企業のコーポレートサイトや採用サイトのリニューアルをご相談いただく際、「予算が限られているので、今回は撮影は見送ります」というお声をよくいただきます。
確かに、写真撮影は制作費の中では目立ちやすいコストですし、「とりあえずフリー素材で間に合わせよう」という判断も、一見、合理的に思えるかもしれません。
ですが、私たちは声を大にしてお伝えしたいのです。
「いい写真があるだけで、文章も、デザインも、まるで違う力を持つようになります。」
画像は、ただの“飾り”ではありません。
ホームページというビジュアルメディアにおいて、もっとも直感的に“企業らしさ”を伝える手段こそが「写真」なのです。
特に採用やブランディングの観点から見ると、企業の実態が伝わる写真が1枚あるだけで、コピーライターもデザイナーも“やるべきこと”が明確になるというのが、私たちが何度も経験してきた実感です。
本記事では、
- 素材写真とオリジナル写真では何が違うのか
- 写真があることで、文章やデザインにどんな好影響があるのか
- なぜ撮影が「費用」ではなく「投資」だと言えるのか
といった観点から、写真撮影を検討すべき理由をわかりやすく解説していきます。
「写真って、そんなに大事?」と感じているWeb担当者の方こそ、ぜひ最後までご覧ください。
「なるほど、だからあのサイトは印象に残るんだ」と、きっと納得いただけるはずです。
素材写真では「リアル」が伝わらない
フリー素材や有料ストックフォトは、確かに高品質なものも多く、今やホームページ制作において一般的な選択肢となっています。
しかし、「高品質=伝わる」ではないということを、まず理解する必要があります。
たとえば、採用サイトで「職場の雰囲気を知ってもらいたい」と思っても、よくある“外国人モデルの笑顔”や“架空の会議風景”では、リアルな共感は得られません。
「本当にこの会社の写真?」と、ユーザーに無意識の違和感を抱かせてしまう可能性すらあります。
一方で、実際のスタッフが写った写真や、本物の職場風景を収めた画像には、比べものにならない説得力があります。
例え少し素朴であっても、「ここで働く自分」が想像できるかどうかが、求職者にとっては非常に重要なのです。
これは企業サイトでも同様です。
「丁寧な対応」「親しみやすい雰囲気」「歴史ある技術力」など、言葉では伝えきれない空気感を補ってくれるのが、“本物の写真”の持つ力です。
文章やキャッチコピーだけで企業の魅力を語るのは限界があります。
むしろ、伝えたいことを“語らずとも伝える”ために、写真の力を借りるという発想が、いまのWebサイトには欠かせません。
そしてそれこそが、素材写真では決して代替できない領域なのです。
撮影写真があるだけで、コピーが強くなる
Webサイトの構成において、「キャッチコピー × 写真」の組み合わせは最強の武器です。
しかしその力を最大限に発揮するには、写真そのものに“文脈”があることが前提になります。
たとえば、自社の工場やオフィスで働くスタッフの写真が1枚あるだけで、
「真面目に、誠実に。」「この手で支える、暮らしの安心。」といった言葉が、圧倒的な説得力を持ちます。
反対に、素材写真を使っていると、どうしてもコピーの内容が「写真に合わせる」ことになりがちです。
結果として、抽象的な言い回しや、どこかで聞いたような表現に頼らざるを得ず、
その企業「らしさ」が伝わらない、汎用的なサイトにまとまってしまいます。
撮影写真があると、ライターはその1枚に込められた背景や空気感、表情からインスピレーションを得て、
「その会社だからこそ言えるコピー」を生み出すことができます。
また、読み手もそのビジュアルから言葉の“根拠”を受け取ることができ、「この会社、なんかいいな」という直感的な印象につながります。
良いコピーは、良い素材から生まれる。
それは、プロの制作現場で常識となっていることなのです。
素材頼りのデザインは「整ってるけど、伝わらない」
素材写真を使って構成されたWebサイトは、いわゆる「綺麗に整ったサイト」にはなります。
デザインテンプレートにうまくはめ込み、色味も統一し、見た目は整っている。
でも…なぜか印象に残らない。
それは、写真が“その会社のもの”ではないからです。
よくあるのが、フリー素材の人物写真。
清潔感のあるオフィスでスーツ姿の笑顔…いかにも良さそうな印象ですが、
同じ写真を他社サイトでも見たことがあるというケースは珍しくありません。
デザイナーとしても、「写真の空気感や構図」に合わせてレイアウトを構成するしかなく、
本来「その会社の特徴を伝える」ためのデザインが、写真に引っ張られた表面的な設計になってしまいます。
結果として、サイト全体が「きれいだけど、無難」「見た目はいいけど中身が薄い」印象になり、
読み手の心に“その企業だけの個性”が残りにくくなるのです。
整った見た目は、確かに大切。
でも、伝えたいことが伝わらなければ、本当の意味でのデザインとは言えません。
素材頼りのデザインは限界があります。
だからこそ、オリジナルの撮影写真が持つ“伝える力”は、今もなお強い武器なのです。
写真の印象が、そのまま企業の印象に直結する
Webサイトに使われている写真は、訪問者にとって最初に目に入る情報のひとつです。
つまり、その写真の“雰囲気”が、そのまま企業イメージとして定着すると言っても過言ではありません。
例えば、「明るく働きやすい職場」を伝えたい採用サイトに、
どこか暗くて無機質な素材写真が使われていたらどうでしょうか?
あるいは、「人の温かみ」を打ち出したいのに、外国人モデルの素材写真を使っていたら?
写真1枚で、ユーザーの期待と印象がズレてしまうのです。
逆に、実際のオフィスや現場、社員の表情がリアルに伝わる写真が使われていれば、
それだけで「この会社、なんかいいな」と共感や信頼を得られる可能性があります。
写真は、文字よりも、デザインよりも、直感的に「会社らしさ」を伝える最強のメディアです。
だからこそ、安易にフリー素材で済ませてしまうのは、本当にもったいない選択と言えるでしょう。
ユーザーは、無意識に写真から情報を読み取っています。
企業の雰囲気、清潔感、安心感、信頼性…それらはすべて、写真の質と選び方にかかっているのです。
撮影は“オプション”ではなく、戦略の一部
ホームページ制作における撮影は、「あれば便利」な装飾ではありません。
伝えたいメッセージを補強し、競合と差別化するための“戦略的要素”なのです。
たとえば、同じ業種・同じ規模の企業でも、
プロによる撮影でリアルな現場・スタッフの表情を見せているサイトと、
ありきたりな素材写真を並べただけのサイトでは、ユーザーの印象は大きく異なります。
前者は「信頼できそう」「現場の雰囲気がよく伝わる」「この会社に頼みたい」と思われやすく、
後者は「他と同じ」「雰囲気が見えない」「本当にこの会社がやっているのかな?」と感じられてしまいます。
これはつまり、写真一つで「問い合わせ率」に差が出るということ。
制作コストの中でも、撮影は短期的に見れば「節約ポイント」に見えるかもしれませんが、
中長期的に見ると、コンバージョンやブランディングの要となる投資です。
ページ数を削ってでも、本当に伝えるべきビジュアルの質を高める。
アトラボでは、そんな考え方をご提案しています。
アトラボでは、こう考えています|撮影を「提案する理由」
アトラボでは、コーポレートサイトや採用サイトを制作する際、撮影の実施を強くおすすめする場面が多くあります。
それは「見た目を良くするため」ではなく、「伝わる」ホームページにするために欠かせない要素だからです。
実際、私たちのもとに寄せられるご相談の中には、
「昔ホームページ・ビルダーで自作していた」「業者に頼まずずっと更新してきた」
といった、“手作りサイト”からのリニューアル案件が多くあります。
そうした企業の皆さまは、コスト感覚や情報整理には非常に長けている一方で、
画像については「無料素材で十分」「社員は写りたがらない」といった理由から、撮影を見送るケースもあります。
しかし、私たちはそこで「もったいない」と感じます。
なぜなら、企業の強みは「素材画像」では伝えきれないからです。
私たちが撮影を提案する理由は、以下のような点にあります。
- 現場やスタッフの「雰囲気」こそが、他社との差別化ポイントになる
- 実際の写真があると、キャッチコピーやテキストも説得力を増す
- 「会社を訪れる前から、安心感を持ってもらえる」ことが多い
もちろん、私たちも無理に撮影を勧めるわけではありません。
経営者や担当者の「これまでのやり方」や「想い」を尊重しつつ、
必要性や効果をていねいにご説明しながら、ご納得いただいた上で提案しています。
撮影があることで、デザインの幅が広がり、コピーにも厚みが生まれ、
なにより「見る人の心に届くサイト」に近づける。
それが、アトラボが撮影を大切にしている理由です。

まとめ
ホームページ制作において、写真の役割はあまりにも大きなものです。
とくに企業の雰囲気や現場のリアル、働く人たちの人柄などは、どれだけ言葉を尽くしても、1枚の写真が語る力には及びません。
「予算の都合で」「時間がないから」「素材でなんとかならないか」
――そんな声も理解できますが、写真を妥協すると、サイト全体が本来の魅力を発揮しきれなくなるのも事実です。
アトラボでは、撮影を“オプション”ではなく、戦略の一部ととらえ、
可能な範囲での撮影提案を行っています。
もちろん、予算や規模、撮影の手配方法も含めて柔軟に対応しますので、まずはご相談ください。
「文章もデザインも、写真次第で強くなる」
次にホームページを見直すとき、ぜひその視点を忘れずにいていただければと思います。


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