ホームページ集客の基本:ターゲットを絞る理由と実務手順【中小企業向け】

よくある誤解(過去客層の写し取り/なんでも若者向け)

営業が強い会社ほど、Webでも「うちの客層はだいたいこの辺」と“これまでの感覚”をそのまま当て込みがちです。ところが検索では、社名や肩書きではなく、困りごとの言葉で探されます。たとえば「ホームページ 制作 会社」よりも「会社案内 リニューアル 価格 目安」「問い合わせ フォーム 改善 方法」のような具体語。ここを外すと、ページは読まれても行動されません。

もうひとつの典型は「ネット=若者」思考で全体を若作りにすること。実際の検討・決裁の現場では、40〜60代の経営層・管理職・実務担当が検索し、比較し、社内で回します。購買に関わる“役割”に合わせた見せ方(効果・リスク・費用対効果/導入フロー・手間/比較と向き不向き)に切り替えるだけで、同じアクセスでも問い合わせ率は上がります。

本記事のゴール:主要ターゲットを絞り、問い合わせ導線まで一気通貫

本記事は、「誰に」→「何を見せ」→「どこから来て」→「何を押すか」をセットで決めるためのコンパクトな実務ガイドです。ターゲットは“1人だけ”に固定しません。主要2〜3枠に優先順位をつけ、各枠に必要な情報とボタン(CTA)を用意します。

  • ズレの是正:過去の客層の写し取り・無差別な若者寄せをやめ、購買に関わる役割(決裁者/実務担当/比較検討者)で切る
  • 設計の基本:検索意図の3段階(調べたい/比べたい/申し込みたい)に合う見出しと内容
  • 導線の型:ページの上・中・下に同じ主CTA+サンクスページで事例・FAQ・予約へ再誘導

目的はPVの最大化ではなく、問い合わせ・見積相談・商談化の最大化です。次章から、ターゲットは“1人だけ”でなく“優先順位”で設計する前提と、外しやすいポイントの直し方を短くまとめます。

ターゲットは“1人だけ”でなく“優先順位”

主要ターゲットは2〜3枠でOK(決裁者/実務担当/比較検討者など)

ペルソナを“1人だけ”に固定する必要はありません。中小企業のWebでは、購買に関わる役割ごとに2〜3枠を決め、優先順位をつけるのが現実的です。枠を増やしすぎると情報が散らばるので、まずは次の3枠から。

  • 決裁者(社長・部長):気になるのは効果・リスク・費用対効果。
    見せる:導入メリット3つ/価格・納期の目安/安心材料(品質・情報管理)。
    CTA:見積を相談する/資料DL
  • 実務担当(現場・総務):気になるのは運用手間と段取り。
    見せる:導入フロー(5ステップ)/準備物リスト/サポート体制・FAQ。
    CTA:オンライン相談(15分)/チェックリストDL
  • 比較検討者(情報収集〜選定役):気になるのは違いと向き不向き。
    見せる:従来手段との違い(時間・品質・手間の1軸)/事例の数字。
    CTA:価格・納期の目安へ/営業資料ページ

優先順位は、需要×当社の得意度×粗利×実現性の“感覚スコア”で構いません(高い順から着手)。まずは上位の1〜2枠に集中し、慣れてきたら3枠目を拡張します。

「誰に・何を・どこから来て・何を押すか」をセットで定義

ターゲットは属性だけでは動きません。検索意図と導線まで一枚で決めると、迷いなく作れます。下の“定義カード”を枠ごとに1枚作成してください。

項目 書く内容(例)
誰に 製造業の決裁者(社長)/実務担当(総務) など
何を(悩み) 価格の目安が知りたい/納期は間に合う?/導入の手間が不安
どこから来て 検索語:「ホームページ リニューアル 価格 目安」「問い合わせ フォーム 改善 方法」
読む情報 効果3点/価格・納期(通常/繁忙期/短納期)/導入フロー/事例(数字ひとつ)
何を押すか 主CTA:見積を相談する(2営業日以内に返信)/副CTA:資料DL・オンライン相談

サンプル(決裁者枠):

  • 誰に:県内製造業の社長
  • 悩み:費用対効果と納期の確実性
  • 検索語:「会社案内 サイト 価格 目安」「HP 改修 納期 どれくらい」
  • 読む情報:導入メリット3つ/価格の目安と含まれる範囲/納期3段表記/事例の数字
  • 押すボタン:見積を相談する(上・中・下で同一)

この“優先順位つきの定義”をページ制作前に作っておくと、見出し・画像・CTAの決め方が一気にブレなくなります。次章では、ありがちなズレを3パターンに絞って修正法を示します。

ありがちなズレ → こう直す(3パターンだけ)

1)過去の客層をそのまま当て込む → 直近案件から洗い直す

「昔から◯◯業が多いから」という推測で作ると、いまの検索ニーズとズレます。まずは直近3か月の受注・失注・問い合わせを見返し、実際に動いた“言葉”で定義し直しましょう。

  • 直し方:見積依頼メール・商談メモから「価格の目安/納期/比較理由」の文言を抜き出す
  • 置き換え:「◯◯業向け」→ 「◯週間以内に会社案内を更新したい人向け」のように“状況”で切る
  • 導線:本文の上・中・下に「見積を相談する(2営業日以内に返信)」

悪い例 → 良い例
×「製造業向けに強いです」→ 〇「展示会までに間に合わせたい会社案内リニューアル(通常3〜4週/特急は当日可否回答)」

2)“若者向け”に寄せすぎる → 購買に関わる役割(決裁・実務)で切る

見た目を若くしても、決裁者・実務担当が知りたいのは効果・リスク・段取りです。役割ごとに見出しを分け、必要情報を短く提示します。

  • 決裁者:効果3点+価格目安+納期3段表記(通常/繁忙期/短納期)
  • 実務担当:導入フロー(5ステップ)/準備物リスト/サポート体制・FAQ
  • 比較役:従来手段との違い(時間・品質・手間の1軸)+事例の数字

悪い例 → 良い例
×「オシャレな実績ギャラリー」→ 〇「効果:初回返信24h以内95%/通常3〜4週/導入5ステップ/事例3件」

3)曖昧な広さ → 検索語/相談内容/見積理由の“言葉”で具体化

「お客様は幅広い」は便利な言葉ですが、Webでは誰にも刺さりません。検索語・相談の一言・見積理由をそのまま見出しに落とします。

  • 検索語:「会社案内 リニューアル 価格 目安」「問い合わせ フォーム 改善 方法
  • 相談の一言:短納期は可能?」「何を準備すれば?
  • 見出し化:「価格はいくら?」「納期はどれくらい?」「準備物は?」の質問見出しに統一
  • CTA:「オンラインで相談(15分・無料)」を中段に必ず設置

悪い例 → 良い例
×「柔軟に対応します」→ 〇「価格:30万円〜(設計/製作/検査含む)」「納期:通常3〜4週・繁忙期+1週・特急は当日可否」

5分でできる現状診断(Yes/No)

  • 主要ターゲットを2〜3枠に絞っている
  • 各枠に「価格・納期・違い」の見出しがある
  • 記事の上・中・下に同じ主CTAがある
  • 事例は〈課題→対応→結果(数字ひとつ)〉で書かれている
  • サンクスページで返信目安と事例・FAQ・予約へ誘導している

3つ以上Noなら、まずこの章の直しから。次は、30分で骨子を決める実務手順(3ステップ)に進みます。

実務手順(30分版:3ステップ)

Step1|集める(10分)— 直近30日の“生の言葉”を10個

ツールより先に、お客様が実際に口にした言葉を集めます。会議は不要、5〜10分でOK。

  • 出どころ:問い合わせメール/商談メモ/失注理由/展示会・電話の質問/社内チャット「#sales-qa」
  • 書き写すコツ:社内用語に直さず“そのまま”の言い回しで。
質問(原文) 検索されそうな言い方 段階
最短でいつまでにできます? ホームページ 改修 納期 どれくらい ③ 申し込みたい
いくらぐらいかかります? ホームページ 制作 価格 目安 ③ 申し込みたい
他と何が違うの? 制作会社 選び方 失敗しない ② 比べたい

Step2|分ける(10分)— 困りごと×役割×地域で“2〜3枠”に整理

集めた10個を、困りごと(価格/納期/比較/代替)× 役割(決裁/実務/比較)× 地域で分類。主要2〜3枠に絞ります。

  • 優先スコア(感覚でOK):需要 × 当社の得意度 × 粗利 × 実現性(各1〜5点)
代表質問 役割 地域 スコア
A 価格・納期 価格いくら? 納期どれくらい? 決裁 千葉県内 22
B 比較・選び方 他社との違い?向き不向き? 比較 首都圏 16
C 導入手順・手間 何を準備?フローは? 実務 全国 15

まずはスコア上位の1〜2枠から着手。3枠目は次回に回してOKです。

Step3|決める(10分)— “読む情報→押すボタン”を1行で

枠ごとに検索意図→読む情報→押すボタンを1行で決め、ページへ反映します。

【枠名】A 価格・納期(決裁)
【検索意図】③ 申し込みたい(「制作 価格 目安」「改修 納期」)
【読む情報】価格の目安+含まれる範囲/納期(通常・繁忙期・短納期)/事例の数字
【押すボタン】見積を相談する(2営業日以内に返信
  • ページ反映の即席ワイヤー:
    1. サービス or 営業資料ページの上部に「効果3点」「価格・納期の要点」
    2. 中部に事例(数字ひとつ)+FAQ(価格・納期・範囲)
    3. 上・中・下すべてに同一の主CTA:見積を相談する(スマホは下部固定)
  • フォームは最小:必須=名前・メール・ご用件(選択式)だけ/サンクスで事例・FAQ・予約へ再誘導

ここまでで、誰に・何を・どこから・何を押すかが30分で固まりました。次章では、枠ごとの“見せ方”をミニガイドで整えます。

ターゲット別“見せ方”ミニガイド

決裁者向け:効果・リスク・価格目安・納期を“1ページ”で

決裁者は細部よりも結果とリスクを重視します。「費用対効果が分かる」「期間の見通しが立つ」を1ページで示しましょう。

  • 上部:効果3つ(例:初回返信24h以内/制作期間3〜4週/更新は非ITでも可)
  • 価格:目安+含まれる範囲+増減要因(税込/税別を明記)
  • 納期:通常/繁忙期/短納期の3段表記+当日可否回答
  • 安心材料:品質管理・情報管理・サポート体制の要点を1行ずつ
  • CTA:「見積を相談する(2営業日以内に返信)」を上・中・下に統一

実務担当向け:導入フロー・運用手間・サポートを具体に

実務担当は段取りと手間が気になります。「何を、いつ、誰が」を短く見せます。

  • 導入フロー(5ステップ):相談→ヒアリング→見積→実施→フォロー(各ステップに目安日数)
  • 準備物チェック:ロゴ/写真/現状サイトの管理情報 などを箇条書き
  • サポート:窓口・受付時間・返信目安(例:24h以内)
  • FAQ(5問):結論→条件で2〜3行(価格・納期・対応範囲・修正回数・支払い)
  • CTA:「オンラインで相談(15分・無料)」/「チェックリストDL」

比較検討者向け:違い・向き不向き・事例の数字で一発理解

比較役は「他と何が違うか」を探しています。時間・品質・手間の1軸比較に絞り、冗長な機能説明は避けます。

  • 比較表:従来手段 vs 当社の進め方(◯/—表示)
  • 向き不向き:「こういう場合は合う/合わない」を各3点
  • 事例:〈課題→対応→結果(数字ひとつ)〉+写真1枚(期間も併記)
  • CTA:「価格・納期の目安」→ 営業資料ページへ/「この内容で相談」

地域軸が効く場合:地域名+サービス名+事例で“指名検索”を育てる

地域ビジネスは、「地域名+サービス名」での検索が強力です。距離的安心も訴求しましょう。

  • 対応エリア:市区町村を列挙/地図と所要時間(車・電車)
  • 地域事例:業種+数字ひとつ(例:問合せ数+30%/制作3週)
  • 訪問の流れ:日程調整→現地確認→提案の手順を3行で
  • CTA:「訪問可能日を確認する」/「地域別の事例を見る」

どのターゲットでも共通なのは、「写真1枚+太字の数字ひとつ+次の一歩」のセットです。余計な説明より、次に進む根拠を短く提示しましょう。

まとめ:広く見せず、届かせる――“優先順位つきターゲット”が土台

要点の振り返り(短く)

  • 全方位は届かない:検索は肩書きではなく困りごとの言葉で行われる。
  • 1人固定より優先順位:決裁者/実務担当/比較検討者の2〜3枠に集中。
  • 言葉で具体化:「価格・納期・違い・向き不向き」を質問見出しで示す。
  • 導線で行動に:ページの上・中・下に同じ主CTA+スマホ下部固定、フォームは最小3項目
  • 小さく回す:見る数字は表示・CTAクリック・送信の3つだけ、先月比で十分。

すぐやる3つ(本日中に)

  1. 質問10件を集める:直近30日の問い合わせ・商談メモ・失注理由から“生の言葉”を抜き出す。
  2. 2〜3枠に分ける:困りごと×役割×地域で分類し、優先順位を決める。
  3. 主要ページを直す:質問見出しを追加し、主CTAを上・中・下に統一、フォームは「名前・メール・ご用件(選択)」に。

公開前ミニチェック(Yes/No)

  • 主要ターゲットを2〜3枠で定義し、検索語とセットで書いた
  • 「価格はいくら?/納期は?/何が違う?」の見出しがある
  • 主CTAが上・中・下に同一文言で置いてある(スマホは下部固定)
  • フォーム必須は3項目、送信後は事例・FAQ・予約へ誘導
  • 月1回、表示・クリック・送信を先月比で見て1点だけ改善

ホームページ集客の成否は、デザインより先に「誰に×何を×どこから×何を押すか」で決まります。まずは実在する見込み客の言葉に合わせ、“小さく・速く・確実に”直していきましょう。迷ったら、価格・納期・違いを質問見出しで出す――これだけでも問い合わせ率は変わります。

社内で手が止まるときは、定義カード(2〜3枠)を皆で10分で書き、来週までに主ページのCTA統一とフォーム最小化だけ完了させる。積み上げが効く設計にすれば、Webは営業を楽にする仕組みに育ちます。

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