
InstagramやXを使って、ブログ記事やサービスページへのリンクを定期的に投稿している企業は多いと思います。
「SNSからホームページへ流入を増やしたい」と考えるのは自然ですし、実際にその導線がうまく機能するケースもあります。
ただ、現実にはリンクを貼ったからといって、毎回多くの人がホームページへ来てくれるわけではありません。
アトラボでも、毎朝このブログの記事をXで紹介していますが、正直に言えば、そこから記事への直接流入はそれほど多くありません。
では、なぜ続けているのか。
SNSの役割は、必ずしも「ホームページへ人を送ること」だけではないと考えているからです。
投稿を繰り返し目にしてもらうことで会社名を覚えてもらう。どんなテーマを発信している会社なのか知ってもらう。必要になった時に思い出してもらう。そして、場合によってはホームページを経由せず、SNSのDMから直接問い合わせてもらう。
こうした積み重ねも、企業SNSにとって十分に意味のある成果です。
本記事では、SNS運用を「ホームページへの送客」という一つの指標だけで判断せず、認知や接点、記憶、問い合わせまで含めて、企業アカウントを続ける意味について考えていきます。
SNSからホームページへ、思ったほど人は来ない
企業SNSを運用していると、「投稿にリンクを貼っているのに、ホームページへのアクセスが思ったほど増えない」と感じることがあります。
これは珍しいことではありません。
InstagramやXを見ている人の多くは、その場で何かを詳しく調べようとしているわけではなく、投稿を眺めたり、気になった情報を流し見したりしています。
SNSでは、投稿に興味を持ってもらうことと、そこから外部サイトへ移動してもらうことは、別のハードルです。
リンクを見ても、その場ではクリックしない人も多い
例えば、ブログ記事を紹介する投稿を見て「面白そう」と感じても、その瞬間に記事まで読みに行くとは限りません。
通勤中、休憩中、寝る前など、SNSは短時間で利用されることも多く、「あとで見よう」と思ったまま終わることもあります。
また、SNS上で投稿の要点だけを読んで満足する人もいます。
「興味を持った=クリックした」ではないことを前提に、SNSの成果を考える必要があります。
アクセス解析だけを見ると「意味がない」に見えやすい
SNS運用の成果をGoogleアナリティクスなどで確認すると、SNS経由のアクセスが少なく、「これだけ投稿しているのに成果が出ていない」と感じることがあります。
しかし、SNSで会社を知った人が、その数日後に会社名を検索してホームページを訪れれば、解析上は検索流入として記録されます。
あるいは、投稿を見続けた人が、数か月後に直接会社名を入力して訪問するかもしれません。
SNSがきっかけになっていても、最終的なアクセス経路にSNSが残らないケースはあります。
「SNSから何人来たか」だけでは評価しにくい
もちろん、SNSからホームページへのアクセス数を確認すること自体は重要です。
どの投稿がクリックされやすいのか、どのテーマへの関心が高いのかを知る手掛かりになります。
ただし、それだけをSNS運用の成否にしてしまうと、本来の価値を見落とします。
投稿を見て会社名を覚えた人、どんなサービスを提供している会社なのか知った人、発信内容から信頼感を持った人は、ホームページをクリックしていなくても存在します。
「何人ホームページへ送ったか」だけではなく、「何人との接点を作れたか」という見方も必要です。
クリックされないからと、すぐ投稿をやめない
SNS運用を始めて数か月経ってもホームページへの流入が増えないと、「やっても意味がないのでは」と感じるかもしれません。
しかし、企業の認知や信頼は、一度の投稿だけで生まれるものではありません。
同じ会社の投稿を何度も目にすることで、「よく見る会社」「この分野の情報を発信している会社」という印象が少しずつ形成されます。
リンクがクリックされないことだけを理由にSNSを止めてしまうと、積み重なり始めた接点まで失うことになります。
だからこそ、SNSはホームページへの「送客装置」としてだけではなく、もっと長い目で役割を考えることが大切です。
SNSは「送客」より「接点を持ち続ける場所」と考える
SNS運用を「ホームページへ人を送るための施策」とだけ考えると、クリック数やアクセス数が少ない時に、どうしても成果が見えにくくなります。
しかし、企業SNSにはもう一つ大きな役割があります。
それが、ユーザーとの接点を持ち続けることです。
SNSは「今すぐ問い合わせてもらう場所」ではなく、「必要になった時に思い出してもらう場所」と考えると、その価値が見えやすくなります。
一度見ただけでは会社は覚えてもらえない
どれだけ良いサービスを提供していても、一度だけ投稿を見てもらっただけでは、会社名まで覚えてもらえないことがほとんどです。
しかし、定期的に投稿を見てもらい、会社名やロゴ、発信テーマに何度も触れてもらうことで、少しずつ認知が積み上がっていきます。
「この会社、よく見かけるな」「いつもこの分野の情報を発信しているな」と感じてもらえる状態になるだけでも大きな前進です。
企業SNSでは、一回の投稿で覚えてもらうのではなく、接触回数を重ねて記憶に残ることを目指す方が現実的です。
今すぐ客でなくても意味はある
SNSを見ている人すべてが、その場で商品やサービスを必要としているわけではありません。
今は必要がなくても、数か月後、半年後、一年後に状況が変わることはあります。
その時に、「そういえば、あの会社があった」と思い出してもらえれば、SNSで積み重ねた接点が活きてきます。
SNSの価値は、「今日売ること」だけではなく、「未来の相談先として記憶に残ること」にもあります。
投稿を見続けてもらうことで信頼も積み上がる
企業が継続的に情報発信をしていると、「きちんと活動している会社」「この分野に詳しい会社」という印象も生まれやすくなります。
もちろん、投稿頻度が高ければ自動的に信頼されるわけではありません。
ただ、内容に一貫性があり、役立つ情報を継続して発信していれば、その積み重ね自体が企業理解につながります。
定期的な発信は、単なる更新作業ではなく、「この会社は何を考え、何を得意としているのか」を伝え続ける行為です。
毎回の投稿に成果を求めなくていい
企業SNSが続かない理由の一つに、「毎回反応を取らなければ」「毎回クリックされなければ」と考え過ぎてしまうことがあります。
しかし、すべての投稿が大きな反響を生む必要はありません。
投稿によっては、数人に見てもらうだけで終わることもあります。
それでも、発信を積み重ねることで、アカウント全体として会社の存在や専門性が伝わっていきます。
企業SNSは「一投稿ごとの成果」よりも、「一定期間でどれだけ接点を持ち続けられたか」で考える方が続けやすくなります。
この視点で見ると、ブログ記事へのリンク投稿も「どれだけクリックされたか」だけで評価する必要はありません。次は、リンク投稿そのものを「発信を続けるためのコンテンツ」と考える方法について見ていきます。
リンク投稿は「定期発信を続けるためのコンテンツ」でもいい
企業SNSを続けるうえで、多くの担当者が悩むのが「何を投稿するか」です。
毎回オリジナルのネタを考え、画像を作り、文章を用意するのは簡単ではありません。
だからこそ、ブログ記事や施工事例、お知らせ、FAQなど、すでに自社で持っているコンテンツへのリンクを投稿することには十分な意味があります。
リンク投稿は、「ホームページへ人を送るため」だけでなく、「定期的な情報発信を止めないためのコンテンツ」としても活用できます。
アトラボでも、毎朝ブログ記事をXで紹介しています
アトラボでは、毎営業日の朝にブログ記事をXで紹介しています。
正直に言えば、その投稿からブログ記事へ直接流入するアクセスは決して多くありません。
それでも続けているのは、「今日の記事を何人に読んでもらえたか」だけを目的にしていないからです。
毎日投稿があることで、「アトラボは日々Webマーケティングや採用、業務効率化について情報発信している会社だ」と少しずつ認識してもらえます。
一つひとつのリンク投稿は小さくても、「この会社は継続して情報を発信している」という印象を積み重ねることができます。
毎回ゼロから投稿ネタを作らなくてもいい
企業SNSを長く続けるためには、運用負担を大きくし過ぎないことも重要です。
ブログを書いたら、その内容を短く紹介してリンクを貼る。
新しい施工事例を公開したら、写真とともに紹介する。
FAQを追加したら、「最近よくいただく質問」として投稿する。
こうした形で既存コンテンツをSNS向けに再利用すれば、毎回一からネタを作る必要はありません。
ホームページのコンテンツをSNSで再活用することで、「情報資産」を複数の接点へ広げることができます。
一定のリズムが「動いている会社」を伝える
久しぶりに企業のSNSアカウントを見た時、最後の投稿が数年前で止まっていると、「今もこの会社は営業しているのだろうか」と不安に感じることがあります。
反対に、定期的に投稿が続いていれば、会社が現在も活動していることが自然に伝わります。
もちろん、毎日投稿しなければいけないわけではありません。
週に一度でも、月に数回でも、自社で無理なく続けられるリズムを作ることが大切です。
企業SNSでは、「たくさん投稿すること」よりも、「無理なく発信が続いている状態」を作ることの方が重要です。
リンク投稿でも「一言」を添える
ただし、URLだけを貼って終わるよりも、「なぜこの記事を紹介するのか」「どんな人に読んでほしいのか」を短く添える方が伝わりやすくなります。
例えば、「最近このご相談が増えています」「中小企業のWeb担当者にぜひ知ってほしい内容です」といった一言があるだけでも、投稿に人の気配が生まれます。
記事タイトルをそのまま転載するだけではなく、SNSを見る人に合わせて入口の言葉を少し変えることも有効です。
リンク投稿でも、「URLを置く」のではなく、「情報を紹介する」という意識を持つことが大切です。
クリックされなくても、投稿は残る
その場では記事をクリックされなかったとしても、投稿自体を見てもらえれば、テーマや会社名は目に入ります。
さらにプロフィールを開いて過去の投稿を見てもらえれば、「どんな情報を発信している会社なのか」も伝わります。
そう考えると、リンク投稿の成果はアクセス数だけではありません。
リンク投稿は、「記事への入口」であると同時に、「企業アカウントそのものを育てる材料」でもあります。
そして投稿が積み重なっていけば、ユーザーはホームページを開かなくても、そのSNSアカウントを見るだけで「どんな会社なのか」を少しずつ理解できるようになります。
ホームページに来なくても「どんな会社か」は伝えられる
企業SNSを運用していると、どうしても「最終的にはホームページへ来てもらわなければ意味がない」と考えがちです。
しかし、SNS上の投稿だけでも、会社の雰囲気や考え方、得意分野を伝えることはできます。
ホームページへ移動してもらわなくても、「どんな会社なのか」を少しずつ理解してもらうことは可能です。
投稿テーマの積み重ねが、会社の印象をつくる
例えば、Webマーケティングの情報を継続的に発信していれば、「この会社はWeb集客に詳しそうだ」という印象が生まれます。
採用や人事についてよく投稿していれば、「企業の採用支援にも力を入れている会社なのだ」と認識してもらえるかもしれません。
一つの投稿だけでは伝わらなくても、数か月、数年とテーマを積み重ねていくことで、企業としての専門性や立ち位置が少しずつ見えてきます。
SNSでは、投稿一つひとつよりも、「何について発信し続けている会社なのか」がブランドづくりにつながります。
人柄や考え方も伝えやすい
ホームページでは、サービス内容や実績、会社概要などを整理して伝えることが中心になります。
一方、SNSでは、日々感じていることや仕事への考え方、スタッフの様子、地域との関わりなど、少し柔らかい情報も発信できます。
こうした投稿を見続けてもらうことで、「丁寧そうな会社だな」「考え方が自分たちと合いそうだな」と感じてもらえることもあります。
企業選びでは、サービス内容だけでなく、「どんな人たちが仕事をしている会社なのか」が判断材料になることもあります。
プロフィールと過去投稿が「簡易的な会社案内」になる
SNSで気になる企業を見つけた時、多くの人はプロフィールや過去の投稿を確認します。
そこで、どんなテーマを発信しているのか、最近どんな仕事をしているのか、どんな考え方を持っているのかを短時間で把握します。
つまり、SNSアカウントそのものが、小さな会社案内やオウンドメディアのような役割を持つことになります。
企業SNSは、ホームページへの入口であると同時に、それ自体が「会社を理解してもらう場所」でもあります。
ホームページは「もっと詳しく知りたい時」に見てもらえばいい
だからといって、ホームページが不要になるわけではありません。
詳しいサービス内容、料金、実績、会社概要、採用情報などを確認したい時には、やはりホームページが重要です。
ただし、最初から必ずホームページへ誘導しようとする必要はありません。
SNSで会社を知り、何度か投稿を見て興味を持ち、その後必要になった時にホームページを確認してもらう。
そんな自然な流れでも十分です。
SNSは「今すぐホームページへ来てもらう場所」、ホームページは「すぐに見てもらわなければならない場所」と考え過ぎない方が、企業の情報発信は自然になります。
そして、もしユーザーがSNS上で十分に会社を理解し、そのままDMで相談してくれたのであれば、それも立派な成果です。問い合わせの入口は、必ずしもホームページだけである必要はありません。
問い合わせは、必ずホームページ経由でなくてもいい
企業側としては、問い合わせをホームページのフォームへ集約したくなるものです。
必要な情報を入力してもらいやすく、管理もしやすいため、運用面では合理的です。
ただし、ユーザーにとって最も使いやすい問い合わせ方法が、必ずしもホームページのフォームとは限りません。
InstagramやXのDM、LINE、電話など、ユーザーが相談しやすい場所から問い合わせてもらえれば、それも十分に成果です。
SNSで興味を持った人は、そのままSNSで聞きたいこともある
SNSで企業を知り、投稿を何度も見ている人にとっては、ホームページへ移動して問い合わせフォームを探すより、そのままDMを送る方が自然な場合があります。
「このサービスについて少し聞きたい」「自分の場合も対応できますか」といった軽い相談であれば、なおさらです。
最初から氏名や住所、詳しい相談内容を入力するフォームよりも、短いメッセージの方が心理的なハードルが低いこともあります。
問い合わせの入口は、企業側が決めるのではなく、ユーザーが使いやすい方法を選べる状態にしておくことが大切です。
「SNS→ホームページ→問い合わせ」だけが正しい導線ではない
Webマーケティングでは、「SNSで認知してもらい、ホームページへ誘導し、問い合わせフォームから相談してもらう」という導線を考えがちです。
もちろん、それも一つの理想的な流れです。
しかし、実際のユーザー行動はもっと複雑です。
SNSで知って、そのままDMを送る人もいれば、一度ホームページを見てからSNSへ戻って問い合わせる人もいます。
数か月投稿を見続けた後に、会社名をGoogleで検索して電話する人もいるでしょう。
成果は「SNS→ホームページ→問い合わせ」という一直線の導線だけで生まれるわけではありません。
ホームページは「信頼を確認する場所」でもいい
SNSから直接問い合わせる人でも、その前後でホームページを確認していることがあります。
会社概要、サービス内容、実績、スタッフ紹介などを見て、「本当に相談して大丈夫な会社か」を確認するためです。
この場合、ホームページは問い合わせの入口ではなく、信頼を補強する役割を果たしています。
ホームページは、問い合わせを発生させる場所だけでなく、「この会社に相談して大丈夫」と納得してもらう場所でもあります。
問い合わせ方法を増やし過ぎる必要はない
ただし、SNSもLINEも電話もチャットも、すべて用意すればよいというわけではありません。
問い合わせ経路が増え過ぎると、社内での管理が複雑になったり、返信漏れが起きたりする可能性があります。
重要なのは、自社の顧客が普段どの方法を使っているのかを考え、無理なく対応できる窓口を用意することです。
「問い合わせ方法を増やすこと」ではなく、「ユーザーが相談しやすく、会社側もきちんと対応できること」が重要です。
SNSから直接問い合わせが来るようになれば、「ホームページへの流入が少ない」という数字だけでは、SNSの成果を正しく評価できなくなります。次は、アクセス解析だけでは見えにくいSNSの貢献について考えてみましょう。
SNSの成果はアクセス解析だけでは見えにくい
SNS運用の成果を確認しようとすると、まずGoogleアナリティクスなどで「SNSから何人ホームページへ来たか」を見ることが多いと思います。
もちろん、直接流入数やクリック数は大切な指標です。
ただし、それだけではSNSがどれだけ成果に貢献しているかを正確に把握できない場合があります。
SNSは「最後の入口」になるとは限らないため、アクセス解析だけでは本当の貢献が見えにくい媒体です。
SNSで知って、後から検索する人もいる
例えば、Xである企業の投稿を何度か見て、「この会社、よく見るな」と認識したとします。
その時点ではホームページをクリックしなくても、数週間後にそのサービスが必要になった時、会社名を思い出してGoogleで検索するかもしれません。
その場合、アクセス解析上では「自然検索からの流入」として記録される可能性があります。
しかし、最初に会社を知るきっかけはSNSだったわけです。
問い合わせ直前の流入経路だけを見ると、SNSが作った最初の接点を見落としてしまいます。
「指名検索」が増えることもSNSの成果
SNSで継続的に会社名やサービス内容を見てもらうことで、ユーザーが自社名を覚えてくれることがあります。
すると、「地域名+サービス名」で検索するのではなく、直接会社名で検索してくれる可能性が高まります。
これはWebマーケティングにおいて非常に価値のある状態です。
競合と比較される前に、自社を指名して探してもらえるからです。
SNSによって「会社名を覚えてもらい、後から指名検索される」ことも、立派な成果の一つです。
紹介や口コミにつながることもある
SNSの投稿を見た本人が顧客になるとは限りません。
しかし、「そういえば、こういう会社があったよ」と知人や取引先へ紹介してくれることもあります。
その場合、紹介された人はSNSを経由せず、直接ホームページを見たり、電話で問い合わせたりするかもしれません。
こうした流れも、通常のアクセス解析だけでは把握しにくいものです。
SNSは「見た人を顧客にする」だけでなく、「会社を知っている人を増やす」ことで紹介のきっかけも作ります。
アクセス解析だけで評価すると、短期成果に偏りやすい
SNSからのアクセス数だけを毎月確認していると、「今月は20人しか来なかった」「問い合わせはゼロだった」と、短期的な数字だけで評価しがちです。
しかし、企業SNSは広告のように「今日出して、今日問い合わせを取る」ことだけを目的とするものではありません。
数か月、数年と接点を積み重ねることで、会社の認知や信頼を少しずつ形成していく役割もあります。
SNSは短期的なコンバージョンだけでなく、中長期的な認知や記憶まで含めて評価する必要があります。
それでも数字を見ない、という意味ではない
もちろん、「SNSは数字では測れないから、何も分析しなくてよい」ということではありません。
投稿の表示回数、プロフィール閲覧、フォロワーの増減、リンククリック、DM、指名検索、問い合わせ時の「何を見て知りましたか」といった情報を組み合わせて見ることで、成果は少しずつ把握できます。
重要なのは、一つの数字だけで判断しないことです。
SNSの成果は、「アクセス数」ではなく、認知・接点・記憶・指名検索・問い合わせまでを複数の指標で見ることが大切です。
こう考えると、企業SNSでは毎回大きな反応を狙う必要がないことも分かります。次は、「バズること」よりも「続けること」の意味について考えてみましょう。
企業SNSは「バズること」より「続けること」
SNSというと、「多くの人に拡散されること」や「一気にフォロワーが増えること」が成功のように見えます。
もちろん、大きな反響が生まれれば認知拡大にはつながります。
ただし、中小企業のSNS運用では、毎回バズを狙う必要はありません。
企業SNSで本当に大切なのは、一度大きく伸びることよりも、長く発信を続けられる状態をつくることです。
毎回大きな反応がなくても気にし過ぎない
投稿しても「いいね」が少ない、リポストされない、フォロワーがなかなか増えない。
そうすると、「この運用は意味があるのだろうか」と不安になることがあります。
しかし、企業SNSは一投稿ごとの反応だけで評価するものではありません。
投稿を見た人全員が反応を残すわけではありませんし、何度も見ているうちに会社名やサービス内容を覚える人もいます。
反応が少ない投稿でも、「見られている」「覚えられている」という価値があることを忘れないようにしましょう。
無理な運用ルールは続かない
企業SNSを始める時に、「毎日投稿する」「必ず画像を作る」「毎回オリジナルの内容を書く」と厳しいルールを決めてしまうことがあります。
最初は続いても、担当者の通常業務が忙しくなれば負担になり、やがて更新が止まってしまいます。
それよりも、週に数回、あるいは週に一回でも、無理なく続けられるペースを決める方が現実的です。
SNS運用は「理想的な頻度」よりも、「自社が継続できる頻度」で設計することが大切です。
既存コンテンツをうまく使う
続けるためには、毎回SNS専用のネタを作らなくても構いません。
ブログ記事、施工事例、商品紹介、お客様からよくある質問、採用情報など、ホームページ上にある情報をSNS向けに短く紹介するだけでも十分です。
一つのコンテンツを複数回、切り口を変えて紹介することもできます。
「毎回新しいことを発信する」のではなく、「自社にある情報をどう見せ直すか」と考えると、SNSは続けやすくなります。
続けることで「いつ見ても動いている会社」になる
企業のアカウントを見た時に、最近まで投稿が続いていると、それだけでも安心感があります。
反対に、最後の投稿が何年も前で止まっていると、「今も営業しているのだろうか」と不安を与えることがあります。
定期的な投稿は、会社が継続して活動していることを伝える役割もあります。
継続的な発信そのものが、「今もきちんと活動している会社」という信頼につながります。
バズより「思い出してもらえる状態」を目指す
一度だけ大きく拡散されたとしても、その後まったく投稿しなければ、会社の存在は忘れられてしまいます。
一方で、反応は大きくなくても定期的に投稿を続けていれば、少しずつ接点が積み重なります。
そして、数か月後や一年後にサービスが必要になった時、「そういえば、あの会社があった」と思い出してもらえる可能性があります。
企業SNSのゴールは「一度バズること」ではなく、「必要になった時に思い出してもらえる会社になること」です。
そのためには、SNSとホームページの役割を無理に一つへまとめるのではなく、それぞれが得意な役割を持たせることも重要です。
ホームページとSNSは役割を分ける
SNSとホームページは、どちらも企業の情報発信に使える大切な媒体です。
ただし、同じ役割を持たせる必要はありません。
SNSとホームページは、どちらが上でも下でもなく、それぞれ得意な役割を持たせた方がWebマーケティング全体はうまく機能します。
SNSは「知ってもらう・思い出してもらう場所」
SNSは、日常的にユーザーと接点を持ちやすい媒体です。
新しい記事を紹介したり、最近の仕事について発信したり、スタッフの様子や考え方を伝えたりすることで、会社の存在を継続的に思い出してもらうことができます。
また、投稿がタイムラインに流れてくることで、ユーザー側から積極的に検索しなくても会社との接点が生まれます。
SNSは「詳しく説明する場所」というより、「会社との接点をつくり続ける場所」と考えると分かりやすいでしょう。
ホームページは「詳しく理解してもらう場所」
一方、ホームページは、ユーザーが企業について詳しく調べたい時に強みを発揮します。
サービス内容、料金、実績、会社概要、スタッフ紹介、よくある質問など、SNSでは伝えきれない情報を整理して掲載できます。
「この会社に相談して大丈夫か」「自分の悩みに対応してもらえるか」といった判断材料を提供する役割もあります。
ホームページは、ユーザーが「もっと詳しく知りたい」と思った時に、しっかり答えられる情報基盤です。
すべてをSNSに載せなくていいし、すべてをホームページに誘導しなくてもいい
企業SNSを運用していると、「詳しくはホームページへ」と毎回誘導したくなるかもしれません。
しかし、投稿だけで内容が完結するのであれば、無理にリンクを押してもらう必要はありません。
反対に、料金や事例、詳しいサービス内容など、SNSでは説明しきれないものはホームページへ任せればよいのです。
それぞれの媒体で無理にすべてを完結させるのではなく、「どこで何を伝えるか」を分けて考えることが大切です。
SNSからホームページへ行ったり、戻ったりしてもいい
実際のユーザー行動は、企業が想定するほど一直線ではありません。
SNSで会社を知り、ホームページで詳しい実績を見て、再びSNSへ戻って最近の投稿を確認することもあります。
そのうえでDMから問い合わせる人もいれば、数日後にGoogleで会社名を検索して改めてホームページを見る人もいます。
Webマーケティングでは、「どの媒体からどの媒体へ進ませるか」を固定し過ぎず、ユーザーが自由に行き来できる状態をつくることも重要です。
大切なのは、どこを見ても「同じ会社」に見えること
SNSとホームページの役割は違っても、伝える会社像まで違ってはいけません。
ホームページでは誠実さを打ち出しているのに、SNSでは極端に煽る投稿ばかりしていれば、ユーザーは違和感を覚えます。
発信テーマ、言葉遣い、デザイン、考え方などに一定の一貫性を持たせることで、複数の媒体を行き来しても「同じ会社」として認識してもらえます。
SNSとホームページは役割を分けても、「どんな会社なのか」という軸は一つにしておくことが重要です。
そして、この役割分担を理解すると、SNSからの直接流入が少なくても必要以上に焦らなくなります。次は、アトラボ自身がSNS運用をどのように考えているのかをご紹介します。
アトラボの考え方|SNSは「流入」より「記憶」をつくる
アトラボでは、毎営業日の朝にこのブログの記事をXで紹介しています。
ただし、そこから毎回多くのアクセスが発生しているわけではありません。
それでも続けているのは、SNSの役割を「その日の記事へ送客すること」だけだとは考えていないからです。
私たちは、SNSを「流入を増やす場所」というより、「会社の存在を思い出してもらう場所」として捉えています。
「今日も発信している会社」であり続ける
毎日投稿を見てもらえなくても構いません。
たまたまタイムラインに流れてきた時に、「今日も何か書いているな」と感じてもらう。
別の日には、「ホームページ制作だけではなく、採用やWebマーケティングのことも発信している会社なんだ」と知ってもらう。
こうした小さな接点が少しずつ積み重なっていくことで、会社の存在が記憶に残っていくと考えています。
一回の投稿で何かを売るのではなく、「この分野ならアトラボ」という記憶を少しずつ作っていくことが目的です。
数か月後、必要になった時に思い出してもらえればいい
ホームページ制作やWebマーケティングは、SNSの投稿を見たその日に依頼するようなサービスではありません。
今は必要がなくても、半年後にホームページをリニューアルしたくなるかもしれません。
採用サイトを作りたい、広告を見直したい、集客に困った、といったタイミングが数か月後に訪れることもあります。
その時に、「そういえば、いつもWebの情報を発信していた会社があった」と思い出してもらえれば十分です。
SNSは、今すぐ客を集めるだけでなく、「未来のお客様の記憶に残るための接点」としても価値があります。
ホームページに来なくても、相談してもらえれば成果
もちろん、Xの投稿からこのブログを読んでもらい、そのままホームページを見て問い合わせにつながれば理想的です。
ただ、それだけが成果だとは考えていません。
SNS上で会社のことを十分に知ってもらい、DMから相談をいただいても構いません。
後日会社名で検索してホームページへ来てもらってもいいですし、知人へ「こういう会社があるよ」と紹介してもらう形でも構いません。
大切なのは「どの経路で問い合わせたか」ではなく、「SNSを含めた情報発信が会社を知ってもらうきっかけになったか」です。
SEO・広告・SNSを別々に評価し過ぎない
Webマーケティングでは、SEOなら自然検索から何件問い合わせがあったか、広告なら広告経由で何件獲得したか、SNSなら何クリックされたか、と施策ごとに成果を分けて評価しがちです。
もちろん、数字を確認することは必要です。
しかし実際のユーザーは、SNSで知り、検索で調べ、ホームページで事例を読み、数週間後に会社名を直接検索して問い合わせる、といった複雑な動きをしています。
どの施策が「最後の一押し」だったのかを完全に分けることは難しい場合もあります。
SEO、広告、SNSは競い合う施策ではなく、「知ってもらう→覚えてもらう→調べてもらう→相談してもらう」という一つの流れの中で役割を持たせることが重要です。
SNSの本当の成果は「記憶」にあるのかもしれない
企業SNSでは、どうしてもフォロワー数や「いいね」、リンククリックなど、目に見える数字へ意識が向きます。
しかし、BtoB企業や検討期間の長いサービスでは、その数字だけでは価値を測りきれません。
定期的に発信し、何度も会社名を目にしてもらい、少しずつ得意分野や考え方を理解してもらう。
そして、必要になった瞬間に候補として思い出してもらう。
SNSの本当の成果は、「今日何クリックされたか」よりも、「半年後に何人から思い出してもらえるか」にあるのかもしれません。
だからこそアトラボでは、直接流入の数字だけで判断せず、これからも無理なく続けられる形でSNSを活用していきたいと考えています。

まとめ
企業SNSを運用していると、「ホームページへのアクセスが増えない」「リンクを貼ってもクリックされない」と感じることがあります。
しかし、SNSの役割を「ホームページへの送客」だけに限定すると、その価値を狭く見てしまいます。
SNSには、会社の存在を知ってもらい、何度も接点を持ち、考え方や得意分野を理解してもらい、必要になった時に思い出してもらうという大切な役割があります。
SNSの成果は、「何人ホームページへ送ったか」だけではなく、「何人の記憶に残れたか」という視点でも考えるべきです。
ブログ記事や施工事例、お知らせなどへのリンク投稿も、毎回大きな流入を生む必要はありません。定期的に発信を続けるためのコンテンツとして活用し、企業アカウントそのものを育てていくことにも意味があります。
また、問い合わせは必ずしも「SNS→ホームページ→問い合わせフォーム」という順番で発生するとは限りません。
SNSで会社を知り、後日会社名を検索する人もいれば、ホームページを確認した後にSNSへ戻ってDMを送る人もいます。知人への紹介につながることもあります。
実際のユーザー行動は一直線ではないからこそ、SNS、ホームページ、検索、広告などを一つの流れとして考えることが重要です。
そして、中小企業のSNS運用では、無理にバズを狙ったり、毎日オリジナル投稿を作ったりする必要はありません。
自社が無理なく続けられる頻度で、役立つ情報や会社の日常を発信し続ける。その積み重ねによって、「よく見る会社」「この分野ならこの会社」という認識が少しずつ生まれていきます。
SNSは「ホームページへ連れてくるための場所」ではなく、「この会社を忘れないでもらうための場所」。そう考えると、企業SNSはずっと続けやすくなります。
ホームページへの流入が少ないからといって、すぐにSNS運用をやめる必要はありません。クリック数だけでは見えない「接点」や「記憶」まで含めて、自社にとってのSNSの役割をあらためて考えてみてはいかがでしょうか。




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