最近、「HubSpot」「Salesforce」「kintone」などの名前を耳にする機会が増えた、という方も多いのではないでしょうか。
これらはいわゆるWebマーケティングツールと呼ばれるもので、顧客管理や営業支援、マーケティングの自動化などを目的に、多くの企業が導入を進めています。
(kintoneはWebマーケティングだけではないですけど、ね)
とはいえ、中小企業のなかには、
- 「うちのような規模でも使う意味あるの?」
- 「高そうだし、使いこなせなかったら無駄になりそう…」
- 「正直、どんな効果があるのかピンとこない」
といった理由で、導入に踏み切れずにいる会社も少なくありません。
しかし今、こうしたツールは“大企業向け”のものではなく、中小企業こそ効果を実感しやすい武器として注目されています。
お問い合わせ対応や営業活動、見込み顧客へのフォローなど、属人化や手間を感じていた業務が、驚くほど効率化されるケースも多いのです。
この記事では、「Webマーケティングツールってそもそも何?」「どんな効果があるの?」という疑問にお答えしながら、
中小企業にとっての導入メリットや、よくある誤解・不安を解消できる内容をお届けします。
「そろそろ検討したい」「導入の前に情報を整理したい」と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
Webマーケティングツールって何?何ができるの?
「Webマーケティングツール」とひとことで言っても、その種類や機能はさまざまです。
中小企業の方にとっては、「そもそもどんなことができるのか?」がイメージしづらいかもしれません。
ここでは、代表的な機能やカテゴリをわかりやすく整理しながら、実際に業務のどこに役立つのかを紹介します。
代表的なWebマーケティングツールの分類
- CRM(顧客管理システム)
顧客の基本情報や接触履歴、購買履歴などを一元管理。
営業・カスタマーサポート・マーケティングのチーム間で情報を共有できます。 - MA(マーケティングオートメーション)
お問い合わせ後のステップメール、資料請求後のフォロー、Web行動に応じたアプローチなどを自動化。
見込み客との関係を継続的に育てる仕組みづくりが可能です。 - SFA(営業支援システム)
商談の進捗状況や担当者ごとの対応履歴を記録・可視化。
営業活動を“見える化”して、成果につながる行動を後押しします。
実際にできること(一例)
- お問い合わせフォームから届いた情報を、自動でCRMに登録
- 初回問い合わせ後、数日ごとに自動でフォローメールを配信
- 特定のページを閲覧したユーザーにだけ、個別の案内を送信
- 営業チームが顧客対応状況をリアルタイムで把握・共有
- ダウンロード資料の反応率などを数値で確認・改善
こうした機能により、「営業のムダな動きを減らす」「フォロー漏れを防ぐ」「データにもとづいた改善ができる」といった効果が期待できます。
たとえば HubSpot は無料から始められるCRMとして人気があり、マーケティング機能との連携も得意です。
kintone は業務アプリを柔軟に組み合わせて、受発注や顧客対応をまとめて管理できます。
Salesforce は高度な分析や自動化が可能で、成長企業や複数部署での活用に適しています。
「今のやり方で限界を感じている」「もっと効率よく営業やフォローをしたい」という方にとって、Webマーケティングツールは非常に有効な選択肢といえるでしょう。
中小企業でのよくある課題と、ツールでどう変わるか
多くの中小企業では、「マーケティング部門」が明確に存在していないことも少なくありません。
営業・事務・広報などが兼務していたり、属人的な運用に頼りがちな傾向があります。
その結果、次のような“よくある課題”が現場で起きています。
1. 顧客情報がバラバラで管理されていない
- 名刺管理アプリ、エクセル、メールソフトなどに情報が分散
- 「誰が・いつ・どんな話をしたか」が引き継がれていない
- 営業担当が退職すると、情報も失われてしまう
→ ツールで解決:CRMに一元化することで、すべての顧客情報が社内で共有可能に。
対応履歴も可視化され、誰が見ても状況がわかるようになります。
2. フォロー漏れや対応の遅れが起きる
- お問い合わせの返信が遅れてしまい、チャンスを逃す
- 「今どうなってますか?」と社内で聞かないと分からない
- フォローアップのタイミングが担当者任せになっている
→ ツールで解決:自動リマインド機能やステップメールで、フォローの仕組み化が可能。
顧客との接点が継続され、商談化の確率もアップします。
3. 営業が“勘と経験”に頼っていて、数字の振り返りができない
- 月ごとの営業成果が曖昧で、効果測定ができない
- 「なぜ成約につながったか」「なぜ離脱したか」が不明
- どのチャネルが効果的なのか判断できない
→ ツールで解決:見込み顧客の行動履歴や商談の進捗データが蓄積されるため、数字にもとづいた改善が可能になります。
4. Webサイトや広告の成果が見えづらい
- 「問い合わせは増えているけど、結局どれが成約に?」
- 広告費をかけているが、費用対効果が曖昧
→ ツールで解決:アクセス解析やフォーム連携により、問い合わせから成約までの流れを可視化。
改善ポイントが見えてきます。
このように、Webマーケティングツールを活用することで、
「情報の見える化」「対応の自動化」「営業活動の最適化」が一気に進みます。
結果として、少人数でも効率よく営業・集客を行える体制が構築され、中小企業にとっては人手不足の解消にもつながるのです。
「高い・難しい」イメージをどう乗り越えるか
Webマーケティングツールに対して、中小企業の方からよく聞かれるのが、
- 「導入コストが高そうで手が出せない」
- 「機能が多すぎて、うちでは使いこなせなさそう」
- 「結局、最初に頑張っても社内に定着しないのでは?」
といった不安の声です。確かに、かつては大手企業向けの高機能・高価格なツールが主流でしたが、
今では中小企業向けに設計された、導入しやすくシンプルなツールも増えています。
無料プランやスモールスタートも可能
たとえば HubSpot では、顧客管理や問い合わせフォーム連携などの基本機能が無料プランで利用可能です。
有料プランも、必要な機能だけ段階的に追加できる仕組みになっており、まずは「使ってみる」ことがしやすいのが特徴です。
kintone なども、テンプレートを使えばノーコードで簡単に自社の業務に合わせたアプリを作れるため、専門知識がなくても使い始められます。
「全部やろう」としないのがコツ
導入の際に失敗しがちなのは、最初から多機能をフル活用しようとすることです。
「とりあえず問い合わせ管理だけ」「営業対応だけ可視化したい」など、一つの目的に絞って導入することで、社内の混乱を避けやすくなります。
また、操作や設定が不安な場合は、初期設定や導入サポートを提供しているパートナー企業と連携することで、安心して立ち上げを進められます。
ツール導入=“人の仕事を減らす”ではなく“価値のある仕事に集中できる”ためのもの
よくある誤解として、「ツール導入=人を減らすため」「自動化=冷たい対応になる」といった懸念がありますが、
実際には、人間にしかできない価値のある対応(提案・相談・判断)に時間を割けるようになることが大きなメリットです。
つまり、ツールは“業務を効率化する”だけでなく、会社全体の力を底上げするための土台になるのです。
まとめ:業務改善も、営業強化も。ツール活用は中小企業の未来を変える第一歩
Webマーケティングツールというと「大企業が使うもの」「コストも手間もかかるもの」というイメージを持たれがちですが、実は中小企業だからこそ、早い段階で大きな効果を実感できる可能性があります。
属人化しがちな顧客対応、営業活動のムラ、フォローの抜け、データの散在……。
これらを可視化・自動化・共有化することで、限られたリソースでも成果を出せる仕組みが手に入ります。
今回ご紹介したように、
- 顧客情報を一元管理し、営業の効率を上げる
- 問い合わせ後のフォローを自動化して、機会損失を防ぐ
- データを蓄積し、振り返りと改善ができる体制をつくる
- 担当者が変わってもナレッジが引き継がれる
- Webサイトや広告と連携して、集客力を高める
こうした効果を、段階的かつ無理のない形で実現できるのが、現代のWebマーケティングツールの魅力です。
「いきなり全部は無理」「まずは1つだけでも試したい」という方でも大丈夫。
無料プランからスタートしたり、フォーム設置や顧客管理だけに絞って導入するなど、柔軟な始め方が可能です。
アトラボでは、Webサイトの戦略設計・フォーム最適化・ツール導入支援などを通じて、
中小企業の営業・マーケティングの現場を支える取り組みを行っています。
「そろそろ、うちも動き出すべきかな?」と思った今が、はじめどきかもしれません。