採用も社員フォローも広報も…。忙しい人事担当者が結果を出すための「外注」の考え方。

新卒採用に中途採用、インターンシップ、会社説明会、応募者とのやり取り、内定者のフォロー。さらに入社後は、新入社員のサポートや各種手続き、社員からの相談など、人事担当者の仕事は本当に幅広いものです。

そこへ「今年は採用広報も強化しよう」となれば、採用サイトの更新、SNSでの情報発信、社員インタビュー、写真撮影、採用パンフレットの制作など、さらに仕事が増えていきます。

しかも採用活動は、忙しいからといって後回しにできるものではありません。会社からは「今年は何人採用したい」「もっと応募を増やしたい」と、しっかり結果も求められます。

では、限られた時間の中でどうすれば結果を出せるのでしょうか。

大切なのは、すべてを自分でこなそうとするのではなく、「人事担当者がやるべき仕事」と「専門家へ任せた方が効率的な仕事」を分けて考えることです。

特に採用広報には、文章、写真、動画、デザイン、Webなど、それぞれ専門的な技術が必要になる場面があります。「自分たちでもできそうだから」という理由だけで内製していると、思っている以上に人事担当者の時間を使っているかもしれません。

今回は、忙しい人事担当者が本来の仕事に集中しながら採用活動で結果を出していくために、どんな仕事を自社で行い、どんな仕事を外部の専門家へ任せるとよいのか、「外注」の考え方について整理してみたいと思います。

人事担当者にしかできない仕事へ時間を使おう

人事担当者の仕事を整理すると、「社内の人間だからこそできる仕事」がたくさんあります。

例えば、経営者や各部署と話し合って「これからどんな人材が必要なのか」を考えること。応募者と向き合い、自社に合う人材かを見極めること。内定者の不安を聞いたり、入社した社員が職場になじめているかを確認したりすることも、人事の大切な役割です。

さらに新卒採用であれば、学校との関係づくりやインターンシップの企画など、来年、再来年の採用につながる活動も必要になります。こうした仕事は、自社のことをよく理解している人事担当者だからこそできるものです。

人事担当者が最も時間を使うべきなのは、パソコンの前で制作作業をすることではなく、「人」と向き合い、「これからの組織」を考える仕事ではないでしょうか。

ところが忙しくなるほど、採用サイトのお知らせを更新したり、説明会用の資料を修正したり、SNS用の画像を作ったりと、目の前の作業に時間を取られがちです。

もちろん、それらも採用活動には必要です。しかし、人事担当者にしかできない仕事を後回しにしてまで、自分ですべてを行う必要があるのかは、一度考えてみる価値があります。

限られた勤務時間を何に使うのか。まずは「自分にしかできない仕事」を優先することが、忙しい人事担当者が結果を出すための第一歩です。

「自分でもできる仕事」と「自分がやるべき仕事」は違う

最近は、専門知識がなくても使いやすいツールが増えています。Canvaを使えば採用説明会の資料やSNS用の画像を作れますし、WordPressなどを使えば採用サイトのお知らせを自分たちで更新することもできます。スマートフォンがあれば、写真や動画の撮影も可能です。

そのため、「これくらいなら自分でできるから」と、人事担当者が採用広報の制作まで担当している企業もあるでしょう。

しかし、ここで一度考えてみたいのが、「自分でもできる仕事」と「自分がやるべき仕事」は同じではないということです。

例えば、SNS用の画像を一枚作るためにデザインを考え、写真を探し、文章を調整しているうちに1時間、2時間とかかってしまうことがあります。採用サイトの修正も、慣れていなければ思った以上に時間が必要です。

その時間を、応募者への丁寧な対応や社員との面談、インターンシップの企画、学校との関係づくりなどに使った方が、採用活動全体として大きな成果につながる場合もあります。

仕事を「できる・できない」で分けるのではなく、「自分がやることで最も成果につながる仕事なのか」で考えてみることが大切です。

何でも自分でできることが、必ずしも効率の良い人事ではありません。限られた時間をどこへ使うのかを考え、専門家に任せられる仕事を切り分けることも、人事担当者に求められる大切な判断の一つです。

専門業者へ任せた方が効率的な仕事もある

では、人事業務の中でどのような仕事を外注すればよいのでしょうか。判断しやすいのは、専門的な技術が必要で、なおかつ人事担当者自身が作業しなくても進められる仕事です。

採用広報であれば、採用サイトの制作や改修、採用パンフレットや会社説明会資料のデザイン、社員の写真・動画撮影、インタビュー記事の制作、Web広告の運用などが考えられます。

もちろん、これらをすべて外注する必要はありません。社内に得意な社員がいれば、その人に協力してもらう方法もありますし、日々のちょっとした情報発信まで外部へ任せるとかえって時間がかかる場合もあります。

ポイントは、「外注できるものは全部外注する」のではなく、「専門家に任せた方が早く、質も高く、本来の人事業務に時間を使える仕事」を見極めることです。

例えば、採用サイトを大きくリニューアルするときは制作会社へ依頼し、公開後の簡単なお知らせ更新は社内で行う。社員撮影はプロへ依頼し、その写真を使った日常的なSNS投稿は人事担当者が行う。このように、外注と内製を組み合わせてもよいでしょう。

人事担当者が採用の方向性を考え、必要な情報を集める。そして、専門的な技術が必要な部分は、その分野を得意とする人に任せる。こうした役割分担ができれば、採用広報の質を保ちながら、人事担当者の負担も減らしていくことができます。

採用パンフレットは外注するのに、なぜWebは自分たちで?

採用パンフレットや会社案内を新しく作るとなれば、「デザイン会社や印刷会社に相談しよう」と考える企業は多いでしょう。ところが、採用サイトやSNSになると、なぜか「これは人事でやってみよう」となりがちです。

その背景には、Webが以前より身近になったこともあります。ホームページは自社で更新できますし、Canvaを使えばバナーも作れます。SNSならスマートフォン一台で投稿できます。「これなら自分たちでもできそう」と感じるのは当然です。

しかし、採用広報で考えなければならないのは、単に「更新できた」「投稿できた」という作業の完了ではありません。その情報を見た求職者に会社の魅力が伝わり、興味を持ってもらい、応募へのきっかけをつくることが本来の目的です。

「Webを自分たちで更新できること」と、「採用につながる情報をWebで効果的に伝えられること」は、まったく別の話です。

例えば社員インタビュー一つでも、誰に登場してもらうのか、どんな質問をするのか、どんな写真を撮るのか、どの情報を目立たせるのかによって、求職者が受ける印象は変わります。採用サイト全体で考えれば、情報の整理や導線、デザイン、スマートフォンでの見やすさなども重要です。

もちろん、日常的なお知らせや採用状況の変更まで、すべて制作会社へ依頼する必要はありません。自社で気軽に更新できる部分は内製し、企画やデザイン、撮影、ページ制作など専門性が求められる部分は外部へ任せる。そのような役割分担でも十分です。

紙の採用ツールと同じように、Webにも「伝えるための専門技術」があります。人事担当者がすべてを抱えるのではなく、必要なところで専門家の力を借りることも、採用広報を効率よく続けるための一つの方法です。

外注は「丸投げ」ではない。人事と専門家の役割を分ける

採用広報を外注するといっても、「あとは全部お願いします」と制作会社へ丸投げすればよいわけではありません。外部の専門家は、社内で働いている人事担当者ほど、その会社のことを知っているわけではないからです。

どんな人材を採用したいのか、どんな社員が活躍しているのか、自社で働く魅力は何なのか。こうした採用の軸となる部分は、経営者や人事担当者、現場の社員だからこそ持っている情報です。

一方で、その魅力を求職者へどう伝えるのかを考え、文章や写真、動画、デザイン、Webサイトとして形にすることは、それぞれの専門家が力を発揮できる分野です。

人事が「誰に、何を伝えたいのか」を考え、専門家が「どうすれば伝わるのか」を考える。この役割分担が、採用広報を外注するときの理想的な形です。

もちろん、最初から「自社の魅力」や「採用したい人物像」が明確になっている企業ばかりではありません。そんなときは、制作会社との打ち合わせを通じて、一緒に整理していく方法もあります。

外注とは、自社で考えることをやめることではありません。人事担当者が採用の方向性を持ちながら、必要なところで専門家の知識や技術を借りること。その方が、人事担当者自身も本来の仕事へ集中しやすくなります。

外注費ではなく「人事担当者の時間」まで含めて考える

外注を検討するとき、どうしても気になるのが費用です。「自社でやればお金がかからないから」と、内製を選ぶ企業も多いでしょう。

しかし、人事担当者が作業する時間にも当然コストはかかっています。例えば、採用サイトのページを一つ作るために文章を考え、写真を選び、レイアウトを調整し、何度も修正する。その作業に半日かかれば、人事担当者の半日分の時間を使ったことになります。

さらに重要なのは、その時間に「何ができたのか」という視点です。その半日があれば、応募者への連絡を丁寧に行ったり、社員と面談したり、学校を訪問したり、次のインターンシップを企画したりできたかもしれません。

外注費を判断するときは、「いくら支払うのか」だけではなく、「人事担当者の時間をどれだけ生み出せるのか」まで含めて考えることが大切です。

もちろん、何でも外注すれば費用対効果が高くなるわけではありません。短時間でできる更新や、社内だからこそ素早く発信できる情報は、自分たちで対応した方が効率的な場合もあります。

一方で、慣れない作業に何時間も使っているのであれば、「外注した場合の金額」と「社内で使っている時間」を一度比べてみるとよいでしょう。単純な制作費だけでは見えなかった、本当のコストが分かってくるはずです。

アトラボの考え方|人事担当者が「人事」に集中できる採用広報を

アトラボでは、採用サイトや採用パンフレットなどの制作を通じて、さまざまな企業の人事・採用担当者とお話をする機会があります。その中で感じるのは、採用担当者の皆さんが本当に多くの仕事を抱えているということです。

採用活動だけでも、求人媒体への掲載、応募者対応、面接、学校とのやり取り、会社説明会、インターンシップなどがあります。そこへ社員のフォローや社内の人事業務が加われば、採用広報までじっくり取り組む時間を確保するのは簡単ではありません。

だからこそ、私たちは採用サイトを「作って納品するだけ」ではなく、人事担当者の皆さんが持っている情報や考えを整理し、求職者へ伝わる形にすることも制作会社の役割だと考えています。

例えば、「どんな社員を紹介すればいいのか」「何を撮影すれば職場の雰囲気が伝わるのか」「求職者にどんな情報を届けるべきなのか」といった部分から、一緒に考えていくことができます。

人事担当者の代わりに採用を考えるのではなく、人事担当者が本来の「人と向き合う仕事」に集中できるよう、採用広報の部分を専門家として支える。それがアトラボの考える役割です。

そして公開後も、すべてを制作会社へ任せる必要はありません。日常のお知らせなどは社内で更新し、大きなページ追加や撮影、デザインが必要なときはアトラボへ相談する。そんなふうに、企業ごとの人員や体制に合わせて「内製するところ」と「外注するところ」を分けることもできます。

採用活動を強化したいけれど、人事担当者の仕事はこれ以上増やせない。そんなときこそ、「何を新しく始めるか」だけではなく、「何を自分たちでやらないか」まで一緒に考えることが、継続できる採用広報につながると考えています。

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まとめ

新卒採用、中途採用、応募者対応、内定者や新入社員のフォロー、社員教育、そして採用広報。人事担当者に求められる仕事は幅広く、すべてを自分でこなそうとすれば、いくら時間があっても足りません。

だからこそ大切なのは、「自分でもできるか」ではなく、「自分がやるべき仕事なのか」という視点で業務を見直すことです。

採用サイトの制作や改修、写真・動画撮影、パンフレットや説明会資料のデザインなど、専門家へ任せた方が効率よく進められる仕事もあります。一方で、応募者とのコミュニケーションや社員のフォロー、採用したい人物像を考えることなどは、自社の人事担当者だからこそできる仕事です。

結果を出す人事担当者とは、何でも自分でできる人ではなく、「自分がやるべき仕事」と「専門家に任せる仕事」を上手に分けられる人なのかもしれません。

「忙しくて採用広報まで手が回らない」と感じているのであれば、新しい仕事を増やす前に、今抱えている業務を一度棚卸ししてみてはいかがでしょうか。人事担当者が本来の「人と向き合う仕事」に時間を使える環境をつくることが、結果として採用活動全体の強化につながっていくはずです。

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