
最近では、AIで生成された画像をホームページに使用する企業が増えてきました。背景をきれいに整えたり、理想的なイメージカットを短時間で作れたりと、AI画像の活用にはたしかに大きなメリットがあります。
しかし一方で、「本当にそれでいいのか?」と問いかけたくなる場面も少なくありません。
たとえば、実在しない人物や料理写真を掲載したり、架空の社屋や店舗の外観を使っていたり…。「リアルを伝えるべき場所」でも、AI画像で代用してしまっている例が見受けられます。
その結果、ユーザーとの間に生まれるのは、“違和感”と“疑念”。一度でも「これって本物?」と思われてしまえば、そこから先の信頼関係の構築は難しくなります。
この記事では、ホームページにAI画像を使うときの判断基準や、信頼を損なわない活用のコツについて解説します。
デザインやクオリティだけに目を奪われず、「この画像で、本当に伝えたいことが伝わっているか」を一緒に考えていきましょう。
「ウソのない表現」が前提|AI画像の利用で問われる“リアルさ”の定義
AI画像の活用において、まず大前提となるのが「ウソのない表現であること」です。Webサイトは、パンフレットや広告と同様に、訪れた人に対して企業の情報を伝える公的なメディアです。そこで掲載されている情報やビジュアルが事実と異なる、もしくは誤解を与えるような内容であれば、それは「信用」を損ねるリスクに直結します。
たとえば、実在しないスタッフの写真を「弊社の料理長です」として掲載するのは論外ですが、AIで生成した工場外観や店舗の風景に「これが当社の社屋です」と記載するのも、実際には存在しないものである以上、訪問者を欺く行為と捉えられかねません。
もちろん、AI画像がすべて悪いわけではありません。大切なのは、「どこまでがリアルで、どこからがイメージか」を正しく認識し、それを使う文脈を見極めることです。
たとえば、以下のようなケースで判断が分かれます。
- ◎ OK:自社の外観写真をAIで加工し、電線や背景のごちゃつきを整理した画像を掲載
→ ベースは自社実写であり、視認性向上のための加工であり、事実に反していない。 - △ 微妙:業種イメージとしてAIが生成した「工場内の作業風景」を掲載
→ 説明文に「イメージ画像」などの注釈が必要。「当社の工場」と誤解される表現は避けるべき。 - × NG:「自社のスタッフ紹介」としてAI生成の人物画像を掲載
→ 明らかに実在しない人物を紹介しているのは不誠実であり、ブランド毀損の可能性が高い。
ビジネス用のWebサイトでは、どこまでが“リアルな情報”として受け取られるかを常に意識する必要があります。見た人が「これは本物の情報だ」と思うような文脈で使う場合は、画像も“本物”である必要があるのです。
特に中小企業の場合、社長や社員の顔が見えることで信頼を得ているケースも多いため、見栄えを優先してリアルさを損なうような画像の使い方は、かえってマイナスになる可能性があります。
AI画像でもOKなケース|イメージ的な役割に留まるもの
ここまで読むと、「じゃあAI画像はほとんど使えないのでは?」と感じた方もいるかもしれません。
ですが実際には、AI画像が“問題にならない”どころか、有効に機能するケースも多く存在します。
ポイントは、その画像が「事実を説明する役割」を担っているかどうか。
もしその画像が、単に「雰囲気づくり」や「イメージ補完」のためのものであれば、AI画像は十分に選択肢になります。
イメージ用途であれば、AI画像は“素材写真と同じ立ち位置”
たとえば、多くの企業サイトでは以下のような場所に、有料素材サイトの写真を使ってきました。
- サービス紹介ページのヘッダーに配置するイメージカット
- 業種・事業内容を象徴する抽象的なビジュアル
- コラム記事やお知らせページのアイキャッチ画像
これらの画像は、「これは当社の実物です」と説明するものではなく、あくまで文脈を補助するための視覚要素です。
この領域であれば、AIが生成した画像も、有料素材と同じ感覚で使うことができます。
AI画像が向いている具体的な例
- 抽象的なコンセプト表現
例:DX、未来、安心、スピード感、成長、チームワーク など - 人物を特定しないイメージ
例:シルエット、後ろ姿、顔が判別できない表現 - 背景・装飾的なビジュアル
例:ヒーローエリアの背景、セクションの区切り用ビジュアル
こうした使い方であれば、「リアルを装っていない」ため、ユーザーを欺くことにはなりません。
むしろ、企業の世界観やトーンを統一するうえで、AI画像が役立つケースもあります。
注意したいのは「文章との関係性」
ただし、イメージ用途であっても油断は禁物です。
画像そのものは問題なくても、直前・直後の文章が「事実」を語っている場合、ユーザーは画像もリアルだと受け取ってしまいます。
たとえば、「当社の現場では、職人が一つひとつ丁寧に…」と書いた直後に、AI生成の作業風景画像を置いてしまうと、意図せず“ウソの表現”になってしまうことがあります。
AI画像を使うときは、「この画像は、文章のどの役割を補っているのか?」を必ず確認することが重要です。
AI画像で“信頼を損ねる”ケースとは|企業の姿勢に矛盾が出る場面
近年のAI画像は驚くほどリアルで、見る人が「本物」と思ってしまうほど精巧に作られています。しかし、それゆえに見る人を「勘違いさせてしまう」ことがある点には注意が必要です。とくにホームページでは、その企業の「姿勢」や「価値観」を映し出す情報として受け取られます。だからこそ、AI画像の使い方ひとつで、企業の信頼を大きく損ねる危険性があるのです。
たとえば、実在しない人物を「自社のスタッフ」として掲載するケース。AIが生成した清潔感のある人物画像に、「〇〇店・料理長」や「営業担当の◯◯です」といったキャプションを添えれば、見る側は「この人が実際に在籍している」と受け取ります。しかし、実際には存在しない人物だったと知れた瞬間、「この会社は信頼できない」「なぜウソをついたのか?」という感情を抱かせてしまうのです。
さらに、「素材にこだわった手づくり」「職人による一点もの」など、「本物」や「リアル」をアピールしている業種ほど、その主張とAI画像の組み合わせには矛盾が生まれやすくなります。たとえば、実際の商品画像を一切掲載せず、すべてAI生成画像で構成された食品メーカーのサイトを見たら、どう感じるでしょうか。どれほど言葉で「素材の良さ」や「現場の手間ひま」を語っていても、視覚的な「つくりもの感」が説得力を損ねてしまうのです。
AI画像は、安価で短時間に高品質なビジュアルが手に入るという点では非常に魅力的です。しかし、その利便性の裏にある「見え方のリスク」を見落としてはいけません。ホームページは企業の顔であり、ビジュアルと文章が伝えるメッセージに一貫性があることが、信頼を育てるうえで非常に重要です。
「修正」の一環としてのAI利用は“あり”|写真補正の延長線としての使い方
近年の画像生成AIは、完全にゼロから画像をつくり出すだけでなく、既存の写真を加工・修正する機能にも優れています。たとえば、背景の一部を変更したり、写り込んだ不要なものを消す、照明のバランスを整えるなど、これまでもPhotoshopなどで行っていた補正作業が、より自然かつスピーディに実現できるようになっています。
このような使い方であれば、「AI画像」といっても、あくまで“リアルな素材の魅力を高める手段”として機能しているため、ホームページに掲載しても問題となることは少ないでしょう。特に、人や物の実在性が重要な業種(製造業・建設業・医療・教育など)では、「まったくの架空」よりも「現実を補強するAI活用」の方が、来訪者にも誠実な印象を与える傾向があります。
たとえば以下のような場面では、AIによる修正が“むしろ歓迎される”こともあります。
- 背景が雑然としていた現場写真から、余計な機材やスタッフを除去する
- 晴天の外観写真が用意できなかったため、曇天の空を青空に差し替える
- インタビューカットの人物が目をつぶっていたため、目元だけを差し替える
いずれも、「よりよい伝わり方」を目指すものであり、“本来の価値を正しく伝えるための修正”という範囲に留まっていれば、問題はありません。あくまで「現場にあるもの」「実在する人や商品」がベースにあることが前提です。
また、AIを使った背景生成や合成処理を行う際も、「これはイメージです」「背景はCG処理をしています」といった小さな注記を加えることで、見る人の誤解を防ぐことができます。こうした配慮は、企業としての姿勢の透明性にもつながり、むしろ信頼感を高めるポイントとなります。
「修正」の一環としてのAI利用は“あり”|写真補正の延長線としての使い方
AI画像の利用が問題になるのは、それが「本来あるべき姿」と大きく異なり、ユーザーの期待や信頼を裏切る場合です。しかし一方で、AIによる画像処理が、従来の写真補正や合成の延長線上で用いられるケースでは、そこまで神経質になる必要はありません。
「明るさ調整」や「不要物の除去」は昔から行われている
たとえば撮影後にPhotoshopで「背景のゴミ箱を消す」「顔を明るくする」といった加工は、以前から自然に行われてきました。これと同様に、生成AIを用いて空を晴れにする、背景の看板を消す、照明を整えるといった作業も、ユーザーに誤解を与えない範囲であれば十分許容されます。
「現実を加工していないか」が判断基準
重要なのは、「その場所に行ったら同じ景色が見えるか」「その人に会ったら同じ印象を受けるか」という点です。現実の経験に近づけるための補正か、それとも現実には存在しない“理想像”の創出かを意識することで、信頼性を損なわないラインを見極めやすくなります。
「部分的な生成」も慎重に
最近では「背景だけをAIで自然に生成する」「空白部分をAIで補完する」といった技術も進化しています。これらも一見自然に見えますが、現実に存在しない建物や景色が含まれていると、ユーザーの誤解を招く恐れがあります。社内撮影や現場写真においては、「事実と乖離していないか」を最終的に人の目で確認することが重要です。
AI画像は“味付け”程度に使うのが無難
Webサイトに掲載する画像としては、AIは「雰囲気を整える」「ノイズを除去する」「色味を補正する」程度に使い、素材やメインビジュアルはできるだけ実写や現実に即したビジュアルを用いるのが、結果的に“信用されるサイト”をつくる近道です。
アトラボでは、信頼性を損なわないビジュアル設計をご提案しています
私たちアトラボでは、ホームページにおけるビジュアル表現とユーザーの信頼性との関係性を重視しています。とくに企業ホームページや採用サイトでは、写真ひとつ、画像ひとつが訪問者の印象を大きく左右し、「共感できる会社か」「信頼して取引できる会社か」といった評価に直結する場面も少なくありません。
もちろん、すべての素材を実写でまかなうことが現実的でないケースもあります。だからこそアトラボでは、「この写真は実写であるべきか?」「この部分はAI生成で補っても違和感がないか?」といった判断を制作段階で一つひとつ丁寧に行い、ビジュアル全体での一貫性と信頼感を損なわない設計をご提案しています。
また、AI画像を使う場合でも、「あくまでイメージである」ことが誤解されない文脈を整えることや、実写との差を見極めるためのチェック体制を整えているのも当社の特長です。
「写真はこだわりたいが、素材が足りない」「AI生成を使いたいけど、どこまで許容されるかわからない」といったお悩みをお持ちの方も、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ|“便利だから”ではなく、“信頼されるかどうか”で使い分けを
AI画像の活用は、Web制作における選択肢のひとつとして確かに便利で、効率化やコスト削減の面でも有効です。しかし「便利だから使う」「無料だから使う」という判断だけで取り入れてしまうと、意図せぬ誤解や信頼性の損失につながりかねません。
重要なのは、「誰に、何を伝えるページなのか」を明確にしたうえで、どの部分にAI画像を使うのが適切かを見極めること。特に企業ホームページや採用サイトでは、写真やビジュアルが与える印象がブランドや信用に直結するため、慎重な判断が求められます。
アトラボでは、こうした信頼性の観点も含めたビジュアル設計のご提案が可能です。実写が必要な場合には撮影も含めたご相談をお受けし、AI画像を使う場合にも用途や文脈に配慮した活用方法をアドバイスいたします。迷ったときは、ぜひ一度ご相談ください。



コメント