被リンクだけじゃない!今どきの外部SEO対策を中小企業向けにわかりやすく解説
「ブログも更新しているし、ページの構成も見直した。だけど、なかなか検索順位が上がらない…」
そんなお悩みを抱える中小企業のWeb担当者は少なくありません。
内部SEO対策に取り組んでいるにもかかわらず、成果が頭打ちになる原因のひとつが、“外部SEO対策”が不十分なことです。
SEO対策というと「被リンクを増やす」というイメージが根強いですが、
実際の外部SEOはもっと広い概念で、信頼性・ブランド力・Web上での言及(サイテーション)なども評価対象になります。
とくに中小企業の場合、大手のように自然にリンクが集まる状況ではないため、戦略的に外部対策に取り組む必要があります。
この記事では、外部SEOの基本から、被リンクだけに頼らない今どきの対策法を、中小企業の視点でわかりやすくご紹介します。
「内部対策はやっているのに成果が出ない」「リンクの集め方がわからない」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
外部SEO対策とは?内部対策との違いと、検索順位への影響
SEO対策は大きく分けて「内部対策」と「外部対策」の2つに分類されます。
すでに「タイトルタグの最適化」や「ページの表示速度改善」「スマホ対応」など、Webサイト内の改善(=内部SEO対策)に取り組んでいる方も多いでしょう。
それに対して外部SEO対策とは、「自社サイト以外から評価されるための施策」のことを指します。
つまり、“外部からどう見られているか”“どんな評価を受けているか”が、検索エンジンにとって重要な指標になるという考え方です。
内部対策と外部対策の違い
対策の種類 | 対象 | 主な施策内容 |
---|---|---|
内部SEO対策 | 自社サイト内部 | タイトル・見出し構成、キーワード最適化、モバイル対応、サイトスピード改善 など |
外部SEO対策 | 自社サイト外部 | 被リンク獲得、サイテーション(社名・サービス名の言及)、メディア露出、SNSシェア など |
外部評価は検索順位にどう影響する?
GoogleはWebサイトの評価にあたって、「そのサイトが外部からどれだけ支持されているか」を非常に重視しています。
- どんなサイトからリンクされているか(被リンクの質と量)
- どんな文脈で自社名やサービス名が言及されているか(サイテーション)
- SNSやニュースメディアなどで取り上げられているか
こうした“第三者による評価”が積み重なることで、検索エンジンはそのサイトを「信頼できる情報源」として判断するようになります。
特に最近では、Googleが掲げる「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」の評価において、外部の情報と連動してその信頼性を測っているとされています。
つまり、外部対策はもはや「リンク集め」ではなく、「信頼される存在になること」へと進化しているのです。
外部SEO対策の種類と特徴
外部SEO対策というと、真っ先に「被リンク(バックリンク)」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん、良質な被リンクは今も検索順位に大きな影響を与える要素の一つです。
しかし、現在のSEOにおける外部評価はそれだけにとどまりません。ユーザーやメディアなど第三者からの“信頼されている証拠”をどう増やしていくかが、外部SEO対策の本質になっています。
ここでは、代表的な外部SEO施策を5つの視点からご紹介します。
1. 被リンク(バックリンク)
他のWebサイトから自社サイトへのリンク。Googleは「第三者から推薦されている」と解釈します。
- 質の高いリンク:業界メディアや実績紹介など、関連性・信頼性の高いサイトからのリンク
- 自然なリンク:コンテンツの価値が高く、自然に貼られたリンクは特に高評価
- 量より質が重要:リンク元がスパム的なサイトだと、逆に評価を落とすリスクも
例:取材記事からのリンク、事例紹介ページへのリンク、業界団体からの紹介リンク など
2. サイテーション(言及)
リンクが貼られていなくても、自社の社名・サービス名・住所・電話番号などが他サイトで言及されていることも、評価対象となります。
- 特にローカルSEOにおいては、NAP(Name, Address, Phone)情報の整合性が重要
- レビューサイト・業種別ポータル・SNSなどでの言及も含まれる
- Googleが「この会社はよく知られている」と判断しやすくなる
例:口コミサイトに会社名が記載されている、メディア記事でブランド名が紹介される など
3. メディア掲載・取材記事
新聞・業界誌・Webメディアなどで取り上げられることで、信頼性と権威性が高まり、外部評価にもつながります。
- 「紹介されるだけの理由がある会社」として認識されやすい
- 信頼性の高いドメインからのリンクはSEO効果も大きい
- 後述するE-E-A-T(専門性・信頼性)にも大きく寄与
例:地域の経済新聞、業界メディア、地方テレビ局のWebサイト など
4. SNSでのシェア・UGC(ユーザー生成コンテンツ)
ユーザーがX(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなどで自社サービスについて言及・紹介することも、間接的な外部評価になります。
- リンク自体はnofollowが多く、直接的なSEO効果は限定的
- とはいえ、指名検索(ブランド名での検索)やサイテーションに繋がる可能性が高い
- エンゲージメントが高まると、Googleの評価にも好影響を与える傾向
例:「○○株式会社の○○サービス、使ってみた」などの投稿が拡散される
5. Googleビジネスプロフィールなど外部データの整合性
Googleビジネスプロフィールや業種別ポータルサイトなど、外部の基本情報が正確に登録されていることも信頼性の指標となります。
- NAP情報(社名・住所・電話番号)の統一
- 写真やカテゴリ、説明文などの充実
- 口コミへの返信など、運用状況の評価
これらはローカルSEOにも直結する施策であり、中小企業には特に有効です。
このように、外部SEO対策は被リンクに限らず、Web全体での「企業としての存在感と信頼性」をどう高めていくかが重要になっています。
中小企業でも取り組める外部SEO対策5選
「外部SEO対策は、大企業や有名メディアじゃないと難しいのでは?」と思っている方も多いかもしれません。
しかし、外部評価を高める方法はさまざまあり、中小企業でも十分に取り組める施策があります。
実際、地道にコツコツ積み上げることで、地域名+業種などの検索で上位表示を実現している事例も少なくありません。
ここでは、比較的すぐに実践できるものを中心に、5つの外部SEO施策をご紹介します。
1. 地元のポータルサイトや商工会・団体サイトに掲載依頼する
地域密着型の企業であれば、自治体・商工会議所・地元業界団体などのサイトに自社情報を掲載してもらうことが、効果的な外部リンク獲得につながります。
- 公的・半公的な団体はドメインの信頼性が高い
- 地域キーワードとの関連性も強く、ローカルSEOにも有効
- 掲載料が無料または安価で済むケースも多い
例:「千葉県〇〇市の企業紹介ページ」「地域の創業支援サイト」など
2. プレスリリースを活用してメディアに取り上げてもらう
サービスの開始・周年イベント・業界での取り組みなど、ちょっとしたニュースでもプレスリリースにして発信することで、メディア掲載のチャンスが広がります。
- 配信代行サービス(例:PR TIMES、valuepress)を活用すれば簡単
- Webメディア掲載による被リンク獲得+信頼性アップ
- 上位メディアからの拡散やSNSでのシェアも狙える
地域発の取り組みや業界特化の事例は、意外と取り上げられやすいという傾向もあります。
3. 協力会社・お客様との事例紹介で相互に紹介し合う
取引先や協力会社とのコラボ事例・インタビュー記事をWebで公開し、互いにリンクを貼り合うことで、自然で信頼性の高い被リンクが得られます。
- 形式は「導入事例」や「共同プロジェクトの紹介」がベスト
- Win-Winの関係性が生まれ、SNSでもシェアされやすい
- 顧客からの声を紹介することで、見込み客の信頼も得られる
注意:不自然に「リンク交換だけ」が目的になると逆効果になるため、コンテンツ価値を第一に設計しましょう。
4. 業種特化型の専門サイトや比較サイトに登録する
製造業・建設業・医療・士業などは、業種ごとの専門ポータルサイトが存在します。
こうした媒体に無料登録 or 低額で掲載依頼をすることで、信頼性の高い外部リンクを得られます。
- 業界内での露出を増やし、専門性・権威性のアピールにも有効
- ユーザーが企業を探す導線にもなっており、CVにも貢献
例:建設業向け受発注ポータル、士業検索サイト、地域企業比較メディアなど
5. SNS運用で“ブランド名”の認知と言及を増やす
直接リンクを得るのは難しくても、SNS(InstagramやXなど)で自社の存在や活動を継続的に発信していくことで、ブランド名やサービス名が検索・言及される機会が増えます。
- ブランド名のサイテーション(言及)が検索エンジンの信頼評価につながる
- UGC(ユーザー生成コンテンツ)として他者から紹介される可能性も
- 指名検索(社名での検索)増加により、サイト評価が底上げされる
ポイント:SNSは「いいね数」よりも継続的な運用と“覚えてもらうこと”が外部評価につながる視点です。
いずれの施策も、短期で順位が急上昇するものではありませんが、継続すればするほどWeb上での信頼性が高まり、
長期的なSEO成果とブランド認知につながる外部評価の積み重ねになります。
注意!やってはいけない外部対策(ブラックハットSEO)
外部SEO対策は、Googleの評価を得るための“外からの信頼構築”です。
しかし一方で、評価を上げたいあまりにGoogleのガイドラインに違反する不正な手法を行ってしまうと、検索順位が大きく下がったり、最悪の場合インデックスから除外(圏外)されるリスクすらあります。
特に気をつけたいのが、昔よく行われていた「ブラックハットSEO」と呼ばれるテクニックです。
1. 有料リンクの購入・販売
外部リンクをお金で買う・売る行為は、Googleのガイドラインに明確に違反します。
- 「被リンク○本で●●円」などのサービスは要注意
- 質の低いサイトから一括でリンクを張られると、ペナルティ対象に
- リンク先に共通パターンがあると、AIによる検出も容易に
NG例:ブログネットワークや自動リンク生成サービスなどを使った被リンク対策
2. 自作自演のリンク(サテライトサイトの乱用)
複数のサイトを自社で立ち上げ、自分で自分にリンクを貼るという手法も、評価対象外どころかマイナスになることがあります。
- サテライトサイトにオリジナルコンテンツがない場合、スパム判定されやすい
- 一見「関連サイトの紹介」と見えても、不自然なリンク設計は逆効果
- “量産型”のリンク網は、現在では検出される確率が非常に高い
注意:関連会社や実在する事例との連携ページであれば問題ありませんが、目的が“リンクのためだけ”であれば危険です。
3. リンクを詰め込みすぎる・不自然なアンカーテキスト
ページ内に過剰な数の外部リンクを貼ったり、SEO狙いの同一アンカーテキストを何度も使うことも避けるべきです。
- 同じキーワードのリンクが10件以上あると違和感を生む
- 自然な文脈やユーザー目線の誘導がないリンクは逆効果
- “検索順位のためのリンク”と見なされれば無効化される
4. コンテンツの無断複製・コピーサイトの量産
他社のWebサイトやブログ記事をコピーして自社ページに貼り付ける行為は、著作権的にもSEO的にも大きなリスクです。
- コピーコンテンツはGoogleにインデックスされない、または評価が極めて低い
- 引用する場合も引用元の明示と自社の意見や独自視点が必須
- 自社ブログで“生成AIの文章を貼るだけ”なども要注意
まとめ:外部SEO対策は、「検索エンジンの評価を操作しよう」とするのではなく、「人から信頼される情報を積み重ねる」ことが本質です。
短期的な効果を狙うのではなく、地道でも正攻法で信頼を育てていくことが、長期的に評価されるWebサイトづくりの近道です。
外部SEO対策を成功させるには“信頼”と“継続”がカギ
外部SEO対策は、内部対策のようにすぐに結果が見える施策ではありません。
しかし、だからこそ継続すること、信頼される存在になることが何よりも重要です。
検索エンジンが評価しているのは、単なるテクニックではなく、“信頼されている情報源かどうか”です。
その評価は、ユーザー・他サイト・SNS・メディアといった周囲からの反応の積み重ねによって形成されます。
信頼を集めるために必要な3つの視点
- 専門性:自社の業界・サービスについて、誰よりも詳しく、わかりやすく発信しているか
- 誠実性:ユーザーにとって価値ある情報を、誇張や過度な演出なく提供しているか
- 実在性:代表者・社員・所在地など、きちんと“顔の見える会社”として表現できているか
これらの要素が整ってはじめて、自然なリンク・言及・メディア露出が生まれやすくなります。
継続こそが外部評価につながる
外部対策は、1回のリンク獲得や一時的な話題性ではなく、「継続して信頼される存在」になることが重要です。
- 月1回のプレスリリース配信
- 週1回のSNS投稿やコラム更新
- 半年に一度の導入事例公開・メディア発信
このような取り組みを地道に続けることで、検索エンジンにもユーザーにも、「ちゃんと動いている会社」「信頼できる情報源」として認識されるようになります。
また、外部評価を高めることはSEOに限らず、採用や営業、取引先との信頼構築にもつながるため、企業のブランディング全体にも好影響を与える施策といえます。
信頼 × 継続 = 長期的なSEO成果
外部SEO対策を「検索順位のため」だけでなく、「会社の価値を伝える活動」として取り組むことが、これからの時代に合った正しい対策です。
まとめ:外部対策は“選ばれる会社”になるための土台づくり
「被リンクを集めれば検索順位が上がる」という時代は、すでに終わりを迎えています。
これからの外部SEO対策は、“検索エンジンに評価されるため”ではなく、“人に信頼され、紹介される会社になるため”の取り組みです。
今回ご紹介したように、
- 被リンクだけでなく、サイテーション・SNS・メディア露出なども外部評価として重要
- 中小企業でも取り組める施策は数多くある
- やってはいけないブラックハットSEOは厳禁
- 成果を出すには信頼と継続がカギ
といった視点をもとに、着実に外部評価を積み重ねていくことが、長期的なSEO成果へとつながります。
アトラボでは、SEO内部対策・コンテンツ設計・Webサイトリニューアルとあわせて、
中小企業でも実践できる外部SEO対策の企画・支援も行っています。
「がんばって更新しているのに順位が伸びない」「もっと信頼される会社にしたい」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。