「営業って、口がうまくなきゃ務まらないでしょ?」
そんな言葉が飛び交っていたのは、ひと昔前の話。朝から晩まで足で稼ぎ、飛び込み営業や電話営業で数字を追いかけていたあの時代――確かに“話す技術”は営業職の武器でした。
でも今、同じように“話すだけ”の営業は、果たして通用しているでしょうか?
デジタル化、AIの活用、顧客の情報収集力の進化。時代は確実に変わり、営業という仕事にも新たなスキルと役割が求められています。
特に、40代を迎えた営業職の方々にとっては、「これまでのやり方では成果が出にくくなってきた」という感覚を持つことも少なくないはずです。
今の時代、営業に本当に求められているのは「しゃべる力」ではなく、「考える力」かもしれません。
本記事では、そんな変化の只中にいる営業職に向けて、今だからこそ考えたい“営業の役割”と“スキルの進化”について、Web制作会社であるアトラボの視点からお伝えしていきます。
「話す営業」から「考える営業」へ。時代は変わった
昭和・平成の営業といえば、「足で稼ぐ」「数を打つ」「根性で押す」といったスタイルが一般的でした。
実際、その時代には有効な場面も多く、行動量と熱意が成果に直結する場面も多かったのです。
しかし今、顧客の情報収集はWebが中心となり、営業担当が“初めて会う前”にすでに企業情報はある程度チェックされています。
また、課題が複雑化し、顧客自身が何を求めているのか明確にわかっていないケースも多く、単なる「商品説明」や「価格交渉」では選ばれません。
つまり今、営業に求められているのは「相手の状況を読み解き、自社の情報や解決策を“整理して提案する力”」です。
会話量よりも「情報設計力」、行動量よりも「課題解決力」が問われる時代に、営業は明確に変わりつつあります。
そしてもうひとつ重要なのは、「考える営業」は属人化ではなくチームや仕組みで支えるべき時代だということ。
一人のスーパープレイヤーに頼るのではなく、誰でも一定以上の成果を出せる仕組み=営業DXへの取り組みが注目されているのです。
「考える営業」に必要な3つの視点
「考える営業」とは、単に論理的なトークをする営業ではありません。
顧客の課題を理解し、社内外の情報をつなぎ、最適な提案のために戦略を描ける営業。つまり、個人のセンスより“設計力”や“視座”が問われるようになっています。
ここでは、今の時代に営業職が持つべき3つの視点をご紹介します。
1. 顧客の課題を“自分ごと”として捉える視点
顧客は「商品」ではなく「課題解決」を求めています。
「このサービスを売りたい」ではなく、「この会社の困りごとに、自社がどう関われるか?」という視点で向き合えるかが第一歩。
そのためには、顧客の業界や業種、立場や現場感まで理解することが求められます。
2. 社内外の情報をつなぐ“ハブ”としての視点
顧客と話しているのは営業ですが、その課題解決に必要なのは技術チームかもしれませんし、マーケティングや広報の視点かもしれません。
「それは開発に確認しておきます」ではなく、必要な知識や人材をつなぎ、自ら調整役として動く力が信頼につながります。
3. 営業活動を“設計”する視点
「とにかく回る」「数をこなす」では限界があります。
どの顧客に・いつ・何を目的に連絡するのか?
商談のステージごとの行動と情報を可視化していく“設計力”が成果を分けます。
これは、属人的な営業からチーム営業に移行していく上でも欠かせない視点です。
これらの視点を持つことは、単に成績を上げるだけでなく、営業としての市場価値を高めることにもつながります。
時代の変化に対応するとは、“武器を持ち替える”ことなのかもしれません。
「考える営業」は何から始めればいい?
「考える営業が求められているのはわかった。じゃあ、何から始めればいい?」
そんな疑問を持つ方に向けて、今日からできる第一歩をご紹介します。重要なのは、壮大な改革ではなく、日々の営業活動に“設計と改善”の視点を取り入れることです。
1. 商談の目的を明確にする
「とりあえず訪問」「様子をうかがう」といった曖昧な商談は、相手の時間も自分の時間もムダにしてしまいます。
「今回の商談で、何を確認し、何を次に進めるのか」を事前に明確にするだけで、会話の質も、結果も大きく変わります。
2. 顧客との接点を「見える化」する
過去のやり取り、メール、資料送付、反応… すべてを頭の中だけで管理するのではなく、一覧化して共有・分析できる環境を整えましょう。
これにより、「なんとなく会う」ではなく「今、この話をすべき理由」が明確になります。
3. 小さくても「改善」を繰り返す
1件の問い合わせを増やすために、どこを変えるべきか?
資料の導入文を変える、フォームの項目を減らす、顧客へのヒアリング内容を見直す――
営業活動を「分析 → 改善 → 計測」する習慣を持つことが、「考える営業」への近道です。
必要なのは“特別な能力”ではなく、日々の仕事に“振り返る視点”を加えること。
それだけで、今のあなたの営業活動も、着実に変わっていきます。
“仕組みを考える営業”を支えるWeb整備
アトラボはWeb制作会社ですが、単にデザインや情報を整えるだけではなく、クライアント企業の営業活動そのものを支える「仕組みづくり」を意識して提案を行っています。
とくに中小企業においては、営業担当者の属人化や業務過多がボトルネックになっているケースが少なくありません。
そうした現場の声を受けて、私たちはWebサイトや関連ツールの見直しを通じて、「情報が整っている」「顧客との接点が設計されている」状態を一緒に目指します。
実際にご相談が多いのは次のようなケースです:
- 問い合わせフォームの内容が適当で、商談につながりにくい
- サービスページが営業資料代わりになっておらず、営業負担が重い
- 顧客管理のツールや流れがバラバラで、追客が属人的
- リピート顧客に向けた情報発信ができておらず、関係が途切れがち
こうした課題に対して、私たちができることはシステム開発ではなく、“全体像の整理”と“伝える導線の設計”です。
「どの情報を、どこで、誰に届けるべきか?」といった視点で、Webサイトや運用方針を一緒に見直すことで、営業活動の無駄や属人性を少しずつ解消していく――そのためのアドバイスを得意としています。
営業活動を一人で背負わない時代。Webという“仕組み”を使って考える営業へ。
アトラボでは、そんな変化を支えるパートナーでありたいと考えています。
まとめ|“考える営業”は、あなたの強みになる時代へ
営業職に求められる役割は、時代とともに大きく変化しています。
かつてのように“熱意”や“行動量”だけで成果が出る時代は終わり、今は顧客の本質的な課題に向き合い、「考える力」で提案できる営業が求められています。
とはいえ、すべてを一人で背負う必要はありません。
営業活動を効率化・高度化するためのツールや環境は整いつつあり、「情報の見える化」「社内連携」「Web活用」といった仕組みを取り入れることで、営業の在り方は確実に変えられます。
この記事を読んで「少しでも営業を変えたい」「次の一歩を踏み出したい」と思われた方は、小さな振り返りや改善から始めてみてください。
その積み重ねが、これからの時代に求められる“強い営業”をつくる基盤になります。
アトラボでは、営業活動と連動したWebサイト設計や顧客接点の最適化といったご支援も可能です。
「営業を仕組みで強くしたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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