ビジネスの現場でも、SNSでも、オンライン広告でも。「バナー画像」を作る機会は、ここ数年で格段に増えました。
中でもCanva(キャンバ)は、デザイン初心者でも手軽に扱えるツールとして大人気。テンプレートも豊富で、直感的に操作できるため、多くの企業や個人が日常的に活用しています。
しかし、「テンプレをそのまま使ってみたけど、いまいち垢抜けない…」
「なんとなく作ったけど、社内から“パワポっぽい”って言われた…」
そんな声もよく耳にします。
バナーは“装飾”ではなく「情報を伝えるための道具」です。「何を、誰に、どう見せるか」という意識があるだけで、見た目も効果も大きく変わります。
この記事では、デザインの専門知識がなくても“ちゃんとして見える”バナーが作れる5つのコツを紹介します。
Canva初心者の方はもちろん、なんとなく自己流で作ってきた方も、今日からすぐに使える内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
コツ1|文字は「目立たせたい1か所」に絞る
Canvaのテンプレートを開くと、キャッチコピー・サブタイトル・説明文など、たくさんのテキストが配置されていることが多く、つい全部を盛り込みたくなりますよね。
でも、バナーは“見る”のではなく“一瞬で認識される”もの。情報は少なければ少ないほど効果的です。
特に重要なのは、「目立たせたい言葉」を1か所に絞ること。
たとえば「無料相談受付中」「9/30まで10%OFF」「新商品リリース!」など、“伝えたいことは何か”をまず1つに決めて、それ以外の要素は目立ちすぎないように設計するのがポイントです。
逆に、キャッチコピーもサブタイトルも強調してしまうと、ユーザーの視線が分散し、結果的に「伝わらないバナー」になってしまいます。
▼おすすめの工夫
- 目立たせたい文字だけ、フォントサイズを大きく
- 色は2〜3色までに絞り、目立たせる部分だけアクセントカラー
- その他の文字はグレーや細字で、あくまで“補足”に徹する
たとえば「無料体験受付中」という文字を一番目立たせ、「9/30まで」や「今だけ」などはその周辺に小さく添える。そんなバランスが“ちゃんとして見える”バナーへの第一歩です。
コツ2|配色は「3色以内」でまとめる
バナー制作に慣れていない人がやりがちなミスのひとつが、色数を増やしすぎて、チカチカした印象になってしまうことです。
Canvaには豊富なカラーパレットが揃っていて、つい「この色も可愛い」「これも目立ちそう」と取り入れたくなりますが、視認性と洗練された印象を保つには「3色以内」にまとめるのが鉄則です。
▼基本の3色ルール
- ベースカラー:背景や全体の印象を決める色
- メインカラー:目立たせたい文字やボタンに使う色
- アクセントカラー:ワンポイントや補助的な装飾に使う色
たとえば「白×ネイビー×赤」や、「ベージュ×ダークブラウン×ゴールド」など、明確に役割分担された3色で構成されたバナーは、それだけで「統一感」と「プロっぽさ」が生まれます。
反対に、無計画に色を増やすと、「見づらい」「ごちゃごちゃしてる」「安っぽい」印象になってしまい、せっかくのデザインが台無しになることも。
▼Canvaで配色に迷ったら
- テンプレートの元の配色を活かす(安易に変えない)
- ブランドカラーやロゴに合わせると一貫性が出る
- 配色ツール(例:Canvaの「カラーパレットジェネレーター」)を活用
色は感情や印象に直結する大事な要素。派手さより「まとまり」が、信頼されるデザインの基本です。
コツ3|余白を“怖がらない”のがプロっぽさの秘訣
「Canvaでバナーを作ると、なんだか素人っぽく見えてしまう…」という悩み。
その原因の多くは、余白(スペース)の取り方にあります。
初心者ほど、「せっかくスペースがあるんだから何か入れなきゃ」と情報を詰め込みすぎる傾向があります。
でも実際には、プロのデザイナーほど「余白をあえて残す」ことを意識しているものです。
バナーの目的は、すべての情報を載せることではなく、伝えたいことをパッと伝えること。
情報が詰まりすぎると、逆に「見られないバナー」になってしまいます。
▼こんな余白の使い方がオススメ
- 文字のまわりには、文字サイズの1.5〜2倍以上のスペースを取る
- 上下左右の端ギリギリに要素を配置しない
- 写真の上に文字を載せる場合は、文字周辺にぼかしや背景を入れて余白を確保
また、「余白=読みやすさ」だけでなく「高級感」や「安心感」も演出できます。
高級ブランドの広告に余白が多いのは、それが“洗練”や“格の違い”を伝える手法だからです。
Canvaのテンプレートでも、余白がしっかり取られているデザインほど完成度が高く見えるはず。
見せたい要素が目立つように、あえて「空ける」という選択を怖がらないことが、デザイン上達の近道です。
コツ4|写真・イラストは「意味のあるもの」だけ使う
Canvaには、無料・有料を問わず多くの写真やイラスト素材が揃っています。
そのため、ついつい「なんとなく雰囲気で」「スペースが空いていたから」…と、目的のない写真やイラストを使ってしまいがちです。
でも、“伝える力”のあるバナーには、必ず「理由のあるビジュアル」が使われています。
つまり、「なぜこの画像なのか?」が説明できない写真やイラストは、基本的に不要です。
むしろ、意味のないビジュアルはデザインの質を下げる要因にもなりかねません。
▼こんな写真・イラスト選びが正解
- 使っている写真が「誰の」「何を伝える」ものか明確である
- イラストがバナーのコンセプトを補足する役割を果たしている
- 商品やサービスと関係のない「おしゃれさだけの素材」は極力使わない
たとえば「お弁当宅配サービス」のバナーに、「ランチを楽しむ主婦」の写真を使うのは意味がありますが、「木漏れ日のテラス」や「外国の風景」などのイメージ写真を使うと、何を伝えたいのかがぼやけてしまいます。
素材を入れるときは、「この画像がなくても、意味は通じるか?」と一度立ち止まることが大切です。
それでも必要だと思える素材だけを使うようにすると、情報が整理され、グッとプロらしいバナーに仕上がります。
コツ5|最終チェックは“スマホサイズ”で!
Canvaで作ったバナーを公開する前に、必ずやっておきたいのが「スマホサイズでの確認」です。
特にInstagram投稿、LINE画像、Webサイト上のリンクバナーなど、スマホでの表示がメインになるバナーは、パソコン画面の見た目だけで仕上げてしまうと、実際には文字が小さすぎたり、見づらかったりすることがあります。
▼スマホでチェックする際のポイント
- 文字が読めるか(小さすぎないか)
- 目立たせたい情報がきちんと目に入るか
- 背景に埋もれていないか(コントラストの確認)
- 全体のバランスが崩れていないか(左右の余白など)
Canvaのスマホアプリや、ダウンロードしてカメラロールから確認するのも良い方法です。
「パッと見て伝わるか?」を意識して、バナーそのものがスマホでの「広告スペース」だという視点を持つことが重要です。
また、SNSなどで画像が自動トリミングされる場合もありますので、大事な文字やロゴは上下左右に余裕を持たせて配置しておくと安心です。
こうした「最後のひと手間」が、“ちゃんとして見える”バナーを作る決め手になります。
まとめ
「バナー」とひとことで言っても、SNSの投稿用画像からWebサイトのリンクボタンまで、その役割は多岐にわたります。
Canvaのような便利なデザインツールが普及したことで、誰でも気軽にバナーを作れる時代になりましたが、「なんとなく」では伝わらないのがバナーの難しさでもあります。
今回ご紹介した「5つのコツ」を意識することで、初心者でも“ちゃんとして見える”バナーを作ることができます。
- 文字は「目立たせたい1か所」に絞る
- 配色は「3色以内」でまとめる
- 余白を“怖がらない”のがプロっぽさの秘訣
- 写真・イラストは「意味のあるもの」だけ使う
- 最終チェックは“スマホサイズ”で!
Canvaを使って自分で作るのももちろんOKですが、「デザインの方向性に迷ってしまう」「複数のバナーで世界観を揃えたい」といった場合には、プロのサポートを受けるのも有効な選択肢です。
アトラボでは、バナー単体のデザインはもちろん、「ブランドの雰囲気を踏まえた複数バナー展開」や「広告・集客の流れに合わせた見せ方のご提案」までお手伝いしています。
Canvaを使ったデザインの指導やテンプレート設計も可能ですので、まずはお気軽にご相談ください!

コメント