正月なので、「正月ネタ」ばかりになってしまい、すいません。
我が家には小学校3年生の息子がいるんですが、「冬休みの宿題」として「書き初め」があるとのこと。
普段彼に「勉強を教えたり」「一緒に野球やサッカーをしたり」することが、おそらく平均を大きく下回って少ない私だからこそ、じゃあ教えてあげましょうってことになったんで、その一部始終をご紹介。
年末のうちに、書き初め用紙を60枚ほど準備
特別しつけが厳しいって訳でもないんですが、私自身は、小学校入学前から中学の初めぐらいまで8年ほど書道教室に通っていたんですよね。
かと言って普段書類や手帳に書く字は、まるで象形文字か古の暗号文のようだし、まったく書道で字がうまくなった記憶はありませんでした。
けれど書道の場合には、何度も書くことで上手くなる、というよりは「求められている作品に近づけられる」ことはよく知っています。
ということで、現実的にかけられる時間や息子の忍耐力などを鑑みて、町内のドラッグストアにて、20枚入りの書き初め用紙を3袋購入したのは、大晦日のことでした。
息子は、イマドキな田舎の小学生
小学校3年生の息子は、まだスポーツ体験も少なく体育会系の気配すら感じられないし、なにか得意分野があるわけでもない、まだまだコレカラな感じの男の子。
ポケットモンスターやら爆丸やら、最近はパズドラZやらにハマッているご様子。
けれど、この「ハマッている」ものがあるっていうのは、いいことだと思うんですよね。
私も何日もおつき合いできる状況ではないので、書き初めの日とされている「1月2日」の昼下がりに一気に書道の世界に「ハマッていただこう」という企てを考えました。
もちろん「書き初めが好き」なわけではありませんから、短時間では筆や墨を愛でる境地には至るはずがありません。
なので、「上手に書けないのが悔しい―!」という感情を出してもらいつつ、けれども怒ったり褒めたりしてコーチングする私の意見が強くなりすぎて「書かされている感」が出ないように注意しようと心がけたつもりです。
こども書き初めのポイントはバランスと勢い
今回のお題は「わか草」。
ひらがなでも曲線が多くて比較的難易度の高い「わ」と「か」に、縦・横の線がたくさん交差する「草」は、3つとも字の型が異なります。
「わ」は一本目を長めに書くことと曲線のなかを丸く、かつ大きく書くことがポイント。
「か」は普段鉛筆で書いている時よりも左側が面長に左寄せし、右側の線もしっかりと書くこと。
「草」は、とにかく線と線の間隔を縦方向・横方向とも均等になるように意識し、なにより中心線がブレずに書けることが求められます。
いずれも字としてのバランスと、「とめ」「はね」「はらい」と言った毛筆の基本がポイント。
このあたりを実際に書き始める前から、いかにわかりやすく伝えるかが重要。
私が教える前に書いていたものに「ココとココの間隔を同じぐらいに」「この部分はもう少し右側に」と赤いペンで書き込んで文字のバランスを伝えました。
「とめ」「はね」「はらい」は二人羽織状態で筆の進め方を何度も教えました。
・・・。
ある程度同じことを繰り返し教えてもなかなか直らないこともありましたが、親もその都度あきらめずに「違うことは違う」「できたときは褒める」を繰り返し、それぞれの字のポイントを2つ3つに絞り込んであげると、書いてくるうちにコツがつかめてくるはずです。
今回の場合には30枚ほど書いた頃でした。
しかしながら、そうは言っても「小学校3年生」です。
子供らしく元気よく書かなければなりません。
ある程度子供自ら「これはいい」「ここがダメだった」とわかるようになってきたら、書いてる間の助言はやめて、1枚通して書かせるようにします。
書いた後に「どこが悪かったと思う?」と改めて聞くことで、全体的な文字のバランスを見直したり、「とめ」「はね」「はらい」がしっかりできてる場合とそうでない場合の違いを認識してくれるようになってきました。
そうなってくると自分自身で「こうだ!」という感覚を持ち始めてますから、多少違っていても文字が自信を備えた感じになってきます。
結局所要時間3時間超
結局3時間以上書いていましたね。それだけの時間同じことに向き合い続けている、って状態が小学校3年生の息子にとっては初めての経験だったかもしれません。大変そうでしたが、書き続けた本人が最後には一番満足してくれていたので途中で甘やかして止めさせずよかったです。
もちろん子供は頑張った分、立派な賞がもらえたほうが嬉しいに違いありません。
しかし、残念ながら、そこまでの作品を書けるまでには至っていないと思います。けれども「習字の基本に従って書いた方がウマく見える」っていう感覚が伸びてくれたことが重要だったのではないかと。
お正月のたった3時間ばかりの書き初めですから、「書道」や「文字を美しく書くこと」への興味につながってくれればいいのです。