検索している人だけを狙っていませんか?集客が伸びない本当の理由

ホームページで集客を考える際、多くの企業がまず取り組むのがSEO対策やリスティング広告といった「検索を起点とした施策」です。地域名とサービス名を掛け合わせたキーワードで上位表示を狙う、あるいは検索ニーズに対して広告を出稿する。これらはいわゆるプル型マーケティングとして、現在でも非常に重要な手法のひとつです。

実際に、すでにサービスを探しているユーザーや、比較検討の段階に入っているユーザーに対しては、高い効果を発揮します。一方で、「SEO対策をしているのに問い合わせが増えない」「広告を出しても反応が伸びない」「そもそも検索数が少ない」といった課題に直面するケースも少なくありません。

このような状況になると、施策の量や質の問題として捉えがちですが、実際にはそれ以前の前提に原因があることもあります。

それは「検索している人」自体が限られているという点です。

例えば結婚相談所であれば、「婚活」「結婚相談所」といったキーワードで検索しているユーザーは、すでに明確な意思を持っています。しかしその一方で、「出会いがない」「将来に不安がある」といった段階にとどまっている人の方が、圧倒的に多く存在しています。

検索行動に至っているユーザーは、全体の中では一部に過ぎません。

にもかかわらず、「検索している人」だけを前提にペルソナを設計してしまうと、ターゲットとなる層が極端に限定されてしまいます。その結果、施策を積み重ねても、集客の伸びに限界が生じることになります。

本記事では、「検索している人」を中心に据えた従来のプル型集客の考え方を見直しながら、検索行動に至る前の段階も含めたペルソナ設計の重要性について整理していきます。

なぜ「検索される層」は限られているのか

SEOやリスティング広告が機能する前提には、「ユーザーが検索する」という行動があります。しかし、この「検索する」という行為自体が、すべてのユーザーに当てはまるわけではありません。

検索行動は「すでにニーズを自覚している状態」で初めて起きるものです。

例えば「結婚相談所 地域名」や「外壁塗装 見積もり」といったキーワードで検索する人は、すでに目的が明確です。サービスの存在を理解し、比較検討を始めている段階にあります。この層は非常に重要であり、プル型施策が最も効果を発揮する対象でもあります。

一方で、現実のユーザーは必ずしもその段階にいるとは限りません。

多くの場合、ユーザーはもっと手前の状態にいます。例えば、「なんとなく将来に不安がある」「最近家が古く感じる」「人との出会いが減っている」といった、まだ言語化されていない違和感の段階です。この時点では、具体的なサービス名や解決手段を知らないため、検索キーワードとしても表面化しません。

つまり「検索される」という行動が起きている時点で、すでにユーザーはかなり進んだフェーズにいると言えます。

この構造は、よく「氷山」に例えられます。水面上に見えているのが顕在層、つまり検索しているユーザーです。その下には、まだ検索には至っていない準顕在層や潜在層が広く存在しています。

そして重要なのは、この水面下の層の方が圧倒的にボリュームが大きいという点です。

検索される層だけを対象にしている限り、アプローチできる母数そのものが限定されてしまいます。

プル型集客が伸び悩む背景には、この「見えている層だけを見てしまっている」構造的な問題があるケースも少なくありません。

プル型集客の前提と限界

ここまで見てきたように、検索されるユーザーはすでにニーズが顕在化している状態にあります。この前提の上で成り立っているのが、SEOやリスティング広告といったプル型集客です。

プル型集客は「ユーザーが自ら動くこと」を前提としたマーケティング手法です。

ユーザーが検索し、情報を収集し、比較し、最終的に問い合わせや購入に至る。この一連の流れに対して最適化を行うのがプル型の基本的な考え方です。そのため、すでにニーズが明確なユーザーに対しては非常に高い効果を発揮します。

しかし一方で、この前提には明確な限界も存在します。

「検索する人」がいなければ始まらない

プル型集客は、あくまで「検索されること」がスタート地点です。そのため、そもそも検索されていない領域や、検索ボリュームが少ない業種では、施策の効果が出にくくなります。

例えば、認知度の低いサービスや、検討に時間がかかる商材、あるいは「今すぐ必要ではない」と認識されている分野では、検索行動そのものが発生しにくくなります。

どれだけ最適化しても、検索されなければ接点は生まれません。

ニーズが顕在化していない層には届かない

もうひとつの限界は、ニーズがまだ曖昧な層にはアプローチできない点です。

前章でも触れた通り、多くのユーザーは「検索する前」の段階にいます。この段階では、問題は感じていても、具体的な解決手段やサービス名を知らないため、検索行動に結びつきません。

その結果、プル型集客だけでは、本来アプローチすべき大きな層を取りこぼしてしまうことになります。

プル型集客は「行動している人」には強い一方で、「まだ動いていない人」には届かないという特性があります。

競争が激しくなりやすい構造

さらに、検索されるキーワードには多くの企業が集まるため、競争が激しくなりやすいという側面もあります。

同じキーワードに対して複数の企業が対策を行うため、

  • 上位表示の難易度が上がる
  • 広告単価が高騰する
  • 差別化が難しくなる

といった状況が生まれます。

限られた顕在層に対して競合が集中するため、成果を伸ばすにはコストも上がりやすくなります。

このように、プル型集客は非常に有効な手法である一方で、その前提と限界を理解せずに依存してしまうと、成長の壁にぶつかりやすくなります。

本当に狙うべきは「まだ検索していない人」

プル型集客の前提と限界を踏まえると、次に考えるべきことは明確です。

「検索している人」だけでなく、「まだ検索していない人」まで視野に入れることが重要です。

なぜなら、実際の市場においては、この「まだ検索していない層」の方が圧倒的に多いからです。

ユーザーの状態を大きく分けると、次のような段階に整理できます。

顕在層:すでに検索している人

サービス名や具体的なキーワードで検索しているユーザーです。比較検討の段階にあり、意思決定に近い状態にあります。

この層は最も成果につながりやすく、プル型集客の中心となるターゲットです。

準顕在層:興味はあるが行動していない人

課題や関心はあるものの、まだ具体的なサービス名や解決手段まで意識が向いていない状態です。

例えば「出会いが減っている」「家の老朽化が気になる」といった段階で、検索キーワードとしてはまだ曖昧です。

潜在層:ニーズを自覚していない人

問題や不満はあるものの、それが解決できるサービスの存在や必要性に気づいていない状態です。

この段階では、検索行動そのものが発生していません。

市場のボリュームは、顕在層よりも準顕在層・潜在層の方がはるかに大きいのが一般的です。

にもかかわらず、検索している人だけをターゲットにしてしまうと、この大きな層に対して何もアプローチできない状態になります。

もちろん、顕在層を無視するべきではありません。しかし、それだけでは集客の上限が決まってしまいます。

本当に集客を伸ばしていくためには、「まだ検索していない人」にどう接点をつくるかが鍵になります。

そのためには、従来の「検索キーワード」を起点とした設計だけでなく、「どんな状態の人が、どんなきっかけで関心を持つのか」といった視点でペルソナを再設計する必要があります。

ペルソナ設計は「検索前」まで広げる

ここまでの内容を踏まえると、従来のペルソナ設計にも見直しが必要になります。

多くのケースでは、「どんなキーワードで検索しているか」を起点にペルソナが設計されています。例えば「結婚相談所 地域名」「外壁塗装 見積もり」といった具体的な検索行動を前提に、そのユーザー像を描いていく方法です。

しかしこの設計では、どうしても「すでに行動している人」だけが対象になります。

これからのペルソナ設計では、「検索する前の状態」まで視野に入れることが重要です。

検索キーワードは「結果」でしかない

ユーザーが入力する検索キーワードは、その人の思考や状況の「結果」として現れたものです。

例えば「婚活」という言葉の裏には、

  • 出会いがないという悩み
  • 将来への不安
  • 周囲との比較による焦り

といった背景があります。

同様に「リフォーム」というキーワードの裏にも、

  • 家が古く感じる
  • 生活に不便を感じている
  • 家族構成の変化

といったきっかけが存在しています。

重要なのはキーワードそのものではなく、その手前にある「感情や状況」です。

「言葉になる前」を捉える

検索前のユーザーは、自分の悩みを明確な言葉にできていないことが多くあります。

例えば、

  • 「婚活したい」ではなく「このままでいいのか不安」
  • 「外壁塗装したい」ではなく「最近家が傷んできた気がする」

といった状態です。

この段階では、まだサービス名や業界用語では考えていません。

ペルソナ設計では、この「言葉になる前の状態」を具体的にイメージすることが重要です。

関心の入口を設計する

検索前のユーザーにアプローチするためには、「どんな言葉に反応するか」を考える必要があります。

それは必ずしもサービス名ではなく、

  • 日常の違和感
  • 小さな不満
  • 共感できるストーリー

といった形で現れます。

ペルソナは「検索キーワード」ではなく、「関心の入口」から設計する必要があります。

この視点を持つことで、これまで接点を持てなかった準顕在層や潜在層にもアプローチできるようになります。結果として、プル型集客の幅を大きく広げることが可能になります。

「検索されない人」は何に反応するのか

「検索していない人」にアプローチするためには、まず前提を変える必要があります。検索している人はキーワードに反応しますが、検索していない人はそもそもキーワードという形で思考していません。

この層が反応するのは「検索ワード」ではなく「感情や状況に紐づいた情報」です。

問題ではなく「違和感」に反応する

検索前のユーザーは、明確な問題として認識しているわけではなく、「なんとなく気になる」「少し不安」といった違和感の状態にあります。

例えば、

  • 「婚活したい」ではなく「最近出会いが減った」
  • 「リフォームしたい」ではなく「家が古く感じる」

といったレベルです。

この段階では「解決策」よりも「共感」に反応します。

比較ではなく「納得感」で動く

顕在層は複数のサービスを比較しながら意思決定を行いますが、検索前のユーザーはまだその段階にいません。

そのため、

  • 料金比較
  • 機能比較
  • 他社との違い

といった情報には強く反応しない傾向があります。

代わりに重要になるのは、

「自分に関係がある」と感じられるかどうかです。

ストーリーや文脈に影響される

検索前のユーザーは、論理的な比較よりも、ストーリーや背景に影響を受けやすい傾向があります。

例えば、

  • 同じ悩みを持つ人の体験
  • 状況が変わったきっかけ
  • 変化の過程

といった情報です。

「自分にも起こり得る」と感じられる文脈が、関心のきっかけになります。

結論:UXと本質は同じ

ここまでの内容を見ると分かる通り、検索前のユーザーへのアプローチは、特別な手法ではありません。

「ユーザーの状態に合わせて情報を設計する」というUXの考え方そのものです。

つまり、検索している人だけでなく、その手前の段階にいる人の感情や状況を理解し、それに合わせた情報設計を行うことが、集客の幅を広げるポイントになります。

プル型でもできる「潜在層へのアプローチ」

ここまでの内容から、「潜在層にアプローチするならプッシュ型(広告や営業)が必要なのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし実際には、プル型の枠組みの中でも、潜在層に接点をつくることは可能です。

ポイントは「検索キーワード」ではなく「関心のきっかけ」を起点に設計することです。

キーワードではなく「テーマ」で設計する

従来のプル型施策では、「検索されているキーワード」をベースにコンテンツを作ることが一般的です。しかし潜在層に対しては、このアプローチだけでは不十分です。

例えば「婚活」ではなく「出会いがない理由」、「リフォーム」ではなく「家が古く感じる瞬間」といったように、ユーザーの状態に寄り添ったテーマでコンテンツを設計する必要があります。

検索ボリュームではなく「関心の入口」を起点にコンテンツを考えることが重要です。

コラムやブログの役割を再定義する

多くの企業で運用されているブログやコラムも、顕在層向けの情報に偏っているケースが少なくありません。

しかし本来は、

  • まだ気づいていない課題を提示する
  • 共感を生む切り口で関心を引く
  • 行動のきっかけをつくる

といった役割を持たせることで、潜在層との接点になります。

コンテンツは「説明」ではなく「気づき」を与えるものとして設計することが重要です。

SNSや周辺メディアとの連携

潜在層は検索以外のチャネルにも多く存在しています。SNSや外部メディアなど、日常的に接触している情報源の中で、関心が生まれるケースも少なくありません。

そのため、

  • SNSでの情報発信
  • 記事コンテンツのシェア
  • 複数チャネルでの露出

といった形で接点を増やすことが有効です。

検索だけに依存せず、「どこで気づくか」を設計することが重要です。

「検索される前」に接点をつくる

最終的に目指すべきなのは、ユーザーが検索する前の段階で関係性をつくることです。

例えば、コラム記事やSNSを通じて課題に気づき、その後検索行動につながるといった流れです。

潜在層へのアプローチは、プル型集客の「前段階」を設計する取り組みと言えます。

この視点を取り入れることで、これまで取りこぼしていたユーザー層にもアプローチできるようになり、集客全体の広がりを生み出すことが可能になります。

アトラボの考え方|ペルソナは「行動前」から設計する

アトラボでは、ホームページ制作やWebマーケティングの設計において、「検索している人」だけを前提にしたペルソナ設計は行いません。

重視しているのは、「その人が行動する前にどんな状態にあるのか」という視点です。

ペルソナは「行動」ではなく「状態」で捉える

一般的なペルソナ設計では、「どんなキーワードで検索しているか」「どんなサービスを比較しているか」といった行動ベースの情報に注目しがちです。

しかしその前には必ず、

  • 違和感を感じている段階
  • 悩みをうまく言語化できていない段階
  • まだ解決策を知らない段階

といった「状態」が存在しています。

この「状態」を無視すると、本来アプローチできるはずのユーザーを取りこぼしてしまいます。

行動シナリオは「気づき」から始まる

アトラボでは、ユーザーの行動をいきなり「検索」から設計することはありません。

まずは、

  • どんなきっかけで違和感を持つのか
  • どのタイミングで関心に変わるのか
  • 何がきっかけで行動に移るのか

といった「気づきのプロセス」から整理していきます。

検索はゴールではなく、あくまでプロセスの一部として捉えています。

UX設計とペルソナ設計は一体

この考え方は、これまで解説してきたUX設計とも密接に関係しています。

ユーザーの状態に合わせて、

  • どんな情報を見せるか
  • どの順番で伝えるか
  • どこで行動を促すか

を設計していくことが、結果として自然な導線につながります。

ペルソナ設計とUX設計は切り離せるものではなく、本来は一体で考えるべきものです。

アトラボでは、「検索している人にどう見せるか」だけでなく、「まだ検索していない人にどう気づいてもらうか」まで含めて設計することで、より広い層にアプローチできるWeb戦略を提案しています。

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まとめ

SEOやリスティング広告といったプル型集客は、今でも非常に重要な施策です。特に、すでにニーズが顕在化しているユーザーに対しては、高い効果を発揮します。

しかしその一方で、

「検索している人」だけを前提に設計してしまうと、集客の母数そのものが限定されてしまうという課題があります。

実際には、その手前にいる準顕在層や潜在層の方がはるかにボリュームが大きく、そこにどうアプローチするかが、集客全体の伸びを左右します。

そのためには、

  • 検索キーワードだけでペルソナを設計しない
  • ユーザーの「状態」や「感情」を捉える
  • 「検索前」の段階から接点をつくる

といった視点が欠かせません。

これからのペルソナ設計は、「検索している人」ではなく「これから検索する人」まで含めて考える必要があります。

そしてその考え方は、UX設計とも密接に関係しています。ユーザーの状態に合わせて情報を設計し、自然に行動へとつなげていくことが、成果につながるホームページの基本です。

集客が伸び悩んでいる場合は、施策を増やす前に一度立ち止まって考えてみてください。

「自社は、本当に“検索している人”だけを相手にしていないか?」

その視点を持つことで、これまで見えていなかった新しい集客の可能性が見えてくるはずです。

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