「やっと自社ECサイトを立ち上げたけど、思ったほど売上が伸びない」「広告を出しても費用ばかりかさんでしまう」——そんな悩みを抱える事業者の方も多いのではないでしょうか。
ECサイトの売上は「アクセス数 × 購買率 × 客単価」で決まります。
つまり、ただ集客するだけではなく、「買ってもらえる仕組み」「リピートしてもらえる関係性」を作らなければ、持続的な売上にはつながりません。
そこで重要になるのが、Webマーケティング施策の正しい選択と組み合わせ方です。
広告、SNS、クーポン、メール、ブログ……さまざまな選択肢がある中で、「今のフェーズで何を優先すべきか?」を見極めることが、費用対効果の最大化につながります。
本記事では、ECサイトで実際に活用できる主なWebマーケティング施策を9種類に分類し、それぞれの特長・費用感・メリット・デメリット・向いているケースを徹底比較。
「何から始めればいいか迷っている方」「とりあえず広告を出しているけど成果が見えない方」に向けて、実践的な判断材料を提供します。
まずは、全体像を俯瞰してみましょう。
ECサイトで使えるWebマーケティング手法一覧
「なんとなく広告」ではなく、売上の構造に合わせた施策選びを
ECサイトの売上を伸ばすには、「アクセスを増やす」「買ってもらう」「もう一度買ってもらう」という3つの視点が欠かせません。
この3つに対して、Webマーケティング施策は下記のように整理することができます。
① アクセス数を増やす(集客施策)
- リスティング広告(検索連動型広告)
- SNS広告(Instagram・Facebook・Xなど)
- SNS運用(公式アカウントでの投稿)
- オウンドメディア(ブログ・コラムなど)
- アフィリエイト広告(外部メディア経由で集客)
- レビュー・UGC(口コミ・写真投稿などによる間接集客)
- モール内施策(楽天・Amazon内の検索対策や広告)
② 購買率を高める(CVR改善施策)
- クーポンの発行
- レビュー・UGCの活用
- リッチな商品ページづくり
- チャットボット・LINE対応
③ リピート購入を促す(CRM施策)
- LINE公式アカウント・メルマガによるDM配信
- SNSによる関係性づくり
- オウンドメディアでの情報提供
このように、Webマーケティングにはさまざまな手段があり、自社の課題に応じて「今、何に力を入れるべきか」を見極めることが重要です。
次の章からは、各施策の特徴や費用感、向いているケースなどを1つずつ詳しく解説していきます。
クーポン発行
「とりあえず試してみよう」を後押しする即効性のある施策
クーポンは、ECサイトで最も手軽に導入できる販促施策のひとつです。
初回購入者限定や、◯円以上購入で◯%オフといった設定により、「価格の後押し」によって購入を促すことができます。
特に「気になっているけど決めきれない」「カートに入れてはみたけどまだ買っていない」といった層には、クーポンが強い一押しとなります。
また、在庫が多く残っている商品や、シーズン商品などの「早く売りたい商品」にも有効です。
メリット:即効性が高く、導入も簡単
ECプラットフォーム(Shopify、BASE、STORESなど)では、管理画面から簡単にクーポンコードを発行でき、費用もかかりません。
売上に直結しやすく、初動の販促施策として多くのEC運営者が導入しています。
また、広告と組み合わせて使用することで、購入率(CVR)を大きく引き上げることが可能です。
「初めての方限定クーポン」は、新規顧客の獲得において特に効果的です。
デメリット:値引き依存になるリスクも
一方で、頻繁なクーポン発行は「定価で買う意味がない」というブランドイメージの低下につながる可能性もあります。
「どうせまた安くなるだろう」と思われると、通常価格での購入が減ってしまうことも。
また、クーポンで購入された場合は利益率が下がるため、原価や粗利を踏まえて慎重に設定する必要があります。
どんな商材・フェーズに向いている?
- 向いている商材:アパレル、雑貨、食品など価格感のある商品・衝動買いしやすい商品
- おすすめのタイミング:ECサイト立ち上げ直後、季節商品や在庫処分時
「少しでも安く買いたい」「買う理由が欲しい」と感じている層への背中押しとして、クーポンは非常に有効です。
DM配信(LINE・メルマガなど)
“思い出してもらう”ためのシンプルで強力なアプローチ
購入してくれたお客様や、会員登録してくれた見込み客に対して、定期的に情報を届けられるのがDM配信の最大の強みです。
LINE公式アカウントやメールマガジンを活用することで、「一度買ってくれた人にもう一度買ってもらう」施策として活用できます。
特に、食品やコスメ、日用品などリピート性のある商品を扱うECでは、DM配信が売上の柱になるケースも多く、リピート率アップ=LTV(顧客生涯価値)の向上につながります。
メリット:低コストで高い反応率が期待できる
メールマガジンは配信ツールによっては月額数千円から運用でき、LINE公式アカウントも月額無料プランから始められます。
いずれも「開封してもらいやすいタイトル」「気になる特集」など工夫次第で反応率を高めることができ、費用対効果が非常に高い施策です。
また、購買履歴や属性によってリストをセグメントし、「その人に合った情報」を配信することで、購入率がさらに高まるという利点もあります。
デメリット:リストがなければ始まらない/配信頻度に注意
DM配信は登録者(LINE友だち・メールアドレスなど)がいなければ機能しません。
そのため、クーポン配布や会員登録キャンペーンなどで地道にリストを集める活動が必要です。
また、配信頻度が高すぎると「ウザい」「通知が多い」と感じられ、ブロック・配信停止につながるリスクもあります。
「有益な情報を、適切なタイミングで届ける」ことが何より大切です。
どんな商材・フェーズに向いている?
- 向いている商材:食品、日用品、健康食品、サブスク商品などリピート性の高いもの
- おすすめのタイミング:リピーター育成、定期購入への導線づくり、セール告知など
LINEとメルマガ、それぞれに特長があるため、ユーザー層に応じて使い分けることも効果的です。
「買ってくれたお客様を“忘れさせない”ための施策」として、ぜひ取り入れたい手法です。
リスティング広告(Google広告など)
「欲しいと思って検索している人」にピンポイントで届く
リスティング広告(検索連動型広告)は、GoogleやYahoo!などで特定のキーワードを検索したユーザーに対して表示される広告です。
たとえば「無添加 ドッグフード 通販」「ギフト用 和菓子」といった具体的なニーズを持ったユーザーにアプローチできるため、“今すぐ買いたい人”とのマッチ率が高いのが特長です。
自社ECサイトの立ち上げ当初や、新商品リリース直後など、すぐにアクセス数を増やしたいタイミングで効果的です。
メリット:即効性があり、成果が出るまでが早い
設定から掲載までが非常にスピーディで、広告出稿から即日でアクセス・売上が増えることもあります。
特に競合が少ないニッチなジャンルや、高単価・高利益商材では、少ないクリックでも売上につながる可能性が高いです。
また、広告文のABテストやキーワードの入れ替えがしやすく、“試行錯誤しながら改善できる柔軟さ”も魅力のひとつです。
デメリット:費用がかさみやすく、運用にノウハウが必要
人気キーワードになるほどクリック単価が高くなり、費用対効果が悪化するリスクがあります。
また、広告の設定項目が多く、キーワードの選定・除外設定・入札管理などを誤ると、無駄なクリック=無駄なコストになってしまうことも。
「広告は出したけど全然売れない」原因の多くは、ターゲット設定やキーワード選びにあります。
どんな商材・フェーズに向いている?
- 向いている商材:専門性の高い商品、高単価商品、ニッチ商材
- おすすめのタイミング:新商品のテスト販売時、売上に即効性が欲しいとき
リスティング広告は、即効性のある武器である一方、中長期的には「広告頼みの集客体質」にならないよう注意が必要です。
適切な運用と併用施策がカギとなります。
SNS広告(Instagram・Facebookなど)
“偶然の出会い”から購入へ。視覚で惹きつけるプロモーション
SNS広告は、InstagramやFacebook、X(旧Twitter)などのタイムライン上に表示される広告で、ユーザーが検索していない状態でも、興味・関心に基づいて情報を届けられるのが大きな特徴です。
「たまたま見かけたけど、気になって買ってしまった」——そんな“偶然の購買”を生む力があり、ビジュアルに訴求力のある商材との相性が抜群です。
メリット:低予算から始められて、ターゲティング精度が高い
SNS広告は、年齢・性別・居住地・興味関心などのデータを活用して、極めて細かくターゲティングが可能です。
「30代女性・美容関心層」や「新築住宅を検討中の30代夫婦」など、購買意欲の高い層にピンポイントで届けることができます。
また、少額(1万円程度)からでも出稿が可能で、「まずはお試しで」という運用もしやすいのが魅力です。
デメリット:衝動買いはあるが、即CVしないケースも多い
一方で、検索意図のないユーザーに表示されるため、「見てもらえるけど、買ってもらえない」ことも珍しくありません。
コンバージョン率(CVR)はリスティング広告に比べて低めで、“じわじわ効いてくる”タイプの広告です。
また、効果的なクリエイティブ(画像・動画・コピー)を制作する必要があり、制作コストや運用ノウハウが求められる点も意識しておくべきです。
どんな商材・フェーズに向いている?
- 向いている商材:アパレル、雑貨、スイーツ、美容・コスメ、ギフトなど“見た目で惹きつけられる商品”
- おすすめのタイミング:ブランド認知の初期、イベントや季節商品、SNSキャンペーンとの併用時
「この商品、かわいい!」「思わず保存した!」という第一印象がカギとなるSNS広告は、特にBtoCの感性商品において欠かせないプロモーション手法です。
SNS運用(Instagram・X・TikTokなど)
「ファン」と「共感」を育てる、中長期の資産づくり
SNS運用とは、企業やブランドが自社アカウントを通じて継続的に情報発信を行い、ユーザーとの関係性を築いていく活動です。
広告のような即効性はないものの、ブランドの“世界観”や“こだわり”を伝えることで、顧客との信頼関係を深めることができます。
特に、InstagramやTikTokといったビジュアル中心のSNSは、「雰囲気」や「使用シーン」を伝えるのに効果的。
コツコツと運用することで、「このお店からまた買いたい」と思ってもらえるファンづくりにつながります。
メリット:無料で始められ、ファンが拡散してくれることも
SNS運用は基本的に無料で始められ、投稿内容によってはフォロワーが自然に拡散してくれる「バズ」の可能性も秘めています。
広告と違って費用がかからず、長く続けるほど“資産”として蓄積されるのも魅力です。
また、お客様の声を直接聞けたり、DMで問い合わせが来たりするなど、顧客接点の場としても重要な役割を果たします。
デメリット:成果が出るまでに時間がかかる/更新が手間
SNS運用の最大の課題は継続性です。
投稿ネタを考えたり、写真を撮ったり、コメントに返信したりと、日常業務と並行して運用するのは大きな負担になることもあります。
さらに、すぐに売上に直結しにくいため、「何のためにやっているのか分からない」とモチベーションが下がりやすい点にも注意が必要です。
どんな商材・フェーズに向いている?
- 向いている商材:こだわりやストーリーがある商品(ハンドメイド・食品・コスメ・アパレルなど)
- おすすめのタイミング:ブランド立ち上げ時/ブランディング強化/リピーター育成
「売る」より「伝える」ことを重視したい方にとって、SNS運用は強力なブランディングツールです。
一朝一夕で結果は出ませんが、信頼と共感を積み重ねることで、長く愛されるECブランドを育てることができます。
オウンドメディア運営(ブログ・コラムなど)
検索流入と信頼を積み重ねる“地に足のついた”集客施策
オウンドメディアとは、自社が所有・運営する情報発信メディアのこと。
ブログやコラム記事を通じて商品情報やノウハウ、活用事例、開発秘話などを発信することで、検索エンジンからの流入(SEO)とブランド信頼性の向上を同時に実現できます。
「ECサイトの情報だけでは伝えきれない想いを届けたい」「価格競争に巻き込まれない強みを作りたい」——そんな方にぴったりの手法です。
メリット:資産として蓄積され、SEO効果が持続する
オウンドメディア最大の特長は、一度書いた記事がWeb上に残り続け、長期的な集客に寄与するという点です。
アクセス解析で人気記事を把握し、内容をアップデートしていくことで、“自社メディアの価値”を高めていくことができます。
また、商品購入だけでなく「読み物コンテンツ」としての価値もあるため、顧客との接点が売上以外の場所にも広がるというメリットもあります。
デメリット:成果が出るまでに時間がかかり、手間もかかる
オウンドメディアは中長期型の施策であり、立ち上げから3ヶ月〜半年は成果が見えづらいことが一般的です。
定期的な記事更新には、ライティングや写真撮影、編集作業が必要になり、社内リソースの確保がネックになることも。
また、記事内容やSEOキーワードの選定によっては、アクセスがまったく集まらないケースもあるため、企画力と運用力が求められる施策です。
どんな商材・フェーズに向いている?
- 向いている商材:専門性・技術的背景がある商品/価格以外の価値を伝えたい商材(例:健康食品、工芸品、家具など)
- おすすめのタイミング:検索流入を増やしたいとき/ブランドの「想い」を伝えたいとき
オウンドメディアは、短期的な売上よりも“ファンと信頼の土台づくり”を目的とする施策です。
コツコツ積み上げる覚悟がある方には、長期的に大きなリターンをもたらしてくれる強力な手段となります。
アフィリエイト広告
「売れた分だけ支払う」成果報酬型の集客モデル
アフィリエイト広告は、ブログや比較サイト、SNSインフルエンサーなどの外部メディアに自社商品を紹介してもらい、成果(購入や会員登録など)に応じて報酬を支払う仕組みです。
無駄な広告費が発生しにくく、費用対効果を重視したい事業者にとって非常に理にかなった施策です。
自社で広告運用やコンテンツ制作のノウハウがなくても、“紹介してくれる人”をパートナーにできるという点が大きな魅力です。
メリット:初期費用が少なく、完全成果型で始められる
アフィリエイトは、多くの場合「売れたら払う」スタイルのため、予算に限りのあるEC事業者でも導入しやすい施策です。
また、自社ではリーチできないメディアやインフルエンサー経由で商品が紹介されることで、認知拡大にもつながる効果があります。
成果報酬の金額も柔軟に設定できるため、粗利率や商材の戦略に応じて調整しやすいのも特徴です。
デメリット:掲載先や紹介方法のコントロールが難しい
最大の注意点は、どこで、どう紹介されるかを完全には管理できないという点です。
紹介文の品質や、誤解を生むような表現が使われた場合、ブランドイメージの毀損につながるリスクもあります。
また、成果が出るまでに時間がかかることや、アフィリエイター側の都合で掲載が止まってしまうケースもあり、「自分でコントロールできない部分が多い」施策であることを理解しておく必要があります。
どんな商材・フェーズに向いている?
- 向いている商材:EC専用商品、定期購入商品、レビューや体験談が効果的な商品
- おすすめのタイミング:広告予算が限られている立ち上げ期、認知拡大フェーズ
アフィリエイト広告は、信頼できるパートナーと出会えるかどうかが成功の鍵です。
ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)選びや、条件設定、紹介素材の整備なども含めて、戦略的な運用が求められる施策です。
レビュー・UGC活用
「お客様の声」が次の購入を後押しする最強の説得材料
レビューやUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)は、実際に商品を購入・使用した人のリアルな感想や投稿を活用するマーケティング手法です。
第三者の声には説得力があり、「初めて買う人の不安」を取り除く役割を果たします。
特にECサイトでは、実物を見たり触れたりできない分、他のユーザーの写真や口コミが“購入の決め手”になることが多くあります。
メリット:信頼性・共感性が高く、費用対効果も良好
レビューはほとんどのECプラットフォームに標準搭載されており、導入コストはほぼゼロ。
投稿してくれたお客様の声が“自然な販促”として働いてくれるため、コストパフォーマンスに優れた施策です。
さらに、InstagramなどのSNSでお客様が自発的に投稿した写真(UGC)を活用すれば、「自分ごと化」されたリアルな使用イメージを伝えることができます。
デメリット:数が集まるまでに時間がかかる/品質のばらつき
レビューやUGCは自然発生を待つだけでは不十分で、投稿を促す仕組みやインセンティブ設計が必要です。
また、内容には品質の差があるため、誤解を招く表現やネガティブな評価への対応も考慮する必要があります。
「レビューがない=誰も買ってない?」という印象を避けるためにも、立ち上げ初期から意識的に投稿を集めていくべきです。
どんな商材・フェーズに向いている?
- 向いている商材:使用感が気になる商品(食品、コスメ、日用品など)/価格帯が高く購入に慎重になる商品
- おすすめのタイミング:販売実績が一定数ある段階/リピート促進・SNSとの連動施策時
UGCやレビューは、「売る側の言葉」ではなく「買った人の声」だからこそ、共感と信頼を得やすい施策です。
コンテンツとしても、営業ツールとしても、非常に高いポテンシャルを持っています。
マーケットプレイス内施策(Amazon・楽天など)
モール型ECで戦うなら「検索対策」×「露出強化」は必須
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのマーケットプレイスに出店している場合、プラットフォーム内での露出を最大化するための対策が欠かせません。
出店すれば売れるという時代ではなく、「検索される工夫」「見られる導線」づくりが売上を左右します。
モール内での競合が多いカテゴリでは特に、「検索上位表示」や「レビューの充実」「セール・キャンペーン活用」が重要な勝ち筋となります。
メリット:集客力のある土台に乗れる安心感
Amazonや楽天は、すでに膨大なユーザー数と購入意欲の高い訪問者を抱えています。
そのため、自社サイトへの集客が難しい立ち上げ初期でも、検索結果にさえ出れば商品を見てもらえるチャンスがあるという点が最大の魅力です。
また、セールやランキング、レビューなどの仕組みが整っており、EC初心者でも販促の土台を活用しやすいのも特長です。
デメリット:手数料と競争の激しさ/価格勝負になりやすい
一方で、出店手数料・販売手数料が高く、利益率が圧迫されやすいという課題もあります。
また、同一カテゴリに多数の商品が並ぶため、価格競争に巻き込まれやすく、ブランドの差別化が難しいという一面も。
「広告を出しても埋もれてしまう」「レビューが少ないと不利」など、モール独自の攻略が求められます。
どんな商材・フェーズに向いている?
- 向いている商材:需要が明確で比較されやすい商品(家電・日用品・食品など)
- おすすめのタイミング:EC初期フェーズの販路確保/自社サイトと並行して売上を伸ばしたいとき
モール出店は、「売る場所」を確保できる安心感がある一方で、「どう売るか」の工夫が問われるフィールドでもあります。
検索対策・レビュー施策・広告運用など、モール特化型のWebマーケティングが成果を分けるポイントです。
自社に合った施策の選び方
「売れている会社がやっている」ではなく、「今の自社に合っているか」で判断する
ここまでご紹介したとおり、ECサイト向けのWebマーケティング施策にはそれぞれ特長と適性があります。
しかし、どれも万能ではなく、「今のフェーズ」「商材の特性」「社内のリソース」によって向き不向きがあるのが実際です。
たとえば、リスティング広告は即効性がある反面、運用コストがかかります。
SNS運用は無料で始められますが、続ける体制がないと成果につながりません。
クーポンやレビューのように「今すぐできる」施策もあれば、オウンドメディアやアフィリエイトのように時間をかけて育てていく施策もあります。
まずは「解決したい課題」を明確にすること
選定の第一歩は、「アクセスが足りないのか」「買われないのか」「リピートがないのか」という視点で自社の現状を把握することです。
- アクセスが少ない → リスティング広告、SNS広告、アフィリエイト広告、オウンドメディア
- 購入されない → クーポン、レビュー、サイト改善(EFOなど)
- リピートが少ない → メルマガ・LINE配信、SNS運用、UGC活用
「課題→目的→施策」までを一本の線でつなげることで、ムダな施策や予算の浪費を防ぐことができます。
すべてを一度にやろうとせず、「絞って深く」が鉄則
Webマーケティングは数が多いほど効果が出るわけではありません。
特にリソースの限られた中小企業では、一つひとつの施策をきちんとやり切ることのほうが、結果的に大きな成果につながります。
「何から手をつけたらいいか分からない…」という場合は、まずは自社ECの課題を一緒に整理するところからでもOK。
次のまとめでは、施策選定における大事な視点をもう一度整理します。

まとめ
ECサイトの売上を伸ばすためには、単に「広告を出す」だけでは不十分です。
アクセス数・購買率・リピート率という3つの要素を意識し、それぞれに合ったWebマーケティング施策を選ぶことが欠かせません。
この記事で紹介した施策は、どれも有効な手段ですが、自社のフェーズや課題に合っていなければ、コストばかりがかかって成果につながらない可能性もあります。
大切なのは「何を達成したいのか」から逆算して、施策を組み合わせていくこと。
たとえば、初期は広告でアクセスを集めつつ、クーポンで購買率を高め、レビューやUGCで信頼を育て、DMやSNSでリピーターを増やす……というように、目的に応じて段階的に広げていくのが理想的です。
「何から始めるべきか分からない」「社内にWebマーケティングの知見がない」といったお悩みがある方は、第三者の視点から課題を整理することも一つの手です。
アトラボでは、ECサイト運営におけるマーケティング支援も行っていますので、必要に応じてご相談ください。
限られた予算と時間を、成果に直結する施策に集中させることが、成功への最短ルートです。


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