近年、企業の請求業務はデジタル化が進み、「電子請求書発行システム」の導入が注目されています。
特に、小規模な企業や個人事業主にとって、請求書の発行や管理は手間がかかる業務の一つです。
手作業によるExcelやWordでの請求書作成、郵送による送付作業、入金確認の管理など、多くの負担が発生します。
また、「インボイス制度」の導入や「電子帳簿保存法」の改正により、紙の請求書や手作業での管理では対応が難しくなっています。
そこで、電子請求書発行システムを導入することで、請求業務を自動化し、効率的に運用することが可能になります。
この記事では、小規模企業向けのおすすめ電子請求書発行システム5選を紹介するとともに、システム選びのポイントや導入のステップについて詳しく解説していきます。
今すぐ請求業務の負担を減らし、よりスムーズな業務フローを実現しましょう!
電子請求書発行システムを導入するメリット
電子請求書発行システムを導入することで、企業の請求業務は大幅に効率化され、コスト削減や業務ミスの防止につながります。
ここでは、具体的なメリットを詳しく解説します。
1. 請求業務の効率化
従来の紙の請求書発行では、ExcelやWordを使った手作業での作成、印刷、封入、郵送、入金確認といった手間がかかります。
電子請求書発行システムを活用することで、請求書の作成から送付までをワンクリックで完了でき、業務時間を大幅に短縮できます。
2. コスト削減
紙の請求書では、印刷代・郵送費・封筒代・人件費などのコストが発生します。
電子請求書なら紙・インク・封筒が不要で、郵送コストも削減できるため、年間のコストを大きく抑えることが可能です。
3. 入金管理の自動化
多くの電子請求書発行システムでは、請求書の送付・入金管理・リマインド通知などの機能を備えています。
入金状況をリアルタイムで確認でき、未払いの請求書に対して自動でリマインドメールを送信することも可能です。
4. 法令対応(インボイス制度・電子帳簿保存法)
2023年から施行されたインボイス制度や電子帳簿保存法により、請求書の適正な保存やデジタル管理が求められています。
電子請求書発行システムなら、これらの法令に適したフォーマットで請求書を発行・保存できるため、法令対応の手間を削減できます。
5. 環境負荷の軽減
ペーパーレス化により紙資源の使用を削減できるため、環境負荷の軽減にも貢献します。
また、企業のSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みの一環として、電子請求書を導入する企業も増えています。
このように、電子請求書発行システムを導入することで、業務の効率化、コスト削減、法令対応など、さまざまなメリットを享受できます。
次の章では、小規模企業におすすめの電子請求書発行システム5選を紹介します。
小規模企業向け!電子請求書発行システム5選
ここでは、小規模企業でも導入しやすい、コストパフォーマンスに優れた電子請求書発行システムを5つ厳選して紹介します。
それぞれの特徴や料金プランを比較し、自社に最適なシステムを選びましょう。
1. マネーフォワード クラウド請求書
特徴:
・請求書の作成・送付・管理が一元化
・インボイス制度・電子帳簿保存法対応
・会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」と連携可能
料金プラン:
・無料プランあり(請求書の作成・送付が月3通まで)
・有料プランは月額800円(税込)~
2. Misoca
特徴:
・クラウド型の請求書作成・送付サービス
・ワンクリックで郵送代行サービスを利用可能
・会計ソフト「弥生会計」との連携がスムーズ
料金プラン:
・無料プランあり(請求書発行は月5通まで)
・有料プランは月額800円(税込)~
3. 楽楽明細(株式会社ラクス)
特徴:
・電子請求書の自動発行・送付機能が充実
・取引先ごとに異なる送付形式(メール・郵送・Webダウンロード)に対応
・大企業でも導入される高機能なシステム
料金プラン:
・月額25,000円(税込)~(小規模企業にはやや高め)
4. バクラク請求書発行(株式会社LayerX)
特徴:
・シンプルなUIで操作が簡単
・インボイス制度対応のフォーマットで請求書発行可能
・API連携で業務の自動化が可能
料金プラン:
・無料プランなし
・要問い合わせ(カスタマイズ性が高い)
5. ジョブカン見積/請求書(株式会社DONUTS)
特徴:
・見積書・請求書・納品書を一元管理
・CSV出力機能が充実しており、外部システムとの連携がしやすい
・テンプレートを活用して直感的に操作できる
料金プラン:
・無料プランあり(機能制限あり)
・有料プランは月額500円(税込)~
これらのシステムは、小規模企業向けにコストを抑えつつも、高機能な請求業務の効率化をサポートします。
電子請求書発行システムの選び方
数多くの電子請求書発行システムがある中で、自社に最適なシステムを選ぶには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
ここでは、選定時に確認すべき重要なポイントを解説します。
1. 企業規模と業務量に合ったシステムを選ぶ
電子請求書発行システムには、小規模事業者向けのシンプルなものから、大企業向けの高機能なものまでさまざまな種類があります。
まずは、自社の請求書発行の件数や業務フローを把握し、必要な機能を備えたシステムを選びましょう。
- 月に数通~数十通程度の発行なら、無料プランや低コストなシステムで十分
- 取引先が多く、請求業務の負担が大きい場合は自動化機能が充実したシステムを検討
2. インボイス制度・電子帳簿保存法への対応
2023年10月から開始されたインボイス制度や電子帳簿保存法に対応しているかどうかも重要なポイントです。
特に、適格請求書の発行・保存機能が備わっているかを確認しましょう。
- インボイス制度に対応した請求書フォーマットを自動作成できるか
- 電子帳簿保存法に準拠し、データを適切に保管できるか
3. 会計ソフトとの連携が可能か
電子請求書発行システムを選ぶ際には、現在使用している会計ソフトと連携できるかも確認しましょう。
例えば、「マネーフォワード クラウド請求書」は「マネーフォワード クラウド会計」と、「Misoca」は「弥生会計」とスムーズに連携できます。
- 請求データを会計ソフトへ自動連携できると業務効率が向上
- API対応のシステムなら、他の社内システムとも統合しやすい
4. コストと導入のしやすさ
電子請求書発行システムには、無料で使えるものから月額数万円かかるものまで、さまざまな価格帯のものがあります。
コストと機能のバランスを考え、自社の業務に最適なプランを選びましょう。
- 無料プランで試せるシステムも多いため、まずはトライアルを活用
- ランニングコストだけでなく、導入にかかる手間や時間も考慮
5. サポート体制の充実度
初めて電子請求書発行システムを導入する企業にとって、サポート体制の充実度も大きなポイントになります。
- 操作方法や設定についてのマニュアル・FAQが充実しているか
- メールやチャットサポートの対応時間が十分か
- 有料プランでは電話サポートが受けられるか
これらのポイントをしっかり押さえ、自社に最適な電子請求書発行システムを選定しましょう。
電子請求書発行システム導入のステップ
電子請求書発行システムの導入は、単にツールを選ぶだけではなく、社内の業務フローを見直し、スムーズな運用体制を整えることが重要です。
ここでは、導入から運用開始までの基本的な流れを解説します。
1. 現状の請求業務を整理し、課題を明確にする
まずは、現状の請求業務の流れを可視化し、どの部分を電子化・効率化したいのかを明確にしましょう。
- 請求書の発行・送付方法(紙・PDF・オンラインなど)
- 請求書発行の頻度(月末締め・随時発行 など)
- 取引先ごとの請求書の管理方法(エクセル・会計ソフト など)
- インボイス制度・電子帳簿保存法への対応状況
このプロセスを通じて、システム導入でどの業務を改善したいのかを明確にします。
2. 自社に合ったシステムを選定する
前章の「電子請求書発行システムの選び方」を参考に、自社の業務に最適なシステムを選定します。
特に以下のポイントを考慮しながら、いくつかのシステムを比較検討しましょう。
- 月間の請求書発行件数に適した料金プランか
- インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しているか
- 会計ソフトやERPとの連携が可能か
- 無料トライアルがあるか(試験運用が可能か)
可能であれば、実際にシステムを導入している企業の事例も参考にすると良いでしょう。
3. 社内で運用ルールを決める
システム導入後の運用をスムーズに進めるためには、社内での業務フローやルールを明確にする必要があります。
- 請求書の作成・送付を担当する部署・担当者を決める
- 取引先への請求書送付方法(メール・オンライン発行 など)を統一する
- 紙の請求書と電子請求書の併用が必要かどうか
- 社内研修を実施し、操作方法を周知する
特に、取引先によって電子請求書の対応が異なる場合は、慎重に運用ルールを決めましょう。
4. パイロット運用を実施し、問題点を洗い出す
いきなり全社的に導入するのではなく、まずは一部の取引先や部署でテスト運用を行い、問題点を洗い出します。
パイロット運用のポイント:
- 実際の業務フローに問題がないか確認
- 操作方法に不明点がないか担当者にヒアリング
- 取引先がスムーズに受領できるか確認
- 帳簿保存やデータ管理の方法が適切か検証
この段階で課題を解決しておくことで、本格導入後のトラブルを防ぐことができます。
5. 本格運用を開始し、継続的に改善する
パイロット運用で問題がなければ、本格運用を開始します。
運用開始後は、定期的に振り返りを行い、より効率的な運用方法を模索しましょう。
- 請求業務の負担軽減やコスト削減効果を検証
- 取引先からのフィードバックをもとに改善
- 新たな機能追加やシステムのアップデート情報を確認
継続的にシステムを最適化することで、より効率的な業務フローを構築できます。
まとめ
電子請求書発行システムの導入は、業務の効率化、コスト削減、法令対応といった多くのメリットをもたらします。特に、中小企業や個人事業主にとっては、限られたリソースの中で業務負担を軽減しながら、正確かつ迅速な請求業務を実現できる強力なツールとなります。
本記事のおさらい
- 電子請求書発行システムを導入するメリット:
- 請求業務の効率化・省力化
- 紙のコスト削減・郵送費の削減
- インボイス制度や電子帳簿保存法への対応
- 小規模企業向けの電子請求書発行システム5選:
- マネーフォワード クラウド請求書
- Misoca(弥生株式会社)
- 楽楽明細
- バクラク請求書発行
- ジョブカン見積/請求書
- 電子請求書発行システムの選び方:
- 使いやすさと操作性
- インボイス制度対応の有無
- 外部サービス(会計ソフト等)との連携
- 料金プランとコストパフォーマンス
- 導入のステップ:
- 現状の請求業務を整理する
- 自社に合ったシステムを選定する
- 社内で運用ルールを決める
- パイロット運用を実施する
- 本格運用を開始し、継続的に改善する
電子請求書発行システム導入を検討しよう!
「紙の請求書のままで本当にいいのか?」と考えている企業にとって、電子請求書への移行は、業務の効率化だけでなく、法令対応の観点からも避けては通れない課題になりつつあります。
小規模企業であっても、無料プランや低コストで始められるシステムを活用すれば、手軽に電子請求書の導入が可能です。まずは、無料トライアルを活用して、自社に合ったツールを試してみることをおすすめします。
もし、自社のホームページや業務フローに合わせた電子請求書の導入についてお悩みがあれば、ぜひアトラボまでご相談ください。貴社の業務効率化を支援する最適なソリューションをご提案いたします!