ホームページのグローバルナビゲーションや、製品・サービス一覧、ブログのカテゴリ分けなど──
サイト上にはユーザーに「選んでもらう」場面がたくさん存在します。
しかし、選択肢が多すぎると「どれを選んだらいいかわからない」「見るのが面倒」と感じさせてしまい、
離脱の原因になることも少なくありません。
一方で、情報を載せなさすぎても「このサイトには自分に関係のある内容がない」と判断されてしまいがち。
つまり、Webサイトにおける“選択肢の数”は、多すぎても少なすぎてもNGなのです。
本記事では、ユーザーが迷わず、ストレスなく行動できるようにするための「選びやすいデザイン」について、
情報設計やUIの観点から解説します。
「なんとなくカテゴリーを並べている」「ナビゲーションがごちゃごちゃしている」と感じている方は、
ぜひこの機会に見直してみてください。
なぜ“選びやすさ”がUXに直結するのか
Webサイトにおける「選びやすさ」は、ユーザーエクスペリエンス（UX）を大きく左右する要素のひとつです。
ユーザーが自分に必要な情報をスムーズに見つけられるサイトは「使いやすい」と感じられ、逆に選択に迷ってしまうサイトは「わかりにくい」「疲れる」といったネガティブな印象を与えてしまいます。
情報過多による“選択の疲れ”
選択肢が多すぎると、ユーザーは一つひとつを比較検討する必要が出てきます。
これにより脳が疲れてしまい、選択を放棄して離脱する「決定回避の法則（Decision Avoidance）」が起きることも。
特にファーストビューやグローバルナビで起こると、そもそもページ遷移してもらえないリスクがあります。
「期待と結果」が一致する導線設計
例えば「サービス」「事例」「料金」「よくある質問」など、ユーザーが期待する見出しとその内容が一致していると、選んだ結果に納得感を得やすくなります。
この“期待と結果の一致”がUX向上の鍵となり、ページ滞在時間やCV率の向上にもつながります。
行動喚起は“迷わせない”ことから
問い合わせや資料請求といった行動を促すには、ユーザーの「目的達成までの迷い」を極力減らす必要があります。
そのためには、必要な情報にすぐたどり着ける“選びやすい”設計が不可欠です。
見た目の美しさ以上に、「情報構造」と「導線設計」の戦略が求められるのです。
“選択肢の数”にまつわる3つのセオリー
Webデザインにおいて、ナビゲーションやカテゴリーの「選択肢の数」は、ユーザーの操作性に直結します。
実際、心理学や情報設計の分野でも多くの知見があり、「選びやすさ」を左右するセオリーとして取り入れられています。
ここでは特に押さえておきたい3つの基本ルールをご紹介します。
1. マジカルナンバー「7±2」
認知心理学で有名な「マジカルナンバー7±2」は、人間が短期記憶で一度に処理できる情報量の限界を示しています。
Webのグローバルナビやメニュー項目も、基本的には「5〜9個程度」に抑えるのが理想的とされます。
これ以上多くなる場合は「ドロップダウン」や「カテゴリー階層化」で対応すると良いでしょう。
2. 2つでは不安、3つ以上で納得
ユーザーが比較・選択をする際、2つの選択肢だけでは「本当にこれでいいのか」という不安を感じやすく、
3つ以上あると「納得して選べる」傾向にあるとされています。
商品紹介や料金プランの提示などでは、3案提示が「選びやすさ」と「説得力」の両立につながります。
3. カテゴリーは「視認性」も重視
ナビゲーションや分類を行う際、「均等で視認しやすい配置」が選択のしやすさを高めます。
特に5〜6個のカテゴリーを「見出し付きのボックス」などでレイアウトすると、視線移動がスムーズになり、内容の把握もしやすくなります。
多すぎる場合は「トップレベル＋詳細」や「絞り込み機能」の導入が効果的です。
「選びやすいデザイン」のためのUI/UX改善ポイント
Webサイトにおける「選びやすさ」は、単に選択肢の数だけではなく、ユーザーインターフェース（UI）やユーザーエクスペリエンス（UX）の工夫によって大きく左右されます。
情報を的確に整理し、ユーザーの行動を自然に導くためのUI/UX改善ポイントを以下にまとめました。
1. 情報をグルーピングし、構造化する
似た性質の情報はひとまとまりにし、「分類名（ラベル）」をつけて提示しましょう。
例えば、商品ページでは「カテゴリ」「価格帯」「用途別」などでグルーピングすると、ユーザーが自分に必要な情報にアクセスしやすくなります。
情報構造が整理されることで、混乱や迷いを減らせます。
2. 先に「全体像」を見せる
ユーザーに選ばせる前に「今ある選択肢の全体像」を視覚的に示すことが重要です。
カード型のメニューやアイコン付き一覧、ステップ形式の表示などで、直感的に選べるようにする工夫が効果的です。
最初に全体像を見せることで「どれが自分に合っているか」が判断しやすくなります。
3. 優先順位と視線誘導をデザインに組み込む
全てを均等に見せるのではなく、注目させたい項目は大きめに、色を変える、ボタンにするなどして優先順位をつけましょう。
また、ユーザーの視線は左上から右下へ動く傾向があるため、重要な情報はその動線上に配置すると自然な誘導が可能です。
やってはいけない“選択肢地獄”の例
ユーザーに選んでもらうために用意した選択肢が、かえって混乱を招き「選べない」「離脱する」原因になることがあります。
これは「選択肢地獄」とも言える状況です。以下に、よくある失敗パターンを紹介します。
1. メニューが多すぎて逆に選べない
ナビゲーションに10項目以上のメニューを並べたり、サイドバーに大量のカテゴリを羅列したりすると、ユーザーはどこを見ればよいかわからなくなります。
メニュー構成は「見出し＋ドロップダウン」で階層化するなど、整理された見せ方が重要です。
2. ラベル名が抽象的で意味が伝わらない
「サービス」「ソリューション」「サポート」など、似たような言葉が並ぶと、ユーザーにはその違いがわかりません。
コンテンツの中身がひと目で想像できるよう、具体的でわかりやすいラベルを使うことが大切です。
3. 遷移先のページ内容とリンク名が一致しない
「○○について」と書かれたリンクをクリックしたのに、実際は製品の比較ページだったなど、期待と実際がズレると信頼性を損ないます。
ユーザーが「これを選べばこうなる」と安心してクリックできる設計を心がけましょう。
アトラボができること：情報設計からUI設計までトータルサポート
株式会社アトラボでは、「選びやすさ」や「使いやすさ」といったユーザー視点の設計を重視したWeb制作を行っています。特に中小企業のコーポレートサイトやサービスサイトにおいては、「見せたい情報」と「知りたい情報」のギャップを埋める情報設計（IA：Information Architecture）が成果を左右します。
ユーザー行動に基づいた情報整理
アトラボでは、想定ユーザーの行動や思考フローに沿って、コンテンツの分類やメニュー構成を最適化。カテゴリの分け方や並び順、各ページへの導線を「迷わせない設計」に整えます。
UI/UX視点でのナビゲーション設計
デザイン性だけに偏るのではなく、ユーザーが直感的に操作できるナビゲーションやボタン設計を実現。PC・スマホ双方の表示バランスにも配慮し、どのデバイスでもストレスのない導線を構築します。
リニューアルや改善提案もサポート
すでにWebサイトをお持ちの企業様に対しては、現状の情報設計やカテゴリ構成の診断・改善提案も可能です。導線の再設計やUIの微調整だけで、ユーザーの離脱を防ぎ、成果につながるケースも少なくありません。
「なんとなく分かりにくい」「情報が多すぎる」といった課題を感じている場合は、ぜひアトラボまでご相談ください。選ばれるサイトへと再構築するお手伝いをいたします。
まとめ：「選びやすさ」はすべてのUXの出発点
Webサイトにおける「選びやすさ」は、単なるデザインの話ではなく、ユーザーがストレスなく目的を達成するための土台です。選択肢の数や配置、分類方法ひとつで、サイトの印象や成果は大きく変わります。
特に中小企業のWebサイトでは、伝えたいことが多いあまり、ユーザーにとっての「分かりにくさ」を生んでしまうケースも珍しくありません。だからこそ、整理されたナビゲーションや直感的なカテゴリ設計が重要です。
アトラボでは、ユーザー視点の情報設計からUI/UXに至るまで、一貫したサポートを行っています。もし、今のサイトに「伝わっていない」「離脱が多い」といった課題を感じている場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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