
「Search Consoleは見ているけど、正直そこまで活用できていない」——そんな方も多いのではないでしょうか。
どんな検索キーワードからWebサイトに流入しているのか、どのページがクリックされているのか。そうした情報を確認できる便利なツールである一方で、実際には「なんとなく数字を見ているだけ」という状態になってしまうことも少なくありません。
その理由の一つが、分析の難しさと手間です。フィルタをかけて、期間を比較して、条件を変えて…といった作業を繰り返す必要があり、「どこから見ればいいのか分からない」という声もよく聞きます。
そんなSearch Consoleに、新たに「AIを活用したレポート作成機能」が追加されました。
この機能を使うと、「どんな分析をしたいか」を文章で指示するだけで、AIがレポートを生成してくれます。これまで手動で行っていた分析作業を、より直感的に行えるようになる可能性があります。
まだ試験運用段階ではありますが、うまく活用すれば日々の分析業務を大きく効率化できる機能と言えるでしょう。
「データはあるけど活かしきれていない」という状態を変えるきっかけになるかもしれません。
この記事では、Search Consoleの新機能「AIを使用してパフォーマンスレポートをカスタマイズする」とは何か、どのようなことができるのか、そして実務でどう活用できるのかを分かりやすく解説していきます。
そもそもSearch Consoleで何が分かるのか(おさらい)
Google Search Consoleは、「検索からどのようにWebサイトに流入しているのか」を把握できるツールです。
ホームページを運用していると、「どこからアクセスが来ているのか」「何がきっかけで見られているのか」を知ることは非常に重要です。その中でも、検索エンジン経由の流入を詳しく確認できるのがSearch Consoleの役割です。
具体的には、次のような情報を確認することができます。
どんなキーワードで検索されているか
ユーザーがどのような検索ワードで自社サイトにたどり着いているのかが分かります。
「想定していたキーワード」と「実際に検索されているキーワード」の違いに気づくことも多く、コンテンツ改善のヒントになります。
どれくらい表示されているか(表示回数)
検索結果にどれだけ表示されているかを示す指標です。
まだクリックされていなくても、「見られている可能性がある」状態を把握することができます。
どれくらいクリックされているか(クリック数)
実際に検索結果からサイトに訪問された回数です。
どのページ・どのキーワードが集客に貢献しているかを知ることができます。
クリック率(CTR)
表示された回数に対して、どれくらいクリックされたかの割合です。
タイトルや説明文がユーザーに刺さっているかどうかを判断する指標になります。
検索順位(平均掲載順位)
検索結果の中で、自社サイトがどの位置に表示されているかを示します。
上位表示できているか、改善の余地があるかを把握することができます。
これらの情報を組み合わせることで、「どのページを改善すべきか」「どんなコンテンツを増やすべきか」といった判断が可能になります。
ただし実際には、これらのデータをどのように組み合わせて分析するかが難しく、活用しきれていないケースも多く見られます。
この「分析のハードル」を下げるために登場したのが、今回のAI機能です。
新機能「AIでレポートをカスタマイズ」とは?
今回追加された新機能は、「やりたい分析内容を文章で伝えるだけで、AIがレポートを作成してくれる」というものです。
これまでのSearch Consoleでは、分析を行うために自分で条件を設定する必要がありました。
- 期間を指定する
- ページやクエリで絞り込む
- フィルタを組み合わせる
こうした操作を行いながら、「どこに問題があるのか」「どこを改善すべきか」を自分で探していく必要がありました。
しかし今回の機能では、「何を知りたいか」をそのまま入力することで、AIが分析条件を組み立ててくれるようになっています。
たとえば、
- 「最近クリック数が伸びているページを知りたい」
- 「順位が下がっているキーワードを見たい」
- 「改善余地がありそうなページを知りたい」
といった形で指示を出すと、AIがそれに応じたレポートを生成します。
つまり、これまで必要だった「分析のための操作」を、AIが代わりに行ってくれるというイメージです。
「どこをどう見ればいいか分からない」という状態を解消してくれる可能性がある点が、この機能の大きな特徴です。
ただし、現時点では試験運用機能のため、すべての環境で使えるわけではなく、精度についても発展途上の部分があります。
それでも、Search Consoleの使い方を大きく変える可能性を持った機能であることは間違いありません。
従来の分析との違い
今回のAI機能によって変わるのは、「何が見られるか」ではなく「どうやって分析するか」です。
Search Consoleで取得できるデータ自体はこれまでと大きく変わりません。しかし、そのデータの扱い方と分析のプロセスが大きく変わっています。
手動の条件設定から「自然な指示」へ
従来は、分析を行うためにフィルタや条件を自分で組み立てる必要がありました。
「どの期間を比較するか」「どのページを見るか」「どの指標で判断するか」など、分析の前段階に手間がかかるのが一般的でした。
AI機能では、「知りたいこと」をそのまま入力するだけで分析が始まります。
この違いは、特に初心者にとって大きな変化です。
試行錯誤の回数が減る
従来は「この条件で見てみる→違った→条件を変える」といった試行錯誤が必要でした。
AIを使うことで、最初からある程度整理された状態のレポートを見ることができます。
分析の“入り口”が大幅に分かりやすくなる点が大きなメリットです。
「何を見ればいいか分からない」を解消できる
Search Consoleを使いこなせない理由の一つが、「どこから見ればいいか分からない」という点です。
AI機能では、「こういうことを知りたい」という目的からスタートできるため、分析の方向性に迷いにくくなります。
一方で、考える力は必要
ただし注意点として、AIがすべてを判断してくれるわけではありません。
「何を知りたいのか」「その結果をどう活かすのか」は人が考える必要があります。
AIはあくまで分析の補助であり、意思決定そのものを代替するものではないという点は変わりません。
つまり、分析のハードルは下がりますが、活用する力の重要性はこれまでと同じです。
活用のポイント
AI機能は「使うだけ」で成果が出るものではなく、「どう使うか」で差がつくツールです。
便利な機能ではありますが、闇雲に使っても効果は限定的です。ここでは、実務で役立てるためのポイントを整理します。
「質問の質」で結果が変わる
AIにどんな指示を出すかによって、得られるレポートの内容は大きく変わります。
「何か良いページを教えて」ではなく、
- 「クリック数が伸びているページを知りたい」
- 「表示回数は多いのにCTRが低いページを知りたい」
といった形で、具体的に知りたい内容を明確にすることが重要です。
曖昧な指示よりも、目的を絞った質問の方が実務に使える結果が得られるという点を意識しましょう。
仮説を持って使う
AIに分析を任せるのではなく、「こういう問題があるのではないか」という仮説を持って使うことが大切です。
たとえば、
- 「最近アクセスが減っている気がする」
- 「このページはもっと伸びるはず」
といった感覚をもとに分析することで、改善につながる気づきが得られやすくなります。
AIは“答えを出すツール”ではなく、“仮説を検証するツール”として使うのがポイントです。
「見るだけ」で終わらせない
レポートを見て満足してしまうと、実際の成果にはつながりません。
「ではどう改善するか?」まで落とし込むことが重要です。
たとえば、
- CTRが低い → タイトルを改善する
- 順位が下がっている → コンテンツを見直す
- 伸びている → 関連記事を増やす
分析結果を具体的なアクションに変えることが、最大の価値になります。
定期的に使う習慣をつける
一度使って終わりではなく、定期的にチェックすることで変化に気づきやすくなります。
月に1回でもいいので「振り返りのタイミング」を作ることで、継続的な改善につながります。
これらを意識することで、AI機能を「便利な機能」から「成果につながるツール」へと変えることができます。
注意点(試験運用機能)
このAI機能は非常に便利な一方で、現時点では「試験運用機能」である点には注意が必要です。
今後の正式リリースに向けて改善が進められている段階のため、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。
すべての環境で使えるわけではない
現時点では、すべてのユーザーに提供されている機能ではありません。
利用できるかどうかはアカウントや環境によって異なるため、まずは自分のSearch Consoleで使えるか確認する必要があります。
分析結果をそのまま鵜呑みにしない
AIが生成するレポートは非常に便利ですが、必ずしも完全に正しいとは限りません。
条件の解釈やデータのまとめ方によって、意図と異なる結果が出る可能性もあります。
最終的な判断は必ず人が行うことが重要です。
指示内容によって精度が変わる
前の章でも触れた通り、AIは入力された内容に基づいてレポートを生成します。
そのため、曖昧な指示では曖昧な結果になりやすいという特徴があります。
「どういう分析をしたいのか」を明確にすることが、精度を高めるポイントです。
今後仕様が変わる可能性がある
試験運用段階の機能であるため、仕様やUI、できることが今後変わる可能性があります。
現時点の使い方がそのまま続くとは限らないという前提で活用することが大切です。
こうした注意点はあるものの、分析のハードルを下げる可能性を持った有用な機能であることは間違いありません。
アトラボの考え方|AIは「分析を楽にするツール」、成果を出すのは「活用する人」
アトラボでは、今回のようなAI機能は「分析を効率化するためのツール」であり、「成果を自動で生み出すものではない」と考えています。
Search ConsoleのAI機能によって、これまで時間がかかっていた分析作業は確実に楽になります。どこを見るべきか、どんな変化が起きているのかを把握するハードルは下がるでしょう。
しかし、その先にある「どう改善するか」「何を優先するか」といった判断は、これまでと同じように人が行う必要があります。
データは「見ること」ではなく「活かすこと」で初めて価値になります。
たとえば、AIが「このページは改善余地がある」と教えてくれたとしても、
- なぜ改善の余地があるのか
- どこをどう直すべきか
- どの優先順位で取り組むか
といった部分は、ビジネスやユーザー理解に基づいて判断する必要があります。
また、企業ごとに状況や目的は異なります。すべてのサイトに共通する「正解」があるわけではないため、ツールの結果をそのまま適用するのではなく、自社に合った形で解釈することが重要です。
AIは「気づきを与えてくれる存在」であり、「意思決定を代替する存在ではない」という前提で使うことが、最も効果的な活用方法だと考えています。
アトラボでは、こうしたツールの活用も含めて、データをもとにした改善の考え方や優先順位の整理までサポートしています。
ツールを導入すること自体が目的ではなく、その先にある成果につなげることが最も重要です。

まとめ
Search ConsoleのAI機能は、「分析のハードルを下げる」という点で非常に大きな進化と言えます。
これまで手動で行っていた条件設定や試行錯誤を、より直感的に行えるようになり、「どこを見ればいいか分からない」という悩みを解消してくれる可能性があります。
特に、「知りたいことをそのまま指示できる」という点は、これまでSearch Consoleを使いこなせていなかった方にとって大きなメリットです。
「データはあるけど活かせていない」という状態から一歩進むきっかけになる機能と言えるでしょう。
一方で、この機能はあくまで分析をサポートするものであり、最終的な判断や改善は人が行う必要があります。
どのページを優先するのか、どの施策に取り組むのかといった意思決定は、ビジネスの状況や目的に応じて判断することが重要です。
AIで「分析」は楽になるが、「成果」は使い方で決まるという点は、これまでと変わりません。
まだ試験運用段階の機能ではありますが、今後さらに進化していくことが期待されます。早い段階で触れておくことで、より効果的に活用できるようになるでしょう。
もしこれまでSearch Consoleの活用に課題を感じていた場合は、この機能をきっかけに、データをもとにした改善のサイクルを回してみてはいかがでしょうか。
分析が変われば、Webの改善スピードも変わります。



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