企業の採用活動において、SNSは今や「あると良い」から「なくてはならない」ツールへと変化しています。とくに若手人材、とくに10代後半から20代前半の求職者にとっては、企業ホームページよりもSNSの投稿から“会社の雰囲気”や“社員のリアルな様子”を感じ取ろうとする傾向が強くなっています。
こうした流れを受けて、InstagramやX（旧Twitter）、最近ではTikTokまで活用しようとする中小企業も増えてきました。しかし一方で、「説明会の告知だけして終わっている」「投稿はしているが全然応募に結びつかない」「社内の誰も更新しなくなってしまった」といった“うまくいっていない”ケースも多く見受けられます。
本記事では、SNSを通じて若手人材に“選ばれる”会社になるための、効果的な発信の考え方と具体的なコツをご紹介します。自社らしさを活かしながら、無理なく続けられるSNS活用のヒントを、ぜひ取り入れてみてください。
なぜSNSが採用に効くのか？
企業の「中の顔」が見えるメディアだから
求人広告や採用サイトだけでは伝えきれない、「社内の雰囲気」や「働く人のリアルな姿」。SNSはそれらを日常的に発信できる媒体として、若手求職者にとって非常に信頼される情報源となっています。特に「自分に合った職場かどうか」を重視する若者にとっては、社内イベントやスタッフのやり取りが見える投稿は、応募動機に直結することもあります。
応募前の“検索行動”の一部になっている
学生や若手の応募者は、企業名で検索する際、ホームページだけでなくInstagramやTikTokなどのSNSアカウントも確認するのが一般的です。SNSでの発信が充実していれば、「ちゃんと活動している会社」「雰囲気がよさそう」といったプラスの印象につながります。逆にアカウントが放置されていると、「情報が古い」「なんとなく不安」と感じられるリスクもあります。
採用ブランディングとしても機能する
SNSは、企業ブランディングの延長線上で「採用ブランディング」にも有効です。社員の活躍や会社の取り組みを自然に発信することで、「ここで働くことがかっこいい」「社会に役立っている」といったポジティブなイメージを醸成できます。採用活動のためだけでなく、社内のモチベーションや定着率向上にも貢献するのがSNSの強みです。
よくある失敗パターン3つ
① 告知ばかりで“日常”が見えない
「説明会のお知らせ」や「募集職種の紹介」など、情報提供が中心の投稿ばかりになっていませんか？採用においてSNSで見たいのは、実際の職場の雰囲気や社員の人柄です。告知のみの発信では、共感も親しみも生まれず、「自分がここで働く姿」がイメージしづらくなります。
② 投稿が断続的で放置感がある
更新頻度が極端に低かったり、数か月放置されていたりすると、「今、会社はどうなっているの？」という不安を与えてしまいます。SNSの継続性は、企業の誠実さや安定感を伝えるバロメーター。無理のないペースで、定期的に更新を続けることが信頼につながります。
③ 社員が写っていない・実在感が薄い
どんなに丁寧な文章でも、写真や動画に社員の姿がないと、採用のためのSNSとしては弱くなってしまいます。特に若手層は「一緒に働く人」がどんな人かを重視するため、笑顔や動きが伝わるリアルな社員写真・動画が有効です。顔出しNGの文化がある場合でも、後ろ姿や作業風景などで工夫を。
採用につながるSNS投稿のコツ
① “らしさ”を感じる日常投稿を
学生や若手求職者がSNSで知りたいのは「リアルな社風」です。たとえばランチの様子、朝礼風景、作業中の一コマなど、日常のちょっとした瞬間に“らしさ”がにじみ出ます。加工しすぎず、自然体の写真と簡単なコメントでOK。継続的に発信すれば、企業文化がじわじわ伝わります。
② 若手社員の声を積極的に発信
若い求職者には、近い世代の先輩の存在が安心材料になります。入社後のギャップ、日々の業務、やりがいなどを若手社員の声として伝えることで、共感を呼びやすくなります。写真付きで「入社して3ヶ月の◯◯さんに聞きました」などの企画形式もおすすめです。
③ ビジュアルと文章のバランスに配慮
画像や動画の印象はもちろん大事ですが、キャプション（文章）の役割も重要です。長すぎず、短すぎず、「誰に・何を・なぜ」伝えたいのかが明確な文章にしましょう。絵文字を適度に使う、改行で読みやすくするなど、スマホでの可読性にも配慮しましょう。
④ ストーリーズやリールも活用
Instagramなどでは、フィード投稿だけでなく、ストーリーズやリールの活用も効果的です。ストーリーズは短期的な情報発信に、リールは動きや雰囲気を伝える手段として有効。フィードとは別軸での接点を持つことができ、採用ブランディングの幅が広がります。
Instagram・X・TikTok…媒体ごとの使い分け
Instagram：ビジュアルで“雰囲気”を伝える
企業の世界観や社員の表情、職場の雰囲気を伝えるにはInstagramが最適です。特に画像・動画を通じて「どんな場所で、どんな人が、どんなふうに働いているのか」を視覚的に伝える力があります。採用情報に限らず、企業の日常やイベント風景を発信することで、「親近感のある会社像」を印象づけることができます。
X（旧Twitter）：日常の“つぶやき”で距離を縮める
Xは拡散力が高く、カジュアルな雰囲気でリアルタイムな情報を発信できます。社員の何気ない一言、採用イベントのお知らせ、会社の取り組みなどを“ちょっとした声”として発信することで、学生や若手求職者との距離が縮まります。DMを開放しておけば、気軽な質問や相談が入ることも。
TikTok：動画で“空気感”を届ける
TikTokは音楽やナレーション、テンポ感のある編集で、職場の空気感や働く人のキャラクターを表現できます。若年層の利用が多いため、Z世代との接点を作るには効果的です。1本15〜30秒程度の短尺動画でも、職場の雰囲気や「楽しそう」「フレンドリー」という印象を強く残すことができます。
媒体は“自社のカラー”に合わせて
すべての媒体を無理に活用する必要はありません。自社の社風や発信スタイルに合ったSNSを選ぶことが、継続のカギです。たとえば真面目な技術系企業ならInstagramとXの組み合わせ、カジュアルな雰囲気を打ち出したいならTikTok中心、などの使い分けを検討しましょう。
継続運用のために押さえる3つの工夫
1. 無理なく続けられる投稿頻度を決める
SNS運用が続かない最大の理由は「張り切りすぎて、すぐにネタ切れ＆放置」になってしまうこと。最初から毎日投稿を目指すのではなく、まずは週1回や隔週など、社内で無理のない投稿頻度を設定することが重要です。投稿頻度よりも「止めない」ことを優先しましょう。
2. 投稿ネタは「テンプレ」でストック
毎回ゼロから投稿を考えるのは非効率です。事前に「社員紹介」「現場レポート」「製品紹介」「採用Q&A」「会社のこだわり」など、カテゴリ別にテンプレートを用意しておくと、運用の負担がぐっと減ります。フォーマットを決めておけば、写真や文言を差し替えるだけで投稿が完成します。
3. 撮影＆情報収集は“ついで”の習慣化を
SNSに使う素材を集めるためだけに時間をとるのは大変。そこで、日々の業務やイベントのついでに写真を撮ったり、印象的な社内のやり取りをメモしておいたりする習慣をつけましょう。「これは投稿ネタになるかも？」という視点を社員に少しずつ浸透させることで、社内全体の協力も得やすくなります。
アトラボができること：採用SNS設計から撮影・投稿運用まで
採用戦略に合わせたSNS設計
アトラボでは、企業ごとの採用課題やターゲット層に合わせて、SNSの活用方針そのものからご提案します。どの媒体を使うか、どんなトーンで発信するか、どのような導線で採用サイトやエントリーフォームに誘導するかといった「設計」からお任せいただけます。
社内では難しい“写真・動画撮影”もサポート
採用SNSでは「社員のリアルな表情」や「働く様子」が何よりのコンテンツ。アトラボでは、プロのカメラマンと連携し、現場の雰囲気や温度感が伝わる撮影を行います。撮影した素材は、採用サイトだけでなくSNSにも最適化して活用可能です。
投稿のテンプレート・運用支援も対応可能
投稿が続かない、ネタが思いつかない、そんな悩みにはテンプレート化が有効です。アトラボでは、SNS投稿のパターンを事前に設計し、定型フォーマットをご用意。さらに必要に応じて月1回の投稿計画のご提案や、代行投稿などの運用支援までご対応できます。
採用サイトとの連携で“成果の見える化”
SNS単体の運用ではなく、アトラボが得意とする「採用特設サイト」との連携で、エントリーや問い合わせにつながる導線をしっかり設計します。Googleアナリティクス等を活用して「どの投稿が成果につながったか」といった分析も支援します。
まとめ：SNSは“企業の顔”。採用活動にもっと活かせる
SNSは、単なる広報ツールではなく、若手求職者にとっての“企業の第一印象”を決める場でもあります。何気ない投稿一つにも、企業の雰囲気や考え方がにじみ出ます。だからこそ、ただ情報を発信するのではなく、採用につなげる「戦略的な発信」が求められます。
社内だけで完結するには限界があるからこそ、アトラボでは「設計」「撮影」「運用支援」まで一貫してサポートし、採用に直結するSNS運用を支援しています。
「SNSを使って何か始めたい」「いまの運用を見直したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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