
4月、新年度。
人事異動や担当変更があり、新しく「ホームページを任された」という方も多いのではないでしょうか。
そのとき、まず最初にやることは何か。
多くの場合、自社のホームページを一通り見てみる、という流れになると思います。
そして、そのときにこんな感想を持つことはありませんか?
- 「これ、何の会社だっけ?」
- 「このページ、誰向けなんだろう?」
- 「どこを見ればいいのか分かりにくい…」
少し厳しい言い方かもしれませんが、
その違和感、実はとても正しい感覚です。
なぜなら、新任の担当者は「社内の人」でありながら、同時に「初めてそのサイトを見る人」でもあるからです。
つまり、外部のユーザーとほぼ同じ視点でホームページを見ている存在と言えます。
一方で、これまでサイトに関わってきた人たちは、
- 会社のことをよく知っている
- サービス内容を理解している
- 言葉の意味が分かっている
という前提で見ています。
そのため、多少分かりにくい部分があっても「まあ分かるよね」と感じてしまうことが少なくありません。
しかし、初めてそのサイトを見る人にとっては、その前提は一切ありません。
「初見で理解できるかどうか」こそが、ホームページの本当の使いやすさを決めるポイントです。
今回は、新任担当者が最初に感じる「違和感」を切り口に、ホームページのUX(ユーザー体験)について考えていきます。
なぜ「新任担当者」は違和感に気づくのか
ホームページに対して「なんとなく分かりにくい」と感じるポイントは、実は多くのサイトに存在しています。
ただ、それに気づけるかどうかは人によって大きく変わります。
その違いを分けるのが「慣れているかどうか」です。
見慣れている人は違和感に気づきにくい
長くその会社にいる人や、これまでホームページに関わってきた人は、
- 会社の事業内容を理解している
- 専門用語の意味が分かる
- どこに何があるかを把握している
という状態でサイトを見ています。
そのため多少分かりにくい表現や構成であっても、
「まあ分かるよね」
「このくらいは普通かな」
と感じてしまいがちです。
つまり「知っている前提」で見てしまうため、違和感が見えにくくなるのです。
新任担当者は「前提ゼロ」で見る
一方で、新しく担当になった方はどうでしょうか。
・会社のことはある程度知っている
・でも細かい内容はまだ分からない
・Webサイトの構造も初めて見る
という状態です。
つまり
「完全な外部ユーザーではないが、限りなくそれに近い状態」
でサイトを見ています。
だからこそ、
- 何をしている会社なのか分かりにくい
- メニューの意味が分からない
- どこから見ればいいのか迷う
といった違和感に気づくことができるのです。
実は「一番正しいユーザー目線」
この新任担当者の視点は、実は非常に重要です。
なぜなら、外部から訪れるユーザーも
- 初めてその会社を知る
- 事前知識がない
- 限られた情報で判断する
という同じ条件でサイトを見ているからです。
新任担当者が感じる違和感は、そのままユーザーの違和感と言っても過言ではありません。
もしホームページを見たときに「分かりにくい」と感じたのであれば、それは改善のヒントです。
その感覚を見過ごさず、言語化していくことが、UX改善の第一歩になります。
よくある「初見の違和感」5つ
新任担当者がホームページを見たときに感じる違和感は、決して特別なものではありません。
むしろ、多くの企業サイトで共通して見られるポイントでもあります。
ここでは「初見」で見たときに起きやすい代表的な違和感を5つ整理します。
① 何の会社か一瞬で分からない
トップページを見たときに、
- 何をしている会社なのか
- どんなサービスを提供しているのか
がすぐに分からないケースです。
キャッチコピーが抽象的すぎたり、ビジュアル優先のデザインになっていると、この状態になりやすくなります。
「3秒で理解できるかどうか」が、第一印象を大きく左右します。
② メニューの意味が分かりにくい
グローバルナビゲーションを見ても、
- 専門用語が並んでいる
- 社内用語が使われている
- 英語だけで構成されている
といった場合、初見のユーザーは迷ってしまいます。
どこをクリックすれば目的の情報にたどり着けるのか分からない状態です。
メニューは「説明書」ではなく「案内板」であるべきです。
③ 情報の優先順位がバラバラ
ページを見ていても、
- 重要な情報が下に埋もれている
- 関係の薄い情報が目立っている
- 何を伝えたいのか分からない
といった状態です。
これは「見せたい順番」と「知りたい順番」がズレているときに起きます。
ユーザーは「自分が知りたい順番」でしか情報を理解できません。
④ 誰に向けているのか分からない
サイト全体を見ても、
- 誰のためのサービスなのか
- どんな人に向けた内容なのか
がぼやけているケースです。
ターゲットが広すぎたり、表現が抽象的だったりすると、この状態になりやすくなります。
「自分に関係ある」と思えないサイトは、その時点で離脱されます。
⑤ 次に何をすればいいか分からない
一通り見たあとに、
- 問い合わせすればいいのか
- 資料請求があるのか
- どこから申し込めばいいのか
が分からない状態です。
導線が弱い、もしくは分かりにくいと、この問題が起きます。
ユーザーは「迷った瞬間」に離脱する可能性が高まります。
これら5つは、どれも特別な問題ではありません。
しかしすべて「UX(ユーザー体験)」に直結する重要なポイントです。
新任担当者が感じる違和感は、そのままユーザーの体験の質を表しています。
だからこそ、この違和感を見逃さないことが重要です。
その違和感、放置するとどうなるか
ここまで見てきた「初見の違和感」は、ちょっとした印象の問題に見えるかもしれません。
しかし実際には、
ホームページの成果に直結する重要な問題です。
この違和感を放置してしまうと、どのようなことが起きるのでしょうか。
問い合わせにつながらない
ユーザーは、ホームページを見ながら「この会社に問い合わせても大丈夫か」を判断しています。
その過程で、
- 何の会社か分からない
- サービス内容が理解できない
- どこから問い合わせればいいか分からない
といった違和感があると、不安が残ったままになります。
その結果、
「今回はやめておこう」
「もう少し分かりやすい会社を探そう」
と判断されてしまいます。
分かりにくさは、そのまま機会損失につながります。
比較検討で負けやすくなる
今のユーザーは、1社だけを見て判断することはほとんどありません。
複数のサイトを見比べながら、
- 分かりやすさ
- 信頼感
- 安心感
を比較しています。
このとき、少しでも分かりにくいサイトは不利になります。
「内容が同じでも、分かりやすい方が選ばれる」というのがWebの特徴です。
採用にも影響する
採用サイトや会社紹介ページでも同じことが言えます。
求職者は
- どんな会社なのか
- どんな雰囲気なのか
- 自分に合っているのか
を短時間で判断しています。
その際に、
- 情報が分かりにくい
- 魅力が伝わらない
- 何をしている会社か見えない
といった状態だと、興味を持たれる前に離脱されてしまいます。
UXの問題は、採用力にも直結します。
「分からない」は「選ばれない」と同じ
ホームページにおいて、ユーザーはじっくり考えてくれるとは限りません。
むしろ
「分からない」=「やめておこう」
という判断が非常に速く行われます。
ユーザーは「理解できないサイト」を選びません。
新任担当者が感じた違和感は、小さな問題のように見えて、実は大きな影響を持っています。
だからこそ、その違和感を見過ごさず、改善のきっかけとして活かすことが重要です。
解決方法はシンプル|「初見テスト」をする
ここまで見てきたように、「初見の違和感」はホームページの成果に大きく影響します。
では、この問題はどうすれば改善できるのでしょうか。
実は、特別なツールや大掛かりな分析は必要ありません。
シンプルな方法があります。
「初見で見てもらう」だけでいい
やることはとてもシンプルです。
そのホームページを「初めて見る人」に見てもらうこと。
例えば
- 新任担当者
- 他部署の社員
- 社外の知人やパートナー
など、「そのサイトに慣れていない人」であれば十分です。
チェックするポイントは3つ
見てもらう際には、難しいことを聞く必要はありません。
むしろシンプルな質問の方が、本質が見えてきます。
- 何の会社か分かるか?
- 何をしているか分かるか?
- 次に何をすればいいか分かるか?
この3つに答えられるかどうかを確認するだけで、多くの課題が浮き彫りになります。
もし答えに詰まるようであれば、それがそのまま改善ポイントです。
説明してしまうのはNG
ここで注意したいのが、つい説明したくなってしまうことです。
「ここにこう書いてあって…」
「このページを見れば分かるんですが…」
と補足してしまうと、本来の問題が見えなくなります。
ホームページは「説明なしで伝わるか」がすべてです。
違和感は「改善のヒント」
初見テストをすると、
- 思っていたより伝わっていない
- 意図と違う解釈をされている
- 迷っているポイントが明確になる
といった気づきが必ず出てきます。
これは決してネガティブなことではなく、
「どこを直せば良くなるか」が分かる貴重なヒントです。
ホームページは公開して終わりではなく、改善していくものです。
その第一歩として、「初見でどう見えるか」を確認することが非常に重要になります。
新年度は「UXを見直すベストタイミング」
ここまで見てきたように、ホームページの違和感は「初めて見る人」によって明らかになります。
そして、その視点が自然に生まれるのが「新年度」です。
実は4月は、ホームページのUXを見直す絶好のタイミングです。
担当が変わることで視点がリセットされる
新年度になると、Web担当者が変わるケースも少なくありません。
新任担当者は、
- まだサイトに慣れていない
- 前提知識が少ない
- 客観的に見ることができる
という状態です。
この「慣れていない視点」こそが、UX改善のヒントになります。
違和感に気づける数少ないチャンス
一度サイトに慣れてしまうと、違和感には気づきにくくなります。
そのため、
- なんとなく分かりにくい
- 少し気になる
- 違和感がある
といった感覚は、時間とともに薄れていきます。
新任担当者が感じた違和感は、期間限定の「貴重な気づき」です。
そのまま改善につなげやすいタイミング
さらに新年度は、
- 予算の検討が始まる
- 方針が見直される
- 新しい取り組みが動き出す
といった変化のタイミングでもあります。
つまり
「気づき」と「改善」をセットで動かしやすい時期
と言えます。
違和感をそのままにしない
もし今、ホームページを見ていて
- 分かりにくいと感じる
- 伝わりにくいと感じる
- 迷うポイントがある
のであれば、それは改善のチャンスです。
その違和感を放置するのではなく、「なぜそう感じるのか」を言語化することが重要です。
新年度というタイミングを活かして、一度自社のホームページを「初めて見る人の視点」で見直してみてはいかがでしょうか。
アトラボでは「初見の理解」を重視しています
アトラボでは、ホームページ制作において「初見で理解できるかどうか」を非常に重要なポイントとして考えています。
なぜなら、
ホームページは「説明して伝えるもの」ではなく、「見ただけで伝わるもの」であるべきだからです。
ヒアリングで整理するのは「伝わり方」
制作の初期段階では、デザインの話に入る前に
- 誰に見てほしいのか
- その人は何を知りたいのか
- どこで迷う可能性があるのか
といった「伝わり方」の設計を行います。
「何を載せるか」ではなく「どう理解されるか」を基準に設計していきます。
言葉と構造を整える
初見で理解できるサイトにするためには、
- 分かりやすい言葉を使う
- 専門用語を整理する
- 情報の順番を整える
といった要素が重要になります。
デザインだけを整えても、言葉や構造が分かりにくければ、ユーザーには伝わりません。
「見た目」と「中身」をセットで設計することが、UXの質を高めます。
「迷わない導線」をつくる
さらに、ユーザーが迷わないように
- 次に何を見ればいいのか
- どこから行動すればいいのか
が自然に分かる導線を設計します。
ユーザーが考えなくても進める状態をつくることが理想です。
「説明が必要なサイト」にしない
よくあるのが、
「このサイト、こういう意味なんです」
「このページを見てもらえれば分かるんですが…」
といった説明が必要になるケースです。
しかし本来、ホームページは営業担当の代わりとなる存在です。
説明が必要な時点で、UXとしてはまだ改善の余地があります。
アトラボでは、「初めて見た人でも迷わず理解できること」を前提に、構成・言葉・デザインを一体として設計し、成果につながるホームページづくりを行っています。

まとめ
新年度になり、新しくホームページを担当することになった方が最初に感じる「違和感」。
それは決して気のせいではありません。
その違和感こそが、ユーザーが感じている「使いにくさ」の正体です。
社内の人はどうしても「知っている前提」でサイトを見てしまいます。
そのため、分かりにくさや迷いに気づきにくくなってしまいます。
一方で、新任担当者のような「初めてに近い視点」で見ることで、
- 何の会社か分かりにくい
- どこを見ればいいか分からない
- 次に何をすればいいか迷う
といった課題が見えてきます。
ホームページの品質は、「初見で理解できるかどうか」で決まります。
そしてその視点は、
- 問い合わせ数
- 比較での選ばれやすさ
- 採用力
といった成果にも直結します。
もし今、少しでも「分かりにくい」と感じる部分があるのであれば、それは改善のチャンスです。
「説明しなくても伝わるか?」という視点で、自社サイトを見直してみてください。
その一歩が、ユーザーにとって使いやすく、成果につながるホームページへとつながっていきます。



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