
BtoBの営業活動において、「営業メール」は新規接触の突破口として今もなお有効な手段です。
SNSやWeb広告が注目されがちな時代でも、メールは“個人に直接届く”という強みを持ち、一定の成果を上げている企業も少なくありません。
しかし、そんな営業メールにおいてよく聞かれる悩みが、「そもそも開封されない」という問題です。
送ったメールがどれほど精緻に作られていようとも、読まれなければゼロ。見込み客の目に止まらなければ、何も始まりません。
多くの企業では「開封率が5%以下」「開封はされても反応がゼロ」といった課題に直面しており、特に初回の接触メールの設計が成果を大きく左右します。
ではどうすれば、「思わず開けたくなる営業メール」にできるのでしょうか?
その答えは、実は“タイトルの付け方”にあります。
本記事では、BtoB向けの営業メールでお悩みの担当者に向けて、開封率を上げるための鉄則と実践例をわかりやすく紹介します。
すでにメール営業を試している方にも、これから始めようとする方にも、参考になる内容です。
なぜ開封されない?営業メールの現実と原因
営業メールが届いたとき、あなた自身がそのメールを開けるかどうか、何を見て判断していますか?
そう、多くの人が「件名(タイトル)」を見て、読むかどうかを一瞬で決めています。
特にBtoBの担当者は、日々大量のメールを受け取っており、その中から読むメールを選別する時間はごくわずか。
そのため、営業メールの開封率は平均で15〜25%、うまくいって30%台というのが現実です。
一方で、開封率が5%未満というケースも少なくありません。
開封率が伸びない要因として、以下のような問題が挙げられます。
【1】タイトルが“営業っぽすぎる”
「◯◯のご提案」「業務効率化のご案内」など、テンプレ感の強い営業メールは、読まれる前にスルーされがちです。
「また営業か」と思われれば、開封以前に“見なかったことにされる”のが現代のメールボックス事情です。
【2】読み手の「今の関心」とズレている
送り手が「良い提案だ」と思っていても、読み手にとってその話題が関係ないタイミングでは響きません。
特に初回接触では、相手の“今の課題”に寄り添っているかが問われます。
【3】「誰から来たか」が信頼されていない
差出人名が社名だけだったり、見慣れないドメインだったりすると、不信感から開封を避けられることがあります。
また、個人名が入っていても肩書きや役割が分からないと、「重要性の低い営業」と判断されがちです。
つまり、「自分に関係ありそう」「信頼できそう」「ちょっと気になる」という印象を持ってもらえなければ、開封には至りません。
開封されるかどうかは、送信後の数秒間で決まる…それが営業メールの現実なのです。
開封率を左右する「メールタイトル」の5つの鉄則
営業メールの中身を読んでもらうには、まずは「開封」されなければ意味がありません。
その第一関門を突破する鍵が、メールの「タイトル(件名)」です。
ここでは、BtoB営業で開封率を高めるための5つのタイトル設計ルールをご紹介します。
【1】「誰に向けたメールか」が一目でわかる
対象を明確にすることで、受信者に「これは自分向けだ」と感じてもらいやすくなります。
例:「製造業の経営者様へ|人手不足を乗り越える無料セミナーのご案内」
「業界名」「職種」「役職」などを入れるだけでも反応が変わります。
【2】あえて“情報量を絞る”
タイトルで全部説明しようとせず、続きを読みたくなる工夫も効果的です。
例:「実は、〇〇な会社ほど成果が出ています」
思わず開きたくなる“モヤっと感”も、戦略のひとつです。
【3】数字や具体性を盛り込む
「数字+ベネフィット」は、開封率アップの王道。説得力も増します。
例:「年間120時間削減!業務効率化ツールのご紹介」
曖昧な表現よりも、「どのくらい?」「何が?」が明確なほうが反応されやすくなります。
【4】社名やサービス名を出しすぎない
知らない会社名や製品名が冒頭に来ると、「広告っぽい」「押し売りっぽい」と受け取られがちです。
社名を出すなら末尾に控えめに入れるか、タイトルからはあえて外すのも手です。
【5】タイトルと中身のギャップを作らない
開封されたとしても、本文が期待外れなら逆効果。
タイトルと本文の内容は一貫性を持たせ、「期待を裏切らない構成」にしましょう。
なお、タイトルは短すぎても長すぎてもNG。
全角30〜35文字程度を目安に、スマホでも読める設計を意識するのがポイントです。
開封されやすいタイトルの実例とNG例
ここでは、実際にBtoB営業メールで効果が高かった「開封されやすいタイトル」の例と、逆に開封率が下がってしまうNG例をご紹介します。
メールの件名はほんの数秒で判断されるため、細部にこだわることが成果に直結します。
【開封されやすいタイトルの実例】
- 【経営者向け】2025年に差がつく業務効率化とは?
→「誰向けか」が明確で、先読みしたくなる要素が含まれている。 - 【無料診断】営業DX、御社はどこまで進んでいますか?
→「無料」「診断」などのキーワードで興味を引きやすい。 - 製造業の成功事例|3ヶ月で〇〇件の新規獲得に成功
→業種+具体的な数字でベネフィットが伝わる。 - 【お役立ち資料】人手不足時代の働き方改革ガイド
→「資料提供型」はコンテンツマーケティングと相性◎。
【NGタイトル例(避けるべきパターン)】
- 【〇〇株式会社】新サービスのご案内
→誰向けか不明で、ありがちな営業メールと判断されやすい。 - 今だけお得!〇〇が50%オフ!
→BtoBでは“安売り”感が逆効果になることも。 - 〇〇様におすすめのツールです
→パーソナライズ感が薄いとスルーされやすい。 - 先日お電話しましたが…
→いきなり“追い詰める系”は印象が悪くなりがち。
BtoBの営業メールでは、「自分ごとに思えるか」「有益そうに見えるか」が勝負。
煽るでもなく、媚びるでもなく、読み手の“タイミング”と“関心”に寄り添うタイトル設計が重要です。
タイトル以外にも注意すべき「差出人名」「プレビュー文」
営業メールの開封率を高めるうえで「タイトル(件名)」が最重要であることは間違いありませんが、それだけで判断されているわけではありません。
実際には、「差出人名」や「プレビュー文(本文の冒頭)」も合わせて、受信者の“開封判断材料”になっています。
【差出人名|“誰からのメールか”を信頼感で伝える】
- 会社名だけの表記はNG
→例:×「〇〇株式会社」 → △「〇〇株式会社|営業部:田中」 - 個人名だけの表記も不安感を与える
→例:×「佐藤太郎」 → △「〇〇株式会社・佐藤」 - 「どこの誰か」がすぐにわかる表記を
→安心感を与え、開封率アップにつながります。
【プレビュー文|「読む理由」を短く伝える】
多くのメールソフトでは、件名の下に数十文字の本文冒頭(プレビュー文)が表示されます。
ここに“本文とは別の導入文”を設定することで、受信者に「読む価値がありそう」と思わせることができます。
- 悪い例:「お世話になっております。〇〇株式会社の△△です…」
- 良い例:「DXを進めたいけど、何から始めれば?そんな企業様向けに…」
プレビュー文は意識しなければ、自動的に本文の冒頭が表示されてしまいます。
そのため、タイトルとセットで“興味を引く短文”を最初に置くのが、BtoB営業メールの開封率を高める鉄則です。
開封後の「中身」で信頼を得る仕掛けも重要
営業メールの開封率が上がっても、それだけで成果にはつながりません。
読んでもらった後に「この会社なら信頼できそう」「続きを読みたい」と思わせることができて、初めて次のアクションにつながります。
【本文で信頼を得るための3つのポイント】
- 1. 具体的で無理のない提案にする
「御社にぴったりのご提案です!」というような断定表現は、相手に警戒心を抱かせます。
→ 例:「同業他社での導入事例が増えているサービスです」など、控えめかつ納得感のある書き方に。 - 2. 情報を詰め込みすぎない
読者が一度に理解できる情報量には限りがあります。
初回のメールでは特に、“一つのテーマ”に絞って伝えるのが鉄則です。 - 3. 返信や次のアクションを明確に提示する
「まずはご返信ください」「資料をご覧ください」など、“何をすればいいか”が一目でわかるようにしましょう。
【よくあるNGパターン】
- ・やたら長文で、一方的な情報提供になっている
- ・業界や相手を問わず使い回せるような、抽象的な表現ばかり
- ・読み終えても「で、何をすればいいの?」が伝わらない
読まれたあとの印象は、次の開封率にもつながります。
短くても「丁寧で誠実そう」「自分ごととして考えてくれている」と伝わるメールは、継続的な接点づくりに強いのです。
アトラボでは、営業メール施策も設計からサポートしています
BtoB企業にとって、営業メールは「最初の接触点」。そこをいかに設計するかで、その後の商談化率や受注率にも大きな影響を与えます。
アトラボでは、メールのタイトルや本文の最適化はもちろん、配信タイミング・ターゲットの設定・CRMとの連携など、営業活動全体の流れを踏まえたサポートを行っています。
「メールを送っても反応がない」「開封率が下がってきた」「何を改善すればいいかわからない」といったお悩みに対し、「戦略ありき」の改善提案をいたします。
特に最近では、ホームページからの流入や問い合わせ数が減っている企業様から、「営業メールを強化したい」というご相談が増えてきました。
ターゲットとの接点づくりにお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
アトラボのマーケティング支援については、以下のページもご覧ください。

まとめ|読まれなければ、始まらない
営業メールは、どんなに中身が良くても「開封されなければ意味がない」という厳しい側面を持っています。特にBtoBにおいては、相手の時間を奪う行為として捉えられることもあるため、いかに「読む価値がある」と思ってもらえるかが勝負の分かれ目になります。
その第一関門となるのが「タイトル」「差出人名」「プレビュー文」といった、メールを開く前に表示される要素。ここを工夫するだけで、開封率は大きく変わってきます。
さらに、開封後に「この会社、ちゃんとしてるな」「話を聞いてみてもいいかも」と思ってもらえるよう、本文の構成や情報の見せ方にもひと工夫を加える必要があります。
「送ること」が目的になっていませんか?
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