイト」になってしまいかねません。
2. 必要な構成・機能をリストアップする
次に、目標を達成するために必要なコンテンツや機能を洗い出しましょう。
たとえば「採用サイト」であれば以下のような要素が必要です。
- 会社概要・ビジョン紹介
- 募集要項(職種別)
- 社員インタビューや社内風景
- 応募フォーム(エントリー機能)
この段階で、必要ページ数・ライティングの有無・写真や動画の撮影必要性・CMSの導入要否なども想定しておくと、制作会社とのやりとりがスムーズになります。
3. 初期費用と運用費のバランスを考える
ホームページは「完成したら終わり」ではなく、運用や改善を通して成長させていくメディアです。
そのため、初期制作費にすべての予算をかけすぎず、月々の更新費や保守費、広告運用やSEO対策などの改善費用も考慮しましょう。
また、CMS(WordPressなど)を導入して社内で簡単に更新できるようにしておくことで、将来的な運用コストを下げられる可能性もあります。
4. 依頼先に希望予算の「幅」を伝える
予算を明確にしておくことは大切ですが、あらかじめ「希望の予算感(例:50〜80万円)」を伝えることで、提案が現実的かつスムーズになります。
「できるだけ安く」とだけ伝えてしまうと、必要な要素が抜け落ちたり、完成度が低くなったりする原因にもなります。
複数社から提案をもらう場合も、金額だけでなく提案内容や対応範囲を見比べるようにしましょう。
5. 相場より極端に安い or 高い場合は理由を確認する
制作会社の中には、相場より極端に安価でサービスを提供しているところもありますが、「テンプレートでしか作れない」「デザインの自由度が低い」「保守が別料金」などの制限がある場合も多いです。
反対に、相場より高額な場合は、戦略設計・コンサル・撮影・広告運用などがセットになっていることもあります。
価格だけで判断せず、「その価格で何をしてくれるのか?」を丁寧に確認することが重要です。
まとめ
ホームページ制作における「予算」は、単に価格の高い・安いで評価すべきものではありません。
制作の目的や事業への貢献度、公開後の運用体制まで含めて設計することが、最も重要な視点です。
本記事では、以下のような観点から、ホームページ制作費の考え方を整理してきました。
- 費用の内訳(設計・デザイン・実装・撮影・ライティングなど)
- 依頼先(フリーランス/制作会社/大手)による相場の違い
- 目的別(コーポレートサイト/採用サイト/ECなど)の費用感
- ページ数やデザイン要素による費用変動の要因
- 初期費用だけでなく、月額の保守や更新費の重要性
- 失敗事例に見る「予算だけで選ぶ」リスク
- 自社に合ったパートナーを選ぶ視点
予算の上限を最初に決めることはもちろん大切ですが、それに加えて
「このホームページで何を達成したいのか?」というゴール設定と
「目的に応じた適切な設計・提案をしてくれるパートナー選び」が、結果として最もコストパフォーマンスの高い選択につながります。
「何にどれくらいかかるのか分からない」という方こそ、ぜひ一度プロの制作会社に相談してみてください。
ヒアリングを通して、自社に必要な構成や適正な予算感を整理することができます。
株式会社アトラボでは、コーポレートサイト、採用サイト、ECサイトまで幅広い実績と、戦略設計から公開後の運用まで一貫したサポートで、多くの中小企業様のWeb活用を支援しています。
「何から決めればよいか分からない」「社内で話がまとまらない」といったご相談も歓迎です。
まずはお気軽にご相談ください。


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