ランディングページ(LP)は、「問い合わせ」「購入」「資料請求」など、特定の成果を得ることを目的としたページです。だからこそ、LPのデザインはただ「おしゃれ」であるだけでは足りません。
実際の制作現場では、デザイナーや制作会社から上がってきたデザインに対して、「これでOKなのか?」「もっと良くできる点はないか?」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、成果を出すLPデザインにおいて確認すべき“鉄板のチェックポイント”を10個に絞ってご紹介します。デザインに詳しくない方でもチェックしやすい内容なので、ぜひ制作現場や確認作業の参考にしてください。
チェック1:ファーストビューで「何のページか」が一瞬でわかるか
ユーザーがランディングページに訪れた際、最初に目にする領域が「ファーストビュー」です。このエリアで「何のサービスか」「どんな価値があるのか」が伝わらなければ、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
とくに広告や検索経由で訪れたユーザーは、“軽い興味”程度で来ていることが多く、迷ったり考えたりさせてしまう時点で離脱のリスクが急上昇します。
以下のポイントをチェックしましょう:
- キャッチコピーが具体的で、ベネフィットが伝わっているか
- 視線の流れに沿って、コピー→画像→CTAなどが自然に配置されているか
- ファーストビュー内に「誰に向けたページか」が明示されているか
ファーストビューは、たった3秒で「読む・読まない」が判断されると言われるほど重要なパートです。内部の人間にとっては“当たり前”の内容も、初めて訪れるユーザーには伝わっていないかもしれません。第三者目線で見直してみることが大切です。
チェック2:CVボタン(CTA)はわかりやすく、複数箇所に配置されているか
ランディングページにおけるコンバージョン(CV)ボタン=Call To Action(CTA)は、ユーザーに最終的なアクションを促す極めて重要なパーツです。これが目立たなかったり、ページの最後にしかなかったりすると、機会損失に直結します。
以下のような点をチェックしましょう:
- CTAボタンがファーストビュー内に設置されているか
- 「資料請求」「無料体験」など、アクションの内容が明確か
- ページスクロールに合わせて複数箇所に配置されているか(上・中・下など)
- ボタンの色や形が背景に埋もれていないか(ユーザーの目を引く工夫がされているか)
また、ボタンのテキストにもこだわりが必要です。
単に「申し込む」ではなく、「30秒で完了!無料で申し込む」のように、手間の少なさや無料であること、ベネフィットを盛り込むことで、より行動を後押しできます。
CTAボタンの設置場所やデザインは、LPの成果を大きく左右します。ユーザーがいつでも申し込み・問い合わせできるような設計ができているか、客観的に確認しておきましょう。
チェック3:訴求内容がターゲットに合っているか
ランディングページは特定のターゲットに刺さる訴求ができていなければ、いくらデザインが整っていても成果にはつながりません。特に誰に・何を伝えたいのかがあいまいなままでは、訴求ポイントがぼやけ、関心を持たれにくくなります。
以下のような観点から、訴求の方向性がターゲットに適しているかをチェックしましょう:
- ターゲットとなるペルソナが明確になっているか(例:30代主婦/中小企業の経理担当者など)
- そのターゲットが抱える「課題」や「悩み」に共感する文脈になっているか
- 打ち出しているベネフィットが、ターゲットのニーズと合っているか
- トーンや言葉遣いが、想定されるユーザー層に適切か
たとえばBtoB向けサービスなのにカジュアルすぎるトーンだったり、逆に一般消費者向け商品なのに専門用語が多すぎる場合、訴求がずれてしまい、共感や理解が得られにくくなります。
デザイン確認の際は、「自分ではなく、ターゲットの立場で見て理解・共感できるか?」という視点を持ってチェックすることが重要です。
チェック4:情報の流れに「ストーリー」があるか
成果の出るランディングページは、ただ情報を並べているのではなく、ユーザーの心理的な流れを意識して設計された“ストーリー”を持っています。
たとえば、訪問者の多くはファーストビューで「なんのページか」を把握し、その後「なぜ自分にとって必要なのか」「それによってどうなるのか」を自然に理解していくことを期待しています。
このストーリーがうまく設計されているかを確認するには、以下のような流れを想定するとチェックしやすくなります:
- 問題提起(共感):ターゲットが抱える課題を提示し、「自分のことだ」と思わせる。
- 解決策の提示:その課題に対して、自社の商品・サービスがどう役立つかを明確に。
- 根拠・実績:サービスの信頼性を示す実績、データ、導入事例など。
- 安心材料:保証内容やサポート体制など、導入に対する不安を払拭。
- 行動喚起(CTA):今すぐ問い合わせ・資料請求などの行動を促す。
このようなストーリーがないままに、単にサービスの機能紹介や価格だけを羅列してしまうと、ユーザーの興味を引き付けられず、途中で離脱されてしまうリスクが高まります。
デザインの確認時には、情報が自然な流れで配置されているか、読んでいて違和感なく“納得”まで導けるかを、ユーザーの視点で見直してみましょう。
チェック5:実績や口コミなど「信頼性」の訴求があるか
ランディングページでコンバージョンを得るには、ユーザーが「この会社・サービスは信頼できる」と思える根拠が必要です。とくに初めて知った商品や企業に対しては、警戒心を持って見られているという前提を忘れてはいけません。
そのため、信頼性を補強するコンテンツを適切に盛り込むことが重要です。以下のような要素があるかどうか、デザイン確認時にチェックしましょう。
- 導入実績:数字や社名、業種を具体的に表記(例:「導入企業1,000社以上」「◯◯株式会社様にも導入」など)
- お客様の声(口コミ):顔写真付き・職種や立場がわかる形式だとより信頼性アップ
- 受賞歴・認定:第三者評価(グッドデザイン賞、認定マークなど)があると信頼性が高まる
- メディア掲載情報:「◯◯新聞で紹介されました」など、客観的評価がわかるもの
- 保証・サポート体制:「30日間返金保証」「専任担当がサポート」など安心につながる訴求
こうした「信頼性の根拠」が抜けていると、ユーザーはなかなかアクションに移ってくれません。逆に、信頼を裏付ける情報がデザインに自然に組み込まれていれば、CV率の向上に直結します。
単に情報があるだけでなく、ビジュアルとの一貫性や、読みやすい配置であるかも含めて確認しましょう。
チェック6:ユーザーの不安や疑問に先回りして答えているか
ランディングページで成果を上げるには、ユーザーの「検討中の心理」に寄り添うことが重要です。商品やサービスを魅力的に見せるだけでなく、購入や問い合わせに踏み切れない理由=不安や疑問を先に解消してあげることで、CVにつながる確率が大きく高まります。
以下のような不安や疑問への回答が、ページ内に含まれているかを確認しましょう。
- 価格に関する不安:「初期費用0円」「月額以外の料金はかかりません」など明記
- サポート体制への疑問:「初回相談は無料」「導入後のサポートも充実」などの説明
- サービスの効果や実績:「◯◯社で売上◯%アップ」「導入企業の満足度92%」など
- 使いこなせるかどうか:「初心者向けマニュアルあり」「操作動画でサポート」など
- 信頼性に関する不安:「創業20年の実績」「専門スタッフが対応」などで補完
また、よくある質問(FAQ)を設けるのも、不安解消に非常に有効です。質問と回答をセットで掲載することで、「聞きたかったことをもう答えてくれている」という安心感を与えられます。
こうした情報があることで、ユーザーの頭の中の「でも…」を一つひとつ取り除き、行動へのハードルを下げる設計になっているかをチェックしてみましょう。
チェック7:スマホでの閲覧時に問題がないか
ランディングページに訪れるユーザーの多くが、スマートフォンで閲覧しているのが今や当たり前の時代です。そのため、PC上でいくら完成度の高いデザインであっても、スマホで見づらい・使いにくいとなれば、すぐに離脱されてしまう可能性があります。
スマホ表示を確認する際に、次のようなチェックポイントを意識しましょう。
- 文字サイズは十分に読みやすいか(小さすぎないか)
- 余白が適切に確保されているか(窮屈でないか)
- 横スクロールが発生していないか
- 画像やバナーがはみ出していないか
- CTAボタンが指で押しやすいサイズ・位置にあるか
また、ページ全体が長くなりがちなLPでは、「ページ内リンク」や「スクロール誘導」の工夫がスマホユーザーにとってのストレス軽減になります。さらに、スマホならではのタップしやすさや視線の動きにも配慮が必要です。
スマホ表示の最適化は、CV率を左右する重要な要素です。レスポンシブ対応されていても、必ず実機や開発ツールでの確認を行いましょう。
チェック8:フォームが適切な長さか、入力しやすいか
ランディングページの最終目的が資料請求や問い合わせ、購入などのコンバージョンである場合、ユーザーが最後にたどり着くのが入力フォームです。しかし、このフォームが「長すぎる」「入力しにくい」といった理由で離脱されてしまうケースは少なくありません。
以下のポイントをチェックし、スムーズに入力してもらえる設計になっているかを確認しましょう。
- 入力項目は必要最低限に絞られているか(名前・メールアドレス・内容程度)
- スマホでも入力しやすいレイアウトになっているか(1カラム推奨)
- 住所・電話番号などの必須項目は本当に必要かを再検討
- エラーメッセージや未入力項目がわかりやすく表示されるか
- 「送信」ボタンが目立つ位置にあり、押しやすいか
また、自動入力補助や選択式項目を活用することで、ユーザーのストレスを軽減し、コンバージョン率を高めることができます。
フォームは「ただ置いてある」だけでは不十分です。ユーザーが迷わず行動に移れるように設計されているかを、必ず確認しましょう。
チェック9:色使いに一貫性があるか(デザインルールが守られているか)
ユーザーに安心感や信頼感を与えるためには、デザインに統一感があることが非常に重要です。特に色使い(カラースキーム)は、ページ全体の印象やブランドイメージを左右する要素のひとつ。どれだけ内容がよくても、色使いがバラバラだとチープで雑多な印象を与えてしまいます。
チェックすべきポイントは以下の通りです:
- ブランドカラーがベースとして一貫して使用されているか
- アクセントカラーが適切に使われているか(CVボタンや重要な情報の強調)
- フォントの色、背景色、ボタンの色などが適切に整理されているか
- 読みにくい色の組み合わせ(白文字+薄い背景など)になっていないか
- 同じ用途の要素に対しては同じ色が使われているか(例:すべてのボタンが同じ色)
また、既にブランドガイドラインやトーン&マナーが存在している場合、それに沿った配色が守られているかも確認しましょう。
LPの視認性・訴求力・信頼感を高めるには、カラー設計が鍵になります。デザイン全体における色の整合性は、見落としがちなようでいて、非常に大きな影響を与える要素なのです。
チェック10:無駄なアニメーションや装飾で離脱を招いていないか
モダンなWebデザインではアニメーション装飾表現が活用されることが一般的になりました。しかし、それが過剰だったり、目的に合っていなかったりすると、ユーザーにストレスを与え、最悪の場合は離脱の原因
以下のような点をチェックしてみましょう:
- ページ読み込み時のアニメーションが長すぎないか(3秒以上は要注意)
- スクロールやホバー時の動きが頻繁すぎて落ち着きがない印象になっていないか
- デザイン装飾(背景動画、パララックス効果など)が内容の理解を妨げていないか
- スマートフォンでの表示時に動きが重く、操作性が悪化していないか
- 見せたいコンテンツよりも演出が目立ちすぎていないか
アニメーションや装飾は「伝えたいことを補強する」ための手段であり、目的ではありません。動きに意味があるかどうかを判断基準に、適切なトーンで使用されているかを確認しましょう。
見た目のカッコよさより、ユーザーの体験を優先する──それが成果を出すLPデザインの鉄則です。
アトラボができること:デザインだけでなく構成・訴求設計もサポート
成果を出すLP(ランディングページ)をつくるには、見た目の美しさだけでなく、情報の流れや訴求ポイント、ターゲットへのアプローチ方法までを含めた総合的な設計が不可欠です。アトラボでは、そうした構成や訴求の土台づくりから、デザイン、実装、公開後の改善提案まで一貫してサポートしています。
特に中小企業や個人事業主の皆様にとって、LPの目的は「見てもらうこと」ではなく、問い合わせや購入といったアクションにつなげることです。アトラボでは、以下のような観点からLP制作を支援しています。
- ターゲット分析に基づく構成設計(認知・共感・信頼の順で流れる設計)
- 商材の魅力を最大限に引き出す訴求軸の設定
- 業種や媒体に合わせたデザイントーンの調整
- スマホファーストでのUI/UX設計
- 公開後の改善提案(ヒートマップ分析やA/Bテストの支援)
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まとめ
ランディングページのデザインは、単なる「美しさ」や「おしゃれさ」ではなく、成果につながるかどうかが最も重要です。そのためには、ファーストビューの印象から、CTAの配置、ストーリー性、信頼性の訴求、モバイル対応、フォームの使いやすさまで、細部にわたる確認が欠かせません。
本記事で紹介した10のチェックポイントをもとに、デザインが「自己満足」で終わっていないか、しっかりと見直してみましょう。見込み客の不安や疑問に先回りし、迷わずアクションできる導線を設計することで、LPは強力な営業ツールへと進化します。
アトラボでは、こうしたチェックリストに基づいたレビューや改善提案も行っております。初めてのLP制作にも、成果が出ない既存LPの見直しにも対応可能ですので、お気軽にご相談ください。


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