「どんな人が対応してくれるのか?」
これは商品やサービスの内容以上に、問い合わせ前の見込み客が知りたい情報かもしれません。
特にBtoB向けのサービスや商材を扱っている企業にとって、営業マンや社長自身の人柄や価値観は、時に“最後の決め手”になります。ところが実際には、企業ホームページを見ても代表者の顔が見えなかったり、SNSでは断片的な情報しか発信されていなかったりと、「中の人」が見えにくいというケースが少なくありません。
そんな今だからこそ、ホームページ内に“ブログ”という形で人柄や考えを伝えるコンテンツを持つことは、大きな営業資産になります。特別なスキルや広告費をかけずとも、自社の“空気感”や“価値観”を見込み客に伝え、「この人にお願いしたい」と思ってもらえるきっかけになるのです。
本記事では、BtoBサービスを展開する中小企業の方に向けて、「なぜ今、社長や営業担当者がブログを書くべきなのか?」「何を書けばいいのか?」「どんな効果が期待できるのか?」を、具体的な視点で解説していきます。
なぜ今、社長ブログが効くのか?
社長ブログのような“人が書く発信”は、以前からあった手法です。しかし今、改めてその価値が見直されています。その理由は、大きく分けて次の3点にあります。
1. SNSやAIでは伝わらない“空気感”が伝わる
SNSは拡散力があり、AIは効率的な情報整理が得意です。しかし、「この人はどんな想いでこの仕事をしているのか?」といった“温度”や“人柄”までは伝えきれません。それを補えるのが社長ブログです。
長文で背景や考え方を丁寧に説明できるブログは、読んだ人に「この会社とは相性が良さそう」「ちゃんと向き合ってくれそう」と思ってもらえる大きなチャンスになります。
2. BtoBでは「商品」より「人」で選ばれる
企業同士の取引では、価格や機能の比較だけでなく、「どの会社と、どの担当者と付き合うか」が重視されます。特に中小企業や地域密着型のビジネスでは、社長の人柄=会社の信頼感につながります。
商談前に「どんな社長か」「どんな営業マンか」がわかっていると、問い合わせのハードルはぐっと下がります。このような“信頼の下地づくり”こそ、ブログの大きな役割です。
3. 検索される時代に「資産になる発信」が求められている
SNSの投稿は時系列で流れていきますが、ブログ記事は検索に引っかかることで、過去の記事が何度でも再活用されるのが特徴です。日々の投稿が積み重なり、「見つけてもらえる会社」「信頼される会社」へと育っていきます。
つまり社長ブログとは、“人となりを伝える営業トーク”を、Web上に残し続ける仕組みでもあるのです。
特におすすめしたい業種とその理由
社長ブログや営業担当者によるブログ発信は、すべての業種に有効ですが、特に「人との相性」「信頼感」「中長期的な付き合い」が重要視される業種には大きな効果があります。以下のような業種では、ブログによって“選ばれる理由”をしっかりと伝えることが可能です。
不動産管理業(サラリーマン大家さん向け)
物件オーナーとの関係性が大きなウェイトを占める不動産管理業では、「この管理会社なら、入居者対応も丁寧そう」と思わせる人柄の発信が重要です。単に管理項目を並べるだけでなく、ブログで日々の業務姿勢や過去の対応事例などを伝えることで、安心感が生まれます。
士業(税理士・社労士・司法書士など)
専門知識はどの事務所でも大差なく感じられる中で、「相談しやすさ」や「柔軟な対応」が大きな差別化ポイントになります。特に経営者が依頼を検討する場面では、「この先生なら気軽に聞けそう」と思わせる発信が有効です。
建設・設備系の中小企業
工務店・塗装業・電気設備などの業種では、施工事例の紹介はあっても、現場に出ている代表者や職人の考え方が見えづらいことがあります。ブログで仕事へのこだわりや「お客様とのやりとり」のエピソードを発信することで、競合他社との差が際立ちます。
BtoBコンサル・研修・支援サービス
経営支援や研修、採用支援など、無形サービスを扱う業種は、「この人なら信じて任せられるか」が極めて重要です。専門的な内容を発信しつつ、自分の思考プロセスや過去の経験談を語ることで、親近感と信頼を同時に得ることができます。
保険代理店(法人保険・リスクマネジメント)
保険の内容自体は差がつきにくい中で、法人契約となると「誰に任せるか」がすべてというほど、担当者との相性が問われます。社長ブログで「どんな姿勢で提案しているのか」「どういう価値観で選んでいるのか」などを継続的に発信することで、「この人に任せたい」と思ってもらうきっかけになります。
「SNSじゃダメなの?」→ ブログとの違い
「情報発信ならSNSでも十分では?」という声もあります。確かにSNSは拡散力が高く、手軽に情報を届けられる魅力があります。しかし、社長ブログにはSNSとは異なる“長期的な価値”と“深い信頼の構築”に強みがあります。
SNSは「流れる情報」ブログは「残る情報」
SNSは投稿しても数日でタイムラインから消えていき、あとから探して読むのは難しいものです。一方、ブログは検索に引っかかりやすく、過去の記事が資産として蓄積されていくという特徴があります。
たとえば、「法人向け保険を任せる代理店を探している」「不動産管理会社を変えようか検討している」といったユーザーがGoogle検索した際に、会社の想いや考え方が伝わる記事が表示されることは、大きな差別化要因になります。
SNSは「広く浅く」ブログは「狭く深く」
SNSは不特定多数に向けて短くテンポよく届けるのが得意ですが、信頼関係を築くには不向きな面もあります。それに対してブログは、じっくりと文脈を伝えられるため、同じ価値観を持つユーザーとの深い共感を生みやすいという利点があります。
「この人なら任せてもいい」「話してみたい」と感じてもらうには、ある程度の文字量と構成で人となりをしっかり伝える必要があります。これは、ブログだからこそ実現できるのです。
SNSとブログは“役割”が違う
理想は、SNSとブログを連携させて活用することです。たとえばブログ記事をSNSで紹介し、記事に誘導することで、SNSの拡散力とブログの深さの両方を活かすことができます。
つまり、SNSだけで完結させるのではなく、「知ってもらう」「興味を持ってもらう」「深く理解してもらう」の役割を分けて考えるのが、効果的な情報発信の第一歩なのです。
社長ブログに書くべきネタとは?
「ブログを書こう」と思っても、最初に悩むのが「何を書けばいいのか?」ということではないでしょうか。実は、書くべきネタは“身近な日常”や“ちょっとした気づき”の中にたくさんあります。サービス紹介や専門的な話だけでなく、“人柄”や“考え方”が伝わる内容こそ、BtoBの世界では強い武器になります。
1. 仕事の中でのエピソード・考え方
- なぜこの仕事をしているのか
- 過去に印象に残ったお客様とのやりとり
- 普段どんな価値観でサービスを提供しているか
- 新人スタッフやチームとのエピソード
こうした内容は、サービスの裏側にある「想い」を伝えることができ、共感や信頼につながります。
2. 業界の時事ネタ+自分の見解
- 最近話題になった制度改正やニュースについての自社の考え
- よくある業界の誤解をわかりやすく解説
- 将来の業界予測や、これからのサービス方針
ただ情報をまとめるだけでなく、「うちはこう考えます」と発信することで専門家としての信頼感を生むことができます。
3. プライベートな話題や日常の出来事
- 家族との時間や子育ての話
- 趣味や休日の過ごし方
- 読んだ本や観た映画の感想
- 地元イベントへの参加や応援している地域活動
特に法人契約が多い業種では、「どんな人が担当してくれるのか?」という“人となり”が選ばれる決め手になります。SNSで発信されがちな内容ですが、ブログでしっかりと文章にすることで、より深く伝わります。
4. よくある質問(FAQ)の深掘り
- 「よく聞かれる質問」をテーマに1本ずつ記事化
- 提案時に伝えている“補足説明”を文章化
これはそのまま営業ツールにもなりますし、問い合わせのハードルを下げる効果もあります。
5. ブログを通じた“考え方の共有”
「こういう想いで経営しています」「こんな会社にしたいと思っています」といった、未来のビジョンを発信することで“理念に共感する人”との接点が生まれます。単なる情報発信ではなく、仲間やパートナーを引き寄せる力にもなります。
「難しく考えすぎず、日々の気づきを言葉にする」。それこそが、BtoBの世界で“社長ブログ”が効く最大の理由なのです。
「継続できない」を乗り越えるコツ
ブログを始めたものの、更新が止まってしまった……という方は少なくありません。最初はモチベーションが高くても、「何を書こう?」「忙しくて後回しに…」といった理由で、だんだんと手が止まってしまうのが現実です。そこで今回は、無理なく続けるための工夫をご紹介します。
1. 「書くネタリスト」を作っておく
ネタが思いつかないときに頼れるのが、自分専用の「書きたいテーマリスト」です。日々の業務中に「これは記事になりそう」と思ったことをメモしておけば、ネタ切れの不安が減り、書き出しやすくなります。
2. 「完璧な記事」を目指さない
文章をまとめるのに時間がかかる人ほど、「いい記事にしないと…」と力が入りすぎてしまう傾向があります。しかし、社長ブログや営業マンブログは“想いを伝える”ことが第一。100点を目指さず、60点でも公開する勇気が継続のカギになります。
3. 書く時間を“予定”に組み込む
月1回でも週1回でもOKです。あらかじめ「この時間に書く」と予定をブロックしておけば、忙しさに流されにくくなります。スマホやタブレットで下書きするだけでも十分な第一歩です。
4. 文章を書くのが苦手なら「箇条書き」から始める
まずは「今日の出来事3つ」や「最近の気づき5つ」といった形で、箇条書きベースでメモするだけでもOK。文章にするハードルを下げることで、習慣化につながります。
5. 社内で“協力者”を見つける
社員や外部のWeb担当者に「アップ作業だけお願いする」「推敲を一緒にしてもらう」といった協力体制をつくると、心理的な負担がぐっと減ります。人に見せることが前提になると、書く意識も高まるという効果もあります。
6. 続けた先に“成果”があると知っておく
たとえば「このブログを見て問い合わせしました」と言われるのは、続けていた人にだけ起こるご褒美です。すぐには成果が出なくても、過去のブログが“営業代行”になってくれると考えると、続ける価値が見えてきます。
「継続は力なり」は、Webでも同じ。形式や頻度にこだわりすぎず、「等身大の発信」を目指しましょう。
ブログがもたらす「共感→信頼→問い合わせ」への流れ
BtoBのサービスでは、商品そのものの比較よりも「誰と組むか」「どんな人に任せられるか」が大きな決め手になることが少なくありません。だからこそ、“人となり”を伝える社長ブログ・営業ブログが強力な営業ツールになり得ます。
1. 共感:「この人、いいかも」と感じてもらう
たとえばブログで家族との出来事や日々の仕事で感じたことなどを発信すると、読み手は「考え方が似てる」「気が合いそう」と共感を抱きやすくなります。この時点ではまだ“問い合わせ”にはつながっていなくても、心の中に「好印象」が残っていくのです。
2. 信頼:「任せられそう」と思ってもらう
業務の取り組み方やお客様への姿勢、失敗から得た学びなど、仕事に対する考え方をブログで伝えることで、信頼感が育っていきます。「この人なら、しっかり対応してくれそう」「誠実そうだ」と感じてもらうことが、BtoBではとても重要です。
3. 問い合わせ:「ちょっと話してみたい」に変わる
信頼感が積み重なると、「この人に相談してみたい」と背中を押すタイミングがやってきます。この“最後の一押し”にこそ、ブログの力があります。SNSや広告よりも、長文でストーリーを伝えられるブログだからこそ、問い合わせに結びつくのです。
4. 実際の問い合わせで「話が早い」状態に
ブログを読んでから問い合わせてくれたお客様は、すでにあなたの人柄や考え方をある程度理解してくれています。そのため、打ち合わせや提案もスムーズに進みやすく、信頼関係の土台ができた状態でスタートできます。
このように、ブログは“集客ツール”というよりも“関係構築のきっかけ”として非常に有効です。共感 → 信頼 → 問い合わせ → 商談という流れを自然に生み出すために、今日から「あなたの言葉」でブログをはじめてみてはいかがでしょうか。
アトラボでは「発信の仕組み化」もサポートしています
「ブログが大事なのはわかるけど、書く時間がない…」「どうせなら効果的に発信したい…」そんな声に応えるため、アトラボでは“仕組みとして続けられる”情報発信のサポートを行っています。
更新が止まらないための「設計」から
最初にしっかり「誰に」「何を」「どう伝えるか」を設計することで、ブレないブログの軸ができ、ネタ切れや迷走を防げます。一緒に“テーマの棚卸し”をすることで、継続のハードルを下げる工夫を提案しています。
文章が苦手な方には「原稿サポート」も
社長や営業マンの頭の中にある「いい話」を、聞き取りや下書きの形で形にするサポートも可能です。音声でのやり取りやチャットベースでの情報共有から記事化するなど、忙しい方でも発信をあきらめない仕組みをつくれます。
WebサイトやSNSとの連携も支援
ブログ単体ではなく、ホームページ上での導線設計やSNSとの連携によって、より多くの人の目に触れる仕掛けもご提案しています。投稿のタイミングやハッシュタグ戦略など、情報の届け方までご相談いただけます。
効果測定や改善のアドバイスも
「書いたけど読まれているのか不安」「反応がいまひとつ」という声にも対応。アクセス解析や閲覧傾向をもとに、次に書くべきテーマや改善点をご提案し、育てていくブログ運営を伴走します。
一人では難しかった情報発信も、仕組みにしてしまえばグッとラクに、そして効果的になります。
「発信したいけど、どう続ける?」と悩んだら、アトラボにぜひご相談ください。

まとめ
BtoBサービスの集客において、単なる機能や価格の訴求だけでは選ばれにくい時代になりました。特に中小企業や個人経営の事業者にとっては、「誰が対応してくれるのか」「信頼できる相手なのか」が、最終的な決め手になることが多いのです。
そんな時代だからこそ、社長や営業担当者が「自分の言葉」で発信するブログが大きな力を発揮します。SNSにはない深みと持続性があり、共感から信頼、そして問い合わせへとつながる「営業資産」となります。
「何を書けばいいのかわからない」「続けられるか不安」そんな方でも大丈夫。アトラボでは、ブログ発信の設計から継続支援まで、仕組みとして整えるサポートを行っています。
まずは一度、今のホームページや集客方法を振り返ってみてください。
「顔が見える発信」ができていないと感じたら、それがチャンスです。
あなたの想いや考え方に共感してくれる“未来のお客様”に向けて、ブログというかたちで言葉を届けてみませんか?
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