
電気設備工事や塗装工事などの会社では、住宅向けの仕事と企業向けの仕事の両方を請け負っているケースが少なくありません。
例えば、
・個人住宅のエアコン設置やオール電化工事
・外壁塗装やリフォーム工事
一方で、
・テナントビルの設備工事
・工場の電気設備更新
・分譲住宅やマンションの工事
といった案件も同じ会社で対応している、という企業も多いでしょう。
現場の仕事として見れば、どちらも同じ「工事」です。
そのため、ホームページについても
「会社のホームページが一つあれば、どちらの仕事にも対応できるのではないか」
と考えるのは自然なことかもしれません。
しかし実際には、仕事の内容が同じでも、依頼する人の行動はまったく違います。
住宅の工事を検討している方と、企業として設備工事を発注する担当者では、
・情報の探し方
・比較の仕方
・判断の基準
すべてが異なります。
そして当然ながら、そのための集客装置であるホームページの役割も変わります。
本記事では、同じ工事会社でも「一般のお客様」と「企業案件」で集客の考え方がどのように違うのか、そして両方を狙う場合にホームページをどのように設計すべきかを整理していきます。
一般のお客様が工事会社を探す流れ
住宅向けの工事を依頼する場合、多くは生活の中の困りごとから始まります。
例えば、
- ・エアコンを新しく設置したい
- ・外壁の劣化が気になってきた
- ・電気代を抑えるためオール電化を検討したい
- ・給湯器や設備が古くなってきた
こうしたきっかけから、まずはスマートフォンで検索するという行動が一般的です。
検索される言葉も、
- ・「外壁塗装 地域名」
- ・「エアコン設置 近く」
- ・「電気工事 地域名」
といった地域+工事内容が中心になります。
ここで重要なのは、多くの方が専門知識を持たない状態で探しているという点です。
そのため、ホームページで求められるのは
- ・どんな工事をしている会社なのか
- ・地域対応しているのか
- ・費用の目安はどれくらいか
- ・施工写真や実績があるか
- ・信頼できそうな会社か
といった分かりやすさと安心感です。
比較される会社の数も、一般的には2〜3社程度。
「この会社なら相談してみよう」と感じてもらえるかどうかが、問い合わせの分かれ目になります。
つまり住宅向けの集客では、専門的な技術説明よりも、安心して依頼できそうかどうかが大きな判断材料になります。
企業が工事会社を探す流れ
一方で、企業が設備工事や営繕工事を依頼する場合、仕事の決まり方は大きく変わります。
例えば、
- ・工場の設備更新
- ・テナントビルの電気設備工事
- ・店舗の改装工事
- ・建築会社からの協力会社依頼
といった案件では、生活の困りごとから急いで探すというケースはそれほど多くありません。
むしろ、
- ・既存の取引先
- ・建設会社や管理会社からの紹介
- ・過去の施工実績
- ・協力会社ネットワーク
といった信頼関係の中で候補が絞られていくことが一般的です。
そのうえで、候補に挙がった会社のホームページを確認し、
- ・どんな工事実績があるのか
- ・どの規模の工事に対応できるのか
- ・会社として信頼できるか
- ・技術力や対応範囲はどこまでか
といった情報をチェックします。
つまり企業側にとってホームページは、「見つけるためのサイト」というより「信頼を確認するための資料」として使われることが多いのです。
住宅向けの集客が「問い合わせを生むサイト」だとすれば、企業向けの場合は会社の実力や実績を確認するための営業資料という役割が強くなります。
この違いがある以上、同じホームページで同じ見せ方をしていては、どちらの顧客にも十分に伝わらない可能性があります。
「どちらもできます」では伝わらない理由
住宅工事も企業向け工事も対応している会社では、ホームページで
「電気工事一式対応」
「塗装工事全般お任せください」
といった形で、幅広く対応できることを伝えているケースが多く見られます。
もちろん実際には、住宅も法人案件も対応できる会社は多く、それ自体は強みです。
しかしホームページでは、「誰に向けた会社なのか」が曖昧になると、どちらにも伝わりにくくなります。
住宅のお客様から見ると
住宅工事を検討している方は、次のような視点で会社を見ています。
- ・自宅の工事に慣れている会社なのか
- ・個人向けの対応をしてくれるのか
- ・相談しやすい雰囲気の会社なのか
そこに企業向けの工事や大型案件の話ばかりが並んでいると、
「この会社は法人の仕事が中心なのでは?」
「住宅の相談はしづらそうだ」
と感じてしまうことがあります。
企業の担当者から見ると
一方で企業側は、次のような点を確認しています。
- ・法人案件の実績があるか
- ・工事規模に対応できるか
- ・会社として信頼できるか
住宅の施工写真や「地域密着」「小さな工事も歓迎」といった内容が中心だと、
「住宅向けの会社なのだろうか」
「法人案件には対応していないのでは」
と判断されてしまう可能性があります。
つまり、「どちらもできます」というメッセージは、実はどちらにも届きにくいのです。
ホームページでは、対応できる仕事の幅を広げるよりも、それぞれの顧客に向けた伝え方を整理することが重要になります。
集客の入り口は分けて設計する
住宅向けの工事と企業向けの工事では、仕事の決まり方が大きく違うことを見てきました。
だからこそホームページでは、「入り口」を分けて設計することが重要になります。
多くの中小企業のサイトでは、すべてのサービスが同じ場所に並んでいることが少なくありません。
例えば、
- ・エアコン工事
- ・住宅電気工事
- ・ビル設備工事
- ・工場設備工事
といった内容が一つの「事業案内」に並んでいる構成です。
しかしこの形では、サイトを訪れた人が
- ・自分に関係する情報はどれなのか
- ・どこを見ればいいのか
を判断しにくくなってしまいます。
そのため効果的なのは、トップページの段階で対象となるお客様を分けることです。
例えば、
- ・「住宅・個人のお客様」
- ・「企業・法人のお客様」
といった形で入り口を用意し、それぞれのページで必要な情報を整理します。
住宅向けのページでは、
- ・対応できる工事内容
- ・施工写真
- ・料金の目安
- ・対応エリア
といった情報が重要になります。
一方、企業向けのページでは、
- ・施工実績
- ・工事規模
- ・対応できる設備
- ・会社としての信頼性
といった内容が判断材料になります。
同じ会社でも、訪問者の立場によって必要な情報は変わるため、それぞれに合わせた導線を用意することが大切です。
「誰に向けたページなのか」が明確になるだけで、ホームページの伝わり方は大きく変わります。
同じ会社でも「伝え方」は変える
住宅工事と企業向け工事では、求められる情報が違います。
しかし実際のホームページでは、同じ文章や写真で両方を説明しているケースも少なくありません。
同じ工事でも、相手が変われば「伝え方」も変える必要があります。
住宅のお客様に伝えるべきポイント
住宅工事を検討している方が気にしているのは、専門的な技術よりも安心して依頼できるかどうかです。
そのため、ホームページでは
- ・施工写真
- ・地域密着であること
- ・相談しやすさ
- ・料金の目安
といった情報が重要になります。
「この会社なら相談してみよう」と感じてもらえるかどうかが、問い合わせにつながるポイントです。
企業の担当者に伝えるべきポイント
企業側が確認しているのは、工事の内容そのものよりも会社としての信頼性や実績です。
例えば、
- ・どのような工事実績があるのか
- ・どの規模の案件に対応できるのか
- ・どんな企業と取引しているのか
- ・会社としての体制や技術力
といった点が判断材料になります。
住宅向けの「安心感」と、企業向けの「信頼性」は似ているようで別の要素なのです。
同じ会社でも、訪問者が求めている情報を理解して伝え方を整理することで、ホームページの説得力は大きく変わります。
ホームページを「営業ツール」にする考え方
住宅向けの集客では、ホームページは「問い合わせを生む仕組み」としての役割が強くなります。
一方で、企業向けの工事では少し役割が変わります。
企業の担当者は、いきなり問い合わせをするというよりも、候補に挙がった会社を確認するためにホームページを見ることが多いからです。
つまり企業案件の場合、ホームページは営業活動を支える資料としての役割を持ちます。
営業担当者が使えるホームページ
企業向けの案件では、営業担当者が
- ・会社紹介としてURLを送る
- ・施工実績を見てもらう
- ・技術力や対応範囲を説明する
といった形でホームページを活用する場面が多くあります。
営業担当者の説明を補強する資料として機能することが重要になります。
「営業資料」としての実績ページ
特に企業案件では、施工実績や対応できる工事内容が整理されているかどうかが大きな判断材料になります。
例えば
- ・どのような建物の工事をしているのか
- ・どの規模の案件に対応しているのか
- ・どの地域で活動しているのか
といった情報が分かるだけでも、企業の担当者にとっては安心材料になります。
営業の説明を「証拠」として裏付ける役割をホームページが担うのです。
住宅向けの集客が「問い合わせを生む装置」だとすれば、企業向けの場合は営業活動を支えるツールとしての意味合いが強くなります。
同じホームページでも、この役割の違いを理解して設計することで、集客と営業の両方に効果を発揮するサイトになります。
小さな会社ほど、この整理が重要
「住宅も企業案件も、どちらも対応しています」という会社は少なくありません。
むしろ地域の工事会社ほど、さまざまな仕事に対応しながら事業を続けているケースが多いでしょう。
しかしホームページになると、その強みがうまく伝わらないことがあります。
理由はシンプルで、伝える相手が整理されていないまま情報を並べてしまうからです。
小さな会社ほど「全部やっている」
地域密着の会社は、実際には非常に幅広い仕事をしています。
- ・住宅の設備工事
- ・小規模な店舗工事
- ・ビルや工場の修繕
- ・オーナーからの管理案件
しかしこれらを同じページで説明してしまうと、訪問者から見ると「結局どんな会社なのか分かりにくい」状態になってしまいます。
整理するだけで伝わり方は変わる
重要なのは、新しい事業を作ることではありません。
すでに行っている仕事を「誰に向けて伝えるか」で整理することです。
例えば、
- ・住宅のお客様向けのページ
- ・企業やオーナー向けのページ
といった形で入り口を整理するだけでも、ホームページの分かりやすさは大きく変わります。
訪問者が「自分のことだ」と感じる導線ができれば、問い合わせや相談につながる可能性も高くなります。
小さな会社ほど事業の幅が広いからこそ、ホームページでは整理された伝え方が重要になるのです。
1つのホームページでも、設計次第で両方に対応できる
ここまで読むと、「住宅向けと企業向けでホームページを完全に分けないといけないのか?」と思われるかもしれません。
しかし実際には、必ずしも別のホームページを作る必要はありません。
重要なのは、訪問者ごとに分かりやすい入口を用意することです。
トップページで「入口」を分ける
例えばトップページに、
- ・住宅のお客様向けの工事案内
- ・企業・オーナー様向けの工事案内
といった形で入口を整理するだけでも、訪問者は「自分に関係のある情報」を見つけやすくなります。
その先に、それぞれに合った説明ページを用意しておくことで、ホームページ全体の理解度は大きく変わります。
実績や事例も整理する
もうひとつ重要なのが、施工実績の見せ方です。
住宅工事の事例と、企業向け工事の実績が混在していると、訪問者は自分に関係のある情報を探しにくくなります。
事例や実績も「住宅」「企業」などのカテゴリで整理することで、必要な情報にすぐアクセスできるようになります。
ホームページは「会社案内」ではなく「導線設計」
多くの企業では、ホームページを「会社の紹介ページ」として作ってしまう傾向があります。
しかし実際には、ホームページは訪問者を目的の情報へ導く「導線設計」の側面がとても重要です。
住宅のお客様も、企業の担当者も、それぞれ見ているポイントは違います。
その違いを理解して入口と情報を整理することで、1つのホームページでも両方の集客に対応できるサイトにすることができます。

まとめ
住宅工事と企業向け工事の両方を行っている会社は少なくありません。
地域の工事会社ほど、住宅設備の設置から店舗工事、ビルの修繕、オーナーからの管理案件まで、幅広い仕事を引き受けながら事業を成長させています。
しかしホームページになると、「どちらもできます」という情報の並べ方だけでは、その強みがうまく伝わらないことがあります。
住宅のお客様と企業の担当者では、工事会社を探す流れも、判断の基準も大きく異なります。
- ・住宅のお客様は「安心して相談できるか」を重視する
- ・企業の担当者は「実績や体制」を確認する
この違いを理解しないまま同じ説明をしてしまうと、ホームページの説得力はどうしても弱くなってしまいます。
だからこそ重要なのが、集客の入口と伝え方を整理することです。
住宅のお客様向けの導線と、企業向けの導線を分けて設計することで、それぞれに必要な情報が伝わりやすくなります。
また企業向けの場合、ホームページは単なる集客装置ではなく、営業活動を支える「営業ツール」としての役割も持ちます。
施工実績や対応できる工事内容を整理しておくことで、営業担当者が説明する内容を裏付ける資料としても活用できるようになります。
ホームページは「会社案内」ではなく「営業と集客を支える仕組み」です。
住宅のお客様にも、企業の担当者にも伝わるサイトにするためには、誰に向けて、どの情報を、どの順番で見せるのかを整理することが大切です。
アトラボでは、ホームページ制作の際にデザインだけでなく、営業や集客の流れを整理する導線設計からサポートしています。
住宅のお客様向けの集客と、企業向けの営業活動の両方を強化したいとお考えの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。



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